とある欲望の幻想破壊《イマジンブレイカー》   作:歌音

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第1章・閑話/欲望のコンビ

「くそっ…カザリが何故!?」

 

ウヴァは急激なダメージを和らげる為、『神城(かみじょう)統真(とうま)』の姿になる。

 

「まさか…アンクのデマカセか…?奴ならその可能性が…「違うよ」…!?」

 

突如、ウヴァの口調が変わる。

 

「間違いなく、あのアンクとかいう子供が言っているのは本当だよ」

 

『ナニィ…お前、何故そんなことがわかる』

 

統真は苦笑して、

 

「まず、カザリは何かを隠して行動するタイプだ。アンクが言っていたように君達は『欲望(グリード)』…その名の通りに行動するなら…どこかで独り占めしたいって気持ちがあるはずだ。それはウヴァにもあるだろ?」

 

『グッ…まあ、そうだな』

 

「多分、大っぴらに独り占めしたら、ウヴァとあのメズールも流石に敵に回る。特にガメルはメズールにべったりだ。今仲違いしたら確実にメズールが勝つ」

 

『お前…結構使えるな。お前みたいな奴を手に入れて俺は…』

 

ウヴァは笑い、

 

『運がいい。頼りになる』

 

「!?」

 

突然、統真は泣き出した。

 

『おい!?どうした!』

 

「ううん…なんでもない」

 

ウヴァの何気ない言葉…それは統真の心をえぐった。

 

親にも反対を押し切って学園都市に来た結果、親は統真を見放した。

 

学校は教師も他の生徒も自分を落ちこぼれ扱いする。

 

そんな自分を…必要としてくれたのは、人間じゃなかったが、統真にとって救いだった。

 

「…ぐすっ…まあ、それよりこれからだ。ウヴァはあまり聞いてなかったけど、カザリは今『幻想御手(レベルアッパー)』を追っている。それを辿ればカザリを見つけられるよ…その前にだ」

 

『なんだ?』

 

統真は息を吐いて、

 

「ウヴァの戦闘能力のダウンを埋めなきゃな…コアメダル、2枚も取られたし…」

 

『うっ…』

 

統真は体を見て、

 

「とりあえずはセルメダルだね。でもな、思ったけどヤミーを造って行動させたらどうしても目立っちゃうね」

 

『しかし、それ以外に方法はないぞ』

 

「ねえ…確かウヴァは他のグリードにはない『能力』があったよね」

 

『ん?ああ…『クズヤミー』か?』

 

昆虫をベースに創造されたウヴァには昆虫のように『群体』の能力がある。

 

そして…完全体になるとその能力をフルに発揮できる。

 

「この間ウヴァと頭脳をリンクさせた時、ウヴァ…君、『完全体』になったら『最強』じゃない?」

 

『ふん、当たり前だ』

 

「まあ、今はその『クズヤミー』だ。ねぇ、こいつら力弱いし感づかれないけど…セルメダル作れないの?」

 

『ん?作れることは作れるが効率が悪い。できて一日一枚程度だ』

 

「それだ」

 

統真は邪悪に笑う。

 

「一日一枚も作れるんなら物凄いよ。流石ウヴァ!」

 

『な、何がだ?』

 

ウヴァはまだ状況が飲み込めていない。

 

「説明するよ。手始めに僕の学校に行こう。安心して…」

 

統真はにっこり笑って、

 

「相棒の僕が…君を本当の『最強』にしてあげるよ」

 

『お、おう。よろしくな』

 

その笑顔にウヴァは

 

(まあ…悪くないな)

 

そう思った。

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