「…『書庫』内の一〇万三〇〇〇冊により、防壁を傷つけた魔術の逆算…失敗。該当する魔術は発見できず。術式の構成を暴き、対侵入者用の特定魔術(ローカルウエポン)を組み上げます」
インデックスはまるで操り人形のように首を曲げる。
「…侵入者個人に対して最も有効な魔術の組み込みに成功しました。これより特定魔術『聖(セント)ジョージの聖域』を発動、侵入者を破壊します」
バギン!
すさまじい音を立て、インデックスの両目にあった魔法陣が一気に拡大しる。
インデックスの前には、直径二メートル強の魔方陣が二つ、重なるように配置された。
「―――――――。 。」
歌うように囁くようにインデックスは何かを呟いた。常人には聞こえない領域の、次元の音。
それと同時に、空間に亀裂が走り、中から何か醜くて汚れた闇の亡者のような存在が顔を見せた。
地獄をかいま見たようなそんな景色知らず知らずのうちに当麻は冷や汗が背中を流れる。
「くそ、かなりの高位魔術だな」
「アンクどうにかならないか!?」
「無理を言うな!腕ならまだしもこの身体が滅びる!」
ダクッ!
その時、割れた空間から放たれた光の柱が、当麻とアンクを襲う。
レーザー光線だ。真っ白なその光の柱が襲い掛かってくる瞬間、
「はっ!」
当麻が右手を前に出す!
「当麻!」
光の柱は消えず、当麻は右手でそれを防ぎ続ける。
アンクは当麻の手を見て驚く。皮膚がどんどんボロボロになっていく。
「その手でも処理が追いつかない魔術だと!?どうやらただの狡っからいガキじゃなかったわけか!」
その衝撃で当麻の部屋が破壊されていく。
「おい!何をやって…!?」
「『
ステイルと神裂が現れる。
インデックスが魔術を使用している事実に、さっきのアンクの言葉が裏付けられる。
「…!?ちょうどよかった!手を貸せ!」
2人に叫ぶ当麻。
「お前らは…俺なんかとは比べものに、ならない、くらい…歯を食いしばってずっと待ってたんだろ!インデックスが俺達が笑って迎えられる
当麻は2人に叫びながら笑って、
「今!手を伸ばせば届くんだ!始めるには最高のタイミングだぜ!魔術師!」
その時!
ガクンッ!
「なっ!」
当麻の足が震えて折れた。
そう…先程から耐えていた変身の疲労の為だ!
「やば…!?」
「『Salvare000』!」
神裂の七閃がインデックスの周りを遅い、インデックスをひるませる。
それにより、『竜王の殺息』は上に向かってはなたれ、それにより上階がうち貫かれる。
夏休みで誰もいなかったらいく人もの死者が出ただろう。
「気を付けて!それは『竜王の殺息』!伝説になる聖ジョージのドラゴンの一撃と同義です。余波の『光の羽』が当たっただけでも危険です!インデックスの元へ!」
それを聞いて当麻はインデックスに向かって走り出す。
しかし…!
「…警告、第六章第三節。新たな敵兵を確認。戦闘思考を変更、戦場の検索を開始…完了。現状、最も難度の高い敵兵『上条当麻』の破壊を最優先します」
当麻に光の球が襲う。
「くそっ!」
当麻はそれを防ぐが、余波で吹っ飛ばされてしまう。
消したそばらか、当麻にさらなる光球が襲う!
それを…!?
「
ステイルのイノケンティウスと
「
作っておいたルーン札を使い、アンクのイノケンティウスが防ぐ。
「なかなか使えるな」
イヤラシイ笑いでステイルを見る。
「貴様…インデックスを救った後、殺してやる!」
当麻はこの隙に立ち上がり、再び向かおうとするが…
「!?」
自身の限界に打ちのめされた。
(た、たてねぇ…!?『変身』でこんなにも…!?)
当麻は自身の無力に嘆くが、すぐに覚悟を決める。
「なら…!」
ズボンの後ポケットからオーズドライバーを取り出して、装着し、左ポケットをまさぐり、『コアメダル』を取り出して、嵌める。
「バカ!?今変身すると!死ぬぞ!」
アンクは叫ぶ。
当麻の体は本人が思っている以上に深刻な事をアンクは気づいていた。
オーズに変身するようになってから短期間の内に何度も変身し、ヤミーだけでなく、カザリとウヴァとまで戦っている。
そう、『|右手(イマジンブレイカー)』の能力以外、タダの人間である当麻には過酷の連続だ。
「はっ…今変身しないで…いつするんだよ…」
当麻はインデックスを見る。
あの食いしん坊で、悲しく笑うインデックスの今の姿を見て、当麻はさらに怒りを増す。
インデックスにこんな仕掛けをした者に…!
こんなところで、もたついている自分に…!
(あとで『ああしてれば、アレをやれてたら』なんていう無様な後悔はしたくない!それじゃあ現実は変わらねぇ!)
当麻は左手でオースキャナーを持ち、スキャンさせる!
「変身!」
《TAKA!》《TORA!》《BATTA!》《TA・TO・BA!TATOBA!TA・TO・BA!》
力のリングが当麻を囲み、当麻をオーズに変身させた。
オーズは立ちあがる!しかし!
「『欲望の書』に記されし、『禁忌の魔王・オーズ』を確認。対処法不明。その為最大の攻撃による撃破を試みます」
「くっ!」
インデックスによって
その攻撃はなんとか防ぐが、オーズの体制は崩れる。
攻撃のダメージもあるが…コアメダルの力がうまく集まらない。
オーズの体が霧散して、変身が解除された。
「くそっ!」
魔女狩りの王《イノケンティウス》を解除され、吹き飛ばされたアンクは状況を確認する。
(最悪だ…こうなったら、『使い捨てる』か…)
自分が現在持っているウヴァのメダルを確認する。
(『コンボ』なら…あんなガキを殺すことなど、たやすい)
しかし、それは本当に最悪の事態だ。
自分は生き残るが、当麻とインデックスを確実に失う。
そんな最悪の選択をアンクが考えている中、
(くそっ!くそっ!全然力が集まらねぇ…俺は…)
当麻は己の無力さに絶望している。
(なんて弱いんだ!?)
自分の力がない…でも…
(諦められるか!)
当麻は、再びオースキャナーを『右手』で持つ。
「力を…寄越せよ…」
最後の力を振り絞るように、当麻は立ち上がる。
「俺の欲望…全部やる!いや、俺を…」
当麻はオースキャナーが潰れそうなくらいに握り締める。
「俺をくれてやる!インデックスを救う為の力を…!」
当麻は変身の構えをとって、
「『魔王』になるための力を…!寄越せ!」
その時、余裕がなくて誰も気づいていなかった。
当麻が
そして、共鳴するかのようにオースキャナーが光っていた事に…
「変ッ!身ッ!」
オースキャナーでコアメダルを読み取る。
鳴り響いたのは!
《SU・PE・R!》
『なっ!?』
ステイルや神裂だけではなく、アンクも当麻を中心にから溢れ出す絶大な力に驚く。
それはまるで…
《TATOBA!》
「ぐ、ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
《TA・TO・BA!》
世界を滅ぼしてもおかしくない力だった。
ドゴォォォォォォォォォッ!
『!?』
三色の光が柱となり、上の階層を消滅させた。
三色の光はこの日、学園都市のある重要な人工衛星を破壊した。
「馬鹿な!?」
アンクは信じられないものを見ていた。
「『コンボ』でもないのに『メダル』の本当の力を出せるわけがない!?」
(そんなこと…自分達を封印した800年前の『あいつ』ですら出来なかったぞ!)
当麻が変身したオーズの体が変わっていく。
タカ・ヘッドの翼のモチーフが広がり、トラ・クローが凶悪に伸び、バッタ・レッグが本当の飛蝗のような足になる。
オーズが走る!
目の前で消し去られそうな彼女の
インデックスが迎撃する!しかし、それらを全て消滅させ、オーズはインデックスの目の前にたった。
「この世界が…神様の作った
オーズの右手部分に罅が走り、割れ、生身の右手…『
「まずはその幻想をぶち殺す!」
インデックスの頭に触れた!
バギンっ!!
「…警、こく。最終…章。第、零…『首輪』、致命的な、破壊…再生、不可…消」
インデックスはそういいながら静かに倒れた。
「ははっ…」
インデックスを慈しむように確認しながら、オーズが膝をつき、変身が解ける。
「俺、守れ、たんだ…」
静かに眠るインデックス…
何かを叫んでいるアンク達…
「確かに…こんな風に救えるなら…かまわないかもな…」
その残酷な所業は『神』の仕業なのか?それとも『運命』なのか…
「魔王ってのも…」
一片の白い羽が、『優しい魔王』から『