とある欲望の幻想破壊《イマジンブレイカー》   作:歌音

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第1章・エピローグ/Anything Goes! 〜無くした記憶(モノ)は心の中に〜

病室(へや)、間違えてませんか?」

 

その言葉はインデックスの心を抉り取った。

 

初めて会う赤の他人に言うような一言…その言葉を『上条当麻』に言われたのだ。

 

『あれは記憶喪失というよりも記憶破壊だね?』

 

先程の医者の声が蘇る。

 

『思い出を『忘れた』のではなく、物理的に細胞の一つ一つが破壊されてるね?あれじゃ、思い出す事はまず無理だとおもうよ?まったく、頭蓋骨をこじ開けてスタンガンでもつっこんだのかい?』

 

「…………」

 

「あの、ひょっとしてどこかで会った?」

 

無理矢理作った自分の笑顔を、当麻は破壊する。

 

それでも…

 

「あの、大丈夫ですか?なんだか君、物凄くつらそうだ」

 

「大……丈夫だよ。大丈夫にきまってるよ」

 

「…あの、ひょっとして、俺たちって知り合いなの?」

 

インデックスはニッコリ笑う。悲しく笑う。

 

「当麻、覚えてない?私たち、学生寮のベランダで出会ったんだよ?」

 

「…俺、学生寮に住んでんの?」

 

「当麻、覚えてない?アンクのバカと当麻のせいで、私の『歩く教会』が壊れちゃったんだよ?」

 

「…あるくきょうかいって何?アンクって?教会?……散歩クラブ?」

 

「当麻、覚えてない?とうまは私のために魔術師と戦ってくれたんだよ?」

 

「…当麻って、誰の名前?」

 

「当麻覚えてない?…インデックスは、当麻のこと、大好きだったんだよ?」

 

「ごめん…インデックスって何?人の名前じゃなさそうだから…俺、犬か猫でも飼ってんの?」

 

彼女の笑顔がボロボロになった時…

 

「なんつってな。引ーかかったぁ!あっははっのはー!」

 

笑い声が響いた。

 

 

 

 

 

 

しばらくして、ぷんぷんと怒りながらインデックスは病室を出ていた。

 

その為にずっと病室の前にいたアンクに気付かなかった。

 

アンクは病室に入り、

 

「お兄ちゃん大丈夫?どこも痛くない?」

 

当麻に声をかける。

 

「ん?大丈夫に決ってるだろ。ほら子供が心配すんな」

 

「…やっぱりお前記憶をまったくないだろ」

 

当麻は少年が放つ乱暴な声に驚いた。

 

アンクは備えられている小型テーブルの上においてあった手紙を見る。

 

「成程、これでとっさに対応したのか。まあ、あの単純小娘は騙せたな」

 

「…それに書いてある事が全部、真実(ほんとう)なのか?」

 

「ああ、そうだ。で、なんであんな嘘を吐いたんだ?」

 

当麻はアンクを見て…

 

「なんでだろうな…なんか…あの子にだけは泣いてほしくないなって思ったんだよ。案外、俺まだ覚えてるのかもしれないな」

 

「お前の記憶は全部消し炭になった。どこに記憶があるっていうんだ?」

 

「そりゃモチロン…心さ」

 

アンクは右手を握り、

 

「…まったく。馬鹿は死ななきゃ治らないっていうが…」

 

ガンッ!

 

『本当の右手』に戻して、当麻を殴った!当麻はベットの下に落ちる。

 

「死んでも治らんみたいだな」

 

「いってぇぇぇぇ!怪我人に何すんだよ『アンク』…あれ?」

 

聞いてもいない『アンク』の名前を思い出した当麻。

 

「お前が今まで稼いできたセルメダルを使って、俺やグリード、オーズに関する記憶だけを部分的に再生させた。まったく…せっかく稼いだというのに…!」

 

「お、お前…」

 

「勘違いするなよ。手駒の使い勝手が悪くなるのが困るだけだ」

 

そんなアンクを見て当麻は笑う。

 

「サンキュなアンク。お陰で…って逆に混乱しそうだけどな。記憶が…虫食いみたいな状況だぞ、コレ」

 

「ふん。どうだ?俺が完全復活すれば記憶を完全に戻せるぞ。少しはメダル集めを優先させる気になったか?」

 

「…それは、ないな。お前が完全復活して、世界を飲み込む時。それは俺達が…」

 

幻想殺し(ミギテ)』をアンクに向け、

 

「殺し合う時だ」

 

「ちっ」

 

アンクも当麻に『本体(ミギテ)』を向ける。

 

「いらん事まで思い出しやがって」

 

「まあ…」

 

当麻は笑って、

 

「付き合うぜ、化物(あいぼう)

 

「ふん、手駒らしく従えよ、相棒(ばけもの)




一巻終わりです。

最後の二人のセリフの瞬間、ロックの女王のOPが流れるイメージで読んでください。

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