「
その言葉はインデックスの心を抉り取った。
初めて会う赤の他人に言うような一言…その言葉を『上条当麻』に言われたのだ。
『あれは記憶喪失というよりも記憶破壊だね?』
先程の医者の声が蘇る。
『思い出を『忘れた』のではなく、物理的に細胞の一つ一つが破壊されてるね?あれじゃ、思い出す事はまず無理だとおもうよ?まったく、頭蓋骨をこじ開けてスタンガンでもつっこんだのかい?』
「…………」
「あの、ひょっとしてどこかで会った?」
無理矢理作った自分の笑顔を、当麻は破壊する。
それでも…
「あの、大丈夫ですか?なんだか君、物凄くつらそうだ」
「大……丈夫だよ。大丈夫にきまってるよ」
「…あの、ひょっとして、俺たちって知り合いなの?」
インデックスはニッコリ笑う。悲しく笑う。
「当麻、覚えてない?私たち、学生寮のベランダで出会ったんだよ?」
「…俺、学生寮に住んでんの?」
「当麻、覚えてない?アンクのバカと当麻のせいで、私の『歩く教会』が壊れちゃったんだよ?」
「…あるくきょうかいって何?アンクって?教会?……散歩クラブ?」
「当麻、覚えてない?とうまは私のために魔術師と戦ってくれたんだよ?」
「…当麻って、誰の名前?」
「当麻覚えてない?…インデックスは、当麻のこと、大好きだったんだよ?」
「ごめん…インデックスって何?人の名前じゃなさそうだから…俺、犬か猫でも飼ってんの?」
彼女の笑顔がボロボロになった時…
「なんつってな。引ーかかったぁ!あっははっのはー!」
笑い声が響いた。
しばらくして、ぷんぷんと怒りながらインデックスは病室を出ていた。
その為にずっと病室の前にいたアンクに気付かなかった。
アンクは病室に入り、
「お兄ちゃん大丈夫?どこも痛くない?」
当麻に声をかける。
「ん?大丈夫に決ってるだろ。ほら子供が心配すんな」
「…やっぱりお前記憶をまったくないだろ」
当麻は少年が放つ乱暴な声に驚いた。
アンクは備えられている小型テーブルの上においてあった手紙を見る。
「成程、これでとっさに対応したのか。まあ、あの単純小娘は騙せたな」
「…それに書いてある事が全部、
「ああ、そうだ。で、なんであんな嘘を吐いたんだ?」
当麻はアンクを見て…
「なんでだろうな…なんか…あの子にだけは泣いてほしくないなって思ったんだよ。案外、俺まだ覚えてるのかもしれないな」
「お前の記憶は全部消し炭になった。どこに記憶があるっていうんだ?」
「そりゃモチロン…心さ」
アンクは右手を握り、
「…まったく。馬鹿は死ななきゃ治らないっていうが…」
ガンッ!
『本当の右手』に戻して、当麻を殴った!当麻はベットの下に落ちる。
「死んでも治らんみたいだな」
「いってぇぇぇぇ!怪我人に何すんだよ『アンク』…あれ?」
聞いてもいない『アンク』の名前を思い出した当麻。
「お前が今まで稼いできたセルメダルを使って、俺やグリード、オーズに関する記憶だけを部分的に再生させた。まったく…せっかく稼いだというのに…!」
「お、お前…」
「勘違いするなよ。手駒の使い勝手が悪くなるのが困るだけだ」
そんなアンクを見て当麻は笑う。
「サンキュなアンク。お陰で…って逆に混乱しそうだけどな。記憶が…虫食いみたいな状況だぞ、コレ」
「ふん。どうだ?俺が完全復活すれば記憶を完全に戻せるぞ。少しはメダル集めを優先させる気になったか?」
「…それは、ないな。お前が完全復活して、世界を飲み込む時。それは俺達が…」
『
「殺し合う時だ」
「ちっ」
アンクも当麻に『
「いらん事まで思い出しやがって」
「まあ…」
当麻は笑って、
「付き合うぜ、
「ふん、手駒らしく従えよ、
一巻終わりです。
最後の二人のセリフの瞬間、ロックの女王のOPが流れるイメージで読んでください。