とある欲望の幻想破壊《イマジンブレイカー》   作:歌音

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第二章・第3話/『悪魔』と『シスター』と『会長』と…

「アンク、どこいくの?」

 

病院から出ようとしたアンクにインデックスは後ろから声をかけた。

 

「ねぐら探しだ」

 

「ねぐら?」

 

「お前が見事に寮を破壊してくれたおかげでねぐらがないんだよ。早急に探さないとまずい」

 

「そんなに?じゃあ、教会に行こうよ」

 

「そんなところに行けるか!」

 

「それに、今魔術師が襲ってきたらどうするの?それにわたしのごはんは!?」

 

アンクはため息を吐いて、

 

「俺のツールフォンに…そうだった。お前、電話使えなかったな、原始人」

 

「むかっ!古代生物に言われたくないかも!」

 

「んだとぉ!『ベル』とか言う人間が電話作ってから何年たったと思ってるんだ!バカな懐古主義に浸ってるからバカみたいに廃れるんだよ、魔術師(げんしじん)が!」

 

「なんたる暴言なんだよ!この悪魔!神の裁きがおりるときなんだよ!」

 

歯を光らせるインデックス。

 

「やるか暴食シスター!」

 

『右手』を変化させ、まさに神の使徒と悪魔の戦いが始まろうと…

 

「病院内はお静かに」

 

その声に2人は同時に振り向く。そこには

 

「お姉さんダレ?」

 

「貴様…鴻上とかいうふざけた奴の?」

 

鴻上ファウンデーション会長秘書・里中エリカ。

 

「アンク様にインデックス様、当社会長・鴻上がお呼びです。ご足労願えますか?」

 

 

 

 

 

 

 

「ようこそアンク君!そして初めましてだね、インデックス君。君と私との出会いに…」

 

パァァァァァンッ!

 

鴻上光世はテンション高く挨拶をし、クラッカーを派手に鳴らす。

 

「は、はじめまして。インデックスです」

 

「よくいらしてくれた。私としても嬉しいよ」

 

インデックスに手を握手の手を差し出す鴻上。

 

インデックスが握ると、そのままブンブン握手し、アンクをみる。

 

「アンク君、今日は以前の『商談』の話の返事を聞きたくて来てもらった」

 

「なんだと…ふざ…」

 

鴻上が手を挙げて、止める。

 

「その前に…インデックス君!」

 

「は、はい!?」

 

突然名前を呼ばれてビビるインデックス。

 

「お腹が空いているだろう?」

 

「は、はひ…!」

 

「うむ!子供がお腹を空かしてはいけない。『欲望』と体調の良好の限り食べなければ…里中君!」

 

「はい」

 

里中が隣の部屋の扉をあけると…

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

その向こうには…中華料理の満貫全席が!

 

「中華は嫌いかね?最高級の料理を用意させてもらった」

 

鴻上は涎を垂れ流しているインデックスににっこり微笑んで、

 

「好きなだけ食べなさい」

 

「いいの…?いいのお爺さん!?」

 

「もちろん!さあ、よく噛んで食べるんだよ」

 

喜びの声を上げながらテーブルに座り、料理を食べ始めるインデックス。

 

それを満足そうに見ている鴻上。

 

「…さてと、商談といこうかアンク君」

 

「答えは決まっている。ノーだ!俺はテイクは好きだが、ギヴは嫌いなんでな」

 

当たり前のようにアンクは言う。それに対して鴻上は…

 

「そうかね?君にそんな余裕があるのかな?」

 

「…なに?」

 

鴻上は不敵に笑っていた。

 

「まず、ひとつ。ライドベンダーもカンドロイドも、私の一言で使えなくなる。そして、私が不慮で死んだ場合、全てがタダの鉄屑になるのだよ」

 

「なっ…!?」

 

「そして…オーズである上条当麻君だ」

 

アンクは更に顔色を変える。

 

「上条君を診察した医師…『冥土帰し(ヘヴンキャンセラー)』君とは懇意の中でね。彼が私のお気に入りで、ぜひ彼の今後を支援したいと言ったら喜んで教えてくれたよ。そして、これは少し非常識だと思うが、監視カメラで見せてもらった。彼はオーズとグリードに関する事以外の記憶を失っていること…をね」

 

「………」

 

(くそっ!やばい奴にやばい事を知られた…!)

 

「だから彼の気持ちを慮って、インデックス君を別室に引きつけた…上条君大変だろうね。オーズとグリードの記憶以外を失くしたという事は、かなりの痛手だ。日常生活で手一杯で闘いが疎かになってしまうかもしれないな」

 

「…くっ」

 

確実にあり得る話だ。記憶を失う…真っ白になるっていうのは、言葉にすれば簡単だが、事実はただ事ではない。

 

「どうするかね?アンク君」

 

アンクは歯ぎしりをし、

 

40%(よんじゅう)だ…!」

 

アンクは声を絞り出す。

 

鴻上はにっこり笑って、

 

70%(ななじゅう)

 

アンクは目を見開き、

 

「そんなに払えるか!」

 

「♪~」

 

暢気に鼻歌を歌う鴻上。

 

ギリギリッ…!

 

歯軋りが響く。

 

「ご、50%(ごじゅう)…」

 

「な~なじゅ~♪」

 

「…!?」

 

アンクは『右手』で鴻上の首を刎ねてしまおうかと思ったが

 

『よろしくな、化物(あいぼう)

 

ギリギリ…

 

アンクの『右手』が凶悪な音を立てる

 

「…60%(ろくじゅう)だ!これ以上はだせん!」

 

それを聞いた鴻上はニッコリ笑って、リボンのついた箱を出す。

 

「君と私の契約に…Happy Birthday」

 

箱を蓋のように上げると、中身が露わになる。

 

いつものようにケーキだった。そしてプレートには

 

『60%』

 

「き、貴様ァァァァ…!?」

 

「まあ、本来なら手付に100枚ほど貰いたいところだが…上条君の記憶を直して君も大変だろう。そこでだ!我が社も契約してくれたからには、最大限にサポートしよう!」

 

鴻上は立ち上がり、

 

ケーキを持って、隣の部屋に向かう。

 

里中が扉を開け、

 

「インデックス君!デザートだよ!」

 

「うわぁい!ありがとうお爺さん」

 

「はっはっはっ、なぁに。それを食べたらお爺ちゃんとお出かけだよ」

 

おいしそうにケーキを食べるインデックスを見ながらニコニコしている鴻上を後ろから『いつか殺してやる』的な目で見るアンクだった。

 

 

 

 

 

『おお~』

 

2人は扉を開けて、声を上げる。

 

ここは、学園都市の中でも第1位の最高級マンション。

 

その最上階はワンフロアが一つの部屋となっている。

 

「上条君の寮が崩壊し、他の寮生の対策もちゃんとしている。上条君にはこれから我が社と友好関係を築きたいからね。これぐらいの事はさせてもらうよ」

 

明らかに3人で住んではあまる部屋数。巨大なリビング。いったいどれだけの金持ちが住む家なのだ?

 

「それに上条君には当社からの援助金も支払おう。なあに、セルメダルの価値に比べたら微々たるモノだ」

 

「…ヤケにメダルを欲しがっているな?どうしてだ?」

 

「………」

 

アンクは鴻上を睨む。

 

「俺達グリードは自分の体を維持する為に、メダルを欲する。ところがお前はなぜメダルを集める。貴様ら人間が大魔術と言っているモノだって、数枚で可能とする代物だ。それを大量に集めて貴様はどうする?」

 

「…それは秘密だ」

 

「ふん…まあ、いい。こうなったら貴様を最大限に利用してやる。俺が完全復活する為にな」

 

睨みつけるアンク。

 

笑顔の鴻上。

 

「まあ、いい関係を築こうじゃないか。インデックス君!少しいいものをがある!」

 

とインデックスに近づく鴻上。

 

(いったい何を考えてやがる…)

 

アンクの鴻上の疑心暗疑が深まるばかりだった。

 

 

 

 

数時間後…

 

『ふざけているのかしら、このお値段は!』

 

「失礼な事を…正規の値段だよ」

 

モニターの向こうから金髪の女性が声をあげて怒鳴っている。

 

先日送った『請求書』の件でだ。

 

『0がいくつありけるの!私の責任問題になってしまうのことよ!?それで良きかしら!?』

 

「責任を取るのが上司の仕事だよ。当たり前のことじゃないか?」

 

『~~~!』

 

とんでもない雑言になってきたので、

 

「それで提案があるのだが?」

 

『提案?』

 

「君達がどうしても解析できず、使用もできない放置している『紅のコンドル』をその金額と『魔のメダル』1000枚で譲ってほしい。なお、この交渉を一方的に反故にする場合…私はイギリスを大恐慌にする事を誓うよ」

 

 

 

 

 




みなさん。

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