とある欲望の幻想破壊《イマジンブレイカー》   作:歌音

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序章・第2話/『欲望』の誤算

当麻がアンクを幻想殺しでアンクの体を崩壊させた数時間後…

 

「ん…なんだ?」

 

他の4人のグリードは学園都市を彷徨っていた。

 

「体…変だ?」

 

『ガメル』が不思議そうに体を見る。

 

「決定的に足りないのよ、『メダル』…それも『コアメダル』が」

 

『メズール』が体を眺めながらいった。

 

「なぜだ!?『メダル』が勝手に無くなるはずはない!それに、『ギル』と『ガラ』はどこへいった!?」

 

『ウヴァ』が激昂する。

 

「アンクが握っているのをみたよ」

 

『なに!?』

 

『カザリ』の言葉に他の3人は驚いた。

 

「アンク…」

 

「まさか…存在すら危ういと思ったのに…」

 

「ヤツめ!目覚めても喰えないヤツ!」

 

「あはははは…はぁ~ぁ~…」

 

 

 

 

 

カマキリヤミーが当麻…オーズに襲い掛かる。

 

「うわっ!?」

 

オーズはびっくりして、両手で受け止める。

 

「なに!?」

 

すると胸に描かれた『虎の紋章』が輝く!

 

すると両腕の爪がしっかりとセットされ、

 

「はぁっ!」

 

ガキンッ!

 

「ギャアッ!」

 

カマキリヤミーを切り裂く!

 

痛み転がるカマキリヤミーの傷から、

 

チャリン…チャリン…

 

無数のメダル…『セルメダル』が零れる。

 

オーズの胸の『飛蝗の紋章』が輝き、足にパワーが満ちていく。

 

「おおっ!何か力が体の中に溜まってくぅっ!」

 

オーズはそのまま重力を無視したジャンプでカマキリヤミーを蹴りまくった!

 

チャリン!チャリン!チャリン!

 

落ちていく『セルメダル』。

 

「この…!」

 

カマキリヤミーは怒り心頭でオーズを鎌で切り裂く。

 

「いだ、いだだ!?」

 

すると体の力が弱まる。

 

「え?なんだ?」

 

「当麻!」

 

「アンク?」

 

「中央をこいつに換えろ!」

 

アンクは更にもう一枚『コアメダル』を取り出し、

 

チャリン!

 

オーズに渡した。

 

「あ、あぁ!」

 

『コアメダル』を受け取り、襲い掛かるカマキリヤミーを蹴って、

 

ガチャ…

 

「ん?」

 

『トラ・コアメダル』を取り出し、受け取ったもう一枚の緑のメダル『カマキリ・コアメダル』を入れて、

 

キィン、キィン、キィィンッ!

 

オースキャンで再び力をスキャンする。

 

《TAKA!》《KAMAKIRI!》《BATTA!》

 

今度は歌は響かなったが、(虎の爪)の代わりに(蟷螂の鎌)が現れた!

 

「アンク!?『コアメダル』を渡せ!」

 

二枚目である己の主人の『コアメダル』を見て激昂したカマキリヤミーはオーズに襲い掛かるが、

 

「もうやられるかぁっ!」

 

ガキン!ガガキンッ!

 

「ギャアァァァッ!」

 

「おおっ!?使いやす!」

 

オーズはそのまま刃に力を集中!

 

「はぁぁ…ハァッ!」

 

『飛蝗のジャンプ』で飛び、

 

「シャァァッ!」

 

『鎌力の刃』でカマキリヤミーを切り裂いた。

 

「グァァァァァァァァァァァァァァッ!」

 

大量のセルメダルが地面に散らばり、オーズは蟷螂ヤミーに勝利した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鴻上ファウンデーションの会長室…

 

「Happy Birthday to You」

 

モニターを見ながら、鴻上会長は新しいケーキを作っていた。

 

「Happy Birthday Dear …」

 

今度はラズベリーとブルーベリーをふんだんに乗せたチョコレートケーキだ。

 

ウェハース製のネームプレートにチョコソースで流麗に

 

OOO(オーズ)…」

 

まるで…その『誕生』を待ちわびていたかのように、満ちた言葉でつぶやいた。

 

 

 

 

 

 

「さぁ『メダル』を拾うぞ!俺の身体となるメダル!」

 

「おいおい、ちょっと待てよ。変身ときたい…」

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

バチッ!

 

「うぉっ!?」

 

「ぎゃぁっ!あれ?あんま効かねぇ…?」

 

突然、電撃が来て、アンクは交わし、オーズは直撃したがあまり効果は無かった。

 

「何をする小娘!?」

 

「誰が小娘よマドハンド!今の怪物は何!?なんでアタシらを襲ってくるのよ!?」

 

電撃の原因はもちろん美琴。

 

美琴は一枚『セルメダル』を拾い、

 

「あの化物から出てきたこの『メダル』にも秘密がありそうね」

 

「おい!俺のに触るな!?」

 

「それにアンタ!」

 

「な、なんだよ」

 

「なんでアンタが『仮面ライダー』に変身できんのよ!ずるいじゃない!変わりなさいよ!」

 

「仮面…ライダー…」

 

オーズは顔をペタペタ触り、歩道ミラーで自分を見ると、

 

「おおっ!ホントに『仮面ライダー』だ!まさか上条さんの人生で『仮面ライダー』に変身する事になるとは!今日はもしかしたら人生最良の日か!?」

 

「なんだよ、『カメンライダー』って…ん?」

 

みると『セルメダル』に妙なものが集っていた。

 

「おい、当麻。なんだあれは?」

 

「ん?ありゃ?なんだろ?鳥?」

 

すると、『鳥』は『セルメダル』を持って飛んでいった。

 

「おい!それに触るな!?」

 

他の『セルメダル』も『鳥』が容赦なく持って行く。

 

「ふざけるな!それは俺のだ!」

 

アンクは最後の一枚を持って行こうとする『鳥』の『セルメダル』をつかんで、奪い取った。

 

「ちっ…!せっかく倒したのに!」

 

「え…とっ…」

 

オーズは斜めになっているオーズドライバーをまっすぐにする。

 

変身が解け、戻った。

 

「なんだあれは!?」

 

「知らねぇよ!お前の他の『Greeed』の手下じゃねぇのか!?」

 

「あんな下僕いるか!いたらとっくに使っている!?くそっ…俺が封印されてる間に何があった…」

 

「そりゃあ800年経てばな…」

 

「ちょっと…」

 

『へっ?』

 

「あんたら!私を無視するな〜!」

 

バリバリビリビリビリッ!

 

『ギャァァァァァァァッ!不幸だぁぁぁ〜』

 

素晴らしい叫びのセッションだった。

 

叫びのむこうで、一台のバイクが走り去った事も気づかずに…

 

 

 

 

『セルメダル』を咥えた『鳥』は鴻上ファウンデーションの会長室に到着した。

 

『鳥』達は『セルメダル』を置くと、変形し、『缶』のような形になった。

 

「見たまえ里中君。たった一日でこれだよ…どうやら私のライフワークには、必要なのかもしれないね」

 

上機嫌で『セルメダル』の山を見る鴻上会長。

 

「グリードも…オーズも…」

 

 

 

 

 

 

「へぇ~、800年間アンタは封印されてた訳ね」

 

美琴はアイスキャンディー・サイダー味(当麻の金で買ったもの)を食べながら、アンクの説明を聞いていた。

 

「そうだ。俺達『グリード』は『コアメダル』を元にして創られた。冷たいなコレ」

 

アイスキャンディー・オレンジ味(当麻の金で買ったもの)を手に入れて、食いながら美琴に説明するアンク。

 

「おふたりとも…上条さんに『サンキュー』はナシですか?」

 

アイスキャンディー・バニラ味(自分の金で買ったもの)を食べて当麻は文句を言った。

 

アンクは赤い自分の『コアメダル』と2枚の『セルメダル』を出す。

 

「とっとと、『メダル』を集めたいんだがな…」

 

「アンタもさっきのバケモンみたいにメダルで出来てるわけ?」

 

「ああ…ヤミーか。メダルにも2種類あってな…『コアメダル』と『セルメダル』だ。今お前が食っているアイスが『セル』で、棒が『コア』だ。『コア』を中心に『セル』がくっついているのが…封印されていた俺を含む7人のグリードだ」

 

アンクは当麻を指し、

 

「さっきこいつが倒したヤミーは…棒のないアイスだと思っとけ」

 

「ふ~ん、つまりアンタは『ショッカー』でいう所の、『地獄大使』や『ゾル大佐』ってわけね」

 

「古いな…『カテゴリーK(キング)』だろ」

 

「アンタとはいっぺん『昭和ライダー』について話し合う事が必要ね」

 

「電撃迸りながら言うな」

 

当麻はビビリながら、『平成ライダー』の素晴らしさを話す事を誓っていた。

 

 

 

 

「あ〜あ、金がねぇ…」

 

男はイライラしながら街を歩いていた。

 

手持ちの金が尽きてしまい、近くにいい『カモ』がいないか探していた。

 

「あ〜あ、いっその事、仲間集めて銀行でもやっちまうか…」

 

しかし、男にはそれが無理な事がわかるくらいの知恵があった。

 

『LEVEL0』の自分がそんな事をしても高LEVELの『風紀委員会(ジャッジメント)』にヤラれてしまう。

 

「あ〜、イライラする」

 

男はイライラで出てきた頭の汗を拭う…

 

「ん…」

 

何かが自分の頭に付いていることに気づく。

 

ガシッ!

 

「うわっ!」

 

突然肩を掴まれて、引っ張られる。

 

「な、何だコラァ…あ、ぁぁ…」

 

男の顔が青く染まる。

 

自分の目の前にいた、緑色の化物に…

 

「その『欲望』…解放してやる」

 

 

 

学園都市の植林地…

 

「ウヴァがまたやるらしいね。『セルメダル』だって貴重なのに…余裕あるよね」

 

カザリが感心そうに言う。

 

「少なくともあいつの『コアメダル』は2枚『オーズ』に使われてるもの。じっとしてらんないんでしょ」

 

メズールが肩を竦めて言う。

 

「うぅ…」

 

ガメルは木に止まった虫を見ながら、

 

ヴァキャッ!

 

木をいる虫を目掛けて殴る。その一撃は虫と一緒に木を抉り削った恐ろしい力だが…

 

「あれ?」

 

不思議そうに木を見る。

 

「コアメダルさえ揃っていれば…今頃この世界を好きに飲み込めていたものを…」

 

メズールの言葉に、グリード達は自分の体を忌々しそうに眺めた。

 

 

 

 

「俺達グリードにとって重要なのはコアメダルだ。こいつが封印されている間に何枚か無くなった。棒が無ければアイスはくっつかない。だから誰一人完全な復活ができないってわけだ」

 

「仲間のコアはアンタが持ってきたんでしょ?」

 

「少しな…俺はこれだけしか戻れなかった…しかも…」

 

アンクは忌々しそうに当麻を見て、

 

「こいつにせっかく何とかできた体を壊されるわ…」

 

「はっはっはっ、上条さんはまさに正義を行ったというわけですな」

 

「偶然のくせになんで偉そうなのよ。たくっ…で?『セルメダル』ってのを手に入れるには『ヤミー』って化物を倒す必要があるわけ?」

 

「そうだ、人間に『セルメダル』を入れればヤミーが生まれる」

 

「…なんで人間に入れなきゃならないわけ?」

 

「そういえば…俺もそこは詳しく聞いてないな」

 

「あん…いいかセルメダルの元は…はっ!」

 

チャリン…

 

「『セルメダル』の音だ…」

 

『え!?』

 

「こっちだ!」

 

 

 

 

当麻達がついたのは大手銀行の支店だった。

 

みると何か騒がしい3人は忍びこんでみると…ミイラのような化物が現金を食っていた。

 

「も、勿体ねぇ」

 

「あれが『ヤミー』ね」

 

「ああ、棒のないキャンディーだ」

 

「おい」

 

当麻は手をアンクに向ける。

 

「ん?なんだ?」

 

「出せよベルトとメダル。変身して倒すんだろ」

 

パンッ…

 

アンクは当麻の手を払った。

 

「まだだ。今倒してもメダルは一枚しか手に入らない」

 

「どういうことだ?」

 

「ヤツは餌を喰って成長する。その後で倒せば何枚も…上手く行けば100枚単位で手に入る」

 

「ちょっとアンタ何言ってんのよ!あいつの食っているのは「『欲望』だ」…え?」

 

「セルもコアも…メダルの元は、『人間の欲望』だ」

 

それを聞いて、当麻と美琴は、人間としての『何か』を突き付けられた。

 

 

 

 

 

「『欲望』!」

 

鴻上ファウンデーションの会長室で鴻上会長は叫ぶ。

 

「純粋で素晴らしいエネルギー!ケーキも!テーブルも!」

 

生クリームを電動泡立てで生クリームを混ぜながら!

 

「家も!ビルも!街も!国も!学園都市も!宗教も!科学も!魔術も!知識も!魔力も!」

 

更に声を上げて、

 

「すべて人間が欲しい!と想ってできた欲望の塊!そられを最上と掲げる前に人間の持つ『欲望』を見れない者など!大統領だろうが、教皇だろうがなんだろうが!須らく愚か者だ!そうだろ『後藤』君!」

 

鴻上会長は自分の部下『後藤 慎太郎』に言う。

 

勢い良く振り向いた時に後藤に生クリームがかかったが、彼は微動だにしない。

 

「その2つからお手紙と招待状です。『風紀委員会』の寄付のお礼のお手紙と高層ビルの竣工記念パーティー」

 

エリカはお手紙と招待状を鴻上会長に渡す。

 

鴻上会長はお礼の手紙の封をを乱暴に破り、代表者である『固法美偉』『白井黒子』『初春飾利』の手紙を読み、

 

「素晴らしい!」

 

叫び放り投げる。

 

「欲しいものが手に入った時の声は、感謝の言葉だろうと、恨み言だろうと!実に充実している!」

 

そして今度は招待状を持ち、

 

「…素晴らしい!」

 

今度は読みもせず、招待状を放り投げる。

 

「赤ん坊が生まれた時に『欲しい!』と言って啼く!生きるとは!欲する!ことなんだ!」

 

鴻上会長は生クリームを持ち、

 

「その最大にして最強の力から生まれたメダルを!最大限に集めた時!手に入るのは…無限大!」

 

高級なテーブルの上に、生クリームで『∞』を描く。

 

「しかし…更に大きい…」

 

『∞』に○を付け足し、

 

「オォォォォォォォォォォォォォォォォォォズッ!」

 

 

 

 

 

『欲望…』

 

「待つんだ…」

 

当麻と美琴はなぜか、動けない。

 

「ヤツがそれをメダルにして貯め込むまで…しかし…」

 

ヤミーが叫び、人型ではなく、巨大な昆虫型ヤミー…『オトシブミヤミー』を生み出し、崩れる。

 

「…ふっ、人間はかわったな。さらに欲望が強くなったようだ」

 

アンクはあざ笑うように、

 

「よく俺達が封印されている間に滅びなかったな」

 

言った言葉は、当麻と美琴の『人間』を抉る。

 

(…なんで?)

 

美琴は体を強張らせる。

 

(なんで、私はこの化け物の言葉に、言い返せないの?)

 

化け物…アンクの言葉は人間にとってつらい言葉だった。

 

『欲望』…それは人間を強くすると同時に、醜くするモノ…

 

「まっ、人間が滅びないおかげで俺らも存在できるだがな」

 

「おい!そんなこと言ってる場合かよ!」

 

当麻はアンクを左腕で掴む!

 

「とっととベルト渡せ!変身してアイツを倒す!」

 

「はっ!?何言ってやがる!」

 

アンクは体(腕)を捩って当麻から離れる。

 

「あいつはまだまだ育つと言っているだろう!大量の『セルメダル』が手に入るチャンスだ!」

 

「はぁっ!お前こんな時にもメダルかよ!?」

 

「当たり前だ!勘違いするな!俺は別にお前と組んだのは人間を助けるためじゃない!?」

 

アンクは当麻を指差す。

 

「俺は自分の『コアメダル』を探す事と、自分の体を戻せる程の『セルメダル』を集める為にお前と組んだ!人間を助けるのはお前の都合だ!」

 

「お前っ…!?」

 

当麻は『右手』をアンクに向ける。

 

「ふん!?俺を殺すか!?だがな、今俺を殺すと俺の中にある『オーズドライバー』と『コアメダル』を破壊するぞ!?それこそ人間を助けられなくなる!」

 

「…!?」

 

「いいか!黙って俺の言う通りにしろ!」

 

ドガァァァァァァァッ!

 

「はっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

轟音に当麻達は振り向く。

 

見るとビルが崩壊しかかっている。

 

みると、『オトシブミヤミー』の周りに一人の人間が戦っている。

 

「あ、あれ!黒子!?」

 

「知り合いか!?」

 

「なにやってんのよあの子!こんなのどう考えても『風紀委員(ジャッジメント)』の管轄外でしょ!?」

 

「いくぞ!」

 

「なっ!?おい!ちょっと待て!」

 

当麻はアンクの静止を聞かず、そのまま走っていき、それに美琴も付いていった。

 

 

 

 

 

 

「なっ、なんなんですの!?この化け物!」

 

風紀委員(ジャッジメント)』に所属する『白井黒子』は目の前の化け物を信じられない目で見ながら、ビルの竣工パーティーに参加していた人の救助を行っていた。

 

パーティー参加者達は彼女の能力によって安全な場所に『送られて』いる。

 

彼女は『LEVEL4』の『空間移動能力者(テレポータ))』である。

 

(『鴻上ファウンデーション』の方からの電話で『風紀委員(ジャッジメント)』の代表者が参加し、『宣伝』に協力してくれって来ただけですのに!?)

 

そう、先日『風紀委員』に(ものすごい額の)寄付をしてくれた『鴻上ファウンデーション』が『学園都市』に積極的に協力している事を表明する為に、お礼の手紙を書いてくれた誰かにパーティーに出て、鴻上ファウンデーションの人間と握手でもした写真を取らしてほしい、との事だった。

 

普通なら断る所なのだが、寄付の額が本当に物凄かったので、無下にできなかったのだ。

 

それに『鴻上ファウンデーション』はこの学園都市最大の『寄付をしている会社(バックボーン)』。

 

アメリカの大統領ですら、会うのに日程待ちと言う世界規模で経済を牛耳っている会社の『会長直々』の電話を断れるはずがなかった。

 

(それがこんな事になるなんて!?本当についてないですわ!)

 

黒子は心の中で悪態を吐く。

 

(こんな巨大なモノをテレポートできませんし、もしテレポートしてもまたそこで暴れるだけですわ!とりあえず、会場の人の安全を確保終了!逃げるが勝ち…)

 

ブオォォォォッ!

 

「!?しまっ…!」

 

カスッ…!

 

オトシブミヤミーの尻尾の先が黒子に掠ってしまった。

 

掠ったといってもこの巨体の一撃、黒子が吹っ飛び、意識を手放すのは十分だった。

 

そのままビルの外へ放り出される黒子。

 

そのまま落ちる所を…

 

ガシッ!

 

 

 

 

 

ガシッ!

 

「ふぅ…間一髪」

 

当麻は常盤台の制服を着た少女を、落ちる前に腕を掴めた事でホッとする。

 

見れば気を失っているようだ。

 

「逃げなきゃな…うわっっと!」

 

当麻もそのまま落ちそうになるが、

 

ガシッ!

 

「気を抜くなこのバカッ!」

 

美琴は当麻を掴む。

 

「おおっ!スマン!危なく真っ逆さまだっだ!」

 

「グググググッ…」

 

「クククククッ…」

 

二人は踏ん張る。

 

『ふん、がーっ!』

 

二人は何とか、留まった。

 

「た、たすかった…」

 

「黒子!黒子っ!」

 

美琴が黒子を抱きかかえ、心配する。

 

「まったく…何をやっている」

 

アンクが飛んできた。

 

「ほらっ!奴がこっちに気づく前にとっとと変身しろ」

 

と、オーズドライバーを取り出す。

 

確かにオトシブミヤミーはこちらに気づいていないようだ。

 

「助かったわ!アンタ早く変身…」

 

「…その前に約束しろ」

 

「なに?」

 

「人の命よりメダルを優先するな!俺が変身したい時に変身させろ!」

 

「な、何!お前何を…」

 

「さもないと…」

 

当麻は右手を翳して、

 

「俺は自分の『能力(ちから)』だけであいつを倒す!」

 

「ば、馬鹿が馬鹿をいうな!」

 

アンクは驚く。

 

「いいか!お前の『能力』は正直言って脅威だ!だがな!脅威なのはお前の『能力』だけで、お前の身体能力であのヤミーに触れられるものか!」

 

「それでもだ!この上条さんが死んでも勝ってもお前は困るんじゃないか?俺が死んだらお前に協力してくれる人間なんていないし、俺が勝ったらお前は『セルメダル』を手に入れられないもんな!」

 

「ぐっ!?」

 

(ば、馬鹿の癖に核心を突きやがった!?)

 

まさにその通りだ。アンクは当麻を口車乗せている状態だけだ。

 

はっきりいって、自分に協力してくれるような人間はいない。

 

すぐに自分に対して敵対行動に出る。

 

そして…もっとも不味い事がふたつ。

 

一つは、アンクが隠している事。オーズには封印を解いた上条当麻にしか変身できない事。

 

もう一つは当麻の『|幻想殺し(イマジンブレイカー)』は『メダル』を…この世で『最も強い力』の結晶を破壊する!

 

「ぐぐぐっ…!」

 

「いいな!」

 

「ふんっ!馬鹿が!お前死ぬぞ!」

 

「はっ…死なねぇかもしれねぇだろ!」

 

「俺がお前を見限って別の『駒』を見つけたらどうする!」

 

「そん時はお前は俺の敵だ!今すぐにお前を…破壊する!」

 

当麻は本気の目でアンクを見た。

 

(こ、こいつ…!?)

 

アンクは今更ながら後悔した。

 

(こいつ…『あいつ』と同じだ…)

 

アンクは歯があったら歯軋りしたい気分だった。

 

(800年前…俺達を封印した…『あいつ』と…!?)

 

「どうする!」

 

(くそっ…人選を完全にしくじった…!)

 

「ああ…わかった!とっとと変身しろ!奴がこっちに気づいたぞ!」

 

「おっしゃっ!」

 

当麻はオーズドライバーとコアメダルを受け取る。

 

オトシブミヤミーはこちらに向かってくる。

 

「御坂!」

 

「ひゃっ!?」

 

「言質取ったよな!いくぜ!」

 

当麻はベルトを装着し、コアメダルを入れる。

 

「変身っ!」

 

キィン!キィン!キィィィィィンッ!

 

そのまま、当麻は美琴と黒子を抱える。

 

「ひゃぁぁぁぁっ!あ、あ、ななぁっ!?」

 

「まずは避難だ!アンク手伝え!」

 

そのまま、当麻はビルから!

 

ダンッ!

 

「キャアァァァァァァァァッ!」

 

飛んだ!

 

 

 

 

 

 

 

「ん、んん…お、ねぇ…さま…」

 

黒子は目を覚ましていく。

 

目の前で最愛のお姉さま、御坂美琴が涙目で何かを叫んでいる。

 

《TAKA!》《TORA!》《BATTA!》

 

「なに…?」

 

突然『音』が聞こえる。

 

(宙に…浮いてる?私を掴んでいるのは…誰?)

 

《TA・TO・BA!TATOBA!TA・TO・BA!》

 

黒子は自分を掴んでいる者の顔を見る。

 

その顔は、赤と黒ででき、緑の目をした仮面だった。

 

 

 

 

 

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

 

当麻…オーズはオーラングミドルに力を溜めて、トラクローを出す!

 

ガギャギャギャギャギャギャギャギャギャッ!

 

強化コンクリートを切り裂きながら、オーズは落下速度を緩める。

 

美琴は叫びまくっているがお構いなしだ。

 

アンクは美琴と黒子が離れないように押さえつけている。

 

「てりゃっ!」

 

そのまま着地前に壁を蹴って、もう一回飛び跳ね、

 

「とっ!」

 

完璧に着地した。

 

美琴と黒子には衝撃は一切来ていない。

 

「大丈夫か?」

 

「…な、何とか、大丈夫よ…い、いいからとっとと放せ!」

 

「おっと、すまんすまん」

 

オーズは美琴と黒子を放す。

 

美琴はオーズの腕を見て、体を自分で抱きしめる。

 

(な、なんで私コイツなんかに掴まれてドキドキしてんのよ!)

 

美琴は顔を真っ赤にしている。

 

「お、ねぇ、さま…どうしましたの?」

 

「黒子!あんた気づいたの!」

 

「そ、その方は…?」

 

「あぁ…ええっと…」

 

ブロロロロロロォォォォ…キッ!

 

オーズと美琴がなんと説明しようかと考えていると、向こうから黒いバイクがやって来て、止まった。

 

「………」

 

バイクに乗っていた黒尽くめの装備を着た男はヘルメットをとり、荷物を持って、こちらに来る。

 

「な、なにアイツ…」

 

美琴はこの場の誰もが思っていることだった。

 

「ある方からの誕生日プレゼントだ」

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