病み琴子(※未完終了)   作:猫目

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本当は卒業で終わりのつもりでしたがちょっとだけ
※直接描写はありませんが性的な内容もあるので注意!


ダイジェストのおまけ

その後、匠は入社したが暫くして酷い指示を受ける

『全て自由にやっていい、仕事もしなくて良い、出社も要らない』

という、完全放任なのかリストラなのか判断に困る内容だった

それはメイが行った伊集院の圧力であって

高校を卒業し、既に少女とは呼べなくなってきた6人の女の意志であった

 

「それで、花桜梨はどうするの?」

「…そっちは純と楓子だけで良いなぁ」

「なんというか…俺達だけ楽にしててすまない」

「…えっと、美幸やほむらは普通だったんだよね」

「うん、高校の頃の『こちらからの誘いは禁止』が解けて、よく遊びに誘う程度」

「じゃあ、あの二人は問題無かったのか」

「で、そこで美帆が真帆を呼び込んで思いっきり荒れ出した…と」

「そう、それで茜が…」

「ああ、だからこんな時期に…」

「料理で胃袋落としてたのに下の袋も握りに行った…かぁ」

「まさか茜が一気に飛び込むなんて思わなかったよ」

「一文字なんて誰も予想が付かないだろう…」

「身体を使うのは条約違反だったの?」

「ううん…別にそういうのは無かったし、茜もちょっと胸を強調する服装ぐらいだった」

「ああ、それじゃあ特に何も言えないな」

「うーん…こうなったら…」

「こうなったら?」

「…何なんだ、楓子?」

「もう、全員で同棲してみたらどう?」

「…え?」

「いや、皆の仕事はどうするんだ?」

「でも、匠の職場は既にメイの言いなりで、メイが有利なんてもんじゃないんでしょ?」

「うん、だから茜が焦ってあんな事…」

「まさか…寿と八重を退職させる気か!?」

「うん!そこまでやって、一緒に住んで、リセットするんだよ!」

「…それなら…私も…皆も…」

「待て…待ってくれ八重!正気に戻れ!バレーはどうする!?」

「もうここまで来たら伊集院家に丸投げするしか無理だよ!」

「そうかな…そうかも…茜だけじゃなく…美帆真帆もだし」

「白雪姉妹もヤッたのかよっ!?」

「皆、ここで全て捨てる勢いじゃないと無理だよ…もう覚悟の闘いなんだ」

「ほむらと真帆は大学は県内だし…茜は大衆食堂…美帆なんて在宅の小説家…」

「後は美幸と花桜梨がこっちの実業団に移籍すれば…」

「あぁ…確かに上手く全員住めるな…待て?同棲って言ってなかったか?」

「うん!メイに何とかしてもらって家を用意してもらう」

「でも、それはメイに負担が…」

「この状況を作ったのはメイだよ!?なら飲んでもらうしか無いって!」

「楓子…お前、伊集院を脅す気か!?」

「でも茜が動いたのも、元々はメイへの危機感だって言ってたし…」

「…匠の意志は?」

「知らない!そこまで放置した匠が全部悪いんだもん!」

「匠には悪いけど…もう、ここまで来たら皆で堕ちようって説得する」

「匠…これからもっと大変だけど…頑張れよ…」

 

 

 

「ようやく帰ってきたぁ…」

「本当だ…ようやく一息付けるな」

「まさか、全員と合同結婚式だなんて…」

「法律上の籍を入れたのは俺達だけだけどな」

「うん、それが私達の自慢だね」

「フッ…そうだな、皆羨ましがってたもんな」

「でも琴子と光は婚姻届は諦めてないけど」

「もう、あの二人はどうしようもない。何せ琴子が本気過ぎる」

「ホントだよ、でも…私達はそんな琴子が好きだから」

「…そうだな」

「そうだよ」

「…なぁ、楓子…俺にも楓子以外が居たら…お前もああなってたか?」

「ううん、私は弱いから何も出来なかったんじゃないかな」

「そっか」

「…」

「さて、お土産整理しないと…」

「…ねぇ」

「ん?どうした?」

「…何でそんな事聞いたの?」

「…え?」

「さっきの…私が純と取り合う娘が居たらって話…」

「ああ、アイツ等見てて、そんな子が居たらどうだったかってな」

「…本当?」

「…楓子?」

「他に好きな子が出来てない?」

「…楓子?」

「私を捨てたりしない?」

「いや、心配するな。俺はお前しか…」

「…ねぇ、純」

「楓子、ふざけてないで…」

「真面目に聞いて」

「…おぅ」

「私も女のつもりだよ?」

「知ってる」

「純…ねぇ純」

「何だ?」

「もしあなたが私以外を抱くなら…」

「…やめろ、そんなの考える事すら嫌だ、反吐が出る」

「聞いて?」

「分かった、聞こう」

「もしね…純が他の女を好きになって、他の女を抱こうものなら」

「…なら?」

「私は、あなたを縛り付ける」

「…」

「あなたの生存を握る、食事も私が手で直接…」

「楓子、怖いぞ…」

「あなたの性欲も全部私が受ける…」

「…いや、その…」

「私しか見えないように…変態な性癖だって植え付ける」

「へっ、変態!?」

「うん…私の身体でしか…私でしか悦べないようにする」

「…かっ、楓子…?」

「他の女に純を取られるぐらいなら…縛ってでも…手足を折ってでも離さない」

「…う…ぁ…」

「もう私に依存させる…私が居ないと生きていけなくする」

「…や、やめ…」

「一緒に死のう?って聞いたら、すぐ頷くように壊す。…そう、純を壊す」

「か…かえ…で…こ…?」

「お腹の子に不安定でも、純を抱いて、抱かれて…二人で堕ちよう」

「…お…落ち着け!」

「一緒に…一緒に死のう…ねぇ、純…一緒に死のう…」

「あ…あああ……ぁあ…」

「凄く気持ち良いよ…私も純が好き…だから一緒に死んでくれるよね…」

「…は…はぁ…ふぅ…かっ、楓子?」

「…このまま、抱きしめたまま…ねぇ、純も抱きしめて…」

「…う…うぅ…」

「うん…いい子だね…」

「…あ…ぁぁ…」

「…このまま死のうよ…私達だけで終わっちゃおう…」

「あ…う…うわぁぁああああ!!!」

「…」

「…」

「…なんてね」

「…え」

「冗談だよ」

「…あ…そ、そうか」

「ふふふ…」

「…驚かすなよ、ちょっとどうにかなりそうだった…」

「一緒に死んで良いって?」

「ああ…」

「…私は本気だよ」

「えっ?」

「まだ死にたくないだけだもん」

「死にたくないだけって…まだって?」

「うん、まだ純との子も産んでないし、もっと一緒にいたい…」

「…そうだな、俺もだ」

「だからまだ…ね」

「うん?」

「一緒に…終わろうね」

「ああ…と言っても、二人仲良く大往生ってのは難しいだろうが」

「知ってる?男と女では、女の方が遅く死ぬんだよ」

「…確かそうだったな」

「うん、だから…」

「だから?」

「一緒に死んであげる」

「…ぇ」

「死ぬ時が違うなら…一緒に死のう」

「ここまで一緒だもの、最期も一緒に」

「皆には悪いけど、私は純と二人になれるなら…喜んで…」

「何時、死のうか?子供が就職してからだよね」

「孫も見たいよね…じゃあお爺さんお婆さんになってから」

「大丈夫、茜の家に日本刀があるから」

「包丁とか銃じゃ味気ないもんね」

「一緒に抱きしめながら繋がって」

「私が純を後ろから刺したら、仰向けに倒れてね」

「そしたら私が上から飛び込むから」

「抱きしめて…私も抱きしめる…」

「一緒に、抱きしめ合いながら」

「そのまま死のう」

「凄く気持ちいいよ」

「凄く幸せだよ」

「嬉しいままだよ」

 

「串になっても一緒だよ」

 

 

 

 

 

「えっと…来年の入学式は…誰と誰だっけ」

「しっかりして光…ほら、この6人よ」

「…ああ、って仕方ないよ!子供多すぎるんだよ!」

「今更の話でしょうに」

「もう、あっちよりも子供多いんだよ!」

「女7人相手に上回るなんて…私達も凄いものよね」

「私は4人しか産んでないから」

「じゃあ、私が毎年産んでるのが大きいか」

「本当だよ!皆、妊娠や出産しても『ああ、その時期か』って扱いだよ」

「でも同じ月じゃないしそこまで年間行事って事でも無いでしょう?」

「新年に産んで、その年末にも産んだ時はどうしようかと…」

「…あの子の時は怖かったわね、体重も軽すぎたし…」

「抑えよう?ほら2年前とか逆子で琴子も危なかったじゃない」

「うーん…でもねぇ」

「もう20人超えそうだよ…琴子何人産んでるの…」

「24人ね、一番上の子はようやく大学卒業か」

「年間1人なら20人切ってるぐらいなのに…出産直後にすぐ妊娠して…もー」

「胸も随分と重くなったわねぇ」

「本当だよ…子供達に『光おかあさんの胸は小さいね』って言われたよ…」

「全く、あの子達は」

「皆も刺激されて、1人しか産まないって言ってたのが3人産んだり…」

「ほむらの時は怖かったわね…」

「ほむらのお母さんのように出産で死ぬんじゃ?、て冗談が本当になりかけたね」

「出産のショックで心停止、伊集院家の医療団じゃなければどうなってたか」

「あれで皆、次は止めたけど…ほむらは産むって聞かなくて大変だったっけ」

「結局、匠が責められたわね」

「まぁ、ほむらは女としては普通だから良いんだけどさ…楓子は本当にもぉ…」

「子を産む為でもなく、幸福の為の心中とかカマキリの雌より酷いわね」

「本当だよ…純のお姉さんがアポ無しで来なかったら間違いなく死んでたよ」

「楓子は息を吹き返した後、凄い形相で恨んだけどね」

「もー、学生時代のグループ外には辛辣なんだから…」

「まぁまぁ…楓子は私達のせいだし」

「琴子だけだよ…琴子の覚悟に魅せられて、楓子が…ヤンデレ?みたいになったんだよぉ…」

「まぁまぁ、少しは楓子の気持ちも分かるでしょう?」

「…まぁ、少しだけね?」

「あー、こっちはそんな最期は迎えられないのが悲しいわ」

「止めてよ…私だけ生き残っちゃうよ…」

「日本刀の刃渡りって3人までなら同時に刺せない?」

「私も死ぬの!?」

「ええ、彼を中央に私と光で抱きしめて…」

「絶対に嫌だからね、止めるからね」

「…そうね。彼がどちらを向くかで揉めるし」

「それ以前だよ…そもそも死にたくないよ…」

「…あ…光…ちょっと…来たみたい」

「来たって…あ!産気づいた!?救急車!救急車!」

「あと1週間は先だと思ってたけど…ふぅ…」

「もう若くないんだから、その子で最後にしない?」

「いいえ、止めないわ」

「もぅ…聞いてくれないなぁ…」

「ええ勿論…」

 

 

 

 

 

「あの人の一番になるまで絶対に止めないわ」


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