スーパーロボット大戦X ー輝きの翼ー   作:カイト・レイン

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34話です!

それではどうぞ!


第34話 偉大な勇者

 

ー新垣 零だ。

 

俺達はサラ姫からドラゴンについて聞くために集まった。

 

アンジュ「...一夏も元に戻ったし、聞かせてもらおうじゃないの、サラ子。あなたとワタルの事、それにドラゴンの事...全てを」

 

竜馬「俺達をドラグニウムの戦士っていう事もな」

 

サラマンディーネ「約束ですからね。わたくしとしても望む所です」

 

サラマンディーネ「戦部の救世主ワタル様...ドラグニウムの戦士の竜馬様達...そして、伝説の超人様に選ばれしウルトラマンゼロ様...それに皆さんもお聞きください」

 

ワタル「僕の事はサラマンディーネさんはよく古の契約...って言ってるけど、やっぱり昔の事に関係あるの?」

 

サラマンディーネ「はい...。それを説明するために、まずはわたくし達の世界の過去についてお話しします」

 

九郎「わたくし達の世界って...あんたはアル・ワースの出身じゃないのか?」

 

サラマンディーネ「はい、そうです。わたくし達の世界...便宜上、アウラの世界と呼ぶことにしますが...。それは今から500年ほど前に一度、滅びの時を迎えました」

 

しんのすけ「ええっ⁉︎」

 

アイム「何処の世界にもこういう話はあるのですね...」

 

サラマンディーネ「アイム殿の御言葉も、もっともな事です。アウラの世界も人類同士の争いによって滅んだのですから」

 

アンジュ「ドラゴン同士が戦ったって事?」

 

サラマンディーネ「いえ...。その頃はアウラの民も皆、あなた方と同じような姿をしていました。その戦いは国家間の領土争いであったと聞きますが、それまでの戦争と致命的に異なっていたのはドラグニウムが使用された事です。最終的に人類は、ドラグニウムの力を制御しきれず、世界そのものを滅ぼすに至りました」

 

隼人「そのドラグニウムとは...?」

 

サラマンディーネ「この宇宙に存在する聖獣の力...つまり、龍神様の使う力とほぼ同種のものです」

 

ワタル「龍神丸と同じ力⁉︎」

 

...ほぼ...?

 

サラマンディーネ「人知を超えた力を持つ絶対的な存在...聖獣は、あらゆる世界...あらゆる宇宙に生息していると言われています。アウラの世界では、その中の一つである龍の力が宇宙から降り注いでいました。ですが、それだけでドラグニウムは誕生しませんでした...」

 

號「では、どうやってドラグニウムが誕生したんだ?」

 

サラマンディーネ「アウラの世界に降り注いだ龍の力は大気となり、アウラの世界を覆いました。...それから数十年後...アウラの世界に邪悪なる暗黒破壊神が現れました」

 

甲児「邪悪なる暗黒破壊神...?」

 

サラマンディーネ「その名は...ダークザギ」

 

ゼロ「ダークザギだと⁉︎」

 

エイサップ「そのザークザギというのは...?」

 

ゼロ「あるウルトラマンの世界で暗躍した最恐の暗黒の巨人だ...まさか、アウラの世界にまで行っていたとは...」

 

サラマンディーネ「ダークザギの驚異的な力にアウラの世界の住人達は為すすべもありませんでした。しかし、ダークザギはある一人の巨人が撃退してくれました。その巨人の名はウルトラマンノアです」

 

ゼロ「やっぱり、ノアが関わっていたか...!」

 

ミラーナイト「ノア...?」

 

ケロロ「た、太古より全宇宙の平和を守り続ける伝説の巨人であります!」

 

サラマンディーネ「ノア様のおかげでダークザギは別世界に後退しましたが、ノア様の光の力とダークザギの闇の力...そして、龍の力は合わさり、その力が結晶化したものこそが、超エネルギーの源であるドラグニウムです」

 

ゼロ「だから、ウルティメイトイージスの事も知っていたのか...」

 

サラマンディーネ「ノア様がお認めになされたゼロ様を攻撃してしまい...誠に申し訳ありませんでした!」

 

ゼロ「いや、理由を話してくれたらいい」

 

サラマンディーネ「ありがとうございます。そして、神祖アウラはドラグニウムの導きによって仲間と共にこのアル・ワースへたどり着きました。廃墟した世界を捨て、新たな生活の場を求めて...。しかし、ドラグニウムの全てがこのアル・ワースへたどり着いた訳ではないのです」

 

弁慶「どういう事だ?」

 

サラマンディーネ「はぐれたドラグニウムはある二つの世界にたどり着きました。一つはゲッター線という名前に変わり...」

 

渓「え、ってことは...!」

 

凱「ゲッター線とドラグニウムは...同一の存在という事なのか⁉︎」

 

サラマンディーネ「ええ、そうです。そして、もう片方の世界でドラグニウムは二つの星を作りだしました...。龍脈という名に変わって」

 

ミツヒデ「もしや、その二つの星というのは...!」

 

ノブナガ「俺達の世界...東の星と西の星だというのか...」

 

ジャンヌ「じゃあ、龍脈の力もドラグニウムと同一の存在だという事⁉︎」

 

メル「アウラの世界、激闘の世界、戦の世界の三つの世界がそんな共通点があったとは...」

 

ルルーシュ「ドラグニウム...龍の力...。それは世界の隔たりを超える力すら持つのか」

 

シバラク「ふむ...。ワタルが、アル・ワースへ来たのもその力というわけだな...」

 

サラマンディーネ「そこで神祖アウラは、龍の力の源である神部七龍神に触れたと聞きます」

 

ワタル「神部七龍神...。僕達の旅を導く者...」

 

サラマンディーネ「アウラは、神部七龍神の教えにより、その力...即ちドラグニウムをよりよく使う術を身につけたそうです。そして、アウラは自然を愛する神部七龍神の言葉に感銘を受け、廃墟した世界を蘇らせるため...。ドラグニウムの力で自らも龍に...巨大なドラゴンとなり、民にその力を分け与えたのです」

 

アンジュ「それがサラ子達の人間...つまり、アウラの民なのね...」

 

サラマンディーネ「その通りです。男性は成人すると巨大なドラゴンとなり、暴走して世界を汚染したドラグニウムを体内に取り込み、それを浄化します。女達は子を産み、時には小型のドラゴンとなり、男達を助けるのです」

 

ヴィヴィアン「あたしも女ドラゴンなのか...」

 

サラマンディーネ「あなたは10年前にアル・ワースに我々が侵攻した際、親について来てはぐれたものと思われます」

 

エルシャ「それを司令が発見して、保護していたのね...」

 

サラマンディーネ「文明が滅んで約500年...。神部七龍神の助けを得たアウラの導きにより、世界は美しい自然を取り戻しました」

 

ワタル「わかった...!サラマンディーネさんが僕を助けてくれるのは神部七龍神への恩返しなんだね!」

 

サラマンディーネ「救世主様のおっしゃる通りです。いつの日か、神部七龍神が危機に陥った時、アウラは必ず助けに来ると約束しました。それこそが、古の契約であり、わたくしは、そのためにこのアル・ワースに遣わされたのです」

 

一夏「ドラゴン事ととワタルとの関係はわかりましたけど...。でも、サラマンディーネさん達はアル・ワースを攻撃していますよね?これは、どういう事なんですか?」

 

サラマンディーネ「...500年前にアウラと共にアル・ワースに来た人間の中でこちらの世界に残った者達もいまふ。その中の一人は、こちらの世界でドラグニウムの新たな使い方を学び、自らの王国を造り上げました。その者の名は...エンブリヲといいます」

 

アンジュ「また、そいつなの...!」

 

ヒルダ「タスクの野郎が言っていた、ミスルギの支配者じゃねえかよ...!」

 

タスク「サラマンディーネさんの話は、本当の事だ」

 

ヒルダ「どうして、お前がそんな事を言えるんだよ?」

 

タスク「俺は...アウラと共にこの世界に来た人間の末裔...古の民の最後の一人なんだ」

 

アンジュ「タスクが...サラ子と同じ世界の人間の子孫...」

 

サラマンディーネ「エンブリヲはドラグニウムの力を使い、世界の法則を制御する術を確立し、それによって社会システムを構築しました」

 

モモカ「法則の制御って...⁉︎」

 

サラマンディーネ「多分、あなたの想像通りでしょう。ミスルギの人間達が使うマナと呼ばれる術です。マナを使う人間...。それはエンブリヲが理想の社会のために造り上げた自らに都合のいい人類なのです」

 

アンジュ「ミスルギの人間は...エンブリヲが造り上げたもの...」

 

アムロ「理想の社会...。一体何のために、そんなものを求める?」

 

サラマンディーネ「おそらくは自らが滅ぼした世界のやり直しを考えたのでしょう」

 

ユイ「世界を滅ぼした...って、先程のドラグニウムを使った戦争と関係があるのですか?」

 

サラマンディーネ「エンブリヲは別世界からアウラの世界に来た者で、彼とアウラは元々はドラグニウムを研究する科学者仲間でした。そして、エンブリヲは自身が開発したラグナメイルを戦争に投入し、その暴走によって世界を滅ぼしたのです」

 

零「そのラグナメイルとは何だ...?」

 

サラマンディーネ「アンジュ達が使用するパラメイルの原型になった機体です。そして、アンジュ...。あなたの使用するビルキスは世界を滅ぼした六機のラグナメイルの内の一機なのです」

 

アンジュ「ヴィルキスが...⁉︎」

 

ヒルダ「ちょっと待てよ。じゃあ、ヴィルキスは、エンブリヲって奴の持ち物のはずじゃねえのか?」

 

サリア「それに...あれはヴィルキスよ。あなたはビルキスと言った」

 

ん...?そう言えば、タスクもヴィルキスの事をビルキスと呼んだ事があったな。

 

タスク「それは古の民がエンブリヲの元からビルキスを奪ったからだよ。彼等は自由への願いを込めて、奪ったビルキスをヴィルキスに変え...正しきドラグニウムの使い手である神部七龍神の使者...戦部の救世主の白き鎧にならってその色を白に塗り直したんだ」

 

トオル「じゃ、じゃあ...!」

 

ワタル「ヴィルキスが白いのは僕の鎧や龍神丸が白いからなんだね...」

 

サリア「(そんな事...アレクトラは教えてくれなかった...)」

 

タスク「そして、アレクトラは...アルゼナル司令のジルは、エンブリヲを倒すためにかつてはヴィルキスに乗っていたんだ」

 

アンジュ「司令がヴィルキスに乗っていたなんて...」

 

ロザリー「おまけに、そのエンブリヲって奴と戦ってたのかよ⁉︎」

 

タスク「エンブリヲは、かつての同胞である古の民を自らの邪魔者であると攻撃し、マナを使えない変異種であるノーマを差別した...」

 

マーベラス「ノーマを差別する理由は?」

 

タスク「自らの理想社会の異物として嫌っているのだろう...。その証拠にエンブリヲは、ノーマを差別するように人々を誘導している。だから、古の民とアルゼナルのノーマ達は手を組み、奴と戦ったんだ」

 

クリス「その戦いな...どうなったの?」

 

タスク「古の民は俺を遺して全滅し、ジルも片腕を失った...。敗北したノーマ達はその後もドラゴンと戦う使命を背負わされたんだ」

 

サリア「(それが前のリベルタス...。アレクトラの悲しい記憶...)」

 

サラマンディーネ「さらなる力を求めるあの男は、ドラグニウムの研究を進めるためにアウラの世界にも現れました。そして、研究の素材として、それ自体がドラグニウムとも言えるアウラわや捕え、アル・ワースへと連れ去ったのです。」

 

零「まさか、あんた達がこの世界に侵攻する理由はアウラを取り戻すためだったのか?」

 

サラマンディーネ「そうです、零殿」

 

万丈「ミスルギ皇国の支配者エンブリヲ...。どうやら想像以上に強大かつ恐ろしい男のようだな」

 

千冬「奴が異界人を自らの戦力とし、周辺に侵攻を開始したのも、その理想とする社会の実現のためか...」

 

サイ「なんて奴だ...」

 

ベルリ「サラマンディーネさん...。そいつの理想って何なんです?」

 

サラマンディーネ「残念ながら、そこまではわかりかねます」

 

タスク「わかっているのは、全ては奴の意思の下にあり、それに従わない者は自由も生命も奪われるって事だ」

 

ヒデヨシ「人を何だと思ってやがんだよ、エンブリヲって野郎は...!」

 

アンジュ「タスク...。あなたはジルと共にエンブリヲと戦っていたのね...」

 

タスク「そうじゃない...。両親や仲間を失った俺は自らの使命から逃げていた...。でも、アンジュ...。君と出会い、君がヴィルキスに選ばれた事を知り、俺は自らのすべき事に向き合えるようになったんだ。俺はヴィルキスの騎士じゃない...。アンジュの騎士として、君を守ると決めたんだ」

 

アンジュ「タスク...」

 

ロロ「これでキャピタル・アーミィやゾギリアなどがミスルギに従う理由もはっきりしましたね」

 

アイーダ「そのエンブリヲなる者の時空を超える力...。それこそが、ミスルギが彼等はさを元の世界へ返す術だったのですね」

 

サラマンディーネ「様々な世界を繋ぐには膨大なエネルギーを必要とします。ですが、アウラの力を手に入れたエンブリヲならそれも可能でしょう」

 

オルガ「それだけの力を持った奴が俺達を狙っているのか...」

 

アンドレイ「だが、奴が自由条約連合やアメリアを攻撃させる理由が不明のままだ」

 

デュオ「ノーマへの差別と同じで気に食わないってだけかも知れないぜ」

 

バナージ「いくら何でも、そんな理由ではないと思うけど...」

 

青葉「ゾギリアやキャピタル・アーミィとかは、エンブリヲってのが悪党と知りながら、従ってるのかよ!」

 

カンタム「彼等にとって、別の世界の事情など知った事じゃないんだと思う...」

 

サラマンディーネ「でしたら、あの男に従う者全てがわたくしの敵です」

 

三日月「つまり、俺達と同じってわけだね」

 

アンジュ「ええ、そうよ。サラ子」

 

サラマンディーネ「アンジュ...」

 

アンジュ「今までノーマを差別してきた私が言っていい事じゃないけど...。それが誰かの意図の下であるならば、私はそいつと戦うわ。自分が生きるために」

 

サラマンディーネ「敵の敵は味方...。どうやら、わたくし達は手を取り合う事が出来るようですね」

 

アンジュ「まあね...」

 

サラマンディーネ「そんな事とは無関係にわたくし...直情的にあなたの事が以前ほど嫌いではなくてよ、アンジュ」

 

アンジュ「奇遇ね、サラ子。何だかんだ言って、面倒見のいいあなたの事...私も嫌いじゃなくなってきたわ」

 

しんのすけ「アンジュお姉さん!サラサラお姉さん!握手して友達になるんだゾ!」

 

ワタル「しんちゃんの言う通りだよ!」

 

サラマンディーネ「そうですね。せっかく、しんちゃんや救世主様もそうおっしゃってくれてますし、そうさせていただきます」

 

アンジュ「しんのすけやワタルに言われちゃ、断れないものね」

 

グランディス「全く...。しんのすけやワタルにを言い訳に使わなきゃならないとは似た者同士の面倒くさい二人だよ」

 

アンジュ「そう言えば、サラ子!あなた、あの歌はどこで覚えたのよ!」

 

サラマンディーネ「真なる星歌...。あれは聖獣の力...言い換えれば宇宙そのものの力を制御する術です。元々は時空を制御するための理論をエンブリヲがメロディーに変換したものです」

 

アンジュ「でも、それの使い方に失敗してあなた達の世界は滅んだんでしょ?」

 

幻龍斎「そのメロディーを神部七龍神が歌にする事で時空を制御する術を完成したウラ」

 

ヒミコ「父上、物知り!」

 

ワタル「あの歌の事を知っているの、親父様⁉︎」

 

幻龍斎「ワシはドアクダーと戦うためにその力となる神部七龍神の伝説についても色々と調べたウラ。先程のドラゴンの姫の話...異界から来た者との出会いについても伝説が残っているウラ」

 

サラマンディーネ「お猿殿...。そのお話、お聞かせください」

 

幻龍斎「ワシはサルではない!忍部一族の忍部 幻龍斎ウラ!」

 

シバラク「まあまあ、親父殿。こらえて、こらえて」

 

幻龍斎「話を続けるウラ...。神部七龍神は、自らの世界を破壊してしまい困っている者に歌を授けた...」

 

サラマンディーネ「それが真なる星歌...」

 

幻龍斎「そして、その歌を後の世に伝える者として歌部(うたいべ)の乙女達を選んだウラ。斑鳩、真理亜、譜麗弥...。選ばれた歌部の乙女達は星の歌を歌う...。その歌は邪悪を払う力となる。そして、その内の何人かは異界の者と共に別の世界へ旅立ったウラ...」

 

ナーガ「その歌部の乙女とは、まさか...」

 

カナメ「真なる歌姫を継ぐサラマンディーネ様のご先祖なのかも知れませんね」

 

アンジュ「斑鳩...。お母様の家の名...」

 

サラマンディーネ「これで全てがわかりました、アンジュ。わたくしとあなたが初めて戦った時に見えた、因果を超えた光景...あれは、それぞれの血脈が受け継いできた遥か過去の戦いの記憶だったのですね」

 

アンジュ「今となっては、どうでもいい事だわ。過去なんて関係ない。あなたと私が一緒に戦う...。それで十分よ」

 

サラマンディーネ「あなたの言う通りですわね、アンジュ」

 

アンジュ「ありがとうね、親父様。いい話を聞かせてもらったわ」

 

幻龍斎「なんの、なんの!他にも神部七龍神には様々な伝説が残されておるウラ。その中には、色々な異界の者達との出会いや邪悪との戦いが語られているウラ」

 

シモン「サラマンディーネさんのご先祖以外にも別の世界からアル・ワースになってきた人達もいるのか...」

 

甲児「邪悪との戦いってのはドアクダーとも関係するのかもな...」

 

幻龍斎「そこらについては調査中だ。また何かわかったら、みんなにも話すウラ」

 

ナディア「賢いサルなのね」

 

幻龍斎「ワシはサルではない!忍部一族の忍部 幻龍斎ウラ!」

 

シバラク「まあまあ、親父殿。こらえて、こらえて」

 

コントやってんのかこの二人は...。

 

ジュドー「しかし、エンブリヲってのはとんでもない悪党なんだな」

 

ゼクス「あの男が率いるミスルギへの対処はいずれ考えなくてはならないとして、当面は対ドアクダー軍団を優先させるべきだな」

 

フロンタル「親父殿...。ドアクダー軍団の動きについて他にわかる事はありませんか?」

 

幻龍斎「ドアクダー四天王がザン兄弟が倒れた今、残るは一人であるドン・ゴロが動くと思われるウラ」

 

シン「ドン・ゴロ...。そいつが四天王最後の一人か...」

 

幻龍斎「それと関係するかわからぬが、ここより南の方の一帯で何やら不思議な現象が見られたウラ」

 

ガエリオ「それは?」

 

幻龍斎「ある日...真昼なのに空がいきなり曇り、立ち込めた暗雲から巨大な人影が降り立ったと聞くウラ」

 

ジュリエッタ「もしや、新しい異界人では...?」

 

ショウ「巨大な影というからには機体も一緒に来た可能性が高いな」

 

幻龍斎「その巨人は何処へと消え去ったらしく、それ以降の話は聞いてないウラ」

 

ジョーイ「でも、放っておくわけにはいきませんね」

 

ルルーシュ「うむ...。ここは部隊を幾つかのチームに分けて、各方面を偵察しよう」

 

カレン「ドアクダー軍団が、そいつ等を味方にする前に何とかしないとね」

 

ミツヒデ「ザン兄弟が当分の間、戦に復帰しないのなら、ここは一気に進めるであろう」

 

ゼロ「やろうぜ...!ドアクダーを倒して、絶対に元の世界へ帰るんだ!」

 

ゼロの言葉に皆は頷いた。

 

甲児「...(みんなと違い、俺はあしゅら男爵の儀式によってこのアル・ワースに跳ばされてきた...。これが偶然ではなく、あしゅらの意図だとしたら、奴はアル・ワースの存在を知っていた事になる...)」

 

アマリ「どうしたんです、甲児さん?考え事ですか?」

 

甲児「いや...何でもない...。気にしないでくれ」

 

さやか「偵察部隊の編成...甲児君と零君とアマリと私で決まったわよ」

 

アマリ「お邪魔かも知れませんが、よろしくお願いします」

 

さやか「もう...!アマリったら...!それはこっちの台詞よ!」

 

アマリ「ち、ちがっ...!そんな事はないです!れ、零君から何か言ってよ!」

 

零「...」

 

アマリ「零君?」

 

...前回の戦闘の後、バスタードモードを使っても身体に痛みは走らなかった...。じゃあ、やっぱり、あの時に力を使いすぎたのか...?

 

それに何か嫌な予感がする...。今後、何かとてつもない事が起こりそうな...そんな気がする...。

 

甲児「零、どうかしたのか?」

 

零「...絶対に守る...何が何でも」

 

アマリ「え...?」

 

零「...いや、何でもない!アマリ、甲児やさやかの邪魔をしないようにしようぜ!」

 

さやか「れ、零君まで...!」

 

甲児「よし...早速、出発だ。ドアクダーを倒すためにも頑張らないとな...!」

 

零「ああ、そうだな!」

 

アマリ「...」

 

俺達は寝た後、偵察に出た...。

 

 

すると、俺たちの偵察ポイントでドアクダー軍団の反応があった。

 

アマリ「ドアクダー軍団、来ます!」

 

すると、ドアクダーの魔神部隊が現れた。

 

甲児「偵察に出た先でドアクダー軍団に出会うとはツイてるぜ!」

 

アマリ「ホープス!近くの部隊とエクスクロス本隊に連絡をお願いします!」

 

ホープス「...何らかの結界が張られているらしく、現在、通信不能の状態にあります」

 

アマリ「何ですって...⁉︎」

 

甲児「心配するな、アマリ!あれくらいの数、俺達だけで十分だ!なあ、零!」

 

零「あ、ああ...。」

 

何が起こるか、わからない...。出来るだけバスタードモードの使用を抑えないとな...。

 

さやか「張り切ってるわね、甲児君」

 

甲児「マジンガーZのパイロットとしては、魔神乗りのワタルに負けてられないからな!」

 

さやか「マジンと魔神...。そう言えば、似てるわね...」

 

零「見た目で言ったら、獣人達の使うガンメンも魔神に似ているけどな...」

 

甲児「行くぜ、ドアクダー軍団!俺達がいる以上、村には指一歩触れさせないからな!」

 

 

 

 

戦闘から数分後...。

 

さやか「気をつけて!グールが来るわ!」

 

ちっ、機械獣とグールが現れたか...!

 

ブロッケン「兜 甲児よ!少数で行動していたのが貴様の運の尽きよ!」

 

甲児「ブロッケン伯爵!性懲りも無く、また来やがったか!」

 

ブロッケン「ヌフフフフ!エクスクロス本隊と別行動の貴様に何が出来る!今までの恨み、此処で晴らしてくれる!」

 

甲児「来い、ブロッケン!返り討ちにしてやるぜ!」

 

零「待て、甲児!まだ何か来る!」

 

何だ...?機械獣...?

 

甲児「機械獣か!」

 

ブロッケン「おお、ゴーストファイアーV9!お前も跳ばされてきておったか!丁度いい!我が命に従い、マジンガーZとその仲間を血祭りに上げろ!」

 

すると、ゴーストファイアーV9はグールを攻撃した...⁉︎

 

ブロッケン「な、何をする⁉︎」

 

戦士の魂「人間風情が、この俺に命令するなど許されぬ事...!」

 

ゴーストファイアーV9が喋っているのか...⁉︎

 

甲児「機械獣が喋った...⁉︎」

 

戦士の魂「Dr.ヘルの部下よ!その無礼を冥府で悔いるがいい!」

 

ブロッケン「ば、馬鹿なぁぁぁっ‼︎」

 

嘘だろ...グールが爆発した...?

 

甲児「ブロッケン...!」

 

戦士の魂「我が肉体を汚した者よ。本来ならば、貴様は死よりも重い罰を与えられるべきなのだ」

 

さやか「同士討ちなの...⁉︎」

 

甲児「わからない...!だが、あの喋る機械獣...普通じゃないぞ!」

 

戦士の魂「機械獣...?そのような名で俺を呼ぶな。俺は...オリュンポスの戦士だ!」

 

甲児「オリュンポス...⁉︎」

 

戦士の魂「タロス像よ、俺に続け!オリュンポスの敵は、ここで滅する!」

 

最初の魔神部隊は撤退した...。

 

アマリ「甲児さん!あれは何なんです⁉︎」

 

甲児「よくわからないが、あいつが俺達を狙っているのは確かだ!戦うしかない!」

 

戦士の魂「行くぞ!今ここに主の無念を晴らす!」

 

俺達は戦闘を再開した...。

 

 

 

 

〈戦闘会話 零VS戦士の魂〉

 

戦士の魂「ほう、その機体...そして、貴様は...」

 

零「お前...ゼフィルスの事を知っているのか...⁉︎」

 

戦士の魂「なる程、貴様はそういう立場なのか...。面白い」

 

 

 

 

 

俺達はゴーストファイアーV9にダメージを与えた...。

 

戦士の魂「この程度で勝ったつもりか!」

 

嘘だろ...ダメージが回復した...⁉︎

 

甲児「くそっ...!こいつの強さ...機械獣とは桁が違う!」

 

戦士の魂「俺はオリュンポスの戦士!機械獣などという人形と同じだと思うな!来い、マジンガーZ!勝負だ!」

 

甲児「そっちがその気なら、受けて立つ!」

 

マジンガーZとゴーストファイアーV9は攻撃しあったが、マジンガーZが吹き飛ばされた。

 

さやか「甲児君‼︎」

 

甲児「う...うう...!」

 

零「甲児!こうなったら...!」

 

俺はバスタードモードを発動したが...。

 

零「(ぐっ...‼︎ま、また痛みが...!)」

 

戦士の魂「ハハハハハ、マジンガーZよ!お前への罰は、まだまだ続く!明日だ!明日の夜明けと共に、お前の目の前であの村に住む人間を皆殺しにする!」

 

甲児「何っ⁉︎」

 

戦士の魂「自らの無力さを噛み締めながら、絶望に沈め!それがお前への罰だ!」

 

ゴーストファイアーV9が退いた...?

 

アマリ「オリュンポスの戦士...」

 

零「ぐっ...はぁ...はぁ...」

 

痛みが...ひいた...?

 

甲児「くそ...!あいつの思い通りになどさせるものか...!」

 

オリュンポスの戦士...強過ぎるだろ...。

 

 

俺達は機体から降り、これからどうするかを話し合う事にした...。

 

アマリ「...通信が使えない以上、直接、エクスクロス本隊を呼びに行くしかありませんね」

 

甲児「そっちはアマリ達に任せる」

 

え...?

 

さやか「甲児君はどうするの?」

 

甲児「もしも...って事がある。俺とマジンガーZは、念のためここに残る。敵を足止めする役は鉄(くろがね)の城の異名を持つマジンガーZが適任だしな」

 

さやか「だったら、私も...!」

 

甲児「遠慮するぜ、さやか」

 

さやか「でも...」

 

甲児「ビューナスAじゃ、あいつとは戦えない。はっきり言って、足手まといなんだよ」

 

甲児、お前...。

 

さやか「そんな...ひどい...」

 

さやかが涙を流しながら、走り去ってしまった...。

 

甲児「...っと、ちょっと言い方がキツすぎたかな...」

 

零「いや、ああいう奴は多少キツめの方が良いと思う...」

 

アマリ「でも、さやかさん...泣いていましたよ」

 

甲児「フォローを頼むぜ、アマリ、零。ついでにさやかのエスコート役も任せる」

 

アマリ「...わかりました」

 

零「...やなこった」

 

甲児「え...」

 

零「俺とゼフィルスも残る」

 

アマリ「零君⁉︎」

 

甲児「俺とマジンガーだけで十分だよ」

 

零「今日、あいつにボロ負けた奴が出しゃばんなよ」

 

甲児「何っ⁉︎」

 

零「...俺だけ女二人と一緒にお前を置いて戻れるかってんだ...」

 

甲児「零...」

 

零「少しは役に立つと思うけどな」

 

甲児「わかったよ...頑固だな、お前も」

 

零「お前にだけは言われたくねえ...」

 

アマリ「零君、甲児さん。お願いです。絶対に無理はしないでください」

 

零「善処する」

 

甲児「約束はできないな」

 

アマリ「お願いです。これ以上、私やさやかさんを悲しませないためにも...」

 

...アマリ...。

 

甲児「...努力はするよ」

 

零「俺もだ。だから、そんな悲しい顔すんな」

 

アマリ「...うん。必ず戻ってきます。それまで...頑張ってください」

 

アマリも歩き去った...。

 

甲児「...術士サマにはすべてお見通しのようだな...。(すまない、さやか...。でも、ああでも言わなきゃ、残るって言い張っただろうからな...。今の俺とマジンガーじゃさやかを守るどころか、本隊を呼びに行く事でさえ、足を引っ張っちまう...俺にできる事はお前等を信じて待つだけだ...。もし、お前等が間に合わなかったとしたら、その時は...)」

 

零「...甲児...」

 

正直、俺も怖い...。頼みの綱だったバスタードモードの意味がなくなったからな...。

 

バスタードモードを使えたとしてもあいつに勝てるか、どうか...。...くそっ!今悩んでも仕方ねえのに...!

 

甲児「(怖い...。これまで戦ってきた中でこんな想いをしたのは初めてだ...。でも、やるんだ...。いや、やらなきゃ駄目なんだ...。マジンガーZは、そのための力なんだから...)」

 

ゼフィルス...また俺に力を貸してくれ...!

 

甲児「零、明日は生きてみんなのもとへ帰ろうぜ!」

 

零「そういうの死亡フラグだから言うのやめろよ...」

 

さやかを悲しませないためにも...。

 

甲児「ご、ごめん...。(アマリを悲しませないためにも...)」

 

俺が盾にでもなって、甲児を生かす...!

 

甲児「(俺が盾にでもなって、零を生かす...)」

 

 

 

 

 

第34話 偉大な勇者

 

 

 

 

翌日...。

 

オリュンポスの戦士とかいう奴は配下のロボット軍団を連れて現れた。

 

戦士の魂「来たか」

 

俺達はオリュンポスの戦士達の前に立つ。

 

戦士の魂「他の二人はどうした?」

 

甲児「お前らの相手ぐらい俺達だけで十分だ」

 

零「一瞬で片付けてやるよ」

 

戦士の魂「強がりを言ってくれる。昨日の去り際の一撃でお前とマジンガーZが傷を負ったのはとうに承知だ。そんな奴を庇いながら、戦えるのか?」

 

甲児「...」

 

零「庇う必要なんてねえよ...。ここにいるのは鉄の城...マジンガーZと最強のヒーローパイロット...兜 甲児なんだぜ?」

 

甲児「零...」

 

戦士の魂「人間というものはどこの世界、どこの時代も変わらんな」

 

戦士の魂2「その誇りは見上げたものだ。だが、勇気と無謀をはき違えている」

 

戦士の魂3「いい機会だから、教えてやろう。お前達ごときの覚悟など、俺達の前では何の意味もない事を」

 

どの機械獣からもオリュンポスの戦士の声が聞こえやがる...。

 

甲児「やれるもんなら、やってみやがれ!この兜 甲児とマジンガーZ...!力つきる、その瞬間まで一歩も退くつもりはないからな!」

 

零「おいおい、俺の事も忘れんなよ!」

 

甲児「...零、勝とうぜ!」

 

零「...ふぅー...当たり前だ‼︎」

 

戦闘開始だ‼︎

 

 

 

 

〈戦闘会話 零VS初戦闘〉

 

零「(すまねえ、優香...もう会えないかも知れねえ...。弘樹、決着をつけれないかもな...。アマリ...メル...生きてくれ...それが俺からの願いだ...)」

 

 

 

 

戦闘から数分が経過した...。

 

戦士の魂「まだ足掻くか、人間風情が!」

 

甲児「くそっ...!こいつ等の力、底無しかよ!」

 

零「もう怖じ気付いたのかよ、ヒーローさんよ!」

 

甲児「へっ、これしきの事で怖じ気付くかよ!」

 

戦士の魂「お前達に問う。何故、たたかう?」

 

戦士の魂2「ここはお前達の世界ではない...。あの村の人間がどうなろうとお前達には関係ない事のはずだ」

 

甲児「関係ない...?目の前で誰かの生命が奪われるのを黙って見ていられるかよ!ここがどこかなんて知るかよ!俺は...マジンガーZは正義と平和のために戦うんだ!」

 

零「俺は手を伸ばすって決めた...!例え、手が届かなくても届くまで伸ばすって...。それでも届かないのなら、無理矢理にでも手を掴むって決めたんだよ...。だから、俺は戦うんだ!」

 

戦士の魂3「弱き者を守る...。その意思...やはり、ゼウス神を受け継ぐ者だな」

 

ゼウスだと...?

 

甲児「ゼウス...⁉︎俺達に超合金Zを遺してくへたあのゼウスなのか⁉︎」

 

戦士の魂「その通り...!我等、オリュンポスを裏切った逆賊ゼウスの事だ!」

 

甲児「そうか...!お前達...あのハーデスの仲間か!」

 

くそっ!ここで増援かよ...!

 

ガラダブラ「マジンガーZよ!あの時の屈辱と怒り...我は一時たりとも忘れた事はなかったぞ!」

 

甲児「ガラダブラ!何故、お前がここに⁉︎」

 

ガラダブラ「トリスタンとイゾルデの生命を懸けた儀式...それにより、お前達は我等の聖地...このアル・ワースへと呼び込まれたのだ!」

 

甲児「何だって⁉︎」

 

零「あいつ等も...この世界の住人だと言うのかよ...⁉︎」

 

戦士の魂「遥か過去...。我等、オリュンポスは次元を超え、お前達の地球へと侵攻を開始した...。だが、ゼウスの裏切りとお前によってハーデス様はお命を落とされた」

 

ガラダブラ「そして、我等はアル・ワースへと撤退して、復活の時をトリスタンとイゾルデに託して、眠りについた...。時は来た!後はお前の魂をハーデス様に捧げ、その復活を以て、再度の侵攻を開始する!」

 

甲児「あしゅらは...俺をお前達に殺させるためにアル・ワースに俺を送り込んだのか...」

 

戦士の魂「さあ、マジンガーZよ!その魂を捧げよ!」

 

戦士の魂2「お前の死が冥府のハーデス様に届いた時こそが我等の真の復活の時よ!」

 

零「勝手な事を言いやがって...甲児はやらせねえよ!」

 

オリュンポスの戦士達は俺達を取り囲んだ。

 

戦士の魂「ならば、貴様もマジンガーZと共に死ね!」

 

オリュンポスの戦士達の攻撃を俺達は受けた...。

 

甲児「ぐうっ!」

 

零「がはっ!」

 

戦士の魂「泣き叫べ!許しを請え!」

 

戦士の魂2「その絶望をハーデス様に捧げよ!」

 

零「ぐっ...!なめ、るなよ...!」

 

甲児「諦めるものか...!ゼウスの光は、今も俺とマジンガーの中で息づいている!そして、何より!他人の幸せや平和を力で踏みにじるお前達みたいな奴を絶対に許さない!」

 

戦士の魂3「ならば、その光...!ここで消して...」

 

すると、何処かから雷が放たれた...。

 

戦士の魂「うおっ!」

 

ガラダブラ「何者だ⁉︎」

 

甲児「あれは...!」

 

現れたのって...マ、マジンガー...⁉︎

 

甲児「マジンガー...」

 

戦士の魂「か、感じる...!感じるぞ!」

 

戦士の魂2「奴からもゼウスの意思を感じる!」

 

すると、もう一機のマジンガーは俺達の周りのオリュンポスの戦士を吹き飛ばした。

 

戦士の魂2「!」

 

戦士の魂3「!」

 

そのまま、二機のオリュンポスの戦士は爆発する。

 

戦士の魂「ば、バカな!オリュンポスの戦士が一撃で!」

 

鉄也「次はお前だ!」

 

戦士の魂「つ、強い...」

 

もう一機も倒した...強すぎるだろ...!

 

甲児「強い...。そのマジンガーは何て言うんだ?」

 

鉄也「グレートマジンガー」

 

甲児「グレートマジンガー...」

 

鉄也「マジンガーZの兄弟だ」

 

甲児「兄弟...」

 

鉄也「そうだ。マジンガーZと共に戦うために造られた偉大な勇者だ。俺の名は剣 鉄也。甲児...お前を助けるために来た」

 

鉄也「剣...鉄也...!」

 

ガラダブラ「そうか...!貴様...ゼウスの幻の左腕か!」

 

鉄也「残念だったな、ミケーネ共。お前達の結界は、既にあいつ等が破った」

 

エクスクロスのみんなが来たか...!

 

そして、みんなは出撃した...。

 

アマリ「ごめんなさい、零君!甲児さん!遅くなりました!」

 

甲児「気にするな、アマリ!ちゃんと間に合った!」

 

零「もう少しゆっくりでも良かったんだぜ」

 

ノブナガ「フン、それほどの軽口を叩ければ問題はないな」

 

さやか「甲児君!」

 

メル「零さん!」

 

ビューナスAとメサイアのおかげで、マジンガーZとゼフィルスのダメージが回復した。

 

さやか「こんなに無茶して...」

 

甲児「ごめんな、さやか...。あんな酷い事言ってよ...」

 

さやか「いいの...。それが甲児君の優しさだってわかっているから」

 

メル「もう!勝手な事ばかりしないでください!私がどれだけ心配したと思っているんですか!」

 

零「すまなかったな、メル」

 

メル「料理を作ってくれるまで許しません...!」

 

零「お安い御用だ!」

 

ホープス「零様、甲児様...。通信を遮断し、オリュンポスの戦士達に暗黒のエネルギーを送っていた結界はクルル様の手伝いによって破壊しました」

 

クルル「クーックク!もうこれで、超常的な力を発揮する事も出来ないぜ」

 

甲児「よし...!ここから逆転だ‼︎」

 

零「やられた分は...倍返しにして返してやるぜ!」

 

鉄也「いい気合だ」

 

甲児「やろうぜ、鉄也さん!ダブルマジンガーの力をあいつ等に見せてやるんだ!」

 

零「俺のはマジンガーじゃないが、やらせてもらうぜ!」

 

ワタル「やい、三つ首ガイコツ!よくも甲児さんと零さんをいたぶってくれたな!」

 

舞人「覚悟しろ、悪党!ここからが本当の勝負だ!」

 

ガラダブラ「結界を破ったぐらいで、いい気になるなよ!正面から力で叩き伏せてやる!」

 

鉄也「いいだろう!望む所だ、ミケーネ!」

 

甲児「来い、ガラダブラ!これまでの借り返してやるぜ!」

 

俺達は戦闘を再開した...。

 

 

 

 

〈戦闘会話 ユイVS初戦闘〉

 

レナ「オリュンポスの神々...まさか戦う事になるなんて...!」

 

ユイ「レナ...?」

 

レナ「何でもないよ、ユイ。行くよ!」

 

 

〈戦闘会話 零VSガラダブラ〉

 

ガラダブラ「マジンガーZの配下か!」

 

零「誰が配下だ、誰が⁉︎ここまで来たらこっちのもんだ...悪いが、倒させてもらうぜ、ガラガララ!」

 

ガラダブラ「ガラダブラだ!」

 

 

ダブルマジンガーの攻撃でガラダブラにダメージを与えた...。

 

ガラダブラ「勇者と呼ばれた、この俺が人間ごときに...!」

 

鉄也「そうだ、ガラダブラ!お前は、その人間に負けたんだ!」

 

甲児「言っておくが、お前が人間に負けたのはこれで二回目だからな!」

 

ガラダブラ「マジンガーZ、グレートマジンガー!この屈辱、決して忘れんぞ!勇者の名に懸けてお前達の魂は、このガラダブラが刈り取る!」

 

そう言い残し、ガラダブラは撤退した...。

 

鉄也「勇者ガラダブラ...。その名に値するだけの強さの持ち主だな」

 

甲児「だが、負けはしない...!お前に勇者の誇りがあるのなら、俺達にはマジンガー乗りの誇りがある!」

 

...周りのタロス像も倒してやっと終わったか...。

 

甲児「よし...!俺達の勝ちだ!」

 

舞人「でも、甲児さん...。あの敵は、いったい何だったんです?」

 

鉄也「それは俺が説明しよう」

 

甲児「鉄也さん...」

 

鉄也「奴等は、このアル・ワースから俺達の世界へ侵攻を開始した一団だ」

 

刹那「時空を超えて平和の世界を襲ったという事か...」

 

鉄也「奴等はオリュンポスの神と名乗り、ミケーネ地方の人間達に自らを崇めさせた。だが、その中の一人...ゼウス神の裏切りによって、支配者であるハーデス神は倒され...。奴等は、このアル・ワースに撤退せざるを得なかったんだ」

 

しんのすけ「おじさん、事知りだゾ!」

 

マサオ「それを言うなら物知りだよ!」

 

トオル「二人共、失礼だよ!」

 

鉄也「いや...構わんさ。俺は正真正銘のおじさんだからな」

 

アーニー「正真正銘とは...どう言う事ですか?」

 

甲児「鉄也さんは、俺の母さんの弟...つまり、俺の叔父さんなんだ」

 

はあっ⁉︎

 

さやか「ちょっと待って、甲児君!」

 

ボス「その剣 鉄也って人は確か死んだはずじゃ!」

 

甲児「そうだな...。それについては説明してもらわなきゃ...」

 

鉄也「待て...!まだ何か来る!」

 

な、何だ、あの集団は...⁉︎

 

暗黒大将軍「ほう...。勇者と謳われたガラダブラを倒すとはなかなかの男達だ。さすがはゼウスの右腕と左腕...。名を聞かせろ」

 

甲児「あの風格...!ミケーネの幹部か!」

 

鉄也「自ら神を名乗るにしては礼儀知らずだな。他人に名を訪ねる時にはまず自分から名乗るものだ」

 

ミケーネ神「貴様!人間の分際で!」

 

暗黒大将軍「よせ...。確かに礼を失していたのは俺の方だ。我が名は暗黒大将軍!オリュンポスの将にしてハーデス様より無敵の軍勢を預かる者だ!名を名乗れ、人間よ!」

 

鉄也「グレートマジンガーのパイロット、剣 鉄也!」

 

甲児「マジンガーZのパイロット、兜 甲児!」

 

暗黒大将軍「剣 鉄也と兜 甲児か...。我が剣によって死する者!その名、覚えておいてやろう!」

 

鉄也「来るか!」

 

え...暗黒大将軍の軍勢に攻撃を仕掛けた...⁉︎

 

誰だ...⁉︎

 

アマリ「あれは...!」

 

ホープス「はい...。爆雷のドグマ...それもかなり高レベルの使い手によるものです」

 

現れたのは...魔従教団じゃねえか...!

 

エイサップ「魔従教団!」

 

ゼロ「先頭のあの機体...!異界の門を開いた時にもいた奴だ!」

 

暗黒大将軍「魔従教団め...!この時代でも我々の邪魔をするか!」

 

セルリック「エンデの名の下に法と秩序を守る...。それこそが我々の使命ですから」

 

暗黒大将軍「ちいっ...!剣 鉄也と兜 甲児...!この戦い、預けるぞ!」

 

暗黒大将軍達が撤退した...?

 

ネネ「ミケーネ達が帰っていく...」

 

シバラク「さすがは魔従教団だ!」

 

ティエリア「安心するのは早い」

 

アル「妾達は教団と戦った事がある身なのだぞ」

 

セルリック「ご安心を。過去に不幸な行き違いがあったようですが、私達は、あなた方と戦う気はありません。私の名はセルリック・オブシディアン...。魔従教団の法師を務めております」

 

タママ「法師ですか...?」

 

ホープス「術士を束ねる存在...。教団の実行部隊の最上位です」

 

幻龍斎「そんな大物がおいでになるとは...!」

 

セルリック「エクスクロスの皆さん...。先程のオリュンポスの神々の復活の事でお聞きしたい事があります。また、ドアクダー軍団やミスルギ皇国の件もありますので、皆さんをご招待して、お話を伺いたいと思います。私共の招待...お受けいただけるでしょうか?」

 

ドニエル「いきなり言われても...」

 

倉光「ですが、こちらも情報をまとめる必要があるでしょう」

 

スメラギ「そうですね」

 

ネモ船長「セルリック法師...。そちらの提案をお受けします」

 

セルリック「ありがとうございます。アマリ・アクアマリン...。君にも話がある」

 

アマリ「...」

 

零「...アマリに何をする気ですか?」

 

セルリック「君は?」

 

零「...新垣 零...。アマリの仲間です」

 

セルリック「...ほう...。ご心配なく、決して悪いようにはしない。ここは私に任せてくれたまえ」

 

零「アマリ...俺達だけでも行かないっていう手があるが...どうする?」

 

アマリ「ううん、行くわ、零君」

 

零「そうか...」

 

ホープス「ついに来たのですね、この日が...」

 

俺達はそれぞれの艦に戻り、Nーノーチラス号の格納庫に集まった...。

 

甲児「...鉄也さん...。あんたはバードス島で生命を落としたと聞いていたけど...」

 

鉄也「死んでいなかった...。いや、死ぬ事を許されなかったと言うべきか...」

 

甲児「え...」

 

鉄也「お前の父親である兜 剣造は寄生されたケドラからのフィードバックでいつの日かミケーネが復活する事を知った。その時に備え、剣造は俺を蘇生させ、冷凍睡眠処置を施した...。そして、戦う力としてグレートマジンガーを造り上げたんだ」

 

甲児「グレートは...俺の父さんが造ったマジンガー...」

 

鉄也「だが、残念ながら剣造も姉さんもあしゅらの企みに踊らされ、結局、儀式を許してしまった。そして、あしゅらの開いた異界の門にお前達が吸い込まれた時、あの場にいた俺も自らその中に飛び込んだんだ...。そして、このアル・ワースでミケーネの行方を追い続け、今日お前と再会する事が出来たんだ」

 

甲児「そうだったんだ...」

 

鉄也「すまん、甲児...。俺達はミケーネの復活を阻止できず、今日もまたお前の危機に間に合わなかった...」

 

甲児「何を言ってんだよ、鉄也さん!鉄也さんとエクスクロスが来てくれたから、俺達はこうして生きているんだ」

 

鉄也「甲児...」

 

甲児「終わった事は終わった事だ!こうしてダブルマジンガーが揃ったからにはミケーネもドアクダーもぶっ飛ばしてやろうぜ!」

 

鉄也「我が甥っ子ながら、頼もしいやつだ。お前の成長した姿...剣造にも是非見せてやりたいぜ」

 

甲児「それを聞いたら、ますます死ねなくなった!鉄也さん...。この戦い、必ず生き抜いて、一緒に帰ろう」

 

鉄也「ああ...。(約束するぞ、剣造、姉さん...。俺の生命に代えても、甲児を守り抜いてみせる。それが俺とグレートマジンガーの新たな使命だ...)」

 

さやか「良かったわね、甲児君...」

 

お菊「弟さんと甲児坊ちゃんの事を知ったら、女将さんも喜ぶだろうね」

 

安「甲児じゃねえが、俺達もこりゃ死ぬわけにゃいかねえな」

 

ボス「でも、あのミケーネとかいう連中、並みじゃねえっスよ!」

 

クロス「ああ...。奴等の大将の暗黒大将軍とかいう奴...只者じゃねえ迫力だった」

 

海道「心配すんな、クロスのオッサン」

 

真上「いくら、迫力が只者じゃなくても、俺達が倒せばいいだけの話だ」

 

シバラク「うむ...!こちらにはなんと言っても魔従教団が付いているからな!」

 

幻龍斎「お主達が教団と戦ったという話を聞いて、危うく腰が抜けるところだったが、何とか誤解も解けたようで良かったウラ!」

 

ニール「問題は、脱走者であるアマリの処分だろうな」

 

ワタル「そのアマリさんは?」

 

マーベル「ホープスの所に行ってるわ。今後の事を相談するみたい」

 

ワタル「もし、教団の人がアマリさんを責めたら、僕達も一緒に謝ろうよ」

 

グランディス「あいつには世話になったからね。弁護ぐらいはしてやるさ」

ジャン「相手は法と秩序の番人なんだもの。話せば、きっとわかってくれるよね」

 

ユイ「きっと大丈夫ですよ!先ほども悪いようにはしないと言っていましたし」

 

ロックオン「悪党共の天敵が味方になって、おまけに帰還の方も目処が立ったってわけか」

 

サンソン「こっちの世界に跳ばされて、色々と苦労したが、やっとゴールが見えてきたようだぜ」

 

ハンソン「あとはそこに向けて一直線だ」

 

シバラク「いや〜楽しみだな〜。魔従教団の神殿にご招待か〜」

 

ワタル「いったいどんな所なんだろうね...!」

 

零「...」

 

メル「アマリさんが心配なのですか?」

 

零「...心配じゃないって言ったら嘘になるな...」

 

俺はまだ嫌な予感がしている...。何だ...?何か、アマリが遠くに行ってしまう...そんな気がする...。

 





ー中断メッセージ

〈零とメルの変わった挨拶4〉

零「お疲れ!ゆっくり休んでくれよな!」

メル「前回言った変わった挨拶を披露する絶好の機会ですね、零さん」

零「...か、考えて来たぜ」

メル「では、お願いします」

零「此処でゲーム中断?いい判断だネ!次も僕と一緒にプレイしよーよ!じゃあ、シーユー!

メル「プフフ...!」

零「...やっぱりチャラ男はやるんじゃなかった...」

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