スーパーロボット大戦X ー輝きの翼ー   作:カイト・レイン

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アマリ覚醒の回と皆様へのサプライズ(になるかどうかはわかりませんが)があります!

それでは、どうぞ!


第36話 自由という翼

 

ー氷室 弘樹だ。

 

俺達は首領に集められた。

 

?「よく集まってくれた」

 

弘樹「来なかったら文句言うくせによ」

 

カノン「首領様、何かご用ですか?」

 

?「エクスクロスは現在、魔従教団の神殿にいるようだ」

 

ギルガ「エクスクロスは魔従教団と手を結ぶ気か...」

 

?「その逆だ...。エクスクロスは魔従教団と戦闘をしたようだ」

 

アスナ「アル・ワースの法と秩序を守る魔従教団に彼等も敵対するなんてね...」

 

弘樹「敵対理由は何だ?」

 

?「どうやら、アマリ・アクアマリンが関係しているみたいだ。彼女は教団から背教者の烙印を押されたみたいだ」

 

弘樹「アクアマリンが...⁉︎」

 

?「その戦いの最中、アマリ・アクアマリンは法師セルリック・オブシディアンのドグマによって敗北し、捕らえられ、それを助けようとした新垣 零も大ダメージを負った」

 

弘樹「なんだと...⁉︎」

 

アスナ「あ、あの新垣 零が...!」

 

?「このままではエクスクロスは魔従教団の力によって取り込まれるであろう」

 

ギルガ「それで僕達はどうすればいいのですか?」

 

?「エクスクロスと共に魔従教団を討つ」

 

カノン「エクスクロスと共にですか⁉︎」

 

アスナ「御言葉ですが、首領様...。エクスクロスが私達を受け入れるとは思えませんが...」

 

?「だが、今のエクスクロスではセルリック・オブシディアン率いる魔従教団には勝てないであろう」

 

ギルガ「では、あのエクスクロスに恩を売ると言うのですか...?」

 

?「不満か、ギルガ・カルセドニー?」

 

ギルガ「...あの新垣 零に恩を売るのは...」

 

?「...前回のブラックホールキャノンを無断で使用したお前の罪を消したのは誰だ?」

 

ギルガ「...!」

 

?「今すぐ牢屋行きでもいいのだが?」

 

ギルガ「わ...わかりました...」

 

弘樹「自業自得だ」

 

ギルガ「黙れぇぇぇぇっ‼︎」

 

?「騒ぐな。氷室 弘樹。新垣 零を助け出す事はお前も本望のはずだ」

 

弘樹「...あいつは俺の手で倒す。...ただそれだけだ」

 

?「ジン・スペンサー、アユル・ディラン...。お前達にも手伝ってもらう」

 

ジン「良いだろう、アーニー達を失うのは俺達も望む所ではない」

 

アユル「わかりました」

 

?「では、行ってもらおう。(新垣 零...。まだお前を失うわけにはいかないのだ...。だから、必ず生きろ...)」

 

零...勝手にくたばったら承知しねえぞ...!

 

 

 

 

 

ーアマリ・アクアマリンです...。

 

私はエンデの間に連れてこられました...。

 

アマリ「...」

 

導師キールディン「...これは査問ではない。背教者の裁判だ」

 

アマリ「...」

 

導師キールディン「アマリ・アクアマリン...。最後に何か言いたい事はあるか?」

 

アマリ「...導師キールディン...。智の神エンデとは...何なんです...?」

 

導師キールディン「教義の最初の1ページすら、忘れるとはな...。アル・ワース創世の神にして、ドグマという形で自らの智を我等に与える者...。それこそがエンデ...」

 

アマリ「...創世の神ならば、私の自由を...私の大切なものを...大切な人を奪う権利があるのですか?」

 

導師キールディン「アマリ・アクアマリン...」

 

アマリ「教団を離れた私は、自分の魔力が弱まった事を感じました...」

 

導師キールディン「エンデの加護を失ったのだ。当然の事だろう」

 

アマリ「ですが、ホープスがいれば、私はドグマを使えました」

 

導師キールディン「...」

 

アマリ「そして、教団に戻り、ホープスと引き離され、このエンデの間で導師の前に立った時...。私はエンデの存在と、それが自分に侵食してくる事を感じました...」

 

導師キールディン「神の存在を、その身で感じるとはな...」

 

アマリ「エンデが入ってくる感覚...。それは至福どころか、おぞましいものでした...。そして、エンデに心を奪われた私をホープスは助けてくれました。その時、私は理解したんです。私の記憶...教団で過ごしてきた日々が偽りであった事を」

 

導師キールディン「(圧倒的な力を見せつけられ、信じていた者に裏切られ、挙げ句の果てには愛する者を目の前でボロボロにされたというのに...絶望に震えていた気弱で従順な少女...。だが、その心は折れてはいなかった.。魔法生物は、この少女の胸の奥に眠るものに懸けたのか...。これは...荒療治が必要だろう...)」

 

アマリ「さらにホープスは教えてくれました。異界人の召喚は、教団がやった事であるのを。教団は呼び寄せた異界人をドアクダーやオリュンポスと戦わせるために戦力にしようとしたんですね?」

 

導師キールディン「...」

 

アマリ「ミスルギに取り込まれた者もいましたが、結果的には、目論見通り、エクスクロスのような力が生まれました...。と言うより教団は悪と戦う意思を持った人間を選んで呼び寄せたと推測します。違いますか?」

 

導師キールディン「そうだ...。だが、一つだけ違う事がある」

 

アマリ「え...?」

 

導師キールディン「お前が愛する新垣 零という男...彼を呼んだのは我々でもドアクダーでもミスルギでも、オリュンポスでもない」

 

アマリ「そ、それはいったい...⁉︎」

 

導師キールディン「それはまだわからない。だが、これだけは言っておく。新垣 零...。彼と関われば確実にお前は絶望を見るであろう」

 

零君と関われば...絶望を見る...⁉︎

 

導師キールディン「彼は異常なのだ」

 

アマリ「異常なのは教団です!教団は、今すぐ異界人を元の世界へと返し、戦いの拡大を食い止めるべきです!」

 

導師キールディン「嘆かわしい...。魔法生物に惑わされたか...」

 

アマリ「...法と秩序のために戦ってきた教団の全てを否定するつもりはありません。ですが、私は...教団を信じる事は...」

 

導師キールディン「自分の心を偽るな」

 

アマリ「え...」

 

導師キールディン「口では、そう言いながら、お前は心の中ではエンデを信じ、教団に救いを求めている。その証拠にお前は、先程の異界人召喚の真相をエクスクロスには話していない」

 

アマリ「それは混乱を避けるためで...」

 

導師キールディン「違う!お前は智の神エンデの使徒として、魔従教団を信じているからだ!そして、あの魔法生物に裏切られた今、心はエンデを求めている!」

 

アマリ「そんな事は...」

 

導師キールディン「断じて言おう!お前の心はエンデのものだ!」

 

アマリ「やめて...ください...」

 

導師キールディン「教えてやろう、アマリ。異界人の召喚は、お前の言う通り、魔従教団がやった事だ。だが、それは...アル・ワースを存続させるために必要な事だったのだ」

 

アマリ「アル・ワースを...」

 

導師キールディン「教団の否定は、アル・ワースの滅びを意味する。それともお前は世界を滅ぼしたいのか?」

 

アマリ「そ...それは...」

 

導師キールディン「かわいそうに...。藍柱石の術士、アマリ・アクアマリン...。もう何も考えなくていい。お前の心の不安はこの私が取り除こう...」

 

アマリ「!」

 

導師キールディン「智の神エンデの名の下、アマリ・アクアマリンに祝福を...」

 

こ、この力は...エンデが...また...!

 

助けて...零、君...!

 

 

 

 

 

ー新垣 零だ...。

 

俺は暗闇の中にいた...。

 

そして目の前にはアマリの姿があったが...。

 

アマリ「零君...」

 

零「アマリ...!」

 

悲しそうな表情で俺を見てくるアマリの服装はいつもの服とは違い、イオリ・アイオライトと似たような服を着ていた。

 

すると、アマリはだんだん俺から遠ざかっていく。

 

零「あ、アマリ!」

 

俺は遠ざかるアマリを追いかけるように走り出す。

 

だが、いつまで走ってもアマリには追いつけなかった。

 

零「はぁ...はぁ...!待ってくれ...待ってくれ、アマリ!」

 

すると、アマリの両側にイオリ・アイオライトとセルリックの姿が現れ、不敵な笑みを向けながらこっちを見ていた。

 

イオリ「新垣!これでアマリは俺達のものだ!」

 

セルリック「君では...彼女は愚か誰も守れないのだよ」

 

零「待て...!アマリを...アマリを連れて行かないでくれ...!待て‼︎」

 

アマリ「零君...」

 

零「アマリ...!」

 

アマリ「ごめんなさい...。さようなら...」

 

そして、アマリは二人と共に消えた...。

 

零「アマリ...!アマリィィィッ‼︎」

 

アマリの名を叫んだ瞬間、俺は躓き、こけてしまった...。

 

零「くそッ...!クソッ‼︎」

 

?「...たくっ...女々しい奴だな...」

 

零「!」

 

突然、声が聞こえ、俺は振り返るとそこにはもう一人の俺がいた。

 

零「お、俺...?お前はいったい...?」

 

零?「見ての通りだ。俺はお前だ!...んっ?お前が俺か...?え、あれ...?ややこしいな...」

 

何を言っているのかわからず、俺は首を傾げながら立ち上がった。

 

すると目の前の俺はため息を吐き、口を開いた。

 

零?「さっきから見ていたが...アマリ、アマリ、アマリ...いい加減ノイローゼになりそうだぜ...」

 

零「...わ、悪い...ん?って!何で俺が謝らないとダメなんだよ⁉︎」

 

零?「お前が悪いからだよ。あの女にお前が惚れている事はわかる...。魔従教団にあいつを取られたくなけりゃもう一度奪い返せばいいじゃねえか」

 

零「簡単に言うなよ...。セルリックの力は強大だ...。俺じゃあ...奴には...」

 

零?「はあ...だから、女々しいんだよ、お前は...歯ぁ食いしばれよ!」

 

零「え...ぐはっ⁉︎」

 

突然、目の前の俺が殴ってきた。

 

そのまま倒れる俺の胸倉を掴み、無理矢理立たせた。

 

零「何すんだよ⁉︎」

 

零?「ちったぁ目が覚めたか?アァッ?」

 

零「な、何がだよ...!」

 

零?「お前は一人で教団と戦って、アマリ・アクアマリンを救い出す気なのか?」

 

零「...!そ、それは...」

 

零?「お前には...エクスクロスっていう仲間がいんだろうが!奴等と力を合わせれば、アマリ・アクアマリンをも助け出せる!」

 

零「...」

 

零?「アマリ・アクアマリンを大切な仲間だと思っているのはお前だけじゃねえって事だ」

 

零「お前...」

 

零?「だからよぉ...辛い時や困難な時は仲間を頼れ。エクスクロスは物好きな奴等ばかりだろ?お前の頼みを断る奴等はいねえ...。それでもアマリ・アクアマリン救出の邪魔をエクスクロスがするのなら...」

 

零「...うるせえよ...」

 

零?「...あ?」

 

零「その覚悟はできている...。例え、エクスクロスが教団と手を取り合ったとして、俺の敵になろうとも...俺はアマリを救い出すために闘う」

 

零?「ほう?」

 

零「例えどんなに生き血を啜ってもな」

 

零?「それがお前の強さか...。ちったぁマシな顔になったじゃねえか。...ちっ、そろそろ時間か...」

 

すると、俺の視界がボヤけてきた...。

 

零?「お前の選んだ道...俺も見続けてやる...。必ず、アマリ・アクアマリンを助け出せ...。またな、相棒」

 

そして、俺は光に包まれ、目を覚ますと目の前には心配そうな表情をしている山田先生の姿があった。

 

零「...山田、先生...?」

 

摩耶「新垣君!気がつきましたか⁉︎」

 

零「は、はい...。此処は...?」

 

摩耶「プトレマイオスの医療室です」

 

零「俺が気を失った後の状況説明をお願いしてもいいですか?」

 

痛む身体に顔を歪めながら、俺はベットの上で座り込む。

 

摩耶「新垣君が気を失った後、アクアマリンさんは魔従教団の方々に連行されてしまいました」

 

零「エクスクロスのみんなは...?」

 

摩耶「今、艦長の方々とルルーシュ君、ノブナガさん、ミツヒデさん、覇道さん、織斑先生とヒュウガ船長、イツカさんがオブシディアンさんと今後についての会議を行っています」

 

本当にエクスクロスは魔従教団と手を結ぶ気なのか...?

 

零「それにしても...俺、どれぐらい気を失ってました?」

 

摩耶「丸一日ぐらいですね」

 

零「ま、丸一日...」

 

通りで腹が減るわけだ...。

 

摩耶「...ごめんなさい」

 

零「え...」

 

な、何で山田先生が謝るんだよ...?

 

摩耶「私は大人なのに...戦う事も出来ません...」

 

零「...それでも、山田先生はずっと俺の看病をしてくれました。ありがとうございます。」

 

摩耶「新垣君...」

 

零「戦う事だけが誰かの役に立つ事じゃない...。山田先生も俺達の掛け替えのない仲間ですよ」

 

摩耶「...ありがとうございます!」

 

零「いえいえ...。さてと、まだ会議はしていますかね?」

 

摩耶「え?はい」

 

俺は痛む身体に鞭を指して、ベットから降りた。

 

摩耶「だ、ダメですよ、新垣君!まだ安静にしていないと!」

 

零「...行かせてください。俺もエクスクロスのメンバーです...。会議に参加する権利はあると思います」

 

摩耶「...無茶はしないでくださいね」

 

零「了解しました」

 

俺は山田先生と共にみんなの元へ向かった...。

 

そう言えば、あの時出てきたもう一人の俺はいったい何だったんだ...?夢、だったのか...?

 

 

 

 

ールルーシュだ。

 

俺達はセルリックと今後についての話をしていた。

 

セルリック「...では、今後もドアクダー軍団とオリュンポスの打倒についてのご協力をお願い致します」

 

ドニエル「了解です。こちらでも情報が入り次第、ご連絡します」

 

ルリ「その代わりと言っては何ですが、私達の元の世界への帰還についてもご協力をお願いします」

 

セルリック「お任せください。ご存知の通り、教団も異界の門を開く実験は進めております。ドアクダーが打倒され、神部七龍神の力が元に戻れば、彼等と協力してきっと皆さんを元の世界へ戻す事もできましょう」

 

倉光「これでミスルギと戦っているアメリア軍と自由条約連合も安心すると思います」

 

セルリック「ところで...Nーノーチラス号の責任者の方はいらっしゃらないのですか?」

 

ルルーシュ「ネモ船長の代理には俺とノブナガ公として出ている」

 

スメラギ「(ネモ船長とノブナガとルルーシュ...昨夜は遅くまで打ち合わせをしていたみたいけど...)」

 

名瀬「(あの三人が組むと何となく不穏な空気を感じる...。気のせいだと思いたいけどな...)」

 

セルリック「では、今後ともよろしくお願い致します。こちらを発たれる際には私もお見送りをさせていただきます」

 

ルリ「所で零さんに対しての謝罪の言葉はないのですか?」

 

セルリック「彼が挑んできて返り討ちにした...それだけの事です」

 

ノブナガ「だが、貴重な戦力に傷をつけられた事には腹立たしいがな」

 

セルリック「では、申し訳ありません」

 

ヒュウガ「本当にそう思っているのですか⁉︎」

 

千冬「落ち着いてください、ヒュウガボス」

 

ヒュウガ「...すまない」

 

零「...謝罪の言葉は必要ありませんよ。戦場で起こった事なんですから」

 

そこに零と山田先生が来た...。

 

 

 

 

ー新垣 零だ。

 

俺は山田先生に支えられながら、会議の場所に来た。

 

ヒュウガ「零!」

 

號「来て大丈夫なのか...?」

 

零「大丈夫ですよ、これぐらい」

 

千冬「摩耶!何故、零を連れてきた⁉︎」

 

摩耶「新垣君の覚悟は止められないです」

 

千冬「摩耶...」

 

セルリック「ご無事そうで、何よりです、零さん」

 

零「...アマリに会わせてください」

 

セルリック「彼女は背教者です。私達の方で責任を持って処分を下します」

 

ルルーシュ「それについては何とかならないのか?」

 

スメラギ「魔従教団の教えに背いたのであれば、除名といった処分は仕方ないと思います」

 

倉光「しかし、彼女は悪事を働いたわけではありません。追放という形でも構いませんので、このまま私達と行かせてもらえないでしょうか?」

 

セルリック「皆様のお気持ちは彼女に伝えましょう。ですが、事は教団の問題ですので、こちらにお任せください」

 

スメラギ「やっぱり、無理ですか...」

 

零「...ルルーシュ、エクスクロスは本当に魔従教団と手を取り合うんだな?」

 

ルルーシュ「ああ」

 

やっぱりか...。

 

零「...そうか。皆さん、誠に勝手ですが...俺はエクスクロスを抜けます」

 

千冬「な、何を言っているんだ、零⁉︎」

 

ドニエル「自分の言っている事がわかっているのか⁉︎」

 

零「...ええ。みなさんには本当にお世話になりました...。ですが、俺は未だに魔従教団を信じる事はできません。...信用していない者がいない方がいいでしょう」

 

スメラギ「あなたの言っている事は正しいけど...!」

 

零「...このままエクスクロスが教団の犬に成り下がるぐらいなら...俺はいたくありません」

 

オルガ「何だと...?」

 

名瀬「今の言葉は聞き逃せないな、零」

 

零「事実でしょう?セルリックのドグマの力を恐れ、手を取り合うしか道がないと思ったんでしょう?」

 

ドニエル「そ、それは...!」

 

倉光「零君、すこし言葉が過ぎるんじゃないかい?いくら君でも許す事はできないよ」

 

零「...」

 

皆さん...すみません...。

 

ルリ「早い話...何が言いたいのですか?」

 

零「...俺は必ずアマリを助け出すと決めました...。例え、魔従教団がそれを拒もうと...」

 

瑠璃「...魔従教団を...アル・ワースの全てを敵に回す気ですか?」

 

零「そう言っている。エクスクロスが教団の味方となり...俺の邪魔をするなら...俺はエクスクロスとも戦います」

 

セルリック「ほう...」

 

ルルーシュ「それは俺達、エクスクロスへの宣戦布告とも受け取っていいのか?」

 

零「...構わない。魔王だろうが、地獄だろうが...破壊王だろうが...俺は負けない」

 

摩耶「新垣君...」

 

すると、ノブナガが動き出し、刀を抜いて、俺の首元に刀身を当てた。

 

ミツヒデ「ノブ...⁉︎」

 

零「...何の真似だ?」

 

ノブナガ「...ならば、此処で切り捨てられる覚悟もあるのか?」

 

零「...俺の覚悟を甘く見るな」

 

倉光「(零君...君はそこまでアマリ君のことを...)」

 

零「...斬るなら斬れ...。だがな...!」

 

俺は二本の指をノブナガの両目の目の前まで持っていく。

 

零「俺を斬る前にお前の両目を貫くがな」

 

ノブナガ「俺に脅しが通じない事はお前も知っていよう」

 

零「なら斬れよ...。俺も動じないからよ」

 

ノブナガ「...」

 

零「...」

 

ノブナガ「...ふっ...。フハハハハハッ‼︎」

 

零「何笑ってんだよ...?」

 

ノブナガ「そうかそうか...!ハハッ...良き覚悟だ!俺の負けだ、零」

 

ノブナガ...。

 

笑いながら、刀を鞘に戻し、俺も手を下ろす。

 

セルリック「...フフフ...。アマリ・アクアマリンも嬉しがると思います。こんなにも彼女のことを思ってくれる男性がいて...」

 

ルルーシュ「人当たりがいいが、頑として自分達のやり方を変えない...。あなたは教団の在り方そのものだな」

 

セルリック「ほう...」

 

ルルーシュ「要するにあなた達は自分達の正義以外は認めない...。裏を返せば、自分達以外の正義は全て悪と断じているだけだ」

 

零「ルルーシュ...」

 

倉光「ちょっと...ちょっとルルーシュ君...」

 

ドニエル「いきなり何を言ってるんだ、お前は⁉︎」

 

セルリック「...流石ですね、ルルーシュ・ヴィ・ブリタニア君」

 

ルルーシュ「俺の真の名までこ存知とはな...。流石は、異界人召喚の張本人...魔従教団の幹部だけある」

 

...やっぱり、そんな事だろうと思ったが...。

 

號「な...⁉︎」

 

スメラギ「何ですって...⁉︎」

 

オルガ「魔従教団が俺達をアル・ワースに呼び込んだって事か...⁉︎」

 

セルリック「何を根拠に、そんな言いがかりを?」

 

ルルーシュ「そのような物言いが既に自分達以外の全てが悪であると断じる思想から出ているんだよ」

 

セルリック「あなたの方こそ、我々への不信感を、おかしな妄想で悪意にまで引き上げていませんかな?」

 

ルルーシュ「そう言われても仕方ないだろうな...」

 

ノブナガ「だが、俺達はおのれの中の感を信じる...」

 

瑠璃「ノブナガ公まで...!」

 

セルリック「そうは言うものの、あなた達程の人物が勘だけを頼りに世界そのものを敵に回すとは思えませんね...。そこに至った根拠...それを聞かせてもらおう」

 

ルルーシュ「ホープスだよ...。隙を突いて、俺やノブナガ...ネモ船長を呼び出し、この事実を教えてくれた」

 

セルリック「なるほど...。あの魔法生物は、我々とあなた達を仲違いさせたいようですね...。では、問おう。あのような輩と法と秩序の番人たる私達...そのどちらを信じる?」

 

零「...俺はお前もホープスを許していない...。だから、どっちも信じられないな」

 

セルリック「何...?」

 

ルルーシュ「...俺が知っているある人間は一見すると、あなたによく似ていた。常に笑顔を浮かべ、人当たりの良い所だがな...。だが、その男は心に虚無を抱えており、勝敗にも自分の生命にも執着がなく、完全な無私を貫ける人間だった。だが、あなたは違う」

 

セルリック「...」

 

ノブナガ「お前の心の奥には強気欲望を抱えている...。その二面性を俺達は受け入れるつもりはない」

 

セルリック「...それよりもだ。君達に牙を剥いた新垣 零...彼の処分はどうするつもりだ?」

 

オルガ「...何言ってんだ、あんた?」

 

セルリック「何...?」

 

名瀬「あんたは言ったよな?教団の一員であるアマリの処分は自分達が決めると...」

 

ルリ「私達、エクスクロスの問題です。口を挟まないでもらいませんか?」

 

セルリック「...いいだろう、エクスクロス。教団の代表...法師である私を信じられないなら、君達に裁きを下す。智の神エンデの下、法と秩序の番人として、君達を力で従えよう」

 

ルルーシュ「プライドが高い男というのは、見下していた人間に反抗されると途端に激昂する...。それが、あなたの...いや、魔従教団の真の姿なのだろうな」

 

セルリック「傲岸不遜な君には、罰を与えると言うべきだな」

 

ドニエル「ちょっと待ってくれ!それはあまりにも乱暴じゃないか!」

 

セルリック「そうでもしなければ、そちらの彼等は納得しないだろう」

 

倉光「...でしょうね。そして、それは私も同じです」

 

ルリ「僭越ながら私もです」

 

瑠璃「私も同感です」

 

號「俺も同じ意見だ」

 

ヒュウガ「私もだ...織斑先生はどうですか?」

 

千冬「既に答えは出ています」

 

名瀬「そうだな...なあ、オルガ?」

 

オルガ「ああ...」

 

ドニエル「皆さんまで...⁉︎」

 

千冬「教義という名目で一人の人間の自由を奪うような組織とはいずれ衝突は必至でしょう」

 

ドニエル「しかしだな...!」

 

ノブナガ「ドニエル艦長...。ホープスと奴等とアマリとその中の誰を信じるのだ?」

 

ドニエル「...アマリだ。彼女に嘘はない」

 

ルルーシュ「これで決まりだな」

 

セルリック「無論、この神殿を出るまでは仕掛けるつもりはない。君達が出航した所で私自ら、舞台を動かす」

 

ノブナガ「正々堂々という姿勢を崩さんのはさすがと言っておこう」

 

セルリック「今更だな、破壊王」

 

ノブナガ「言っておくが、お前の事は信用できんが、お前という人間は嫌いではない」

 

ルルーシュ「俺も同感だ。欲望を持つ事...。それ自体は人間として当然なのだからな」

 

セルリック「人の心を見透かすような人間は私は好きではないな...」

 

ルルーシュ「では、行くとしよう」

 

零「...待ってくれ!」

 

ノブナガ「どうしたのだ、零?」

 

零「...俺がみんなに牙を向けた事は本当の事だ...。俺への処罰を言ってくれ」

 

ドニエル「もういいではないか!」

 

零「いえ...それでは俺の覚悟が踏み躙られたようで嫌です...。だから...」

 

ルルーシュ「わかった。ならば、お前への処罰を言い渡す...」

 

零「...」

 

ルルーシュ「これからも俺達と共に戦え...。エクスクロスの仲間としてな...」

 

零「...!ふっ、わかったよ、参謀様」

 

ありがとう...ルルーシュ...。

 

 

 

 

第36話 自由という翼

 

 

 

 

俺達はそれぞれの艦に戻り、神殿を出た後、出撃した...。

 

クリス「どうして、あたし達...。魔従教団に追われる事になっちゃったの...」

 

ロザリー「全部、あいつらの所為だ!あの戦バカと男アンジュめ!」

 

アンジュ「うるさいよ。文句を言うんなら、あんた達だけ降参すればいい」

 

タスク「アンジュ...。君は何処かでこうなる事を予想していたみたいだね」

 

アンジュ「ああいう張り付いたような笑顔の男は好きじゃないから。何より、慈悲を与える...っていう上から目線が気に入らないのよ」

 

シバラク「アンジュの言う事も一理ある」

 

グランディス「シバラク先生の方は覚悟が決まったみたいだね」

 

シバラク「アマリや零の件もありますのでな」

 

ワタル「先生...」

 

シバラク「...魔従教団の在り方は、クラマの裏切りがどうしても許せんかった以前の拙者と同じだ。だが、ワタルやヒミコを見て、拙者は過ちを許す事の大切さを知った」

 

ジェレミア「綺麗過ぎる水に魚は住めない...。アマリを彼等の身勝手な潔癖さの犠牲にするわけにはいかないでしょう」

 

ヒルダ「それに零が散々やられて、反省の色も0だったからな...。友達としては見逃してはおけねえんだよ!」

 

ヒルダ...。

 

シバラク「ジェレミア殿やヒルダの言う通りだ。だから、拙者は拙者の信じる正義で魔従教団と剣を交えよう」

 

ワタル「さっすが、僕の先生だ!」

 

しんのすけ「ヒルダお姉さんも格好いいゾ!」

 

サリア「そうは言うけど...」

 

ラライヤ「いきなり戦闘になるのは...」

 

刹那「まだためらいを感じる者もいるようだな...」

 

ルルーシュ「ならば、ワタルの持つ真実の鏡でセルリックを照らしてみるといい...。きっと面白いものが見られるぞ」

 

カレン「そんな笑顔で言われても説得力ないよ...!」

 

瑠璃「ネモ船長...。あなたは、こうなる事を知りながら、ルルーシュさんとノブナガさんを代理として送り込んだのですか?」

 

ネモ船長「法師セルリックの仮面をはぎとるのは彼等の方が適任だと判断したまでです」

 

倉光「(その真偽はともかく、ルルーシュ君とノブナガ公はホープスの密告を材料としてセルリック氏の真の姿を引き出した...。ホープスが何をしたかったかはわからないが、ルルーシュ君とノブナガ公の権謀術数に目をつけた事は理解できる...。わからないのは、その共謀相手としてネモ船長を選んだ事だ...)」

 

ネモ船長「...」

 

倉光「(ネモ船長とNーノーチラス号には秘密が多い...。ホープスがあの人を選んだのは、それに関係していると見るべきだろうね...)」

 

アキト「零君、傷の方は大丈夫なのかい?」

 

零「...大丈夫だよ、心配ない!」

 

メル「無理をしているのが丸わかりですよ!」

 

零「でも、止められたって俺は戦うからな」

 

メル「零さん...!」

 

フロンタル「零君の頑固さは今に始まった事ではないはずだよ、メル君?」

 

メル「...はい...」

 

万丈「そろそろ魔従教団のお出ましだ。覚悟はいいかな、みんな?」

 

ルルーシュ「(ホープス...。俺達はお前の希望通りに動いてやったぞ)」

 

ノブナガ「(後はお前次第だ)」

 

すると、魔従教団の部隊が展開された。

 

ルルーシュ「我々の準備ができてから部隊を動かすとは、さすが法と秩序の番人だ」

 

セルリック「挑発は無駄だ、ルルーシュ。私は個人の感情で動くつもりはない。智の神エンデの名の下、君達の思い上がりを正すのみだ」

 

ショウ「要するに力で俺達を従えるという事か...!」

 

鉄也「それが法と秩序を守る手段だとしたら、お前達の底も見えたな」

 

セルリック「そうやってアル・ワースの平穏は守られてきた。君達が口を出す事ではない」

 

零「他人の世界の事をとやかく言うつもりはない。俺はアマリを救い出すだけだ!」

 

セルリック「新垣 零...。あれ程の敗北を経験しておきながら、まだ私に挑んでくるとはな...!」

 

零「あいにく肝が座ってるんでな...。それに目の前にアマリがいるのに、怯えてられっかよ!」

 

シーブック「だが、その身勝手な理屈を僕達にも押しつけるのなら、全力で抵抗する!」

 

ミネバ「法師セルリック...。考え直す気はないのですね?」

 

ジョーイ「こうして僕達が戦えば、それは敵を喜ばせるだけなんですよ!」

 

セルリック「心配はいらない。アル・ワースの悪は、教団が滅する。エンデの使徒の誇りに懸けて、教団に従わない者の力など借りるつもりはないのだよ」

 

ルルーシュ「(この様子...。セルリックは本気で教団が異界人を召喚したのを知らないようだな...)」

 

シモン「零も言っていたが、俺達は教団と戦いたいわけじゃない!アマリを返してもらいたいだけだ!」

 

ワタル「ダメなの、セルリックさん⁉︎」

 

セルリック「それを決めるのはアマリ・アクアマリン本人の意思だよ。さあ...藍柱石の術士...。君の決意を聞かせてくれ」

 

アマリ「かしこまりました、法師セルリック...」

 

な...⁉︎ワース・ディーンベルの隣にいるディーンベルに乗っているのは...⁉︎

 

甲児「何っ⁉︎」

 

青葉「嘘だろ、おい...」

 

メル「アマリさん...アマリなのですか...⁉︎」

 

アマリ「私は藍柱石の術士、アマリ・アクアマリン...。法と秩序の番人として智の神エンデの名の下、アル・ワースの平穏を乱す者を討ちます」

 

しんのすけ「違うゾ!あんなのアマリお姉さんじゃないゾ!」

 

トオル「どうしたんですか、アマリさん⁉︎」

 

アムロ「精神を制御されているのか...⁉︎」

 

セルリック「違うな。これは洗礼の結果だ。彼女は再び魔従教団にその身と心を捧げたのだよ」

 

カンタム「君達の流儀は知らないが、それを強制的に行う事を僕達の世界では精神制御と言うんだ!」

 

アーニャ「そんなのは...許されない...」

 

零「アマリ!俺だ、新垣 零だ!」

 

アマリ「あなたなんて知しません...」

 

...胸糞悪い事しやがって...!

 

セルリック「無駄だよ、新垣 零...。彼女の心はもう魔従教団のものなのだからね」

 

零「セルリック...貴様ァァァァッ‼︎」

 

タママ「落ち着いてくださいです、零っちー!」

 

ギロロ「怒りで我を忘れれば奴等の思うツボだぞ!」

 

零「...すまない、タママ、ギロロ...」

 

セルリック「許しを請う必要などない。我々は魔従教団なのだから」

 

エイサップ「お前は...!」

 

刹那「貴様は歪んでいる...!」

 

エレボス「でも、どうするの⁉︎アマリは本気で攻撃してくるよ!」

 

幻龍斎「どうする...と言われても...その...この場合は...」

 

九郎「まずは、あのオート・ウォーロックを止めるぞ!話はそれからだ!」

 

零「...アマリを止めるのは俺にやらせてくれ!」

 

マサオ「零さん...」

 

アル「わかった!愛する者は必ず救い出せ!」

 

ウェスト「こちらで援護するのである!」

 

ネネ「こんな時にホープスは何をやってるのよ⁉︎」

 

箒「あんな卑怯者オウム、知るか!自分が助かりたいからってアマリを売ったような奴など!」

 

ルルーシュ「やるしかない...!各機はアマリの機体を止めるゼフィルスを援護しろ!」

 

セルリック「エンデの使徒達よ!このアル・ワースのため魔従教団は何よりも強くなくてはならない!私に見せてくれ!諸君等の力を...ドグマ!そして、智の神エンデの加護をあまねく世界へ!」

 

アマリ「エンデの名の下に!」

 

零「...待っていろ、アマリ!すぐに助け出してやるからな!」

 

セルリック「今度は君の愛する者自身に殺されるんだ...覚悟しろ、新垣 零。では、エンデの使徒達...期待している」

 

マサキ「あの野郎、自分は高みの見物かよ!」

 

アマリ「エクスクロス...魔従教団に従わない者達...。智の神エンデに代わり、お前達に罰を与えます」

 

零「くるなら来い...!お前の全てを俺が受け止めてやる!」

 

俺達は戦闘を開始した...。

 

 

 

 

〈戦闘会話 零VSアマリ〉

 

零「アマリ、頼む!俺の言葉を聞いてくれ!」

 

アマリ「黙りなさい。お前の声など聞く気はない」

 

零「くそっ...!力ずくで止めるしかねえのかよ...!」

 

 

 

 

俺の攻撃でアマリのディーンベルにダメージを与えた。

 

アマリ「お、お許しください、導師キールディン...!」

 

バナージ「しっかりしてください、アマリさん!」

 

アルト「お前は俺達の仲間だ!教団の操り人形じゃない!」

 

ユイ「目を覚ましてください、アマリさん!」

 

すると、目の前に数機のルーン・ゴーレムとワース・ディーンベル...そして、俺達の背後から大量のルーン・ゴーレムが現れた。

 

シャルロット「ま、まだこんなにも...!」

 

ゴーカイイエロー「挟まれたわよ!」

 

セルリック「無駄だよ。君達の声は彼女に届かない」

 

メル「セルリック・オブシディアン...!」

 

セルリック「諦めるがいい、エクスクロス...。君達では我々には勝てないのだよ」

 

零「それでも...俺は...!」

 

?「情けないな...それでも、俺達のライバルかよ」

 

零「!」

 

突如、ダークネス・ヴァリアス、アマテラス、リリス、ジェイル、ヴィジャーヤ、ドラウパが現れた。

 

ギルガ「待たせたね」

 

セルリック「オニキスだと...?」

 

零「お前ら...こんな時に何の用だ⁉︎」

 

アスナ「今日はあなた達と戦いに来たのではないわ」

 

カノン「今日の目的は魔従教団の殲滅です!」

 

セルリック「アル・ワースを戦火に包む者がエクスクロスと手を組むと言うのか⁉︎」

 

ジン「勘違いするな、お前達が邪魔なだけだ」

 

アユル「あなた達の行なっている行為も悪です!」

 

アーニー「ジン...アユル...」

 

ギルガ「そう言うわけだ、墜させてもらうよ」

 

零「待て!今あのディーンベルにはアマリが乗っているんだ⁉︎」

 

アスナ「どうしてアマリ・アクアマリンがあなた達と敵対しているのよ⁉︎」

 

メル「精神を制御されているんです!」

 

ギルガ「女の子を洗脳するなど...男の風上にも置けないね...!」

 

弘樹「そうだな...って、お前が言うな!」

 

カノン「まずは目の前のルーン・ゴーレムを!」

 

オニキスの機体達は俺達の背後に現れたルーン・ゴーレムを全て撃墜させた。

 

弘樹「おい、零!とっととアクアマリンを連れ戻せよ!」

 

零「言われずともやってんだよ!...アマリ、頼む!戻ってくれ‼︎」

 

セルリック「智の神エンデの洗礼が言葉程度で破れると思うのが間違いなんだよ」

 

ルルーシュ「思い上がりは自らの足下をすくう事になるぞ、法師殿」

 

セルリック「ギアスを使うつもりかな、ルルーシュ?」

 

C.C.「やはり、魔従教団はギアスについての知識もあるか...」

 

ルルーシュ「真実を力で曲げる...。かつての俺は、お前達と同じやり方をしてきた...。だが、所詮は外法...!真実に勝てはしない!」

 

ドロロ「今でござる、ワタル殿‼︎」

 

ワタル「うん!」

 

龍王丸はアマリの乗るディーンベルの前に立った。

 

ワタル「アマリさん!真実の鏡を見て‼︎」

 

ワタルはアマリに真実の鏡を見せた。

 

アマリ「ああああああっ‼︎」

 

青葉「アマリさん!目を覚ましてくれ!」

 

ボーちゃん「本当のあなたを取り戻して...!」

 

アマリ「私は...!私はぁぁぁっ‼︎」

 

リョーコ「ダメなのかよ⁉︎」

 

セルリック「無駄だよ。神部七龍神の創った創界山の秘宝と言えど、智の神エンデの加護の前では。逆に精神を引っ掻き回す事で彼女を苦しめるだけだろう」

 

ノブナガ「それで十分だ」

 

セルリック「何...?」

 

すると、神殿からゼルガードが現れた。

 

誰が乗ってるんだ...?

 

ホープス「ありがとうございます、皆様。エンデと神部七龍神の力がぶつかり合っている今なら、私でも何とかなります」

 

ワタル「ホープス!」

 

ジャンヌ「ゼルガードに乗っているの⁉︎」

 

ホープス「後はお任せを」

 

そして、ゼルガードはディーンベルに近づいた。

 

ホープス「マスター...!今、行きます!」

 

セルリック「無駄だ、魔法生物」

 

ホープス「な...くっ...!」

 

ゼルガードが弾き飛ばされた...⁉︎

 

セルリック「お前の力だけでは彼女は救えない」

 

ホープス「確かに...私だけでは無理なのかもしれませんね...ですが...零様‼︎」

 

零「...!」

 

ホープス「一度、マスターを裏切った私が言うのも何ですが...お願いです...!マスターを助けるために力を貸してください‼︎」

 

零「...お前に命令される筋合いはねえ...!」

 

ホープス「っ...!」

 

零「でも、それでアマリを助けられるなら、お前の案に乗ってやるよ‼︎」

 

セルリック「新垣 零。お前だけは行かせない!」

 

すると、俺の前を阻む様に大量のルーン・ゴーレムが現れた。

 

カノン「まだあんなにゴーレムが...!」

 

アスナ「新垣 零...!」

 

零「くっ...!」

 

弘樹「零ィィィィッ!合わせろォォォっ‼︎」

 

すると、ダークネス・ヴァリアスが突っ込んで来た。

 

零「弘樹...。いちいち騒ぐんじゃねえ、傷口が開く!」

 

文句を言いながらも俺と弘樹の連携で目の前にいたルーン・ゴーレムは全て撃墜した。

 

セルリック「な、何だと...⁉︎」

 

ベルリ「何て連携だ...!」

 

青葉「俺達よりもいいコンビネーションだ...!」

 

ディオ「お互いを信じ合っていなければ、あの連携はできない!」

 

メル「零君...弘樹さん...」

 

弘樹「今だ、零!行きやがれぇぇぇっ‼︎」

 

零「ホープス‼︎」

 

ホープス「行きますよ、零様‼︎」

 

俺とホープスはホープスの作り出した魔法空間に入った...。

 

 

アマリ「ホープス...零君...!」

 

ホープス「お迎えにあがりました、マスター」

 

零「...ようやく、話せるな...アマリ」

 

アマリ「私...今まで何を...」

 

零「悪い夢を見ていたんだよ」

 

ホープス「さあ、行きましょう。エクスクロスの皆さんもお待ちです」

 

?「そうはさせん...!」

 

アマリ「イオリ君...!」

 

イオリ「迎えに来たよ、アマリ」

 

イオリ・アイオライト...!

 

ホープス「導師キールディン...。私の空間に干渉してくるとは...」

 

アマリ「あ...ああ...ああああっ‼︎」

 

アマリがまた頭を抑え出した。

 

ホープス「マスター...!」

 

イオリ「戻ってこい、アマリ...。お前は俺達のものだ!」

 

アマリ「わ、たし...は...魔従、教団の...」

 

零「アマリ‼︎」

 

俺は目に涙を浮かべながら、アマリを力強く抱き寄せた。

 

アマリ「れ、零...君...!」

 

零「違う!お前は操り人形じゃない!俺の大切な...大切な存在なんだ...!」

 

アマリ「私が...零君の、大切な存在...」

 

零「それだけじゃない!ホープスやメル、ワタル達...みんながお前の事を大切な存在だと思っている!」

 

アマリ「みんなが...」

 

イオリ「アマリを離せ!」

 

ホープス「邪魔はさせません‼︎」

 

俺とアマリを引き離そうとしたイオリ・アイオライトをホープスが邪魔をした。

 

零「ホープス...!」

 

ホープス「零様!あなたの想いを全て、マスターに伝えてください!」

 

零「ありがとう...」

 

アマリ「すべての...想い...?」

 

ホープスの行為は無駄にしない...!

 

零「俺、実は好きな人がいたんだよ」

 

アマリ「え...」

 

零「その好きな人は...会った頃は自分に自信がなくて、臆病で、マスターと呼ぶオウムにいつも叱られていたんだ」

 

アマリ「...」

 

零「それでも、仲間を守る為に何度も無茶をして...それなのに、俺が無茶したら怒って...。それで喧嘩になって...でも、仲直りした」

アマリ「そ、それって...」

 

零「ああ...俺は...新垣 零は...アマリ・アクアマリンの事が好きだ‼︎異界人とか魔従教団の術士だとか関係ない...俺はお前自身が好きなんだ‼︎」

 

アマリ「あ...ああ...!」

 

気づけば、アマリも大量の涙を流していた。

 

ダメ...だったか...?

 

アマリ「私も...私もあなたの事が...零君の事が大好きです‼︎ずっと...一緒にいたいです!」

 

零「...当たり前だ。俺達はずっと一緒だ」

 

アマリも俺に強く抱きついた...。

 

ホープス「(良かったですね、マスター...。零様、この気持ちの意味はわかりませんが...。マスターをよろしくお願いします)」

 

イオリ「新垣!魔法生物!アマリを惑わせていたのはお前らだな!」

 

アマリ「違う!」

 

涙を拭ったアマリは俺から離れ、イオリに言い放った。

 

イオリ「アマリ...」

 

アマリ「私は...私の意思で旅に出たんです。今なら、わかります。私の求めていた自由...そして、真実の意味が!」

 

イオリ「真実...?何を言っているんだ、アマリ⁉︎」

 

アマリ「イオリ君...。今の私は...本当の私じゃないんです...。私が5歳から、教団で重ねてきた修練の記憶...。あれは全て...偽りだったんです、きっと...」

 

イオリ「何を言っている⁉︎奴に騙されているのか⁉︎」

 

アマリ「そうじゃありません...。私の中にかすかに残ったお父さんやお母さんやお姉ちゃんの記憶...。そこに真実が...本当の私がいるんです。私は、その温かな光に向かって進みます。愛する零君と...パートナーであるホープスと一緒に...」

 

零「アマリ...」

 

ホープス「(パートナー...ですか...。何でしょう...このモヤモヤとした気持ちは...)」

 

イオリ「行くな...!行かないでくれ、アマリ!」

 

アマリ「...さようなら、イオリ君...。私...この旅であなたとの事の答えも見つけてみせます...」

 

イオリ「嫌だ!俺は...俺はお前を離したくない‼︎」

 

零「俺のアマリから離れろ!」

 

ホープス「はい。マスターに付きまとう輩は私達が排除します」

 

イオリ「お前達だ...!お前達さえいなければ、アマリは!」

 

ホープス「あなたが何を言おうと私には届きません」

 

零「イオリ・アイオライト...。アマリの手を離したくないなら...どうして、アマリの事を分かってやろうとしないんだよ?」

 

イオリ「だ、黙れ...!」

 

零「一方的な愛をアマリに向けても...アマリは振り向かないんだよ‼︎」

 

ホープス「消えなさい、エンデの使徒。マスターは、私と零様が守ります」

 

イオリ「嫌だ...行くなァァァァッ‼︎」

 

俺達は魔法空間から出た。

 

アマリ「ホープス、零君!」

 

ホープス「お帰りなさい、マスター」

 

零「お帰り、アマリ」

 

アマリ「ただいまです、零君、ホープス。皆さん、ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」

 

ゼロ「お前って奴は、こんな時でも気を遣いやがって!」

 

甲児「気にすんな!それより怪我はないよな!」

 

アンジュ「あなたが無事なら、それでいいのよ、アマリ」

 

アマリ「ありがとうございます!」

 

ホープス「やはり、我々の帰る場所はエクスクロスなのですね」

 

ヒルダ「てめえは別だ、ホープス!」

 

ラウラ「貴様、アマリさんを売っておいて、よく戻ってこられたな!」

 

ホープス「ですが、マスターは生きています。全ては私の計算通りです」

 

エンネア「どういう事⁉︎」

 

ホープス「法師セルリックは、マスターが戦う力を失えば、生命まで奪う事はないと判断したまでです。あの場でも言ったはずですよ。死は最も恐るべきものです...と」

 

ゴーカイレッド「あれは自分の生命が惜しいって意味じゃなかったのかよ⁉︎」

 

ホープス「勝手な判断はやめていただきたいですね。あれはマスターの死を見せたくないという意味で言ったのです」

 

アマリ「ホープス...」

 

ホープス「私を信じ、私を受け入れてくださり、ありがとうございます、マスター」

 

セルリック「背教者アマリ...。まさか、エンデの洗礼を破るとはね...。ならば、私の手で教団の敵となった君を討たねばならないな」

 

ワース・ディーンベルはディーンベルを攻撃しようとしたが、俺とゼルガードが攻撃を防いだ。

 

セルリック「新垣 零、魔法生物...。邪魔をしてくれるとは...」

 

アマリ「零君!ホープス!」

 

ホープス「申し上げた通りです、マスター。私はマスターが死ぬ所など見るつもりはありません。あなたをお守りいたします。この身に代えても」

 

零「大切な存在だし...それに...大切な彼女を守るのは当然だろ?」

 

サリア「か、彼女⁉︎」

 

ヴィヴィアン「どういう事だ、零?」

 

零「その話は後にしてくれ!」

 

ヤベッ、つい口が滑っちまった...。

 

アマリ「もう...零君ったら...。ホープス!ゼルガードの操縦席を開けてください!」

 

アマリはゼルガードに乗った。

 

アマリ「ゼルガード...戦闘起動、確認!」

 

ホープス「やはりマスターは、旅支度の方がお似合いです」

 

零「何言ってんだよ、ホープス。アマリなら教団の制服以外なら何でも似合うっての」

 

ホープス「そうでした」

 

アマリ「ちょっと、もう!二人共!」

 

ヒルダ「何だ、あの零...」

 

メル「(まさか、零さんとアマリさんは...)」

 

セルリック「エンデの加護を失った君がオート・ウォーロックを動かせるとは驚きだよ!それとも、その失敗作だからこそ出来る事なのかな?」

 

アマリ「それは...」

 

ホープス「彼の言っている事は、半分正解です。ゼルガードは失敗作として数百年間の間、放置されていたのは事実ですから。ですが、何故、失敗作であるかを知る者は少ないでしょう」

 

アマリ「ホープス...」

 

ホープス「ゼルガードは搭乗者に要求する魔力が高すぎるのです。そのため、一定以下のオドの収束しかできない者にとっては、ディーンベルの方が扱いやすく、力も発揮しやすいでしょう。しかし、その壁を突破した先にこそゼルガードの真価があるのです」

 

ゼルガードにそんな秘密が...。

 

アマリ「何故、そんな事を知っているんです...?」

 

ホープス「私は...このゼルガードを操るために造られた魔法生物だからです」

 

アマリ「魔力を失った私が魔法を使えるのはあなたが力を増幅してくれていたからなんですね」

 

ホープス「私はマスターと運命を共にする者...。これが、その意味です」

 

セルリック「魔力を増幅する魔法生物...。導師キールディンの研究の成果か...」

 

ホープス「私と意識を一つにすれば、よりアル・ワースを強く感じる事が出来ます」

 

アマリ「ホープスと心を一つにする...」

 

ホープス「見せてください、マスター。あの法師セルリックを超える所を。私はあなたに懸けたのです。3000年の歴史を持つ魔従教団ではなく、自分の意思で生きると決めたあなたに。だから、マスター!今こそ、私の翼を!」

 

アマリ「翼...自由...行きます‼︎」

 

ゼルガードにオドが収束されていく...。

 

セルリック「この感覚...!智の神エンデの降臨と同じ...」

 

アマリ「私は...自分の意思で進みます!」

 

ゼルガードはワース・ディーンベルに攻撃を仕掛けた...。

 

アマリ「行くわよ、ホープス!」

 

ホープス「いつでもどうぞ、マスター」

 

アマリ「魔力とオドを一つに...!身体が勝手に動く...?新しいドグマが...生まれる...!」

 

ゼルガードの前方に岩のようなものが複数降り注ぐ。

 

アマリ「あああああっ!...天翔ける翼、ゼルガード!」

 

周りの岩のエネルギーを通りざまに蓄積させ、ワース・ディーンベルに突っ込み、貫いた。

 

アマリ「これが私の...私達の新たなドグマです!」

 

セルリック「な、何だ...⁉︎あのドグマは!」

 

ゼルガードの新たな技にワース・ディーンベルはダメージを受けて吹き飛んだ。

 

セルリック「私の...魔法障壁が効かない...」

 

アマリ「ゼルガードに翼が...!」

 

ホープス「あれがゼルガードの真の姿なのです。残念ながら、私達では、一瞬しか翼は開かないようですけどね」

 

アマリ「それで十分です」

 

ギルガ「僕達の出番は終わりみたいだね」

 

カノン「帰りましょう」

 

すると、ジェイル、アマテラス、ヴィジャーヤ、エウロパが撤退した。

 

弘樹「零...またな」

 

アスナ「新垣 零...。ありがとう」

 

零「え...」

 

アスナ「でも、次は敵同士だから、覚悟しなさい!」

 

続いてヴァリアスとリリスも撤退した...。

 

零「何だったんだ?ペリドットの奴...?」

 

メル「(まさか、アスナ・ペリドットまで...。零さん、あなたは本当に罪深い人ですね)」

 

 

ゼルガードと俺はみんなの元へ戻った。

 

零「それにしても凄いドグマだぜ...アマリ!」

 

アマリ「ふふっ、零君のおかげでもあるわ」

 

零「そうか?そう言われると照れるな...」

 

アンジュ「...あんたら、イチャついてないで真面目に戦いなさい‼︎」

 

零&アマリ「「は、はい!」」

 

何で怒るんだよ...。

 

アマリ「法師セルリック...。私は行かせていただきます。できれば、このまま見送って...」

 

セルリック「アマリ・アクアマリン!調子に乗るなよ、背教者が!」

 

アマリ「背教者ですか...。確かにエンデの加護を失いましたが、私にはホープスがいます。私は藍柱石の術士、アマリ・アクアマリン!私は、このゼルガードで自由と真実を求めます!」

 

零「やろうぜ、アマリ!俺達の力で!」

 

俺達は戦闘を再開した...。

 

 

 

 

〈戦闘会話 零VS初戦闘〉

 

零「アマリは凄いぜ...。俺達も負けていられないぞ、ゼフィルス!」

 

 

〈戦闘会話 零VSセルリック〉

 

セルリック「君だけは許さないぞ、新垣 零!」

 

零「それは俺の台詞だぜ...!アマリを傷つけた事...そして、俺にも借りがある!全部ひっくるめて纏めて返してやるよ、セルリック!」

 

 

〈戦闘会話 ノブナガVSセルリック〉

 

セルリック「オダ・ノブナガ...!やはり、君は破壊王だ!」

 

ノブナガ「何を分かりきった事を申している...。俺が破壊王だという事は以前からわかっていよう!」

 

セルリック「ならば、此処で破壊してやる!」

 

ノブナガ「破壊王を楽に破壊できると思うな‼︎」

 

 

 

ゼルガードの攻撃でワース・ディーンベルに大ダメージを与えた。

 

セルリック「馬鹿な...」

 

ルリ「法師セルリックは、もう戦えません」

 

スメラギ「各機は、このエリアを離脱!指定ポイントで合流して!」

 

俺とアマリを残して、みんなは離脱して行く...。

 

アマリ「...戦いは終わりました。行きましょう、ホープス」

 

ホープス「法師の肩書きも大した事はありませんね」

 

セルリック「...!」

 

零「セルリック...俺はお前達が何度来ようと...アマリを守り抜く事をやめない!覚えておけ‼︎」

 

それを言い残し、俺達も離脱した...。

 

セルリック「く...う...うう...。うおああああっ‼︎」

 

 

 

 

 

ーセルリック・オブシディアンです...。

 

セルリック「導師キールディン...。教団の威信を守る事が出来ず、申し訳ございませんでした」

 

導師キールディン「気に病む必要はありません、法師セルリック...。世の中に常勝無敗はあり得ないのですから。重要な事は失敗から何かを学び、新たな何かを芽ぶかせる事です。大地は人の想いを吸い、木々には智の果実が熟す...。それは、エンデの教えそのものと言えるでしょう」

 

セルリック「...エクスクロスはいかがします?教団が異界人の召喚に関わっているなどという妄言を垂れ流すような事になれば...」

 

導師キールディン「監視は必要ですが、彼等の進むに任せるがいいでしょう」

 

セルリック「しかし...」

 

導師キールディン「彼等は自主的にドアクダーやオリュンポスと戦ってくれます。それはアル・ワースにとっても良き事です。それに彼等の元に新垣 零がいる限り...彼等が潰れるのも時間の問題です」

 

新垣 零がいる限り...⁉︎

 

セルリック「では、アマリ・アクアマリンの討伐だけでも...」

 

導師キールディン「彼女を止める事が出来るのですか?」

 

セルリック「それは...」

 

導師キールディン「捨て置かれたに等しいゼルガードをあの魔法生物の補助があったとはいえ、ああも使いこなすとは...。もしかすると、あなたよりも彼女の方が教主に相応しいのかも知れませんね」

 

セルリック「...!」

 

導師キールディン「全ての術士が目指す教団の真義...教主の座...。その存在の前には導師である私も跪くのみです。教団創設以来、ずっと空位だった教主の座...ついにそれが決まる日が来るのかも知れませんね...」

 

セルリック「...今回の件の後始末もあります故、失礼致します」

 

導師キールディン「まだまだ若いですね、セルリック...。セルリック・オブシディアンとアマリ・アクアマリン...。まさか、こんな形で対立候補が出ると思いませんでしたよ...。互いに競い合いなさい、教主の候補達...。それこそが魔従教団の願いです...」

 

 

 

 

ーアマリ・アクアマリンです。

 

零君を除く方々がNーノーチラス号の格納庫で集まりました。

 

ワタル「お帰りなさい、アマリさん!」

 

アマリ「アマリ・アクアマリン、只今、戻りました」

 

グランディス「ホープスも、お帰り。よくやったよ、今日は」

 

ラウラ「アマリさんが帰ってこられたのも全部、お前のおかげだ。お疲れ様」

 

ホープス「先程とは打って変った歓迎ぶりですね。逆に警戒してしまいます」

 

九郎「まあまあ...。そう緊張するなって」

 

ティエリア「意外にいい奴だったのだな、君は...」

 

ホープス「意外に...は余計だと思いますが」

 

明弘「そう言えば、零はどうした?」

 

一夏「あれ?来てないか?」

 

零「悪い...待たせたな!」

 

遅れて来たのは傷だらけの零君でした...。

 

 

 

 

 

 

 

ー新垣 零だ。

 

ったく、無茶するもんじゃねえな...。身体のあちこちが痛いぜ。

 

アストン「ボロボロじゃないか!」

 

零「仕方ねえだろ。前回、セルリックの攻撃で負った傷が癒えてなかったんだからよ」

 

メル「あなたはまた無茶を...」

 

アマリ「零君!」

 

アマリは微笑みながら、俺に飛びついて来た。

 

零「おっと!」

 

痛む身体を堪えながら、俺はアマリを受け止め、抱きしめる。

 

零「アマリ、お帰り」

 

アマリ「ただいま、零君」

 

シノ「...」

 

竜馬「...」

 

真上「...」

 

あれ、どうしたんだ?みんな...。

 

グレンファイヤー「零、アマリ...。お前ら何があったんだ?」

 

...あー、そういう事か。

 

零「アマリを助ける時に俺...アマリに告白したんだよ」

 

ヒルダ「...は?」

 

アンジュ&サリア「「こ、告白ー⁉︎」」

 

エルシャ「あらあら」

 

箒「そ、それで...アマリさんは何と返したんですか⁉︎」

 

アマリ「私も零君が大好きですと答えました!」

 

アネッサ「キャー!」

 

まゆか「おめでとうございます、零さん!アマリさん!」

 

アマリ「ありがとうございます!」

 

なんか照れくさいな...。

 

シバラク「おのれ零!羨ましいぞー‼︎」

 

零「わっ、ちょっ!シバラク先生⁉︎」

 

ワタル「落ち着いてよ、先生!」

 

暴れるシバラク先生をワタルが必死に抑えようとしていた。

 

アマリ「ふふっ...私、零君と出会えて、良かった...」

 

零「俺もだ、アマリ...」

 

アマリ「零君...」

 

零「アマリ...」

 

お互いに見つめ合った俺達は互いの顔を近づけ合い、唇と唇を重ね合わせようとした...が...。

 

アンジュ「あーもう!イチャイチャすんなー‼︎」

 

アンジュに無理矢理離された...。

 

零「邪魔すんなよ、アンジュ!」

 

アンジュ「何で私達があなた達のイチャついている所を見ないといけないのよー!」

 

 

 

ホープス「...」

 

ルナマリア「どうしたの、ホープス?」

 

ホープス「いえ、何でもありません」

 

セシリー「ふふ...微笑ましいですね」

 

ノレド「うん!今までアマリさんに厳しかったのも照れ隠しだったのかもね」

 

ナディア「そういうの...ちょっとわかるかも...」

 

ホープス「何なんです、この妙な空気は...」

 

ニア「ホープスさん...。今日のあなたはアマリさんを守るために零君と共に生命を懸けました」

 

ホープス「マスターを守る事は、私の務めですから」

 

舞人「そんな義務みたいな言い方をしなくてもいいのに」

 

さやか「アマリを守る時、気持ちが熱くならなかった?」

 

ホープス「言われてみれば...」

 

マーベル「それと同時に心の中には強い気持ちがあったでしょう?」

 

ホープス「ええ、まあ...」

 

ルー「アマリを引き留めようとした奴には腹が立ったでしょう?」

 

ホープス「それはもう...」

 

シャルロット「今の零さんとアマリさんを見て、心がモヤモヤしてるでしょ?」

 

ホープス「は、はい...」

 

アイーダ「自分の中の変化に気付いています?」

 

ホープス「少しずつですが、自覚しつつあります」

 

鈴「やっぱり、そうなのね!」

 

ホープス「いったい何なんです?私の変化の正体を皆さんは知っているのですか?」

 

楯無「教えてあげるわ、ホープスちゃん。あなたはね...」

 

簪「恋をしているの、アマリさんに」

 

ホープス「恋⁉︎」

 

箒「あのイオリという男と今の零さんに対しての感情は嫉妬というものだ」

 

ホープス「嫉妬⁉︎」

 

やっぱり、ホープスもアマリに恋愛感情を持っていたか...。

 

アマリ「そ、そうなんですか、ホープス...?」

 

ホープス「え...いや...その...あの...」

 

アマリ「ふふ...そんな風にホープスが慌てる所って見るのは初めてですね」

 

ホープス「自分でも自分が、よくわかりません...」

 

零「知的好奇心が刺激されるか?」

 

ホープス「されますね、とても...。取り敢えず、マスター。私達の関係も変化していくようですから、もう少しフランクにいきません?」

 

アマリ「つまり...?」

 

ホープス「私には、もっと気楽に接してください」

 

アマリ「...わかったわ、ホープス。これでいい?」

 

ホープス「結構です。新鮮さが、私の脳を刺激してくれます。それは甘く酸っぱい禁断の味わいです」

 

ジャン「それが恋だよ、ホープス!」

 

ケルベス「恋はいいぞ、ホープス!」

 

リンゴ「恋は人生を楽しくしてくれるからな!」

 

ラライヤ「皆さん...ちょっと気楽すぎませんか?」

 

カトル「そうですね。今日の一件で僕達は魔従教団に追われる身になったのですから」

 

ヒイロ「だが、進むしかない」

 

オルガ「そうだな。何があっても止まるんじゃねえぞ、お前ら!」

 

ホープス「その通りです。運命共同体なのは、私とマスターだけではありません。こうなった以上、運命を共にするのは、このエクスクロス全体です」

 

アマリ「頑張ろうね、ホープス。このアル・ワースに平和を取り戻し、異界人のみんなを元の世界に返して...。私達の旅のゴールにたどり着く、その日まで」

 

ホープス「かしこまりました、マイ・マスター。(その日まで私はあなたを守ります)」

 

ショウ「元の世界に返すで思い出したんだが...零はいいのか?」

 

零「ん?何がだよ?」

 

リュクス「零さんは異界人です...。ドアクダーを討ち取れば元の世界に帰る事になりますが...」

 

零「必ず帰らされるってわけじゃないだろ?もし、強制的に帰らされるとしても...少ない時間でもアマリと一緒にいる時間を大切にしたい。そして、元の世界から必ず、またこのアル・ワースに来る。アマリに会いにな」

 

アマリ「零君...!」

 

千冬「ふっ、お前達自身がそう言うのならば私達からはこれ以上何も言わん」

 

アマリ「それとホープス...私は...」

 

ホープス「わかっていますよ、マスター。零様...」

 

零「何だ?」

 

ホープス「もし私の変化が恋だとすれば...。あなたは少し前にリードしているに過ぎませんからね」

 

零「っていうと?」

 

ホープス「私が...必ず、マスターを振り向かせてみせます。そして、あなたが少しでもマスターを手放す日がくれば、マスターを私がもらいます」

 

宣戦布告か...。

 

零「いいぜ、ホープス。その挑戦受けてやるよ!まあ、俺がアマリを手放す事は死んでもないがな。それと...」

 

ホープス「はい?」

 

零「つまり、これから俺達はアマリを奪い合うライバルになるという事だな?だったら、これから俺の事を呼び捨てで呼び、敬語もやめろ」

 

ホープス「成る程...良いですね。では、仲間として言う...。お前には負けんぞ、零」

 

零「望む所だ、ホープス!」

 

アマリ「零君...ホープス...」

 

その後俺達はアマリ帰還の祝いとしてパーテイーをした...。

 

 

 

 

 

 

ーメル・カーネリアンです。

 

アマリさんの帰還パーティーが終わった後、私はホープスさんと彼の作り出した魔法空間で話をしていました。

 

メル「...」

 

ホープス「どうかしたのですか、メル様?」

 

メル「...私、このまま身を退いた方が良いのでしょうか...」

 

零さんとアマリは交際を開始した...。

 

ならば、私は...。

 

ホープス「...私は零に宣戦布告をしました...。あなたはどうなのですか、メル様?」

 

メル「私は...」

 

そうだ...ホープスさんだった不利な状況で戦っているのですよね...!私だけが逃げる事なんて出来ません!

 

メル「私も戦います!」

 

ホープス「良き事です。それに零とメル様がくっついた方が私からしても都合がいい」

 

メル「...私はあなたの為の恋愛はしませんから」

 

ホープス「手厳しい事で」

 

メル「でも、これからお互いに頑張りましょう、ホープスさん」

 

ホープス「ええ、お互い苦労すると思いますがね」

 

私だって、いつかは零さんを振り向かせてみせます...!

 

 

 





ー中断メッセージ

〈刹那&グラハム〉

グラハム「待ちわびたぞ、この時を!」

刹那「貴様は…! 何のつもりだ!?」

グラハム「私も邪険にされたものだ!無論、ゲームの続行を所望する!」

刹那「生憎だがプレイヤーはゲームを終了しようとしている」

グラハム「何っ!?」

刹那「ゲームの続行はプレイヤーの再開が絶対条件になる」

グラハム「なるほど…。ならばそこのプレイヤー!あえて言おう!1秒でも早く再開すると信じている!何故ならば、君ともまた運命の赤い糸で結ばれているのだからなあ!」

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