円卓の守り人   作:梛木

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生前編
円卓の賢者~始~


 

 私の名前はナインとある世界において世界を救った元天使の人間だ。そして今はブリテンという国で宮廷魔術師兼新人騎士の剣術指南役を賜っている。ああ、後はたまに調理場に顔を出しては料理人たちに簡単なそれでいてこのブリテンにとっては大切なものでもある料理のレシピなどを教えていたりもする。ガウェイン卿のマッシュなど私は認めない!宮廷魔術師よりも剣術指南役よりも料理人にレシピを教える事で円卓の騎士含めキャメロットにいる者たちや王国の庶民たちまでもが私をまるで救世主かのように扱う。

 ちょっとこの国終わってないだろうか……。まあ、私も感謝されること自体苦手ではないしむしろうれしいので問題はない。

 

 

 

 

 

そういえば今日はガレスにとある料理の作り方を教えるんだった。私の元いた世界の簡単で大して材料も使わない料理だけどそのお手軽さは今のブリテンにとっては庶民でも作れるためまた今度レシピを広めて貰おう。

調理場で教えるのは迷惑になるので私の工房にある台所でガレスを待つ。本来魔術師の工房に他者を招き入れるものでは無いらしいのだがあいにくと私はこの世界の魔術師ではないので関係はない。それにガレスとはもうかれこれ一年は付き合いがある為工房から何かを盗むような人柄でもないのを知っている。

 

 

 

 

 

 

コンコン

 

 

 控えめに工房のドアをノックする音が聞こえた。恐らくガレスが来たのでしょう。最もここに来るものはさほどいない為に大体誰が来たか分かるのだけどね。

 

 

「はいはいー今開けますよー」

 

 

 

ドアを開けるとそこにはガレスが立っていた。中に入るように促し台所に向かう。

 

 

 

「先生、今日は何を教えてくれるのですか?何を教えてもらえるのかまだ聞いてなかったのですが。」

 

 

 

「それはね、料理よ」

 

 

 

 

「先生また料理ですか?この間も確か料理ではなかったですか?」

 

 

 

 

「ガレス…いいですか貴女は女性です。たとえ騎士を目指していたとしてもです。この事実は変わりません、剣の修練などはすでに日々の課題として出しています。そして女性であるということはいつかはどこかの男性と結婚するということなんです。貴女は私みたく行き遅れたいんですか?違うでしょう?それに、陛下がブリテンに平和をもたらさんと動いているのです。だとしたらいつの日か来る平和な世界を生きるためにも料理の一つや二つ作れなくてどうするのですか。」

 

 

 

 

「それは…そうですが…」

 

 

 

 

 

「ね?だから今は修練のことも忘れて楽しみなさいな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 そう…こうして料理を楽しんだりできるのも今だけ。ガレスには余計な心配をかけたくなかったから言わなかったけど今のままでも持って十数年か二十数年だろう。そもそも、この世界は今まで長く続いていた神代が終わりつつある。そして今だ世界を神代に縛り付けているのは大体がここブリテン島だろう。その影響で作物はろくに育たず蛮族とは名ばかりの化け物どもがブリテンを侵攻している。

 千里眼こそ持っていないが元の世界で得たスキルと称号の力なのかある程度の予想はできている。最も私も拾ってもらった恩はある。ただただ何もしなかったわけではない。山菜など食べられるものと食べられないものの見分けやジャガイモのような芋をブリテンの土地でもできるだけ安定して育てられるように土壌開発を一からやってみたりした。

 

 あの夢魔の魔術師もわかっているはずだ、この国は持たないことを。たとえ竜の因子を持つ王を用意したとしても卑王を倒していたとしてもブリテンはまず滅びる。私にはわからないあいつが何を見ているのか、何をみたのか。

 

 

 

 

 

▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 今日、円卓から一人の騎士が離脱した。名をサー・トリスタン。彼は王は人の心がわからないそういって去っていった。騎士達から話を聞くと先日あった蛮族の侵攻そのさい王は村を一つ犠牲にし蛮族を追い返した。どうやらその村にはトリスタン卿と恋仲だったものがいたようだ。なるほど、トリスタン卿の言葉は確かにそうかもしれない。でも私はわからなかった、ならば何故その時王にそのことを自身の気持ちを言わなかったのだろうか…。

 いや、私ももっと気にかけておけばよかったのだ。私はもう少し彼ら(円卓の騎士達)のことを知っておくべきだったのだろう。

 

 

 

 ブリテンが滅ぶとしてもそれは蛮族達か飢餓や不作によるものだと思っていた。だけど今回のことで分かった。蛮族や飢餓はきっかけになってもとどめにはなりえない。きっとブリテンという国が滅びるのだとしたらそれは円卓による内乱だろうか。少なくともこの予想は間違いではないはず。

 とにかく王と一度話さないと…。そのためにもケイ卿に話をしなくては。

 

 

 

 

 

 

 ケイ卿はすぐに見つかり王に話があると伝えた。しかし、王は今は無理だからまた日を改めてにして欲しいと言われたとケイ卿から伝えられた。流石に無理を言うわけにもいかなかったので今日のところは諦めて私は自身の工房へと帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 




 ガレスの口調わからなかった…。どうやってナインが王に仕えたとか細かい地位的なものはいつか書くかもしれないんでそれで許して下さい。感想とかいただけたらとてもとても喜んだりします。
 ちなみにナインちゃんはⅨの世界にある職業ほぼすべてをレベル99にしています。後スキルもおおよそすべてを取得済み。
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