円卓の守り人   作:梛木

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カルデア編ではなくZeroが書きたくなって書いた。


Zero編
Zeroのバーサーカー


 もしも、バーサーカーがナインだったら。ただそれだけの話。

 

 

 間桐邸地下工房

 

 

 そこには髪は白くなり顔の左半分は壊死して白濁した眼球と周囲の顔筋麻痺が非常に目立つやややつれた男が一人。もう一人は物語に出てきそうな如何にもな杖を持ちどこか不気味さを漂わせる眼光を持つ老人が一人地下工房のほぼ中心に描かれた魔法陣から少し離れたところにたたずんでいた。

 

 

 

 白髪の男は決心したように召喚の呪文を唱える。と同時に男の体に埋め込まれた刻印虫が魔力を生成させるべく男の臓腑や肉を噛り付き男に苦痛を与える。それを耐えるようにしながら詠唱を続ける。

 

 

 「――――――。礎に石と契約の大公。降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ」

 

 

 

 

 「閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)。繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する――――告げる。」

 

 

 

 「汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ誓いを此処に。我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。されど汝はその眼を混沌に曇らせ侍るべし。汝、狂乱の檻に囚われし者。我はその鎖を手繰る者――。」

 

 

 

 「汝三大の言霊を纏う七天、

 抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

 

 

 

 

 

 『貴方は私の人の子(マスター)ですか?』

 

 

 

 

 召喚されたのはバーサーカーのクラスにも関わらず全身を金に輝く鎧に包まれた騎士のような姿をしていた。更にはバーサーカーなのに明確な意味を持った言葉を放ったのだ。これにはさしもの五百年の時を生きる魔術師間桐臓硯も驚きが隠せていなかった。

 しかし、召喚の際に刻印虫によって体を喰い付かれた金のバーサーカーのマスター間桐雁夜にはその驚きについぞ気が付くことはなく些細なことでもあった。

 

 

 「あ、ああ。俺がお前のマスターだ」

 

 

 

 

 

 「確かに。契約はここになりました。人の子(マスター)よこれより我が身は貴方と共に。」

 

 

 

 

 「お前はバーサーカー…なんだよな?」

 

 

 

 

 「はい、私は確かにバーサーカーのクラスで召喚されています。故に狂化されていますよ、はい。」

 

 

 

 

 「ならなんd」

 

 

 

 「そこまでにしておくのじゃ雁夜。お主は召喚をしており刻印虫に相応にむしばまれたはず、今日のところはもう休め」

 

 

 

 

 雁夜の質問に待ったをかけたのは臓硯だった。雁夜は言われたことも事実であるだけになんとも言えない表情のまま工房を立ち去ろうとする。雁夜について行くように立ち去ろうとするバーサーカーは工房を出ようとする一瞬臓硯を見つめたがすぐに視線を外し去っていった。

 

 

 

 ……。あれは本当にバーサーカーなのか?元来バーサーカーと言えば力の弱い英霊を最低限戦えるようにするためのもののはずじゃ。それがどうじゃ、あれは力の弱い英霊か?否むしろ狂化されていようがいまいが関係がなさそうじゃった。幸い雁夜には刻印虫を仕込んでおるからすぐに裏切るなどということはないだろう。

 しかし、何らかの策を考えておく必要が出てきたのう。それにアヤツにはさして期待してはいなかったがあのサーヴァントならばもしかしたらということもあるかもしれんからの。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽

 

 

 

 

 間桐雁夜は工房を後にし自室へと戻り消耗した魔力と体力を回復させるべく睡眠をとろうとした。しかし、自身のサーヴァントが何故か霊体化していないのに気が付きそれと同時に自身の内部にいる刻印虫が何の反応も示さないことにも気が付き困惑しバーサーカーに何をしているのか問う。

 

 

 

 「なあ、バーサーカー。なんでお前霊体化してないんだ?」

 

 

 

 「はい、まずは貴方の聖杯に掲げる願いをお聞きしたいのですが、貴方の願いはなんでしょうか人の子(マスター)。霊体化しないのは今私が魔力を自身で補っていますからご安心を。愛しい人の子よ貴方の願い私は叶えてあげたいのです…。」

 

 

 

 「な、魔力の話は後で聞かせてもらうからな…。俺の願いは唯ひとつ桜ちゃんを葵さんの元に返すことだ」

 

 

 「本当に、それだけですか?」

 

 

 

 

 「なにを…いって…。」

 

 

 

 「貴方の願いはそれだけですか?と聞いているのです人の子(マスター)

 

 

 

 

 「……。俺の願いは桜ちゃんや葵さんや凛ちゃんが幸せに、幸せに過ごしてもらうことだ」

 

 

 

 

 バーサーカーはそれで納得したのか何も無いはずのところから謎の紋様が刻まれたビンのようなものを取り出し俺の方へと差し出してきた。それを恐らく飲めということなのだろう。訝しみながらも一気に飲んでみる。

 すると、召喚にて消費した魔力が立ち所に戻り体に残っていた倦怠感がなくなり気が少し軽くなる。更にバーサーカーは続けてまたさっきのものとは違うビンを取り出し渡してくる。流石にこれで毒などということはないと信じ先程と同じく一気に飲み干す。

 やはり、毒などではなく飲み干すと共に刻印虫に貪られた内臓などの機関が癒えたような気がして更には壊死していた左半分の顔面はアザのようなものが残ったものの見た者が怯える程ではなくなった。

 

 

 

 

 「これは…。」

 

 

 

 

 

 「この程度のものでは気休め程度でしょうが今の人の子(マスター)は良く効いたのではないでしょうか…。さあ、積もるお話は明日。傷を少し癒したとはいえお疲れでしょう。」

 

 

 

【ラリホー】

 

 

 

 

 そう、バーサーカーが唱えるとマスターであった間桐雁夜はなすすべもなく眠りについてしまう。バーサーカーに体を預けるように意識を手放した間桐雁夜をバーサーカーは抱き上げベットにそっと寝かせる。

 部屋の電気を消すとバーサーカーはスっと霊体化をし部屋の中は静寂に包まれた。




そんなに何話もやる予定が特になく、Zeroの各マスターにナインさんをあてがったらどうなるかなーっていう妄想なのです。間桐陣営に入るとまず虫妖怪はそのうち駆除されて、道具を駆使して雁夜と桜ちゃんが少なくとも健全な状態を通り越してそこらの魔術師程度は蹴散らせるようになるはず…。だってはっちゃけてんだから是非もないよね!

バーサーカーなのは、一応理由付けもあり蛮族狩りをしていた頃のはっちゃけてしまったナインさんです。マダンテ撃ったりしてたのもこの頃。人の子呼ばわりなのは人の守護者(抑止じゃないよ!)を向こうでやってたからついつい茶目っ気で呼んでみたら思いのほか楽しくて気に入ったそうです。


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