円卓の守り人   作:梛木

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Zeroバーサーカー

 翌日、私のマスターになった彼基間桐雁夜は朝食を済ませた後サクラという幼い少女に私を合わせ簡単に自己紹介をさせ自室に戻ると私へと数々の質問をしました。

 昨日雁夜に与えた薬はまだあるのか、や他にはどんなものを持っているのかなど。雁夜はサクラという――昨日も語っていましたが――少女を救いたいらしく私にそれができるのか聞いていたようです。答えとしてはまだその調整とやらを始めて間もないなら身体についてはどうにかなるでしょう。心のほうはたとえ私がキャスターで呼ばれていても不可能でしょうね。それほどまでに幼い少女に与える影響はすさまじく癒すにも相応に時間が必要です。

 

 しかし雁夜はそれでもいいと涙を流し私の両手を握りしめました。さすがに感謝を表したいのでしょうがいい歳した男性が女性の手を握りしめて泣きまくるのはどうかと思うのですが。

 

 

 「人の子よ(マスター)では、聖杯戦争についてはどうしますか?」

 

 

 

 「…あ。俺はバーサーカーが桜ちゃんの身体をなおしてくれるというのなら聖杯はいらない。ただ、バーサーカーが何か願いがあったらそれには協力しよう。今の俺なら不思議とできると思うんだ」

 

 

 

 「そうですか、ありがたい申し出ですがあいにく私には聖杯に掲げる願いはありません。そして人の子よ(マスター)貴方はしょせん一年で無理をしてどうにかマスターになった身。仮に私が全力で戦闘をしたら三分も持たないでしょう。それは昨日渡した霊薬を飲んだからと言って変わるものではありません」

 

 

 

 昨日に与えたポーションがよほど効いたのかはたまたそれがきっかけで精神に余裕ができたのか、召喚されてまだ二日だというのに初めて会った時よりもかなり余裕のある顔つきになりました。本来のマスターとはまだ言えなさそうですがそれは今後改善していくことでしょう。

 バーサーカーの私だからこそわかります。あのはっちゃけてしまっていた頃の私だけです、このように他者の心の本来の形が見えるのは。ほかの私ではわからないでしょう。狂気を身に宿すからこそ見えるものもあるのです、例えばぼくのかんがえたさいきょうのひっさつわざを徹夜して考えていざ冷静になってみるとただただ恥ずかしくそれをあの花の魔術師に見られ悶絶するということから振り切れてしまいはっちゃけてしまったわたs…どこかの守り人とか。

 

 

 

 「そ、そうか。そうだよななんかごめん」

 

 

 

 

 「いいえ、お気持ちはうれしいのでありがとうございます。しかし人の子(マスター)が望むというのなら、そうですね英霊ほどとは言えませんがそこそこに鍛えることはかのうですよ。何せ私は指南役をやっていたこともあるのですから。っと、そういえば魔力についてお話してませんでしたね、ちょうどいいので話しましょう」

 

 

 

 

 …いいですか、今の私をマスターが存在を維持するのにマスターの総魔力のうち六割使用しますこれは今後マスターの身体から刻印虫を取り除き最低限の魔術回路を使用させるからです。ちなみに刻印虫込みでしたらおよそ四割といったところでしょうか。

 戦闘をしたらマスターの総魔力のうち八割を消費します。全力戦闘では…まあこれはどう頑張ってもマスターの魔力ではカバーしきれないので説明しなくてもいいでしょう。それでももちろん私もある程度は魔力を回復させられるのでそうですね、私の現在の総魔力が二千だとして一日に回復するのが二百だとして存在を保つのに百五十ほど消費します。ですので一日存在するだけで貯蓄できる魔力量は五十だけということになります。もっともここにマスターからの供給を含めればもう少し余裕ができます。

 

 

 

 「ただ私のクラスはバーサーカーです。戦闘時になると狂化の効果から消費魔力は倍に跳ね上がります、ですので基本戦闘は避けなければなりません。最もここは冬木の中でも霊脈がある程度集まる土地ですのでキャスターではありませんが霊脈から魔力を吸い上げることもできるでしょう。前提としてあの虫が承諾すればの話ですがね」

 

 

 

 

 

 「ということはここ以外に拠点を構えるべきそういいたいのか?それとお前は一応バーサーカーなんだよな?なんでこうして会話ができるんだ?」

 

 

 

 

 「いえ、それも悪い手ではないでしょうがわざわざ強みを消すのは良いとは言えません。この場合の利点は何だと思いますか?確かに御三家と呼ばれる家は本拠地が外来の魔術師から知られていますがその分始まりの聖杯戦争から本拠地を工房へと改築し続けることができます。並の魔術師相手ならばそう易々と突破できない位の工房になります。それと、霊脈の要地に造られているのでやはりサーヴァントの回復力も高くなります。それと私が何故バーサーカーのクラスなのにこうして会話ができるかといいますと私自身が持つ装備の能力の影響ですかね。この身に着けている鎧とか」

 

 

 

 

 

 そういって胸を反らすなんたって私が故郷で頑張って(錬金窯が)作った装備一式をこちらで複製改良した装備一式なんですから。はっちゃけていたころの私だからこそ持つ私(この世界)の最強装備の一つでしょう。え?全力全開の私ですか?さあ?そんなの私がわかるわけないじゃないですかやだー。まあ、人類最後の守り人の私か、人類愛の私が一番強いのではないですか?次点にキャスターの私とか、基本なんでもござれ万能サーヴァントだと思うので誰を呼んでもはずれということはないでしょう。ええ、きっと多分。

 そんな誰に対してかわからない思考をいったん中断し話の続きをします。おっと、その前に虫にいつまでも聞かれているのいるのは不愉快なので結界でも張っておきましょう。

 

 

 

 【魔結界・改】

 

 

 

 

 バーサーカーのクラスの私でも扱うことのできる安心設計の特技の一つ、あの花の魔術師が持つ現在のすべてを見通す目を防ぐ為に開発したこの世界にきてから考えた特技です。密会、密談兎に角魔術的な外部からの覗きを一切合切遮断するものです。キャスターの私だとさらにレベルの高いものが扱えるのですがバーサーカーのクラスの私には改良特技がせいぜいです。呪文も使えないわけではないんですけどね。

 

 

 

 

 

 「さて人の子(マスター)、今は邪魔な虫はこちらに干渉することはできません。本題に入りましょうか」

 

 

 

 

 

 「あ、ああ。もしかして今までの話は適当にしていたのか?」

 

 

 

 

 「いえ、いままでの話も全て事実ですし重要な話でした。しかし今後の戦略となると話は別になります。人の子(マスター)の目標はサクラとその肉親が幸せになることですよね。そのためには間桐臓硯が邪魔になります。さらには現代の魔術師というのは過去のような魔術師とは違うのだとか。」

 

 

 

 

 …そうですね、長々と話していてもあれなのでまずは邪魔な虫を消しましょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────────────────────────────────────────

 

 

 

 

 今回の聖杯戦争は見送るつもりだったがあの愚息が引き当てたサーヴァント…ただのバーサーカーかと思えば戦闘時以外は会話をする程度の知恵がある、基本バーサーカーといえば狂化によって会話などできないはずだが珍しいやつを引き当てたものよ。

 

 遠坂が呼び寄せたという英雄王に勝てるかどうかは分からぬが愚息の痛みきっていた身体をポーションで治しおった。他にも色々と道具を持っている様だったな。それにあの鎧かなり強固な魔術等で作り上げられたまさに宝具といっても過言ではない鎧。得物は見てはおらぬがあれだけの鎧を持つのださぞ強いものをもってるのだろう。

 

 これは折を見て彼奴からあのサーヴァントを回収するのも手か…。となると大量の令呪が必要になるか。その為には駒が必要だ。本体の機能が低下するが適当な外来のマスターでも傀儡とするか。

 

 

 

 「これでよい。後はただ待つのみ…。」

 

 

 

 

 ズッ…

 

 

 

 

『虫が何を待つというのですか?』

 

 

 

 

 

 「カカッ…雁夜め大人しくしておればよい…ものを」

 

 

 

 

 

『…まあどうでもよいです。これから貴方は死ぬ生憎この槍に必殺の因果はありませんが私の技は必殺の技。いかに何百年も生きる妖怪になったとしても核となる場所はあるでしょう。それをつぶすのが私の技、抵抗はできませんからね。態々そのために(これ)を取り出したのです。』

 

 

 

 おとなしく死になさい。

 

 

 言外にそう伝えるほどの圧力を臓硯に与えるバーサーカー。臓硯も抵抗をしようとするも核はすでに貫かれいつこの身体が崩壊してもおかしくはないためうかつには動けない。それは緩やかにそれでいて確実に死が臓硯へと迫っていることを何よりもしめすのであった。

 

 

 

 

 腐臭が漂うこの地下工房は酷く居心地が悪くつい気を抜いたらその居心地の悪さからここを破壊しようかと考えてしまうほどに。臓硯は徐々に身体を維持することができずボロボロと身体を崩壊させていっています。臓硯は特に抵抗することなく大人しくしている。人の子(マスター)は臓硯とは慎重で狡猾な魔術師だと。だとしたらおかしいのです。

 

 臓硯がこうして高々核を潰されただけで何もしないでいるというのは。臓硯は先程から何一つ話すこと無く崩壊する身体の崩れる音だけが工房に鳴り響く。嫌な予感がします。これはスキルとかそういうものではなくそう、私が故郷の世界で経験してきた事。慎重で知恵のある魔物達がこの様な展開になった時の行動は…そう!

 

 

(バーサーカー!!桜ちゃんが!)

 

 

 

 

 やはりっ。私がここを訪れる前になにかしていたのでしょう。全く運がいいのか悪いのかわかったものではありません。しかし臓硯の核を潰したのは確かな事実。せいぜいできることも限られてるはず。

 逃げられたとしてもすぐに追いかけサクラを救出せねば。ステータスにものを言わせ私は大急ぎでマスターの元へと向かうのでした。

 

 

 

 

 

 

 

 




はい、うまくおわらせられなかった。
もう少しうまく書きたいですね。

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