カムランの丘
【ナイン視点】
あぁ、やはり滅びは避けられませんか。私が何故かこの世界に迷い込んで、アーサー王の友としてこのブリテンの繁栄を安寧を築き上げんと努力してきた。けれども世界の力は理不尽で足掻くだけ足掻きましたけど難しかったようです。
最早遠い記憶になる私の世界。天使だった頃の私、人間になった私。とても懐かしくきっと私はもう帰ることができない世界。あの頃は必死だった、女神の果実を探しエルギオスを止め地上の守り人になって。私はこの世界に迷い込んだんだ。
私が遠い記憶に浸っている間も周囲から喧騒の声が聞こえてくる。忌々しい反逆者達がこの本陣手前に位置する私の陣付近まで来たんだろう。ランスロットに斬り飛ばされた左腕の付け根がひどく痛む。一応治療行為はしてあるが何故か痛み続ける。これも世界の力というやつかしら。
『ナイン様、敵勢迫ってまいりました!!先頭には反逆者モードレットの姿もあります!いかがなされますか。』
そう、来たのね。最もそんな予感はしていたのだし、納得している自分がいる。だけどそれはモードレットをアーサー…いえ、アルトリアの元へ行かせてあげるというわけではない。
「私がモードレットの相手をします。あなたはそのことをアーサー王に伝えて頂戴。いい?きちんと伝えるのよ。貴女の友が反逆者を返り討ちにしますってね。」
伝令の騎士は私の言葉を聞くと確かにお伝えいたしますというとアルトリアのいる陣へと早馬を出していった。私が外にでるとそこにはモードレットとその配下達。さて片腕になった私はどこまで戦えるかしら。
『そこをどけ』
「あら、モードレットダメよ。あなた達はアーサー王に反旗を翻した裏切り者、ガウェイン卿を不意打ちにしてブリテンの反逆者。通すわけにはいかないわ」
モードレットは苦虫を嚙み潰したような表情をし配下の騎士に命じる。殺せ、と。そうやすやすとやられるほど私は弱体化していない。少なくとも円卓の騎士以外は相手にならない。片腕ながらも迫りくる騎士のそのほとんどを一撃の元仕留めていく。
『…もういい。下がれオレがでる。』
「あなたの騎士達弱すぎるんじゃないの?でもモードレットなら少しはマシになるかしら。さあ、かかってきなさい」
モードレットは鎧姿のまま王位継承の象徴たる
今の私が持つことができ且つ片腕でも取り廻せる剣、メタスラの剣を片手にモードレットが放つアルトリアの同じように魔力放出を利用した一撃をそらしながらかわす。
しかし、反撃に移ることを許さないといわんばかりのモードレットからの猛攻はいくらなんでも今の私が剣技だけで裁くことはできなかった。無詠唱による
それでも私にとっては十分。怯んだモードレットへその邪魔な鎧目掛けメタル斬りを仕掛ける。
怯み動きが止まっていたモードレットは動けないそのはずであり私の一撃はモードレットの鎧を砕くはずだった。しかし、何故かモードレットはその一撃を自身の剣で逸らし。逸れた一撃はモードレットの兜をかすめ兜の一部を吹き飛ばすことしかできなった。
そしてその兜から見えた彼女の顔はとても
すぐさま互いに剣を構え直し打ち合うも少し押され気味になっている。私の体力的に次で決めないと。そのことを何となく察したのか、モードレットは一度私と距離を取り
私も今撃てる最大の攻撃
【
【
雷の属性を持った魔力が剣に束ねられ一筋の雷光のように敵を穿ち破壊せんと突き進む。対するは、荒れ狂う憎悪をまとった赤雷を放つ。白き雷と赤き雷がぶつかると周囲に風圧を巻き起こし拮抗した。
「くっ…まだまだ!!」
『この!吹き飛べぇ!!!』
どれほどの時間か拮抗していた二つの雷は徐々に、徐々に赤き雷が押しはじめついにはその拮抗を打ち破る。押し負けた白雷はかき消され円卓の守り人は赤雷に飲まれながら吹き飛ばされる。赤雷が通り過ぎその場に残ったのは、身に着けていたほとんどの装備が破損し倒れ伏す円卓の守り人と、赤雷を放ち自らの望みを叶えんとする反逆者。そして自身の友を救わんが為救援にきた騎士王だった。
——————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————————
————————————————————————————————————————————————————————————————————
——————————————————————————————————
「「モーーードレット!!!!!」」
その叫びは、騎士王が王としておそらく最初で最後に発露させた感情だった。王の友として何より王の秘密を知り支えてきた忠臣の一人。ランスロット卿をアーサー王の親友とするなら、ナインこそがアルトリアの親友であり王である必要のない存在でもあった。
その親友が、地に倒れ伏し身に着けていた装備は、破損が多くみられもうあまり長くは持たないのがわかる。そして、親友を死の淵に追いやった下手人は己をアーサー王の息子だと名乗り、今はここで反逆者としてそこにいた。
竜の心臓を持つアーサー王はその魔力をもってして魔力放出を行い下手人の元へと一足に斬りかかる。しかし下手人は自身が持つ王位継承の証の剣で防ぐ。下手人基モードレットは始めてみる王の…父のあまりの怒りの感情に驚き剣筋が安定していなかったが数合打ち合うと落ち着きを取り戻し、むしろあの王が父上が自分を見てくれていることに歓喜し口元をゆがませる。
一度お互いに距離を取りアーサー王は聖槍を構えモードレットは己の剣を構える。真名解放は行わない。行ったとしてもアヴァロンがあった場合手痛い反撃が待っているからだ。しかしこれをモードレットはあくまで驚異的な野性的直感で察していた。
モードレットから仕掛けた勝負は、アーサー王が聖槍でモードレットを貫きモードレットはアーサー王に切り傷を残すことしかできなかった。
【ナイン視点】
ああ、終わったようですね。ただこの傷の具合的にもう助からないでしょう。何より魔力があまりありません。
アーサー…いえアルトリアはモードレットから斬られてはいますがさほど深い傷でもないので聖剣があれば大丈夫なはずです。
しかし敵の兵士はまだ残っている様子でアルトリアは私の方を一瞥したのちにどこかへと去っていきました。いいんですそれで。それが王として何より優先すべきことなのですから。
ただ最後に、思うのはアーサーと…いえ、アルトリアと共に最後まで支えてあげたかった。
次第に瞼が重くなり傷による全身の痛みも周囲の様子も最後には何も感じることも見ることもできなくなり意識を失いました…。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
この時のナインの弱体具合とドラクエ的な職業は、弱体があまり具体的な数字にすると比較とか大変なので今回ナインが装備していたメタスラの剣を宝具ランクでいうところのBぐらいと思っていただければ。
職業とかについてですが、少なくともこの世界においてはあまり縛りがなくせいぜい極大呪文(マダンテとかメラガイアーとかマヒャデドスとか)など、ハイレベルな呪文を使うにはそれに応じた職業である必要がある、といくらいです。