「いやあ、ごめんねーいきなり誘って」
「アンタ絶対悪いと思ってないでしょ・・・」
「アッハハハハハハ。ほい、頼まれたホットドッグとエビカツバーガーとテトラパック牛乳」
「あ、葵ありがとう。いくらだった?」
「え、ちょっと待ってテトラパックの奴どこで買ったの!?」
「両方合わせて340円」
「えっと・・・3ユーロでいいかな?」
まだ日本円に換金してなかったのか!?・・・えっと・・・1ユーロが130円だとして、50円渡せばいいか。
「はい、お釣り。なるべく早いうちに日本円に換金しないと不便だよ」
「とりあえず一万ユーロは換金したよ?けど全部お札だったから、さ・・・」
「あ、それは辛い」
「ねえ!?ほんとにどこで買ったの!?」
「リンリン落ち着きなよ~」
「リンリン言うな!」
なんで鈴さんそんなに荒れてるんだ?ああ、そうか、普通テトラパックなんて見ないから珍しいのか。オレの実家の近く(車で30分)の大型スーパー、イ〇ンにはたまに置いてあったけどね。
・・・・・話を戻すとして、このIS学園、かなりレトロなものを使ってたり置いていたりする。例えば女子の体操服はブルマでしょ(オレたち男子は
さてさて、かなり話を戻すが、なぜテトラパックのを買ってきたかって、シャルルさんが「四面体の牛乳入れ!なにそれ気になる!あ、でもボク一万円札ばっかりだし・・・」なんて言っていたからだ。その場のノリで「あ、じゃあついでに買ってくるよ」なんて言ったら上目遣いで「本当!?ありがとう!」なんて言われたんだよ・・・・あれを断る勇気はなかった。
「えへへっ」
「ほーんと、アンタって男子に見えないわね~」
「え、そ、そうかな?」
「なんかアンタを見てると・・・こう、グッと来るものが・・・」
「さっさと食べようよ。少なくてもオレとシャルルさんはこの後アリーナまで行かなきゃいけないんだし。・・・・主に準備で」
「午後のISはひがのんとおりむーとしゃるるんがよーいするのー?」
「・・・専用機が有ってほんと良かったわ。あのカートマジで重い、アホかってくらい重い。間違っても一人二つも持っていくもんじゃない。パワーアシストが無いとなかなか動かないしさ」
「そ、それでしたら後で
「ああ、大丈夫ですよ。セシリア嬢。かなり重くても死にはしないさ・・・ハハッ」
「葵さん気を確かに!
「あ、ありがとう」
わーい!前に一つBLTサンドイッチを分けてもらったけど、あれ美味しかったんだよなぁ・・・。どうやって作っているのかな?味付けはシンプルながら、しっかりとベーコン、レタス、トマトの味が主張され、けどお互い殺しあわない味だった。よし、今度こそあの味を盗んで見せる!
なんて考えながら見た目がすっごく綺麗なBLTサンドイッチを貰い、食べた。この時オレはあんなことになるとは思っていなかった。
◇ シャルル視点
葵って優しいなぁ。半分冗談で言ってみたらすぐに買ってくるなんて・・・・。ってこれ、ほかの人から見たらタダのパシリじゃん!ああああ、どうしよう、誤解されてないよね!?言っていないだけで葵も文句を言っていたり・・・・ただ何考えてるか分からないや。う~ん・・・もしかして何も考えてないとか?それにしては何かおかしいよね。何がどうおかしいか説明しろと言われたら無理だけど、言葉に言い表せない違和感が・・・・。とりあえず今はそのことを置いといて、一番警戒するべきは中国の代表候補生の凰鈴音さん。この人ボクが男じゃないってことに気が付いてる可能性が高い。これは今日の定期報告で報告しないと・・・・ハァ・・・。あ、報告といえば葵のIS、『黒夜』の装備がデータと違うってことも言わないと・・・。やっぱ嫌だな・・・あの人達と話さなきゃいけないなんて・・・
ってあれ!?なんで葵、右目から血涙が流れてるの!?というか目が真っ赤に充血してるよ!?え、え、え、え!?これどうすればいいの!?えっと、こういう時は病院だけど、日本だと救急車って何番なの!?というか
「ふざけるんじゃ、ねー!!これだと食品サンプルだろうがー!!」
そして、葵が吼えた。ふぇぇ・・・どうすればいいの・・・!?ねえ、誰か!メディーッッック!!
◇ 再び葵視点 時はちょっと戻る
な・・・なんだこれは・・・端的に言って、口の中がカオスだ。甘くて、苦くて、不味くて、肉の味がして、また甘くて、舌が痛くて、謎の薬品の味がして、炭の味がして、亜鉛の味がして、バニラの香りがして、香水の味と香りがして、とてつもなく不味い。ものすごく、吐きそう。クソッ、耐えろ、耐えるんだ氷鉋葵!思わず吐きそうになり、慌てて上を向き耐えようとするが、きつすぎて下を向いてしまう。やばい、目から涙が出てきた。なんか頭の中の時限爆弾が起動した気がするのは気のせいだろうか。そして着々とコードが切られている気がする。あ、だんだん意識が飛びそう・・・これは・・・ああ、これが気絶か。人生初の気絶はBLTサンドイッチ(?)だなんて・・・。よし、セシリアさんには起きたら文句を言おう。走馬燈は・・・・ないか。
・・・・・ん?あれ?いきなり楽になったぞ?なんで?というか右目の視界が赤い。・・・・・ついさっきISの《絶対防御》が働いていました。はい。ということはこのBLTサンドイッチ(?)は生命の危機に関わるほどの危険性ががあったということか。くっそ・・・・ふ・・・ふざ・・・・
「ふざけるんじゃ、ねー!!」
これは!食べ物とは!!断じて!!!認めない!!!!これは・・・これだと・・・・!
「これだと食品サンプルだろうがー!!」
「ひっ!」
「セシリア!これ誰が作った!?」
「わ、わたくしですけど・・・」
「お前ちゃんと味見したのか!?」
「い、いえ、最初の一口目は葵さんに食べてもらおうと・・・」
「せめて味見をしろ!!」
そう言ってオレが口を付けてないBLTの反対側をセシリアさんの口に突っ込んだ。避けなかったのか、避けられなかったのかはわからないが、取り合えず食べさせてみる。もしこれを美味しいとか言ったらマジで舌を疑うぞ・・・。あ、味覚は大丈夫みたいだ。何せ、だんだん顔が歪んでいってる。ものすごく、吐きそうな顔をしている。顔を上に向け、手を口に当て、必死に吐き出さないようにしている。・・・・無事(?)飲み込めたようだ。ただ目には涙が溜まっていて今にも泣きそうだ。
「レシピ本通りに作ったはずなのに、どうして・・・」
「・・・・そのレシピ本見せてみ」
「これですわ」
レシピ本を受け取って、BLTサンドイッチのページを開いてみる。・・・・うん、普通の、極々普通の作り方だ。なんでこのレシピであの味が出るんだ?・・・・ああ、そういうことか・・・え、なんでそうなったの?
理由は簡単、セシリアさんが作ったあれと写真は全く同じだった。なんでレシピ通りに作らないの?
「ねえ、レシピ通りに作った?」
「はい!そこの写真と同じはずですわ!」
「アホか!写真と同じにしてどうするんだ!料理は芸術じゃないんだよ!食えるかどうかが第一だよ!味はその次!それから見た目だよ!」
「食感も大事・・・!」
「「「「ひゃっ」」」」
「わ~!かんちゃんだ~!」
「わっ、ちょ、本音!」
え、なにこの可愛い娘。水色の髪の毛、整った顔立ち、眼鏡っ娘、ちょっと下向きっぽいけど根は真面目そうな人。なんか本音さんの知り合いっぽいけど、なんでこの人たちいきなり百合百合し始めてるの?ねえ?ちょっと、ねえ?
眼福でした。はい。
◇ かんちゃん視点 時はかなり戻る
「ふう・・・・」
とりあえず、OSは7割がたできた。ちょっと疲れたし、おなかもすいたし、お昼食べに行こうかな・・・・。今日は何にしようかな・・・いつもの掻き揚げうどんに・・・・いや、温泉卵に・・・・うーん・・・・もういっそのこと両方に!・・・そんなことしたら明日は普通のうどんになっちゃう・・・あ、でもそれはそれで美味しいし・・・
今日のうどんのトッピングはどれにするか悩んでいると、一年一組の教室の前に人だかりができていた。なにかあったのかと聞いてみると、「転校生のだ男子が教室で食べてるの!そして私たちはそれを眺めているの!」と言っていた。
・・・・いや邪魔なんですけど。思いっきり通行の邪魔なんですけど。そもそも男子ってあの織斑一夏とどっからか来た氷鉋葵だけでしょ?
「あ、転校生の男子は今日来たんだよ。フランス代表候補生のシャルル・デュノア君だって!」
あれ、私声にして喋ったっけ?
「あ、「なんで分かったの?」って顔してるね!ふふふ、それは簡単さ。君は言いたいことが顔に出ているんだよ!」
なん・・・・だと・・・・・・!?
というおふざけは投げ捨てておいて、私ってそんなに分かりやすかったの?というかそれ以前にフランスの代表候補生って全員女だったよね?それに新しく見つかったならニュースになるんじゃ?
「あ、疑ってるな~?ほらほら、あの金髪の子、男の子でしょ?」
「あ、ちょっと・・・やめ・・・」
「ふざけるんじゃ、ねー!!これだと食品サンプルだろうがー!!」
人垣に無理やり穴をあけそこに私を押し込むこの人。文句言ってやる!と思ったけどさっきの叫び声でそんなことはすっかり抜けてしまった。・・・・だって・・・・右目だけ、血涙を流しているんだもの。
え、本当に、リアルで血涙してる人、初めて見た!それも片目だけ!まるで阿頼〇識のリミッターを外した三〇月みたい!あの荒々しく戦うシーンは何度見てもかっこ良かったなあ・・・!・・・じゃなくて!なんでそうなったの!?
「これだと食品サンプルだろうがー!!」
「ひっ!」
「セシリア!これ誰が作った!?」
「わ、わたくしですけど・・・」
「お前ちゃんと味見したのか!?」
「い、いえ、最初の一口目は葵さんに食べてもらおうと・・・」
「せめて味見をしろ!!」
至極当然である。普通人にあげるもの、しかもそれが食べ物なら一度味見するのは常識でしょ!なんなのあの人?
「レシピ本通りに作ったはずなのに、どうして・・・」
「・・・・そのレシピ本見せてみ」
「これですわ」
「・・・ねえ、レシピ通りに作った?」
「はい!そこの写真と同じはずですわ!」
「アホか!写真と同じにしてどうするんだ!料理は芸術じゃないんだよ!食えるかどうかが第一だよ!味はその次!それから見た目だよ!」
む・・・!たしかに食べれるかどうかは一番大事。味と見た目を後回しにするのはわかるけど、食感を入れていないことは不満。いくらおいしくても、ボソボソしてたり飲み物みたいなものだと食べたという満腹感だけじゃなく、食べることそのものが苦になっちゃう。だから、
「食感も大事・・・!」
「「「「ひゃっ」」」」
「わ~!かんちゃんだ~!」
「わっ、ちょ、本音!」
・・・・・・・・・・・あれ?私、いつの間に・・・?え・・・・ゑ・・・?
混乱している私に追い打ちをかけたのは、ほんのちょっとの間だけルームメイトで、一応私の専属メイドの本音だった。待って、揉まないで!ほんとにやめて!
本×簪で何が起きたかはご想像にお任せします。
あ・・・・