「・・・ただの結膜下出血だね。大丈夫、ほっといても治るよ」
「分かりました。ありがとうございました」
「一週間経っても治らなかったらまた来てね」
「はい、失礼しました」
割とマジであのBLTサンドイッチ、何が入っていたんだろ・・・
◇ 時は少し進んで土曜日 全アリーナ開放日 第二アリーナ内
あれから数日経ち、周りも少し落ち着いた。シャルルさんは一夏君と相部屋になったみたいだ。同じ部屋だった箒さん、哀れ。命短し恋せよ乙女、これからはより強くアピールするのだ・・・!
・・・にしても一夏君、距離を取られたら詰めなきゃダメでしょ。武器が
今オレが見ているのはシャルルさんと一夏君の一対一のISバトル。シャルルさんは一夏君と一定の距離を取り続けていて、一夏君が近づいてきたら銃で牽制しながら離れ、離れたら距離を詰めて追いかける。さっきからこれの繰り返しだ。・・・距離の取り方がうまい。近づけないけど離れられない・・・これは厄介だ。どうやって対策したものか・・・
というのもこの後オレも戦うことになっているからだ。オレは嫌だと言ったんだが、周りが・・・勝手に了承しやがった・・・
あ、シャルルさんが新しい銃を取り出した。・・・斬ったら爆発したということはHE弾か。というか何気に空中で銃弾を斬るとか一夏君って凄いんだな。あんなちっちゃいの良く見えるよな・・・まあ斬っちゃったから爆風に飲まれて周りが見えずグレネード撃たれたんだけど。
爆風の中でさらに爆発が起き、出てきたのは墜落状態の一夏君。まだダウン中のようで動かない。シャルルさんはこの隙を逃すはずなく、スナイパーライフルを取り出した。
「狙い撃つ!」
「うわああああああ!?」
直撃コースの銃弾を雪片で強引に軌道をそらし、姿勢を戻したのだがスラスターを撃たれ、不安定に。
「これで終わりだよ、一夏!」
「まだだぁああああ!」
スナイパーライフルをしまって取り出したのはアサルトライフルの《ヴェント》だった。ただし、二丁。撃たせるものかと突っ込む一夏君だが、特攻むなしくダダダダダダダダダダダダダダと撃たれて墜ちた。・・・ISのヘッドギアって耳栓の役割もしていたんだな・・・そんなにうるさくないや。
「一夏はさ、ちょっと警戒しすぎなんだよ。つまり奥手」
「そうか?」
「うん、慎重すぎる。最後の特攻だって、無意識にブレーキがかかってる。イグニッション・ブーストを使ってもやっぱり心の奥では慎重になってる。一夏の武器はそれだけだからもっとガンガングイグイと攻めないと!ISは恋と同じだよ!」
「ごめん最後分からない」
「あとは射撃武器の特性を理解出来てないことだね」
「そうかなのか?」
「うん、わかってない。たしか白式にはイコライザを付けるほどの容量がないんだよね?」
「ああ、何回か調べて貰ったけど容量がないって言われた」
「多分『零落白夜』が容量全て使っているからだよ」
「あれってエネルギーだけじゃなく容量までバカ食いするのかよ」
「まあそのおかげで第一形態からワンオフアビリティーを使えるじゃん。発現条件ですら本当にそれで合ってんのかー!ってレベルだし」
確かワンオフの発現条件って『ISが操縦者と最高状態の相性になったときに自然発生する』だっけ・・・それでも発現しない人も多いから謎なんだよな・・・
なんて考えながら一夏君シャルルさんの会話をボーとしながら聞いている。オレ帰っていいかな?
「まあいいや。話を戻して、射撃武器の特性を理解するには自分で使うのが一番早い。というわけではい、これ」
「ん・・・?他の奴の装備って使えないんじゃなかったっけ?」
「使用者が許可すれば使えるよ。今登録したから使えるはずだけど・・・」
「あ、持てる!俺にも銃が持てる!」
「ふふっ、銃が持ててそんなに嬉しいの?」
「おう!だって銃ってカッコいいじゃん?剣や刀もいいけどやっぱ銃は別格だよ」
「それじゃあ早速使ってみようか。・・・あそこにターゲットを出したから狙ってみて。あ、センサーリンクは出来てる?」
「銃を使うときのあれだよな?何処にもないんだよ。どの辺にあるんだ?」
「んー、じゃあメニューからISを選択して、右上当たりに『<IS>内を検索』というところがあるからそこに『センサーリンク』って入力してみて」
「わかった。・・・・・『検索条件に一致する項目はありません』だってよ」
「ええ・・・じゃあしょうがないからマニュアルでやろうか」
「お、おう・・・!大丈夫かな・・・」
「心配しなくてもいいよ。銃の構え方から教えるから。まず基本からやっていこう。背筋を少し曲げて」
「こ、こうか?」
「そうそう、その感じ。体を前にする感じでいいよ。で、次はしっかり肩につけて、ほっぺたをストックの部分につけて。軽くでいいから」
「これで合ってるか・・・?」
「合ってるよ。脇をしっかりしめて、左の手首の力を抜いて。あと膝は少し屈めるといいかも。・・・うん、それじゃあ撃ってみて」
言われてすぐに引き金を引いた一夏君。ドンッと鈍い音がしたが一体どんな反応をするか・・・!
「・・・意外と反動はないんだな」
「ISが吸収してくれるからね。で、撃ってみてどうだった?」
「そんなに当たらないってのと、速いってことかな」
「うん。銃弾は速い。それこそ一夏のイグニッション・ブーストよりも速い。だから近ければ当たるし当たらなくても牽制にはなる。それに、実際に撃ってみて、思っていたのと違うでしょ?」
「ああ、思っていたのとかなり違う」
「後は一夏の気持ち次第。銃を持っている相手に剣でどうやって対策するかだなんて、撃たせないようにしろーくらいしか浮かばないよ」
「そっか。ありがとうシャルル」
「どういたしまして。あ、マガジン1つ全部撃っていいよ。ケースは捨てないでね!あと一回ごとちゃんと脇を締めなおしてね!」
「わ、分かった!」
さて・・・帰るか。そう思いアリーナの入口に向かう。なぜだろう、後ろから「ガチャ」っという音が聞こえるのは。恐る恐る、後ろを向かずに後ろを見てみる。予想が外れますように・・・当たってたよチクショウ!
「どこに行くのかな?」
「い、いや、自主練に行こうかな~って」
「ふ~ん。ボクとの約束はすっぽかして?」
「オレ一度もやるとは言ってないんだけどね?」
「でも周りはやってほしいみたいだけど?」
ハイパーセンサーの視界を増やす。・・・うん、みんなこっちを見てるし観客席も埋まってるね。アリーナのピットにはこの間の水色の髪の子も見ているんだけど・・・
どうしよう・・・・
逃 げ ら れ な い
「覚悟はできたかな?ボクは出来てる」
「・・・わーったよ!やってやるさ!チクショー!」
「それじゃあ始めようか♪」
「やっぱ無しというのは?」
「さっきやるといったよね?」
「それは言葉の綾というかなんというか」
「言ったよね?」
「・・・はい」
「ここまで来て泣き言をいうのはどうかとおもうよ」
「はいはいっと。速攻で負けてやる」
「いや負けてどうするの!?」
「早く始めろー」
外野が騒がしくなってきた・・・・もうやだ帰りたい・・・仮にも相手は代表候補生、しかもあっちはこっちのことをリサーチ済み。勝てる気がしない。
「行くよ!」
「来るな!」
銃を二丁取り出して撃ちながら突っ込んでくるシャルルさんに下がりながらドレッドノートのセミオート射撃で対応する。黒夜のSEは650しかないからドレッドノートで撃てるのは216発しか撃てない。しかもそこに被弾したときの消費も含めればもっと少ない。ちなみに、216発というのがどれくらいかというと、AK-47の装弾数は30発だから、マガジン7つということだ。機関銃なんてものによっては僅か1秒で100発も消費するくらいだ。
「どこ見てるの!・・・うわっ!?」
膝の砲身を展開して、撃つ。あっさりよけられたが驚いてはくれた。ドレッドノートをしまって両手にデュエルを展開、背面スラスターでイグニッション・ブーストをする。そしてその加速を使って剣を振り下ろす。持ってる銃をクロスして防ぐがその程度、止まらんよ!刃が半分程入ったあたりで手を放して後退、オレは止まることなくその銃を斬り捨て、追いかける。
「一応言っておくけどIS用の銃って高いんだよ!?」
「そうだろうね!」
もっとも、そんなの気にしてたら戦いにならないけどね。
「はい、これあげる!」
と言って投げてきたのは・・・グレネード?どうせ当たったり斬ったりしたら爆発するに決まってる。だから避けたのだが・・・うえから大量に来ているのは何でしょうかね?ざっと数えて10個ほどのグレネードが・・・一斉に起爆した!!
うわ見えない!スモークか!サーモグラフィーに変更・・・ダメだ、見えない!センサー系にもジャミング効果があるのか!?
「まだまだ行くよ!」
・・・声からして大体そこか。場所がわかればこっちのもんだ。背部のキャノンを前に展開、チャージ開始!・・・ていうか真っ白で何も見えねえええええ!
「あれ、反応がないけど・・・・ま、いっか♪」
えっ・・・まさかスモークを使った本人ですらオレの位置がわからないのか・・・だからといって乱射はやめてくださいマジで怖いんですでも位置の割り出しは簡単です。
ー 弾丸の発射角度から位置特定完了。『名称未設定・背面設置大型砲』、チャージ完了。フルチャージ -
よっし準備完了・・・発射!出てきた白く極太のビームはスモークを晴らし、空高く飛んでいき・・・アリーナのバリアに当たって消えた。あるぇ?シャルルさんはどこ行ったのぉ?
「どこ見てるの!」
「下かよ!?」
まさかの下にいた!手に持っているのは・・・断〇剣!?マジで!?デュノア社って〇空剣も作ってんの!?それともただシャルルさんの好み!?
「てりゃー!」
投げた!?投げたよこの人!剣を投げてきたよ!デコイか、それともハイパー・ライジングソード・ファイナル・アタックか!?そんなことはどうでもいい。とにかく、避ける。落下体勢だが体を無理やりひねって回避・・・したが、そのせいで気づくのに遅れてしまった。
シャルルが手に持っている、ハンドミサイルに。
「チェックメイト!」
オレは変な姿勢な為、動けない。そんな状況を見逃してくれるはずがなく・・・・計24発、容赦なく撃たれた。
そして墜ちた。
ハンドミサイルはキュリオスのハンドミサイルのISサイズみたいな感じです
はい。