・ISABのエピローグの内容をざっくりと
・イマージェンシーオリシスって結局なに?
・本音さんと一夏はどうなった?
にしてももう一か月経ったんだね・・・時間が流れるのは早いね・・・
最初こそひと悶着あったがそれ以降特に変わりはなく、ボーデヴィッヒさんも大人しかった。まあ変わったことと言ったら・・・・
ボーデヴィッヒさん休み時間に恍惚の表情でナイフを研いでいたということくらいだろう。
ちょっと想像して欲しい。自分の隣の席の人が、「フフフフフ・・・・」とか呟きながら、シュピンシュピン
けどそれって怖くないか?何?誰か殺すためにIS学園に来たの?それともあまりにやることが無さ過ぎてナイフ研いでるの?
・・・・・・・・・本人が楽しそうだからいいか。
だけど織斑先生?いい加減扉の前で右往左往してないでください。指導するべきなのかどうか迷っている場合じゃないでしょ!さっきから地味に気になるんだよ!
その直後チャイムが鳴り、織斑先生は真っ先にボーデヴィッヒさんのもとに向かい、出席簿アタック!
「学園でナイフを研ぐな!研いだものを持ってくるようにしろ!」
え・・・?指導するところ、そこなの・・・?
◇ 授業中
今は織斑先生の実体験込みのありがたい授業を受けている最中。ノートを取りつつ話も聞く。
・・・一応メモしとこう。”五感が頼りにならないときは相手の気配を掴む”っと・・・。どうやって掴むんだ?
その時、右目の奥に痛みが走った。強い痛みではない。目が暗いところに慣れた時に明るいものを見ると感じるような、チクッとした痛み。その痛みはすぐ引いたから大丈夫だと思ったのだが・・・右目が熱い、何かが込み上げてくる。
ソレはすぐに溜まり、頬を伝わり、ノートへと落ちた。ポタリ、ポタリと右目から落ちてくる、僅かに鉄の匂いがする、赤い液体。
言われなくてもわかる。これは、オレの血だ。
これ以上放置するとシミになる。慌ててティッシュを何枚か取り出しノートにできた血だまりにかぶせ、吸わせる。また取り出して、顔を拭く。・・・ヤベェ、止まらない。
そんなオレの異常事態に織斑先生はすぐに気が付いた。
「布仏!氷鉋をすぐに保健室へ連れていけ!そのあと蒸留水で目を洗え!氷鉋、絶対に目をこするな!」
「ひがのん!?」
織斑先生の一声でクラス全員がこっちを一斉にバッと見る。なにこれこわい。皆全く同じタイミングでこっちを向くから驚いて体が動かないじゃないか!
そして隣の本音さんがその隙を逃さずにお姫様抱っこをする姿が!
「ダッシュで行きます!」
「廊下は走れ!」
「”走るな”じゃないの!?」
・・・後に残ったのは変な空気になった教室と、頭が痛いのか額を押さえる織斑先生、風になった本音さんだった。
◇ 保健室
普段はのほほんとしていて、あり得ないほど足が遅い(50m走のタイム19.7秒)のに・・・今は景色が歪むほどの速度で人一人抱えて走っている本音さん。その表情は凛々しく・・・・
いやあ・・・オレが男だったら惚れてたね!
その時、謎の浮遊感に包まれた!目の前には保健室。・・・・あっれー?なんで本音さん両足揃えているのカナー?
なんで地面から本音さんの足が離れているのカナー?
オレ達は表現するなら、ドッガーン!!!!というのが相応しい音ともに保健室に入室したとさ。
◇ 保健室では・・・
本音さんが廊下を全力疾走しているときの養護教諭の話をしよう。彼女の名前は森風花。21歳、IS適正はA-と、IS学園の中の教師にしては低い。しかし彼女は学生時代には日本の代表候補生になるほどの実力者だ。勿論IS学園は出身校だ。そんな彼女は子供の頃からの夢、「保健室の先生」になるために代表候補生をやめた。”じゃあなんでISに乗ったんだよ”とか言わないであげてほしい。その話は置いといて、IS学園卒業後は短大に行き、無事卒業。去年から養護教諭として母校のIS学園に就職。今では普段は生徒にも教師にも慕われている養護教諭として、非常時には打鉄を駆るIS乗りとして活躍する優秀な人材になったのだ!
そんな彼女は今、休み時間に返却された湯たんぽの中身をマグカップに注いだ。その液体は透明ではなく、黒だった。
「グヘヘヘヘ・・・あのブリュンヒルデが使った湯たんぽ・・・織斑先生も流石に中身がコーヒーだったなんて気づいていないだろうなあ・・・グヘヘヘヘ・・・」
顔よし、スタイルよし、街を歩けば誰もが振り向くの美人というわけではないが普通にモテるタイプなのに彼氏いない歴=年齢なのは、彼女は織斑千冬LOVEの残念美人だったのだ・・・。
それこそ、前の時間に織斑先生が借りた湯たんぽを頬ずりするほどに。そして中身を温かいコーヒーにしておくほどに。
彼女にとって今は至高の時間だろう。
ドッガーン!!!!
しかし、無情にもそんな時間はドアと共に破壊された!
そして彼女はいきなりのことに驚き、湯たんぽを落としてしまったのだった・・・
◇ ひがのん視点
「先生!蒸留水用意してください!織斑先生からの指示です!」
普段あんなに間延びした声で喋るのに、今はハッキリと話している。・・・”普段からこれならなあ”とも思ったけど普段の本音さんからのほほんとした雰囲気を取ったら普段の本音さんじゃ無いじゃん。そう思うとなんか嬉しいな・・・
そして先生は・・・フリーズしていた。
「先生!」
「・・・はっ!ああ、水だね!ちょっと待っていてね!織斑先生の名に懸けて!」
・・・・・気にするな、気にしてはいけない、気にするべからず。きっとちょっとアレな人なんだ。
ふと、目線を下に下げる。そこには黒い液体がトクトクと流れて出ている湯たんぽがあった。うん、僅かに香るコーヒーの香りは何なんだろうね?
「はい、用意できたわよ。タライでいいわよね?」
「なぜタライが保健室にあるのか気になるのですが」
「たまに君たちみたいに制服を赤く染める人がいるからよ」
オレの制服を見て・・・本音さんの制服を見て・・・右手を見る。全部、オレの血で真っ赤じゃん・・・
「なんか、先日からごめんなさい・・・」
「気にしなくていいから、さっさと脱いで。そしてさっさと目、洗って。ホラ君も、そっちにカーテンあるから」
「は~い。・・・ひがのん」
「ん?」
「覗かないでね?」
「覗くか!」
全く・・・本音さんはオレをなんだと思っているんだ。オレがそんなことすると思っているのか?・・・・もしかして思われているから言われたのか?そんなことした記憶はないんだけどなあ・・・・
ん?
一瞬、何かが、引っ掛かった。
違和感
それはいつもならば「気のせい」で済まし、無視していたであろう、何か。だけど今は、「それを見つけろ」とでも言わんばかりの冷や汗が流れている。
何だ、何に違和感を感じた
何が、原因だ
何故、なんだ
オレは何を探しているんだ?
「・・・ひがのん?その目、どうしたの?」
「その目?ああ、血涙か?それを洗うために今ここにい・・・・る・・・んじゃない・・・か・・・」
違和感の正体は・・・水面に映る、オレの右目。本来ダークブラウンのはずの右目の瞳孔が――
紅くなっていたからだ。
今回は、後に必要になるシリアスへの布石
3日連続で投稿しますぞ