二人に呼び出されて来てみればいきなり秘密の告白(恋愛ではない)を受けたオレ。
突如彼女の携帯に届いた暗号文と思わしき4つのメール。
そしてオレ達の手元にあるのは暗号を解いた結果現れたアナグラム(と思われるもの)。
さらにそのアナグラムを解き、読んで混乱しているオレ達・・・
どうしてこうなった・・・・
◇ 時は少し巻き戻る
本音さんに食べられたー、織斑先生に渡したー、山田先生に渡したー、森先生に渡したー、一夏君に渡したー、シャルルさんに渡したー、セシリアさんに渡したー、ラウラさんに渡したー・・・やっぱこれで全員だな。
あの後すぐに寝られなかったから本音さんが寝たのを確認した後にクッキー生地作って、そのあと冷蔵庫で寝かせつつ自分も寝て、いつもの時間に起きてから焼いた焼きたてクッキー。IS学園の寮ってホント凄いや・・・。実家にもローストチキン焼けるほどの大きさのオーブンがあるけど、それより大きいオーブンが各部屋に付いているなんて・・・
あ、ちなみに一番最初に食べたのは本音さんでした。この子匂いで目を覚ましたよ・・・・
クッキーが冷めたあたりでラッピングして昨日迷惑かけた方たちに配ったんだけど、みんな当たり前だけどバラバラに動くから最後のを渡せた頃には包んでから半日経っていたぜ・・・
最後に渡せたのは意外にもシャルルさん。お昼時にようやく捕まえられたんだぜ?で、渡したときに―
「今夜18時に部屋に来て」
って言われたんだよ。で、今18時。シャルルさんと一夏君の部屋の中にいるぜ。あ、最初のあれは一種の現実逃避だ。気にするな、オレは気にしない。
そしたらなんと衝撃的なことが・・・
「えっとな?シャルルは実は男じゃなくて女だったんだよ」
「うん、知ってる」
「驚くかもしれないけどこれはジョークではなくてだな・・・って、ん?」
「だから、最初から一目見た時から知ってる。だって隠す気ないでしょ?」
「え・・・・え!?」
いやなんでシャルルさんが驚いているんだ・・・・ってかなんで本人の口から言わないんだ・・・
いやそれよりもだな?
「で、それをオレに伝えたってことは何かやってほしい事でもあるのかな?シャルルさん?」
「あ、あのだな!シャルルは!」
「一夏君はシャラップ。今オレは、シャルルさんに聞いている」
「っ!」
「シャルルさん、オレにできることは限られている。勿論昨日のこともあるからできる範囲で手伝うけど」
「あ、あのね?だますつもりはなかったんだ。葵には最初からバレていたみたいだしね。ただ葵にもちゃんと言わないといけないかなって―」
「うん、それはもういいよ。それで、これからどうしてほしいんだ?ただ自分は女の子だと言いたかっただけじゃないんだろ?」
「・・・・うん。実は昨日4つメールが届いていてね、フランス語で色々な単語が羅列してあるだけなんだ。文章じゃないから何を言っているのか分からないんだ」
「ふーん、誰から?」
なんとなく予想できた。多分送られてきたのは暗号文だろう、それもそのまま読んでも全体には意味がないタイプの。で、それをオレに解読させたいってところか。・・・問題は誰から送られてきたかだが―
「・・・デュノア社社長、アルベール・デュノアから。一応ボクの実父に当たる人だね」
「・・・ウワーオ」
まじかー・・・・ええ・・・?お父さん娘好きすぎるの?娘LOVEなの?恥ずかしいから暗号文にして送ったの?ええ・・・?
「・・・まあいいや。それで、そのメールをどうしたいの?」
「解読して欲しいんだ。せめてなんて言っているのか知りたいから・・・」
やっぱりか。暗号解読はあんまり得意じゃないけど、できないことはない。
「紙とペン」
「え?」
「解読して欲しいんだろ?まず1つ目のメールに書かれていたモノを紙に書きだして。オレがそれを考えている間に2つ目、3つ目を書いといて。いいね?」
「いいの!?」
「いいの」
「あ、ありがとう!」
「まだ何もしてないし、もしかしたら解けないかもしれないけど」
「いいよ、そんなの気にしなくて!手伝ってくれるだけでもうれしいよ!」
だからまだ何もしていないっちゅーの
「あ~、俺邪魔みたいだから二人の夕食取ってくるよ」
「よろしく」
「お願いね、一夏」
ギャー!!!
一夏君が出て行って数秒後、一夏君の悲鳴が聞こえた。・・・・・・外で何があったんだ?
「はい、これが1つ目」
「おう」
それはそうとして、メールに書かれていた内容はこうだ。
=====================================
etincelle
tuer
terre
orage
liberté
rouge
archange
horizon
croix
=====================================
「うん、分からん」
「えっ」
「『ルージュ』と『ホリゾン』以外読めん!」
「あ、そういうこと・・・」
「・・・・なあ、これには本当にただの単語の羅列?」
「うん、全部単語。無理やり文章にしようとしてもおかしすぎるよ」
・・・・となると考えられるのは頭文字が一番早いか。
「『ettolrahc』」
「何それ?」
「こんな言葉はある?」
「無いよ」
無い・・・?じゃあ頭文字以外か?でも受け取った側が一番わかりやすいのは頭文字の暗号なんだが・・・
あっ
「なあ、これ入れ替えたらどうなる?」
「入れ替える?」
「おう。アナグラムというパズルがあってよ、文字の順番を滅茶苦茶に入れ替えたものの元の形は何かっていうパズルなんだよ。で、もしかしたらこれもそうかなって」
「そうなんだ~」
「受け取ったシャルルさんが分からない暗号なら、今のところ頭文字を使った暗号が有力だと思う。それも無理なら別のを考えないとなー」
「・・・うん、分かった。考えてみるよ。あ、これ次」
・・・・まったかよ。これ書きだすほうがめんどくさいよ。
=====================================
nuit blanche
ovale
image
tombe
natation
espoir
toile
tigre
Arc-en-ciel
=====================================
頭文字を取ると・・・『noitnetta』
ぬぬぬ・・・なんか微妙に単語っぽいんだが・・・
「はいこれ追加」
「え、さっきのすらまだ分からないんだけど・・・。あ、これ3つ目」
「考えるのは後にして先に書き出して」
「分かった」
次のを考えるために戻ろうとした瞬間、一つの可能性を思いついた!
「ねえ、逆から読んだらどうなる?」
「逆?」
「そう、逆」
言われて見てみるシャルルさん。これでだめならアナグラムかそもそも間違t―
「葵!ビンゴだよ!」
「マジか!?」
うわっ!?ラフな格好で抱き着かれた!?胸がぐにゃっと・・・!!煩悩退散煩悩退散煩悩退散!!
「あ、ちょっと待ってて・・・・うん、二つ目も読めるよ!」
「へえ。・・・それで、なんて書いてあるの?」
「えっとね、1つ目は『シャルロット』、2つ目は『注意』だよ」
(シャルロットって誰・・・?)
そんなオレの疑問に気づいたらしく、シャルルさんはすぐに答えてくれた。
「・・・『シャルロット』はね、ボクの本当の名前。お母さんがつけてくれたんだ」
「・・・・そっか、いい名前だね」
「ふふ、ありがとう」
・・・おい誰か教えてくれ、この妙な空気はどうやって変えるんだ・・・?
ゴン ゴン
うわ、このノックした奴絶対足というか膝でしたぞ。一体誰だ?
「ヘーイヘイヘイヘーイヘイ」
「うわ古っ」
「なんだ一夏君か」
「なんだって何だよ、せっかく飯持ってきてやったのに」
「ありがとうございます一夏様」
「うわ気色悪っ」
「ひでぇ・・・」
・・・・・・そういやオレ、いつの間にこんな会話できるようになったんだろ・・・?
「あ、お帰り一夏」
「只今シャルル」
「うわすげえ、今の会話夫婦っぽい」
「「ふ、夫婦ぅ!!?」
このうろたえっぷり、面白い・・・!けどそれはここらへんで切り上げるとして・・・
「それで、3つ目4つ目は解読出来た?」
「うん、3つ目は『Ne viens pas』、日本語だと『来るな』だね。4つ目は『france』、これは『フランス』って意味だよ」
「・・・この解読法、本当に合っているのか物凄く不安なんだけど」
「・・・うん、ボクもだよ・・・」
「お、解読できたのか?どんな内容だったんだ?」
「ざっくり言うと、シャルルさんにはフランスに来てほしくないんだってさ」
「・・・シャルルの父さん、身勝手すぎるだろ・・・。娘にしたくもない男装をさせてIS学園に無理やり入れた癖に・・・!」
「ちょっと、一夏?怒ってくれるのはとても嬉しいけどそんなにカリカリしないで。ね?」
「あ、ごめん。シャルル」
あ・・・あざとい!そのラフな格好!整った顔立ち!そんな美少女が顔を少し傾けて「ね?」っていうのは反則だと思います!あざといです!
「そして二人は保護者の魔の手から逃げるために宇宙の果てに駆け落ちしました。めでたしめでたし」
「「ちょっと何言っているの(んだ)!!?」
ええー?何処か変なところあったかー?ハッピーエンドじゃーん?
「そ、そういえばさ、シャルルはIS学園特記事項のおかげで3年間は安全が保証されているけどそれまでに何とかしないといけないんだけど、葵は何かいい案はないか?」
「ん~、無いことはないけど・・・」
「ほ、本当か!教えてくれ!」
ふふふ、君は駆け落ちの話題を逸らすためにその話を出したようだが、愚かだな。君は自ら地雷を踏んだのさ!
「いいけど、実行するのか?まあこの方法は一夏君以外できないし・・・」
「教えてくれ!オレにできることならなんでもするつもりだ!」
「・・・”なんでも”って言ったな?言ったからにはちゃんと覚悟はあるんだろうな?”なんでも”という言葉には100しかないぞ?それでもいいのか?」
「・・・・・ああ、男に二言は無いぜ」
「そっかあ・・・それじゃあ教えてあげる」
「「ゴクリ・・・」」
期待した目を送る一夏君とシャルルさん。シャルルさんがさっきの愛の告白染みた台詞に頬を染めているのは照明のせいではないと信じたいな。
さて、焦らすのはこの辺りにして、言うか。
「それはだな・・・」
「「それは・・・?」」
「誰の手の届かない所へと駆け落ちすればいい」
「「はいぃ!!?」」
なんだその「ふざけているのか」という視線を二人して送りやがって・・・。こちとら真面目に答えたのに・・・・
「な、なんでそうなるんだよ!?」
「そ、そうだよ!!か、駆け落ちだなんて・・・・えへへ・・・///」
「ん?なんでもするんじゃなかったの?」
「いや、なんでもするとは言ったけどさ!?」
「デュノア社の権力が届かない場所に居れば安全でしょ?それに一夏君、君には<世界最強>が付いている。誰も<世界最強>の義妹には手出しできないだろ」
「い、いや千冬姉の手は借りたくないというか、なんというか・・・」
「ああ、安心しろ。シャルルさんのことはバレているから」
「「嘘ぉ!!?」
ほんと、仲いいね君たち。相性抜群じゃねーの?
「そんなにボクって演技下手なの?」
「そ、そんなことはないぞシャルル!」←ワンサマー
「そ、そんなことはあるぞシャルル!」←アオイー(声真似)
「待って今のどっちがどっち!?」
はっはっはっはっは!これだからやめられないのだよ!一×シャルをからかうのは!
と、一人悦に入っているとシャルルさんがふと思い出したかのように衝撃情報を教えてくれた。
「そういえば葵知ってる?」
「何が?」
「オルコットさんと二組の凰さんがボーデヴィッヒさんにボコボコにされて今度の学年別トーナメントに参加できないんだって」
「・・・マジかよ」
「で、その学年別トーナメントはペア参加に急遽ルール変更になったんだけどね、ボーデヴィッヒさんからの
「・・・マジかよ(二回目)」
ぬぬぬ・・・セシリアさんと鈴さんとは一緒に飯食った仲だから仇討ちをしたいけどシャルルさんと一夏君が組んだらオレにチャンスは来ない・・・。けどラウラさんとシャルルさんが組んだら・・・
あり?
「シャルルさんってもうペア登録届出した?」
「まだだけど?」
「・・・ならボーデヴィッヒさんと組んでくれない?」
「「はいぃ!!?」」
次回の次回はバトル回になりそうだな~
書くのが楽しみだぜ(・ω・´)