本音さんは8時直前に起き、そのまま食堂へ行った。寝起きで食うのかよ、というか着替えないのかよ、オレが食べに行った時ですら寝間着の人はいなかったぞ。と、本音さんに対する謎のコメントを心の中で言い、支度を終わらせ、部屋を出る。・・・・本音さん鍵持っていたっけ?そう思い机を見るとこの部屋の鍵があった。オレは今鍵を持っているからこれはオレのではない、本音さんのだ。即ち、本音さんは今持ってない。ということは鍵は掛けない方が・・・いや、本音さんが戻るまでここで待っていればいいか。ではこの間何をするか・・・・パソコンはもう落としたからな・・・よし、久々に訓練するか。秘儀!並列思考!・・・・・別に秘儀でも何でもないか。
因みに本音さんが帰ってきたのはこの20分後だった。
二時間目の休み時間、オレは早くも腹が減ってダウン状態だ。いや、朝はいつも通りの量を食べたよ?ご飯大盛り1杯、味噌汁1杯、たくあん6切れ、鮭の切り身1切れ。まあこれの原因は分かってる。授業とイメージバトルを並列していたからだ。人間不思議なもので2つ以上の考え事をするときは必ずその数+1しないといけないんだよな。理由は混ぜないため。最低1つは混ぜないように管理をしなければいけない。つまり、授業を真面目に受けながらオルコットさんに勝つためのイメージバトルをしていたのだ!・・・・問題はオレが使うISが決まってないことなんだけどな。とりあえずラファール・リヴァイブでイメバトだ。因みに織斑君はイケメンのせいなのか、女子に囲まれている。イケメンってずるい。く、悔しくなんてないんだからね!
「ひがのんよしよし」
「ねえ氷鉋君今ヒマ?お昼ヒマ?お昼ヒマなら一緒に食べない?」
「氷鉋君って織斑君と比べるとカッコイイというよりカワイイよね~守ってあげたくなっちゃう!」
布仏さんとその友達(?)2人がオレを慰めてくれる。本音さんの手、柔らかいなぁ。次、「大丈夫、昼の予定と言えば食堂で食べることだけだ」という意味のグッジョブサインを出す。そして最後、それは褒めているのか?貶しているのか?というか女子の視線から守ってくださいお願いします。20世紀ごろの珍獣のウーパールーパーとか約30年ほど前に上〇動物園で生まれたパンダとかを見る視線のようで辛いんです。特に異性からだとなおさら。あ、同性はお断りです。はい。
そんなことしているとパアンッ!と痛い音がした。誰が出席簿アタックを喰らったんだ?と思い顔を上げると、織斑君が織斑先生に叩かれていた。
「ところで織斑、氷鉋、お前たちのISだが準備まで時間がかかる。学園で専用機を用意するそうだ」
「専用機!今先生専用機って言いましたか!」
「おお!昨日氷鉋が言ってたあれが!」
「お前たちの場合は事情が事情だからデータ収集も兼ねて専用機が支給されるようになった。さて、授業を始める。山田先生、号令を」
「は、はい!起立!礼!着席!」
専用機か・・・・あ、もしかしてあれか、入学前に行った倉持技研製かな?どんな
3時間目、終了。エネルギーがない?馬鹿言うな、すべて脳に回せ!これが終わったら補給だぞ!って感じで頑張った。疲れた。何とか授業を聞いてノートを取った。我、食堂へいざ、参らん!
「はい!特大焼き鳥丼、ご飯大盛りお待ち!」
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!食券買ってから10分も待ったかいがあったー!オレが選んだのは焼き鳥丼(特大)だ。さらに食券を渡すときにご飯大盛りと言ったら量が増えた!因みにほとんどの丼類には特大があるけど頼む人は少ないらしい。なんでだろうと思いつつ後ろを見たら、オレのと比べると量が半分以下なのだ。なに?あれで足りるの?女子って燃費がいい生き物なの?そんなこと考えながら日が当たるテーブルに座る。2時間目の休み時間に誘ってくれた人と本音さんは両隣に座った。なんで因みにこの机、6人席なんだよな・・・・つまり、反対側が開いている。まあそんなことは言わないけどな。
「おお~ひがのん沢山!」
「氷鉋君っていつも沢山食べるの?」
「今日は沢山食べたい気分だったからね。いつもはこの三分の二くらいかな?これくらい食べないと持たないんだよ」
「氷鉋君はなんで太ってないの?」
「食べる量より消費する量が多ければ太らないよ」
「運動は?」
「してない。代わりに授業や勉強を全力でやってる」
「す、すごいね・・・」
「オレよりも本音さんを参考にした方がいいよ」
今朝分かったんだが、本音さんはスタイル抜群なのだ。ダボっとした服のせいで分からないけど、本当に。という感じで色々考えつつ、食べる。おいしい。ただ、なかなかご飯に出会えない。いい加減ご飯が食べたいんだけどな・・・って出たぁ!・・・ごはんが朝よりおいしく感じるなあ・・・・一緒に食べると・・・・おお!鶏肉の軽く噛むだけでじゅわっと出てくる肉汁と濃厚なタレの味とふわふわとしつつ味をちゃんと主張し、けれども強すぎない主張をするご飯が口の中で混ざる!すると口の中でなんとも表現しがたい味が・・・・
「そういえば氷鉋君っていつから本音のことを名前で呼び合うようになったの?もしかしてもうそういう関係!?」
・・・・・・人が焼き鳥丼を味わっているとさっきの子に聞かれた。ねえ、知ってる?おいしいものを味わっている時に会話を振られると人によっては気分を害するんだよ。特にオレとか。
って怒っている場合じゃない、質問にはちゃんと答えないとな。
「そういう関係ってどういう関係?」
「え、えっと・・・・恋人同士とか?」
「オレと本音さんとは恋人ではないよ。ただ、部屋が同じなだけだよ」
「そ、それじゃあさ、氷鉋君は布仏さんのことどう思う?」
「ん~、猫?」
「猫!?ペット扱い!?」
だって、いつの間にかそばにいたり、木に登ったのはいいけど降りれなかったり、人がシャワーを浴びている間にオレのベットに潜り込んだりとか、猫じゃないか。・・・ハッ、隣から悪寒が!
「ひがのんにとって私はその程度なの?私とひがのんはその程度の関係だったの?」
「なに修羅場にしようとしてるんじゃい」
「あた、何するのさ~!」
「悪ふざけでもそういうのはやめてくれ」
「ぶ~」
何するのって君が修羅場にしようとしたから軽いチョップで止めただけだよ!放置したら収集付けられない状態にしようとしただろ絶対!因みに周りは「なんだ、本音の悪ふざけだったのね」とか「もしかしなくてもチャンスあり!」とか勝手なこと言っている人が・・・
「それじゃあオレは教室戻るから」
「え!?もう食べ終わったの!?」
「いつもより10分ほど遅いけどね」
大盛り特大焼き鳥丼、食事時間は15分、満腹感・満足感共にアリっと
また機会があれば食べよう。けどしばらくはいいや。うん。
7時間目、終了!昼に沢山食べたおかげでこの時間になってもまだ持った!よかった、本当に良かった。で、オレも剣道場に向かう。なぜ「も」なのか、それはほとんどのクラスメイトが剣道場に向かったからだ。そこでなにをするかというと、織斑君VS篠ノ之さんの試合があるのだ。すなわち、今のオレはギャラリーなのら。
結果、織斑君は負けた。女子の落胆の声が凄い。「織斑君って弱い?」とか「本当にIS動かせるの?」とか「もしかして氷鉋君も弱いのかな?」とか言っている。って待てい、なぜオレまで文句を言われなければならんのだ、解せぬ。
「氷鉋君もやってみたら?」
「氷鉋、お前もやるのか?」
「お、葵もいるのか?一緒に剣道やろうぜ」
誰だ今オレに振った奴は!というか篠ノ之さんも真に受けるな!オレは一度も剣道はやったことないんだよ!というか織斑一夏!サッカーやろうぜ!って感覚で誘うな!・・・ってことをちゃんと言わないとな・・・・
「あ、オレはやらない。剣道は一度もやったことないし、一週間で身に着けたものって大抵使えないから」
「なーんだ、残念」
「そっか、それもそうだな」
「え、葵また裏切るのか・・・?」
「だから裏切るも何も約束も同盟も連合も組んでないだろ!」
織斑君のことは置いといて、一週間後に向けて何もしないわけにはいかない。こういう時は山田先生のところに行こう。織斑先生?聞く勇気がありませぬ。
何故だろう、職員室って入るのに抵抗があるのは。中学の時は生徒は職員室立入禁止だったから窓みたいな仕切りみたいのがあって、そこで先生を呼んで会話したり提出物を渡したりしていたけどこのIS学園には絶滅危惧種が多いんだよな・・・・ブルマとか旧型スクール水着とか。扉は自動扉の癖になんでこういうところだけ・・・
えっと、山田先生はどこだ?そう思いながらキョロキョロしていると、見つけた。ただし、織斑先生とセットで。どうしよう、話しかけ辛い・・・って織斑先生がこっち見て・・・・来た!?え?これはなんか不味いか?
「氷鉋、いつまで入り口に立っている?そこにいると通行の邪魔になるだろ、こっちにこい」
そう言うと机とかが置いてあるスペースに案内された。ちょっと待って、職員室+怖い先生+机と椅子の三点セットはホラーモノなんですけど!?なんて思っていると、山田先生に「質問ですか?とりあえず座ってください」と言われた。これ、逃げ場がない奴やん・・・・
「氷鉋、お前は紅茶と珈琲、どっちがいい?」
「紅茶ストレートで」
「わかった」
って、え!?織斑先生がオレに紅茶をいれていくれるのか!?あ、これは最後の晩餐みたいなもんですか。なるほど。「次回!氷鉋、死す」ってことですかそうですかなるほどなるほど。そんなこと思っていると隣に一杯の紅茶が置かれた。
「なんだその顔は?もしかしてお前は私がお茶すら入れることができない女だと思っていたのか?」
「いえ、そういうわけではありません。ありがとうございます」
「気にするな。それでどうしたのだ?放課後に荷物を持って職員室に来るとは。何か聞きたいことがあるのか?」
「はい。来週の決闘ですが、今のままだとオルコットさんに勝てる気がしません。織斑君も特訓?を始めたのでオレも何かしないとまずいかな、と思って、織斑先生と山田先生に何か助言が欲しいんです」
いきなりこんなこと言われても普通は困るよな・・・・だって二人とも顎に手を当てて考え出したもん!やっぱこれ不味いパターンだよ!ああ・・・なんて言われるんだ・・・
「織斑先生、ISがない生徒に強くなる方法を聞かれてもイメージトレーニングと教科書を読み直す以外浮かばないんですけれど・・・」
「奇遇ですね、山田先生。私もそれしか浮かびません」
「先生、イメージトレーニングもなにもオレの使うISがどのようなものかすら分からないんですが・・・」
「ふむ・・・それなら一つ、口頭でいいならテクニックを教えよう」
「口頭、でありますか?」
「ああ、授業で教えるつもりはないが向上心ある生徒には教えるしこれができれば素人が代表候補生を倒すことができる可能性があるぞ。聞くか?」
そんな魅力的な話を言っておいて、「聞くか?」はないだろ。ここで聞かないと言える人はよっぽど興味がない人だけだ。だからオレは、頷いた。
本音ちゃんにナデナデされたいぃぃぃぃぃぃ!