バカ正直な少年と空に憧れる少年   作:針金はやて

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005 専用機

寮に戻ったが部屋に行かずそのまま食堂へ。夕飯は・・・今日の洋食ニョッキ。何故だ、蒸かしたジャガイモを潰して片栗粉と塩とかハーブとか入れて小さく形を整えたら茹でるだけの料理なのに・・・おいしいのはなぜだ・・・・皿一杯にあったニョッキは5分で完食してしまった。いや急いでいるのもあるけどさ。勿論味わってもいましたよ?本当ですからね?と、読心術を使える人たちへ謎のメッセージを送る。・・・・分かっているからね?意味がないのは。

 

部屋に戻ると、本音さんが猫の着ぐるみ?の寝間着でゴロゴロしてた。っておい、なぜオレのベッドを使うんだ!そこはオレのだろう?

 

「なあ本音さんや」

「何だいひがのん?」

「奥のベットはオレのだよな?」

「そうだね~」

「昨日もだけどなんでオレのベットで寝てるんだい?」

「ん~?んー、匂い付け?」

「君は猫かよ!?」

「今日は猫だよ~」

 

何故だ、本音さんと会話しているとペースが崩れる!とりあえずシャワー浴びよう、うん。このままだと時間がいくらあっても足りない気がするからな。

 

 

 

 

あああ・・・生き返ったぁ・・・死んでないけど。ジャージを着て、出る。っく、まだいるのか!君は!とりあえず制服はハンガーに掛ける。さて・・・今日は無理やりでもベットで寝る。というかこのベットはオレのだけどな・・・

 

「本音さん、直ちにそのベットを譲りなさい。でないと無理やりでもそのベッドで寝ます。繰り返す、直ちに譲りなさい」

「ん~やだぁ~」

 

・・・・・退く気がないようだ。警告はした。今日は意地でもベットで寝てやる!まず布団のど真ん中で寝ている本音さんを端へグイっと動かす。そして生まれた空間に割かさず潜り込む。ふっふっふ、これでベットで寝れる!同じベットで寝ていようが関係ないのだ。そこは気にしてはいけない。おっと、ウォークマンを忘れてた。えっと、どの鞄だっけ?あ、オレの私服の中か。っく、布団を出ないといけないのか・・・しょうがない、これもイメージトレーニングの為だ。

 

取って戻ると本音さんはさっき押したときのままだった。あれ、てっきりもとに戻るかと思ってた。けどまあいいや。曲はアニメで使われたテンションが上がる系の作業用BGM。はいそこ、うっわナイワーとか言わないの、本当にいい曲もあるんだからさ。

 

織斑先生から教わった口頭テク、もとい高等テクの復習だ。えっと確か・・・『ほとんどのISにはスラスターが付いている。そのスラスターからエネルギーを放出、内部に一度取り込み圧縮して放出する。その際に得られる慣性エネルギーを利用して加速するんだ』だったはず・・・なんかISにも体にも悪そうな技術だな!いやでも使いようによっては一瞬で距離を詰めたり一気に戦線離脱からの再特攻みたいなヒットアンドアウェイ戦法ができるのか。なるほど、いいことを教えてもらったな・・・

 

 

 

 

そして翌週、月曜。約束の日。なんかの宗教で世界が終わる日のことを約束の日って言っていたけど別に世界は終わらない。

 

で、問題があります。オルコットさんは第二ピットいます。オレと織斑君と篠ノ之さんは第一ピットにいます。そしてオレと織斑君の機体は二機ともまだ届いていません。結果何が起こるか?開・始・延・長!全然始まる気配がしないんですけど!?で、織斑君と篠ノ之さんは「目 を そ ら す な 」とか言っている。なんでもISのことを教えてくれるはずが剣道しか教えてもらってないらしい。

 

「なあ、葵はこの一週間なにをしていたんだ?というかなんでそんなに落ち着いているんだ?」

「氷鉋はお前と違ってISさえ届けば万全なんだろう?」

「いやお前が剣道しか教えてくれな」

「少しは自分で勉強したらどうだ?夜に教科書を読み直すとかはできただろ?」

「あのさ、夫婦喧嘩はそこらへんにして」

「「夫婦じゃない!」」

 

怒られてしまった・・・・いやまあ冗談だけどな。「というかオレは落ち着いているんじゃない。落ち着かせているんだよ!」

 

「お、おう、そうだったのか」

「そ、それはなんかすまない・・・」

「え、待ってオレ今なんか言った?」

「落ち着いているんじゃない、落ち着かせているんだって言ってたぞ」

「ごめん、今のは心の声が出ただけなんだ。頼む、忘れてください」

 

「織斑君氷鉋君織斑君!」

 

よくわからない会話をしていると山田先生が今にも転びそうな足取りでこっちにきた。なぜ織斑君だけ2回言ったのだろうか、その意図は山田先生のみぞ知る。なんつて。

 

「ハァ、ハァ、ハァ、お、織斑君!織斑君の専用ISが届きました!準備してください!氷鉋君のISですが5分後に来るそうです!なので第三ピットに行ってください!」

「氷鉋、第三ピットには榊原先生が待機している。場所はここのちょうど反対側だ。見つからないように走れ。いいな?」

「葵、頑張れ!」

「織斑君も!」

 

織斑君と軽い挨拶をし、回れ右、扉を出て、全力で走り出す。・・・この学校、グラウンドだけで五キロあるんだよな。ピットは一体どれくらいなんだ・・・?

 

 

やっと・・・・着いた・・・・走り出してから10分が経った。織斑君とオルコットさんはもう戦っているらしい。らしいってそんな音がしているからだ。ずっと通路を走るのは疲れた。始まる前なのに疲れた。何故だ!長いからだ!ようやく、着いたよ!10分!長いよ!そんなこと考えながら第三ピットに入ると、どこかで聞いたことがあるけど思い出せない声がした。

 

「おおー遅かったねー。あーくんの専用IS、届いているよ!」

「本当ですか!早速見たいのですが!」

「うんうん、それじゃあ今すぐ開けよう!そこの扉をご覧あれ!」

 

どこかで聞き覚えがある声なのに、思い出せない。けど、今はそんなことよりオレ専用ISが気になる。どんなISだろう?そして、ごごんっ、という音とともに姿を見せたのは光を吸い込みそうなほどの「黒」だった。

 

「白に立ち向かう、漆黒のIS その機体の名は『黒夜(こくや)』」

 

「黒夜」は静かに待っていた。

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