ナイトローグの再評価を目指す話   作:erif tellab

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使用者によってビルドの使い方に特徴が出ていて最高です。葛城巧ならゴリラモンドで神殺し、葛城パパはコミック忍者とホークガトリング大好き、戦兎は……スパークリング許さない。

どうしてゴリラモンドハザードフォームで誰もエボルトの低確率即死を狙わなかったのだろうか……


銀の福音フェーズ1

 時刻は午前十一時前。ナイトローグに変身した状態で俺が砂浜に佇んでいると、誰かから通信が入ってきた。

 

『もしもし? ねぇ弦人ちゃん、聞いて! ワタシも戦えるのに織斑先生と葛城博士に止められるっておかしくない? おかしくない!?』

 

『あわわっ! 泉さん、いけませんよ!? 自室待機って言ったじゃないですか!』

 

 相手は京水だった。何気なく山田先生の声も聞こえてくるので、きっと作戦本部にカチコミに行ったのだろう。なんて女子だ。

 ホールドルナの場合は、オリジナルのナイトローグと違ってテストしなければならない事が山積みになっているはずだから、ある意味では性能保証されている箒さんの紅椿のように実戦にはすぐ出せない。

 これはブーメランになるが、まだよくわかっていないものを無理に使うべきではない。葛城博士と織斑先生が止めたのは適切な判断だと思われる。

 

『弦人ちゃん! 弦人ちゃーん! あれ? 返事がない。た、大変だわ!?』

 

『Luna』

 

「すぐ返事しなくてごめんな」

 

『ほっ、良かった……。あぁっ!? 放して先生! ワタシは弦人ちゃんの出陣を見送らなきゃ――』

 

 俺がそう答えるや否や、突如として通信途絶する。無茶をしたか、京水。

 それから出現メンバーの全員が集結し、ISを展開して空中に浮かぶ。目の前には、霧ワープ直後の突貫のために一夏の白式が紅椿の背中に掴まって準備していた。

 

「それじゃ箒、よろしく頼む」

 

「本来なら私のプライドが許さないが、今回だけは特別だぞ」

 

 そう言って断りを入れる一夏に、箒さんが機嫌良さげにと答える。

 そんな二人の隣にいた鈴音は、今の箒さんの様子に見かねてか一言呟いた。

 

「なーに浮かれてんのよ、アンタは。仮にも実戦なんだから気を引き締めなさいよ」

 

「いや、そんな事はない」

 

「大アリなんだけど。何そのしたり顔? これ見よがしな感じで腹立つんだけど?」

 

 鈴音の指摘には同意するが、どんどん目くじらの立て方がずれていく。一夏の肩と並べられなくて悔しいのが妙に伝わってくる。これが女の嫉妬か。くわばらくわばら。

 箒さんと鈴音さんの間に流れる空気が重たくなる。そこに、仲裁せんとばかりにデュノアさんが割ってきた。

 

「ストップ、二人とも。喧嘩なら後でもできるでしょ? 今は作戦に集中しないと」

 

「そうだぞ、鈴。そんなに箒に突っ掛かるなよ。箒も箒だ。実戦で何が起こるかわからないんだから、十分に注意しろよ」

 

 デュノアさんに応じて一夏も二人に言い聞かせる。しかし、箒さんの浮かれた調子はなくならず、むしろ自信満々に言葉を返した。

 

「無論、それはわかっているさ。ふふ、どうした? 怖いのか?」

 

「そうじゃねぇけど……」

 

「安心しろ。大船に乗ったつもりで私に任せてくれ」

 

 これは大丈夫なのか? すぐに決着がつくかどうかは一夏と箒さんに掛かっているが、もう少し緊張感は持ってほしいところだ。戦闘が始まればすぐにでも気持ちを切り替えてくれるかもしれないが。

 箒さんが太鼓判を押す一方で、一夏の表情は心配の色に包まれている。ふと視線を横に動かせば、トホホと溜め息をついているオルコットさんの姿が見える。

 

「箒さん……あの調子では、わたくしに代わってもらった方が良かったのでは……あっ、そうしたら一夏さんがわたくしの背中に……」

 

 すまない、オルコットさん。俺もあなたが心配になってきた。

 

「全員口を慎め。間もなく作戦開始時刻だ」

 

 それとは対照的に、しゃきっとした調子でボーデヴィッヒさんが声を出した。軍人なのは伊達ではなく、その一声で俺たちにちょうどよい緊張感をもたらす。直後、織斑先生からオープンチャンネルでの通信がやって来た。

 

『全員、聞こえるな? これより作戦を開始する。諸君の健闘を祈る』

 

 間髪入れず、ナイトローグに人工衛星からの情報が送り込まれる。標的の現在位置と霧ワープの目的地を把握した俺は、回転しながらトランスチームガンの引き金を引く。銃口からおびただしく流れる黒い霧は、あっという間に俺たちを包んでいく。

 

 

 ※

 

 

 機械的ながらも美しい翼を持った銀の機体が、超音速で海上の空を駆け抜ける。名は《銀の福音》。実質的な軍用ISだ。

 搭乗者の意識は現在不明。その人を守るかのように、半ば自律稼働で暴走の一路を辿っている。まるで逃げるかのようにして飛んでいても当てはなく、かといってハワイから日本の領海までわざわざ向かっているのは、恣意的な何かを感じずにはいられない。

 地平線には陸地が一向に見えず、同じ景色が続いていく。ハイパーセンサーの存在も相まって、《銀の福音》の近くには確実に人影はない。あったとしても、秒未満で通り過ぎるだけだった。

 異変はいきなりやって来る。遥か数十キロ――今の《銀の福音》にとっては一分足らずで到達できる距離にて、何の前触れもなく現れた機影を捉えた。数を正確に把握していると、紅と白の二機が同じく超音速飛行で接近してきた。

 そうなると、相対した両者の接触までの時間は十秒にも満たない。ぐんぐんと相手の姿が肉眼でも見えるくらいになる頃には、青く輝く光の刃が《銀の福音》に迫り掛かった。

 

「うおおぉぉぉぉ!!」

 

 一夏が叫びながら零落白夜を振るう刹那、《銀の福音》は僅か数センチの差で光刃をかわす。一夏を背に乗せた箒の紅椿とはそのまますれ違い、くるりと反転して迎撃の姿勢を取った。

 

「くそっ! 外した……!」

 

『敵機確認。迎撃モードへ移行。《銀の鐘【シルバーベル】》稼働』

 

 一夏の舌打ちと共に、オープンチャンネルで《銀の福音》は人工音声を流す。筒抜けであっても、それを隠そうとはしなかった。

 

「一夏! もう一度――」

 

「いや、次の段階に移ろう!!」

 

 一夏は箒を制しつつ、零落白夜の使用を即座に中止する。燃費が悪い一撃必殺の技である以上、乱用は控えられた。

 依然として高機動状態の《銀の福音》は、一夏たちに向けて肩部ウィングスラスターの砲口をかざす。瞬間、超音速の砲弾が《銀の福音》の不意を突いた。胴体に着弾し、爆発する。

 その砲撃位置は一夏たちから十キロ先。そこには、シュヴァルツェア・レーゲンの大型砲戦パッケージを装備したラウラがいた。二門のレールガンが絶え間なく火を吹き、《銀の福音》を精密に狙う。

 しかし、レールガンの攻撃をもらうのは最初だけだった。次第に《銀の福音》は回避し始め、一夏たちには目もくれずに標的をラウラに変更する。遅れて箒が追撃するが、明らかに《銀の福音》がラウラと接触するのが早かった。

 ラウラの用いているパッケージは仕様上、機動力が大きく削がれている。ゆえに四枚の物理シールドを機体左右と正面に備えて防御力を上げているが、接近された時の脆さの改善策とはなっていない。このままでは砲火に晒される。

 

「――ふっ」

 

 寸前、ラウラが口角を上げたかと思いきや、一筋のレーザーが《銀の福音》の頭部を穿つ。絶対防御はしっかり発動しているので、少し仰け反って体勢を直すだけだ。

 レーザーの出元は、ひっそりとステルスモードで待ち構えていたセシリアだ。彼女のブルー・ティアーズは通常時よりも機動力が増した分、両手で構えたレーザーライフルが貴重な火力源となっている。ビットはスラスター用に全て回した。《銀の福音》の上空を素早く飛び回り、強襲する。

 前、後ろ、頭上。三方向からの敵襲に《銀の福音》は、まず逃走を優先した。

 

「逃がしませんわ! 鈴さん、シャルロットさん!」

 

 レーザーの牽制で相手の逃げ道を妨害しつつ、セシリアは二人の名を呼ぶ。程なくして《銀の福音》に追い付いた一夏たちに加わり、鈴音とシャルロットが包囲する。それぞれのパッケージを装備した甲龍とラファールのスラスターの軌跡には、微かに黒い霧が残っていた。

 

「鈴は一夏たちと前衛に! 支援するから!」

 

「手間は掛かせないわ!」

 

 シャルロットがアサルトカノンを放ち、合間を縫って鈴音が双天牙月を手に前へ。二手に別れて両面攻撃を仕掛ける一夏と箒と一緒に、《銀の福音》に斬り掛かる。

 これにより、急激な回避運動を繰り返す《銀の福音》の速度が最高時と比べて格段に低下した。満足に逃げる余裕は与えられず、相手の攻撃をかわし続けるのも限度はある。やがて防御行動も織り混ぜて、反撃する。

 

『《銀の鐘》最大稼働――』

 

 頭部に接続されている翼の砲口から、数多なエネルギー弾が発射される。触れれば爆発し、被弾した一夏たち三人はすぐさま距離を取った。

 

「うっ、まず――!?」

 

「一夏! 僕の後ろに!」

 

 すかさず、二枚の物理シールドを持ったシャルロットが一夏の前に出た。エネルギー弾はやや一夏に集中しており、彼女の盾で防がれる。

 

「こんのぉぉぉぉ!!」

 

 《アイススチーム》

 

 エネルギー弾の雨を真っ先に掻い潜ったのは鈴音だった。彼女が《銀の福音》の懐へ飛び込むのに合わせて、直下より氷弾が高速で飛来。着弾箇所の砲口は絶対防御で守るものの、強烈な冷気も残留しているので一時的な射撃の妨げとなる。

 《銀の福音》の真下には、トランスチームライフルを構えたナイトローグが背面飛行していた。スコープを覗く彼の援護射撃は止まず、鈴音にチャンスを与える。

 刹那、鈴音は双天牙月で《銀の福音》の頭部の翼を両断。お返しにと《銀の福音》に回し蹴りをもらって吹き飛ばされるが、代わりに箒が躍り出た。

 

「もらった!!」

 

 一気呵成に突撃し、両手に持つ二本のブレードを振る。しかし、それは辛くも白刃止めされてしまった。力勝負は膠着し、《銀の福音》の腕部からエネルギー弾の光が灯される。

 

「っ!? しまっ――」

 

「箒ぃー!!」

 

 それも束の間、瞬時加速を使った一夏が《銀の福音》にタックル。その勢いで相手を退かせ、ブレードを一閃。零落白夜を瞬間的に起動させ、青いビームの刃が《銀の福音》を切り裂いた。

 勝った。それからヨロヨロと落下する《銀の福音》の姿に、誰もが勝利の確信を覚える。いや、普段から零落白夜に慣れているだけあって、覚えてしまう。

 ゆえに、まだ反撃しようと砲口を動かす《銀の福音》に全員の反応が遅れる。

 その時だった。

 

 《Gear remocon. ファンキーショット!》

 

 一発の光弾が背中に吸い込まれ、《銀の福音》は今度こそ海へと落ちていく。射手はそこから二キロ離れた船の上に立っていた。

 

「えっ!?」

 

 まさかの事態に一夏が声を出す。船には、リモコンブロスとエンジンブロスが乗っていた。

 

「こっち見んな! 福音はまだ倒してない!」

 

 一夏たち七人の視線がそちらに集まった直後、リモコンブロスが注意を促す。次の瞬間には、姿を大きく変えた銀色の機体が、真っ白に輝きながら海面から飛び出してきた。

 

 それが示すのは第二形態移行。新たなる力。福音はまだ鳴り止まず――

 

 





Q.三羽ガラスはハードスマッシュではなく、トランスチームガンで変身させておけば生き残れた気がする。霧ワープできるし。

A.よし、ハザードレベルのカンスト機能を解除しましょう。キャッスルのトランスチーム版は個人的に見てみたいです。ビーム砲とか絶対強い。


Q.トランスチームガンのライフルモードの射程距離は?

A.精密射撃で三キロらしいです。世の中には弓矢で四キロ狙撃できるヤツもいるからまだまだですね。詳しくはFF零式で。
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