ナイトローグの再評価を目指す話   作:erif tellab

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「前回のマッドローグ。いや、ナイトローグ曰くマッドローグそのものではないらしいから、マッドローグもどきなんだろうな。俺からしてみれば大して変わらんし知らんけど。スマッシュの魔の手から谷本癒子を守ろうとした子猫のロットロは、彼女に憑依してマッドローグに変身! その後、色々あってナイトローグに泣かされる癒子であった。女の子泣かすとかナイトローグサイテー!!」

「ここにいたか、エンジンブロス。さぁ、大人しくこちらに来い」

「おっと、あのバカイザーがとうとう迎えに来たみたいだ。だが、俺も素直に頷く訳にはいかねぇー。ここは敢えて! 反逆してやんよゴラァーっ!!」

ポチッ

「アババババババババババーっ!?」

「強制変身解除のスイッチを持っているというのに、バカの一つ覚えも大概にしろ。頭の悪いヤツはあまり好きではないが、ここで始末するのももったいない。最大限まで有効活用させてもらう」

「ああ……やっぱり今回もダメだったよ。俺はついつい熱くなりすぎるからな……」ドナドナー

「ところでエンジンブロス。監視していた貴様の家族はどこにやった? リモコンブロスのは宇都宮で見つけたが……」

「絶賛エジプト旅行だバカめ! 捕まえられるもんなら捕まえてみろ! ウチの家族はなぁ、かのマイナーな王国旅行ついでに謎の組織壊滅させたり、親父がロボになってきたり、焼き肉食うだけで命懸けになったり指名手配されたり、戦国時代にタイムスリップしたり、妹が他惑星の姫様にされかけたり、平行世界をヒーローと一緒に救ってきたり――」

「エジプト……そこにはネビュラガスを散布していなかったな。南波の手の者もちょうど届いていない。ちっ」

「ざまぁ!」

(腹パン)



兎と呼ばれた天災

 篠ノ之束と最上魁星の激しい戦闘に巻き込まれて以来、ボロボロの姿でIS学園に帰還してきた楯無は、一日中医務室で安静にしていた。その間にバイカイザーに敗れたナイトローグが一時帰還し、再び出ていったりしたが、後はご存知の通りである。

 存分に力を発揮した白いパンドラボックスがもたらす余波は、ゴーレムⅡが大破してしまう程のものだった。当然、命懸けでギリギリの研究データ取得をしていた楯無も被害を受け、ミステリアス・レイディは中破。自己修復機能に任せてもたかが知れており、メンテナンスの必要ができてしまった。

 加えて、別働隊のゴーレムⅡ三機小隊に追われてしまう事となる。辛うじて敵小隊を殲滅し、戦域から急いで離脱するが、部は弁えている。ナイトローグのような無茶まではしなかった。

 

 その日、十分な治療と休息によりほとんど完治した楯無は、今まで巻いていた包帯や絆創膏たちとおさらばした。ISの絶対防御がなければ、数日で治せるどころの負傷では済まなかった事だろう。

 それから医務室を立ち去る準備をしている最中に、千冬が訪れてきた。

 

「更識、調子はどうだ?」

 

「はい、お陰さまで大丈夫です。ところで日室くんが重体なのに飛び出したって聞きましたけど……」

 

「つい先日、聖都大学付属病院から退院したばかりだ。見張っていた山田先生を振り切ってな。そして本日未明、スマッシュが再び各地に出現した。確認できた数は二百ほどだ」

 

 見舞いのついでに、火急の用事を告げる千冬。未だに実物のスマッシュを見ていない楯無だったが、一切の奢りもなく脅威性は十分に伝わっている。

 ベッドの上で寝ている間も回収した研究データの閲覧や、部下の暗部からの報告などを受けてきた。無論、こちらが証拠を掴むまでもなく南波重三郎が警察に捕まった事も。唯一残念なのは最愛の妹が遂に見舞いに来てくれなかった事だが、今は私情を挟まない。世間を恐怖のドン底に突き落とした、あのガスの名称を口にする。

 

「つまり、またネビュラガスが?」

 

「いいや、違う。ナイトローグと同じワープらしい。日室からの通信でな。そろそろ情報が集まる頃だ。貴様は準備を終えてから来い。特に専用機のチェックを念入りに済ませておけ。いつ出撃を掛けるかわからん」

 

「そうさせていただきます」

 

 それだけ言い残し、千冬はそそくさと退室していく。楯無ものんびりしていられないと、修理に預けられたミステリアス・レイディの元へと急いで走る。

 

 

 

 ※

 

 

 

 突如出現した二百体あまりのスマッシュ。それらを関東圏から一体も逃さずに即全滅させるなど、ナイトローグたる俺には造作もなかった。ハードスマッシュ以上の個体がいなかったので当然だが。ナイトローグは賢く強い。仕事も早い。

 また、何故かマッドローグもどきに変身していた谷本さんも何体か倒していたようだった。おのれマッドローグ。

 

 いや、この非常時に諍いを起こすのはよそう。それに、マッドローグもどきに変身したのは谷本さんの意思ではなく、むしろロットロが良かれと思って行った事らしい。聞けば、スマッシュに殺されそうになったとか。マッドローグの癖に生意気な。

 そしてスライム状に変化していたロットロを見て、俺はあの宇宙生命体の事を思い出した。肝心のコズミックエナジーとかどこにあるのかと問われれば答えられないが、その推測はあながち間違っていない気もする。ブラッド族にしては、いくらなんでも優しすぎる。

 だって……ね? ネビュラガスの時点でブラッド族とパンドラボックスの存在が確定しているし。宇宙人の一人や二人、増えても今更である。しかし、相変わらず最上の使うパンドラボックスが白であるのが奇妙だ。オリジナルはどこ行った?

 

 だが、わからないものを考えても仕方ないので、俺は谷本さんとロットロを連れてIS学園に訪れた。マッドローグもどきを見つけて、まずそのまま帰すのもあり得ない判断ではあるし。織斑先生から一度戻ってこいとも通信で言われた。絶対にマッドローグもどきの事がばれている。

 この調子だと、日本に残っている他の専用機持ちも招集を掛けられているだろう。もしかしたら、スタークたちも呼ばれているかもしれない。せっかく乗り掛かった船だと気持ちを切り替えた俺は、早速二人と一匹で霧ワープしていった。

 なお、谷本さんはまだグズっていた。うっかり殴り掛かった俺の責任だ。ハンカチを渡すと、また涙が溢れそうになってこちらの気が休まない。しばらくは宥めるのに努める事になった。ナイトローグキャンディーを上げ、そっと隣に寄り添う。

 

「……癒子?」

 

 そんなこんなで、校舎内の作戦室の一画。ちょこんと一緒に座っている俺たち二人を見た鏡さんは、眼力がとてつもなくなっていた。足元でボール遊びしているロットロには目もくれない。

 

「落ち着け、スタ……鏡さん。今は彼女をそっとして上げといてくれ。泣かせてしまったんだ。あっ、ナイトローグキャンディーいる?」

 

「いる」

 

 このスターク、ちょろい。ナイトローグキャンディーを渡せば、さっと彼女も空いている俺の隣に座り込む。男女三人揃ってキャンディーを舐める不思議な構図の完成だ。

 その一方、デスクに半身を隠しながら俺たちを見つめる影が一つ。京水である。歯軋りしながらゾッとするオーラを出しているが、あの端正な容姿ではリスとのにらめっこにも負けるだろう。微妙に可愛さ勝ちしている。

 

「ふ……増えた……!! 弦人ちゃんを取り巻く女が増えた……!! でもわかる。イケメンで危険な男の人に、ついつい近づきたくなるのは。だけどぉ!! 数日会ってないだけでライバルが増えるなんて、あぁ〜んまりよぉぉ〜っ!!」

 

「えぇ……」

 

 物陰で好き放題言った挙げ句に、俺目掛けてダイブ。思わず呆れ声が出てしまう俺だが、体型で言えば京水の方が鈴音さんとタメを張れるほど圧倒的に小柄。あっさり受け止められた。

 

「ねだるな勝ち取れ! さすれば与えられん!」

 

「京水、邪魔」

 

「ヤーダヤーダー! 離れたくなーいー! あと、弦人ちゃん成分足りてなーいー!」

 

 その勢いでギュッと抱き着かれ、頑なに放してくれない。いや、ゴリ押しすれば引き剥がせた。

 

「え、えっと、ごめんね泉さん。私がどくから」

 

「ニャア」

 

 すると、恥ずかし気な素振りを見せる谷本さんが隣の席を京水に譲ってあげた。声を上げたロットロと共に別の席へ移動し、キャンディーを舐め終えた後はロットロをおもむろに愛でる。

 そうして嬉しそうに俺の隣に座る京水。静かにキャンディーを渡せば、喜んで受け取る。織斑先生が来るまでの僅かな時間は、これで潰した。

 

「あの……仲良くキャンディー舐めてるとこ悪いけどさ、誰か説明してくれ。なんで谷本さんも?」

 

 その時、後から箒さん、デュノアさんと一緒にやって来た一夏がそう尋ねてきた。答えは勿論、ただ一つ。束にしたキャンディー三個を投げ渡すついでに言い放つ。

 

「マッドローグだったから」

 

「マッド……? え、俺にもキャンディーくれるの?」

 

「ああ。そこのお二人にも分けてやって」

 

「おう、サンキュー」

 

 これで全員分にキャンディーが行き届いたか。デュノアさんがボソリと「美味しい」と呟く声が聞こえた。ナイトローグはデネブキャンディーをリスペクトする。

 

「可愛いねこさんだね。名前は?」

 

「ロットロだよ。ちょっと訳アリだけど……」

 

「ニャー」

 

 気付けばロットロに挨拶しているデュノアさん。初めて見る人間相手にも関わらず、ロットロのあの人懐っこさはやはり尋常ではない。

 しばらくして、織斑先生がタブレット片手に入室してくる。タイミング的にも、全員がキャンディーを食べ終えた後だ。ゴミは俺が責任を持って回収した。

 

「さて、全員集まったな。谷本もいるな? 貴様はここで待機、後にその子猫と一緒に検査だ。第二のナイトローグになってもらっては困るからな」

 

「は、はい……」

 

 授業中など普段とは雰囲気が違うからだろうか。今の織斑先生に怖気づいた谷本さんは、おずおずと返事をする。

 しかし、待って欲しい。第二のナイトローグ発言については聞き捨てならなかった。間髪入れずに挙手した俺は、織斑先生に指名されるよりも速く口を開いた。

 

「先生、第二のナイトローグではありません。マッドローグです。マッドローグのもどきです。訂正してください」

 

「善処しよう。だが、とっくにニュースやらで白いナイトローグとして定着した世間に通用すると思うなよ? さて、本題に移るぞ」

 

 そして、軽く受け流された。やはり白いナイトローグと世間で言われていたのは、あのマッドローグもどきらしい。名称の細かいところに拘るのが俺だけなのは当然。マッドローグを知らない人にとっては詮無き事だが、口惜しさはある。

 

 それはさておき、織斑先生の語った本題を次の通りにまとめよう。

 

 本日未明。環太平洋地域にて軽い地震が発生した直後、世界各地に再びスマッシュが出現。ネビュラガス散布は確認されておらず、またスマッシュの数も先日の事件と比べて少なめ。現状で早期殲滅に成功したのは日本のみである。

 そして共通点は、あの霧ワープで現れた事。これによりテロ組織やそれに類する何者かの攻撃が確定し、前回の事件の同一犯だと予想する各国が一番疑いがありそうな日本政府を本格的に追及。内閣全滅のダメージから回復しきっていない日本は、代理がリーダーシップのない人たちであるのも相まって胃が空きそうになっている。

 

 なお、俺たちが招集された目的の一つには、スマッシュが再度出現した時に即時対応するためも含まれている。だが一方で、IS学園は独自に黒幕の正体へと辿り着いた。決め手は南波重工の会長、南波重三郎の逮捕と一人の秘書の失踪である。そこでようやく、最上魁星の名前が出てきた。

 

 立体映像で若い方の最上の写真が経歴と共に映し出される。飛び級で大学卒業した人とか、初めて見た。

 

「最上魁星……ですか? 至ってどこにでもいるような青年にも見えますが……」

 

「だが、ナイトローグたちのものと酷似したあの変身デバイス……カイザーシステムの開発者でもある。他にもガーディアンや作業用重機《パワーダイザー》なども作っていたが、それらは表向きだ。日室も先日、彼と思しき敵と交戦した」

 

 若い最上の印象をそのまま口にした箒さんに、織斑先生は次の画像を提示する事で答える。現れたのは、ナイトローグの戦闘ログから引き出したバイカイザー以下、ネビュラスチームの戦士たちであった。その中でもバイカイザーがより大きくアップされる。

 ブロス兄弟やRカイザーについて、福音事件の出撃メンバーは全員知っている。ふと視線を動かせば、リモコンブロスを見る一夏のやや険しい表情を垣間見た。知らずか、拳を強く握りしめている。

 

 そう言えば一夏も、雪片弐型を折られたりと因縁があった。とはいえ、その入れ込み具合にどこか妙な違和感を感じるが……。

 

「南波会長についての捜査は警察に投げるとして、肝心なのは最上だ。依然として世界中の火山から謎の赤い光の柱が発生している原因も――」

 

「……」

 

「織斑、どうした?」

 

「――へ? あっ、いや、何でもないです」

 

「……そうか、ならいい。続けるぞ」

 

 いつの間にか心ここに非ずの状態だった一夏に気付く織斑先生。きょとんとした様子で言葉を返す彼を見て、何か聞きたげな先生はそれを飲み込んで話を戻した。

 瞬間、作戦室の天井からウサ耳を生やした人影が舞い降りてきた。

 

「やっほーちーちゃ――あばぁ!?」

 

 挨拶代わりに織斑先生に尻を蹴り飛ばされる束博士。てか……。

 

「もはや気配を隠すつもりもないだろ貴さ……束? その怪我はどうした?」

 

「はぁっ☆ ちーちゃんが私の心配をしてくれて……あぁぁぁぁ!! 左腕は折れてるから掴まれるとぉぉぉぉぉ!?」

 

「バカな……本物の怪我だと……!? お前がそんな玉のはずでは……!」

 

 左腕骨折。額だけでなく服の隙間からも窺える巻かれた包帯。どういう訳か、束博士は大怪我をしていた。信じられないものを見たという風に織斑先生が絶句する。

 

「うふふー、サプライズだね。束さん、そんなつもりなかったけどちーちゃんを驚かせたからブイブイ♪」

 

 なお、織斑先生から手加減のない蹴りやアイアンクローを受けた束博士は変わらずニコニコと笑い、俺たちに向かってVサインをする。確かに、ここまで動転している織斑先生を見るのは何気に初めてだ。貴重すぎる。

 突然の乱入者に誰もが驚きを隠せない中、次に束博士が顔を合わせたのが妹の箒さん。箒さんが彼女の心配をすると、束博士はたちまち感極まって抱き着いていく。

 

「姉さん……? その怪我は一体……?」

 

「箒ちゃん……!! お姉ちゃんは信じてたよ、怪我した姉を気遣ってやれる心優しい妹だって……!! およよ〜」

 

「はっ、離れてください!? 傷に障りますよ!?」

 

 この仲睦まじさ。とても親しい人間以外にはとことん興味を示さない人とは思えない。

 

「合宿の時も思ったけど、なんかやっぱり態度が違うよね。仲良いのとそうでないのと」

 

「ホントホント。冷たくあしらわれたセシリアちゃんがますます可哀想」

 

 俺を挟んでコソコソ話をする鏡さんと京水。俺の陰で本人に聞き取られないように気を付けるが、想像以上に束博士が地獄耳だった。バッと箒さんから離れては、奇妙な立ちポーズをして二人に喋る。

 

「ヘイ、そこのブラッドスタークとホールドルナ。束さんはちーちゃんといっくん、箒ちゃん、あと両親ぐらいしか人間の区別がわからないだけだよ? さぁ、訂正してもらおうか」

 

「「え、そっち呼び?」」

 

 意外、それは変身時の名前。まさかの呼び名に二人は俺を挟んで抱き合い、鳩が豆鉄砲を食らったような顔をする。

 でもいいじゃないか。スターク呼びでも、ホールドルナ呼びでも。誇りに思っていいと俺は考える。

 それも束の間、我に帰った織斑先生が背後から束博士の頭を掴んだ。心なしかメシメシと音が鳴り、不味いと感じた一夏とデュノアさんが叫ぶ。

 

「ち、千冬姉ぇぇーっ!?」

 

「織斑先生! 怪我人相手にそれ以上は不味いですよ!?」

 

「いや大丈夫だ、問題ない。コイツの身体は電車に跳ねられても平気なぐらいにヤワではないからな」

 

「アイヤーっ!? ちーちゃん!? 束さん、電車に跳ねられても死なない自信あるけどイヤだよ! 轢かれるのは! 助けてナイトローグ!!」

 

 ハッ、助けを求める声が目前にっ!? 気付けば考えるよりも先に俺の身体は動き出し、実力行使で織斑先生を止めようとする。

 だが、相手が相手。束博士を障害物として咄嗟に後ろへ回り込むものの、羽交い締めを試みる寸前で織斑先生のアイアンクローを食らう。強靭な握力で頭を掴まれ、俺は動けなくなった。

 

「日室。貴様は例え相手が罪人やクズだとしても、助けを求められたら行動に移すのか?」

 

「悪は許せないが、ナイトローグは裁く者ではなく守りし者でありた――イデデっ!?」

 

「弦人ぉーっ!! そんなっ……千冬姉怒りのアイアンクローなんて……むごすぎる!」

 

 言い分を最後まで言わせてもらえずに俺は鎮圧させられる。青ざめた一夏の叫び声が儚くも室内を反響し、隣では箒さんが俺に向かって合掌していた。ここまでだった……。

 こうして両手に人の頭を掴んだ織斑先生は、俺を一瞥するや否や束博士を厳しく睨んだ。

 

「茨の道を進むとは殊勝なヤツめ。さて、はたまた事前連絡もなしに来た貴様の処遇はどうしてくれようか、束? イタズラに周りを引っ掻き回して私の胃に穴を空けるつもりなら、私刑しか待っていないぞ?」

 

「ひーっ! 怖いよー! ちーちゃん怖いよー! このナイトローグ使えないよー! でもいいんだ。ちゃんとした大事な話をするから。ほら♪」

 

 散々に怯えた顔を見せた後、ナイトローグを侮辱するついでに懐から何かを取り出す束博士。その程度の口撃では、既に成長した俺の心はもう傷付きやしない。やるならアマゾンネオ並みにする事だな。確実に病む自信があるから。

 

「それは?」

 

 束博士が持ったものを見た織斑先生が、訝しげに問い掛ける。すると――

 

「もっくんこと最上魁星の研究データやら居場所やら入ったメモリ。それと真似して作った束さん自家製のフルボトル! 消しゴムとユニコォォォォォォン!!」

 

 元気一杯な束博士の声が響き渡り、直後に静寂が訪れた。不意に織斑先生の握力が抜け落ち、俺は意図せずアイアンクローから解放される。

 観察してみるに、束博士の持つフルボトルはエボルボトル寄りの造形だった。キャップには二つのイニシャルが刻まれており、ボトル部分がクリアパーツではなくなっている。しかし、一角獣と消しゴムを模した装飾はそのままであり、ボトル下部の稼働パーツは存在していない。それはとにかく、どうやってそんな代物を作り出したんだ、この人。

 だからこそ、織斑先生がだんまりになるのも無理はなかったのだろう。次いで束博士の頭を解放し、両腕をぶらりと下げて真顔となり、彼女を見つめる。

 

「あひゅぅん!」

 

 そして、ウキウキと何かを期待していた束博士のみぞおちを躊躇なくグーで穿った。無言で。

 

 




Q.妖怪鬼ババア

A.束や千冬の頑丈さは魔戒騎士クラスだと独自解釈しています。殴られても蹴られてもビルから落ちても死ななかったり、走っているモノレールから落ちて柱に胴体を強く叩きつけられても生きていたり、とにかくそんな感じかと。

もう素でハザードレベル3以上ありそうな面子です。千冬が変身したら全て解決します。あとマドカもかなり高そう。









なので、本作におけるトランスチームシステムの独自設定はこのまま突っ切らせていただきます(ネビュラガス投与が必要な点)。タイムベントやリセットは無力と化した。

それなのにトランスチームシステムの要求ハザードレベルが高めなのは、色々と謎である。結局ネビュラガス浴びてレベル上げやすくした方が合理的で、副作用の身体能力上昇がお得な辺り。


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