ViVid Contrail   作:にこにこみ

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試練を突破せよ!

参加チームの半数以上が脱落するも、予選は残りのチームで当然続行される。 その中にはイット達、ツバサクロニクルの姿もあった。

 

『改めてルールを説明しよう。 さっきも言った通り一番最初にこのよく分かんねぇ犬を捕まえたチームを本戦出場資格を得る』

 

落とし穴から逃れるも、仲間が落ちた事により退場する選手達を他所にクーによる説明が始まる。

 

『ちなみに、こいつを捕まえた際は大きな声で“犬、ゲットだぜー!!”と叫べ。 特に意味はないがな』

 

「ねーのかよ!!」

 

「ならやらせないでヨ」

 

「にゃあ」

 

「あん」

 

「ティオ、シオン。 答えなくても大丈夫ですよ」

 

“ゲットだぜー!”に反応する2匹をアインハルトはメッと、人差し指を立てながら注意する。

 

「とにかくねねを奪えばいいんですね!」

 

「なら話は早いです! 慎重に、迅速に行きましょう!」

 

「ああ!」

 

『そうか。 なら……』

 

クーはヒョイっとねねを掴むと、足元の床がガクンと下がり……

 

「ね?」

 

『頑張れよ、若人達!』

 

「ねぇ〜〜……」

 

昇降機の上に立っていたようで、クーはねねを連れて行ってしまった。

 

『も、持ってかれたぁーーー!』

 

(恐らく)本戦出場を決める為の鍵を持っていかれてしまい、どうしようか考え込み始めた時……舞台の下の床が開き、下へと続く階段が現れた。

 

「隠し階段だ!」

 

「ここから追いかけて来いってコトか……!」

 

「行くぜ!!」

 

運営の意図を読み、次々と選手達が階段を降りていく。

 

「あ、しまった!」

 

「私達も行きましょう! さっきの落とし穴(トラップ)でだいぶ数が減ったとはいえ、まだかなりのチームが残ってます!」

 

『イエスマム!!』

 

「皆さん、気をつけてください!」

 

「絶対にねねを取り返しよーー!!」

 

ツバサクロニクルも後に続こうとすると、観客席からヴィヴィオとテディーの声援を受けた。

 

「ああ、任せとけ!」

 

「ねねちゃんを捕まえて本戦出場、一石二鳥だね!」

 

声援に応えながら隠し階段を降りていく。

 

「仲の良い兄妹ですね」

 

「あ?」

 

階段を降りていると、イット達の先頭を走っていた高身長の男性が声をかけてきた。 そしてその顔には能面が付けてあった。

 

「あ、失礼。 私は、コナギの申します」

 

「うわっ!?」

 

「ビックリしたヨ!」

 

「何ですか、そのお面は?」

 

「はは、私は少し顔がイカツイものでこんなお面を」

 

年齢はイット達より上。 グランド・フェスタの参加年齢は12〜18まで、いてもおかしくはないだろう。

 

「でも意外ですねぇ。 あなた達のような子どもが、グランド・フェスタに出てるなんて……」

 

「そ、それはその……」

 

「コーチに勧められた大会がこんなに大きいとは思ってもみなかったんだヨ……」

 

「それに、そちらのお兄さん……」

 

「ん?」

 

「あんな小さな妹さんに心配されるなんて……あなた、よっぽど頼りないお兄さんなんですねぇ」

 

「なっ!?」

 

突然、能面の男性はネイトを挑発し、その挑発にイットとフォンは怒りを覚えた。

 

「おい! ネイトは頼りない人じゃない!!」

 

「ネイトは貴方が思ったいるより……」

 

「よせイット、フォン」

 

「!! ですが……」

 

「言いたい奴には言わせておけ。 行くぞ!」

 

ケラケラと笑いながら走っていく能面の男性に飛びかかろうとしたフォンの肩をネイトが掴んで止め、ネイトは本当に気にしてない風に笑った。

 

(ネイトさん……妹思いなんですね)

 

(一人っ子には羨ましいよ)

 

その後も数分間走っていると……奥から明かりが見えてきた。

 

「出口か」

 

「? 何やら騒がしいですね」

 

「なんだろウ?」

 

通路を抜けて大きな広間に出ると……

 

「な……」

 

「なんじゃこりゃーーー!!」

 

「あ、クーさんが」

 

天井が50メートルある広間の中心に、巨大な台を支える支柱が立っていた。 出口の反対側には扉があり、そこへクーが入って行くのをミウラが見ていた。

 

『説明しよう! これはその名も“ヌメロンタワー”! ここから先、俺を追いかけるためには……にある鍵をゲットしなくてはならない! 先に進む為の鍵は……全部で7つのみ!』

 

その言葉を聞き周囲はザワつき、選手達から動揺が広がる。

 

「つ、つまり……!?」

 

「ここで一気に7チームまで減らすの!?」

 

『ちなみに、あの支柱はディアドラグループの提供でお送りします』

 

『どうも〜』

 

「知らないヨ! そんな事!」

 

「い、いつの間に……」

 

5メートルの高さにあるガラス張りの実況席からクーが説明、実況していた。 隣には夜色の髪の女性……ソアラ・ディアドラがいた。

 

そんな中選手達が次々と上に登って鍵を入手しようと支柱に手をかけるが……1メートルも上がることが出来ず滑り落ちてきた。

 

「な、なんだぁ!?」

 

「支柱がツルツルで上手く登れねぇ!」

 

『その支柱の表面にはアリシアの野郎がネタで作ったニュルンチュルンとかいう変な名前の魔法が付与されている。 ちなみに飛行魔法を使用すれば対迎撃用ゴム弾が発射されるから、頑張って登れよ〜』

 

「なら、こうするまでだ!! 氷の造形魔法(アイスメイク)——飛爪!!」

 

ネイトの手から氷の鉤爪が射出、台に向かって飛んで行く。

 

「なるほど! 氷の鉤爪を台の縁に引っ掛けて登るんだネ!」

 

「さすがネイトさん!」

 

「っし! このまま登って——」

 

そして氷の鉤爪は台の縁に引っ掛かり、ネイトは登ろうと氷の鎖を掴むと……ツルンと、鉤爪は台から落ちてしまった。

 

「!?」

 

「あれっ!?」

 

地面に落ちてきた鉤爪を見てネイトとミウラは首を傾げる。

 

「な、なんで……」

 

「——修行不足なだけだ。 相手の魔法の方が、お前の魔法より勝っていた。 ただそれだけだ」

 

「え?」

 

「どけ」

 

「あ……」

 

同じ大会の参加者である長い金髪の男子の選手がイットの肩を押し退けて支柱の前に立ち、右手を添えた。

 

「はっ!! アイツ素手で登る気かよ!」

 

「ムダムダ! さっきの見てなかったのか?」

 

「フン。 凡人が」

 

すると……金髪の男子は滑るはずの支柱にへばり付いて登り始めた。

 

「な、なんでフツーに登ってんだアイツ!」

 

「滑り落ちずに! どうなってるんだ!?」

 

「これは、なんらかの魔法でしょうか」

 

「どうやら自分達の置かれた状況を切り抜ける方法や魔法を、いかに早く判断するかを問う試練なのでしょう」

 

「…………!」

 

「フン」

 

そして支柱の頂上まで登り切り、鍵を入手した。

 

『一抜け……ブラックシザー!』

 

「ご苦労さん」

 

一チーム6人が鍵を使って扉を通り抜けていき、扉が閉まるとまた鍵がかけられたしまった。

 

「くっ!」

 

「おい、イット! なんか手はねえのかよ!」

 

「そう言われても……」

 

どうこの試練を突破しようか頭を悩ませいると、そこでまた1人支柱の前に立った。

 

「ほいっと!」

 

銃を天井に向けて発砲すると……銃口から紐が伸びながら弾丸が天井に着弾し、紐が伸縮し天井まで登ると台の上に飛び乗った。

 

「っと! 鍵ゲーット!」

 

『二抜け……ガンナーズハイ!』

 

「あわわ……」

 

「ネイト! 今度は鉤爪を天井に突き刺セ!」

 

「流石にそこまでの力はねえよ!」

 

『三抜け……王虎城(ワンフージョ)!』

 

言い争っている間にもルーフェン風の衣装を着た選手が空を蹴ってタワーを登り。鍵を入手していく。

 

『四抜け……ワイルドファング!』

 

飛行魔法を使わずフワリと飛び上がり、鍵を入手。

 

『五抜け……バトルクッキング!』

 

『六抜け……ウィザーズ!』

 

続けて2チーム……最初のチームはどういう原理か重量を逆らうように支柱を登るように滑り、次のチームはサーチャーを使い遠隔操作で鍵を入手した。

 

「ああっ!?」

 

(ま、まずいです! もう残りの鍵は一つだけ……! これを他のチームに取られたら……予選敗退してしまいます!)

 

「くっくっくっ……さっきまでの威勢はどうしました?」

 

すると……あの能面の男性が小馬鹿に笑うように後ろから歩いてきた。 その能面の男性の後ろにはまた能面の5人組がいた……かなり変なチームである。

 

「わかったでしょ? 君達がどれだけ場違いな所にいるか。 特に……妹さんに会場まで付き添ってもらっているようなダメなお兄ちゃんなんかはね」

 

「!!」

 

「あなたまた……取り消しなさい! ネイトさんはダメな兄では……」

 

また挑発してきた男性にアインハルトが喰いかかるが……またネイトが止めた

 

「もういいアインハルト! んなことよりどーやって鍵をとるかだ!」

 

「…………! ネイトさん……なんでですか!」

 

「こんな奴にかまって他のチームに先を越されたら馬鹿だろ。 俺達の目的は予選を通過して本戦で優勝することなんだ。 こいつらをぶん殴ることじゃない。 そうだろ?」

 

(……ネイトさん。 初めて会った時からイットさんやフォンさん以上にシスコン丸出しだったのに……)

 

(成長したな……俺も心身ともに負けてられない!)

 

イットとアインハルトがネイトの心の成長を感心していると……

 

「くくく! とんだ腰抜けだな! けど残念ながら最後の鍵は私達がいただくよ!?」

 

「何!?」

 

能面の男性の靴は機械的な特徴で、支柱に向かってスタスタと早足で歩いて行く。

 

「オールウォーク! この靴は、たとえ壁だろうが天井だろうが自由に歩く事ができるんだよ!」

 

「な、なんだっテ!?」

 

「まずいです! 最後の鍵が!」

 

「腰抜け兄ちゃんはとっとと家に帰って、あのお間抜けな妹さんに慰めてもらうんだな! アッハッハッハッハ!!」

 

コロナを馬鹿にして、高笑いしながら支柱に向かって能面の男性は歩いて行き……

 

「——魔王の鉄靴(ソールレット)!!!」

 

「ぶっ!!!」

 

突如放たれたネイトの氷の鉄靴を纏った左脚の蹴りが能面の男性の後頭部に突き刺さり、能面の男性は顔面から支柱と衝突した。

 

「え……」

 

「ええーーー!?」

 

「俺のことは何言われてもかまわねぇ……ケド、コロナをバカにする奴は、たとえ神でも殺す!!」

 

(せ……成長してないーーー!!)

 

(……人は簡単に変われるものではありませんね)

 

(にゃぁ……)

 

唖然とする中、能面の男性がネイトの蹴りによって支柱にめり込むと……支柱にヒビが走り、崩壊して崩れ始めた。

 

「!!」

 

「うわ……!!」

 

「うわあああぁー!!」

 

広間は大混乱、支柱の崩壊により瓦礫が落ちてきて砂塵が舞い上がり……

 

「あ。 見えタ」

 

キラリと、舞い上がった最後の鍵をエディが視界に捉えた。

 

「ミウラ! ワタシを蹴り飛ばしテ!」

 

「了解!!」

 

ミウラはその場で蹴り上げる態勢に入り、エディはそのコース上に乗るように跳躍し……ミウラは足に乗ったエディを蹴り上げ、エディは鍵をその手に掴んだ。

 

『七抜け……ツバサクロニクル!』

 

「オラオラ! どうしたどうした!!」

 

「ネイト、行くぞ」

 

「へ?」

 

「ご……ごめんなさい……」

 

「……まあ、結果オーライですね……」

 

能面を剥ぎ取り、本当にイカツイ顔になるまで殴り続けるネイトを止め。 イット達は最後の鍵で扉を抜け、急いで通路を駆け抜ける。

 

「早くしないと、先に行った他のチームにねねが取られてしまいますね」

 

「急がないければ……!!」

 

「にゃあ!」

 

「むう……さっきの魔法、僕に使えるかな?」

 

「さあ、行けるんじゃないカ?」

 

「いいから急げよ!!」

 

「大丈夫ですよネイトさん。 ほら、まだ皆さんがいるみたいです」

 

「何!?」

 

出口付近に先ほどの試練を突破したチームが立っているのが見えた。 そして通路を抜けた先には……

 

「!!」

 

「え!?」

 

「これは……!」

 

青空の下、緑豊かな森が広がっていた。

 

「な、なにここー!?」

 

「外に出ちまったのか!?」

 

「下へ下へ、地下に降りていたはずなのに……」

 

「(スンスン)……? なんか変だナ……?」

 

「——あ!」

 

三者三様、目の前に広がる森を不振に思っていると……そこでイット達の頭上にあった山の頂上からクーと秘書らしき女性が現れた。

 

『えー、ヌメロンタワーを見事攻略した7チームの皆さん、ご苦労様だった』

 

試験を突破した彼らに一応、クーから労いの言葉を送った。

 

『最初の落とし穴で“慎重さ”を。 そしてヌメロンタワーでは、その状況を何の能力で、どう打破するかという“判断力”を……密かに試させてもらった』

 

「な、なるほど……」

 

「………………」

 

『では、これからは予選会本番だ! これからお前らにはこの“コンダクタの森”サバイバルゲームをしてもらう! そして、これで本戦出場チームを決定する!』

 

『!!』

 

イット達を含めた各チームはより一層気を引き締める。

 

『制限時間は6時間! 今から7チーム、()()()をそれぞれ配るからそれを奪い合ってもらう! 制限時間内に全て集めきったチームが本戦出場とする!』

 

「? ()()()? そんなのあったか?」

 

「さ、さあ……?」

 

「おい! 配るって何をだよ、一体!!」

 

『え? 何をって……最初から言っているだろ』

 

「……へ?」

 

「最初から…………まさか!」

 

「犬……もといねね、争奪戦……」

 

クーはある1つの鉱石をねねの背中に当てた。すると……ねねの頭と胴体がお別れした。 いやそれ以上に四肢と尻尾も胴体からお別れして、七当分されてしまった。

 

『…………や、()ったぁああああっ!!』

 

「この人でなし! よくも……よくもねねちゃんを!」

 

「ねねーー!!」

 

「!! 待てミウラ、様子が変だ!」

 

「——ね?」

 

「え……」

 

「ん?」

 

イット達は最悪の事態を予想したが……ねねは苦痛に顔を歪ませる事なく、何が自身の身に起きているのか分かっていない様子だった。

 

「い、生きてる……?」

 

「色んなとこがお別れしてんのにか?」

 

『心配はご無用! これは(ちょっと拝借した)遺失物(ロストロギア)、デブロックの能力で……一時的に分解したに過ぎねえ! バラされた本人は痛くも痒くもないし、むしろ肩コリとか治ってキモチいいっていう噂がある』

 

(いや、肩コリは治らんだろ……)

 

ねねの身体の各パーツがそれぞれのチームに配られた。 ツバサクロニクルには身体が当て振られたが……モコモコした毛玉にしか見えずかなりシュールである。

 

『ではこれより、犬?争奪戦サバイバルゲームを開始する! んじゃルナ、よろしく頼んだぞ』

 

『はい』

 

クーの後ろに控えていた長い赤髪の女性……エテルナが前に出て手を翳すと……それぞれのチームの足元にベルカ式の魔法陣が展開された。

 

そして……説明もなく問答無用で転移されてしまった。

 

「7人チームを考慮して縦横6キロの正方形のフィールドの中にランダムに転移……早ければ2、3時間で決まるだろう。 さて、それじゃあ俺達は高みの見物といくか。 ルナ、弁当!」

 

「はいはい」

 

「——なにピクニック気分になっているのかしら?」

 

2人の背後に、いつの間にアリサが立っていた。 サングラスを外しながら問いかけるアリサにクーはあっけらかんとした風に片手を挙げた。

 

「よお。 元気そうだな」

 

「私達が学院を卒業してからなんの音沙汰もなく次元世界を旅しているって聞いてたけど……一体どういった経緯で大会の運営責任者に? それもエテルナさんと一緒に」

 

「んー、これには非常に深刻かつデリケートな事情があってだな」

 

「はあ、よく言います。 無人世界で漂流してたのを教会騎士団が発見し、わたくしが保護したんです。 それで何があったのかいつの間に大会関係者に……わたくしは監視を兼ねて秘書を務めてさせてもらっています」

 

「……相変わらずのようね、全く。 まあ、あのクーがフェアプレイをしているようで感心したわ」

 

「くく。 そりゃ当然だ。 大人がガキの遊びに手を貸すなんて面白くねえだろ」

 

アリサのため息に、クーは不敵に笑った。

 

問答無用で転移されたイット達ツバサクロニクルは、状況が少し飲み込めずにポツーンと森の中を立っていた。

 

「ここは?」

 

「ふむ? どうやらチームごとに別々の地点へ飛ばされたようですね」

 

「ここから他のチームを捜し出して、ねねを集めろってわけだ」

 

「こりゃ大変さだナ」

 

「……………ねね……」

 

「クゥン……」

 

「ごめんなさいねね。 すぐに元に戻してあげますから……!」

 

「にゃ!」

 

モコモコと蠢くねねの胴体を優しくさするアインハルト。 と、ふと森が少し騒めくと……イットとエディが何かに気付いた。

 

「よっしゃあ!! んじゃ、張り切ってねね集めしますか!!」

 

「行くよ皆——」

 

「よし、じゃあとりあえずご飯にしようカ」

 

「えっと確かなのは母さんに持たされたおにぎりが……あったあった」

 

ネイトとミウラが張り切って走り出そうとした時……いきなりイットとエディがその場に座って食事を始めた。

 

「ちょっと待てコラーー!! 何いきなりのんびりモード入ってんだよ!」

 

「時間は6時間しないんだから早くモガ!?」

 

「まあまあ。 腹が減っては戦はできぬ(もぐもぐ)」

 

『戦はできぬ!(もぐもぐ)』

 

「って、お前らもかぁ! 復唱すんな!!」

 

ミウラの口をおにぎりで塞ぎ。 フォン、アインハルト、エディ、イットは地面に広げられたおにぎりをもぐもぐと頬張った。 そしてイットはネイトの肩を掴んで腰を下ろさせた。

 

「まあ落ち着けネイト。 お前も座って食え」

 

「あのなぁ!!」

 

(囲まれてるぞ)

 

「!?」

 

(モガモガ!?)

 

ボソリと、イットはネイトとミウラの耳元で一言囁いた。 その際ミウラはおにぎりを喉に詰まらせた。

 

「はい、お水」

 

(マ、マジか! いくらなんでも早すぎるだろ!)

 

(恐らくなんらかの手段で発見されたのでしょう)

 

(油断も隙もないナ)

 

(これが、グランド・フェスタ……(ゴクリ))

 

(にゃあ……)

 

「プハァ!(も、もう始まってるんだ……)」

 

6人はそれぞれのデバイスに手を添える。 すると、その気配を感じ取ったのか、隠れている気配が強まる。

 

「皆、腹ごしらえは済んだな? さあ、サバイバルの始まりだ」

 

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