もんむす・くえすと!の女の子たちがやって来てしまった件について   作:森野熊漢

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お久しぶりです。
なんとなくどんな感じで書いていたかってのを思い出すのも含めて、誰も待ってないであろうこちらを久しぶりに更新しました。


爪祭り

もんぱらがバージョンアップした。

それにより、追加イベントだったり混沌の迷宮に新しい難易度が増えたりしたのだが、一言でいうと、分量がやばい。

追加イベントで一番大きかったのは、なんといってもコラボイベントだろう。

 

他のゲームに出てきたキャラクターがもんぱらの世界にやってくる、というもので、コラボキャラ視点のストーリーが展開されたくらいだ。

正直面白かったし、事前にコラボキャラの出てくるゲームもプレイしたよね。

他にも時間ループだったり夏祭りだったりなどもあった。こちらもコラボイベントではあったし、新職業の解放のためもあって進めたところはあった。

 

混沌の迷宮は修羅とかいうのが出てきた。一言でいうとやばい。

武器集めの敷居が下がったものの、5階に強ボスが一体配置とかいう、やりこみ勢垂涎の環境になった上に、銀宝箱5個確定というもう素晴らしすぎる状態になった。

おかげで装備集めが終わらないことこの上ない。装備のスキルも増えたし。

 

さて、混沌の迷宮もバージョンアップしたことで良くなったのは確かだが、良いことばかりではない。

簡単に言うと、敵の強さが天元突破した。HPが億どころか兆や垓まで桁がいってしまった。普段なじみのない単位までいって、正直何て読むんだっけってなってるのが本音だ。噂では無量大数がどうとかいう話も聞いたのだが。

 

さて、そのアプデがされた後、しばらくしてから更にアプデがきた。

これにより色々修正がされたのだが、マスタリーの重複ができなくなったとか、スキルの効果範囲が変わったとかあり、混沌をガンガン潜らないといけない勢の俺からしたら、無理にアプデしないといけないわけではないので、最新アプデの前のバージョンで混沌に潜ったり稼いだりしているというわけである。

 

 

さて、何故こんなことを長々と言っているのかというと。

 

「デスクロー」

「デスクロー」

「デスクロー」

 

「いや、うん」

 

うちの何人かのメンツがデスクロー教とやらを興したら、他のメンバーが入信し始めた。

いや、確かに強いけどさ。なんなら妖術威力アップが何故か乗って、瀕死ダメージのはずが確殺レベルになるし。

うちのアルマエルマさんが、瀕死時3回行動と歌う速攻の装備つけて、適当に歌ってからデスクロー2発とかザラだし。

 

少し話が逸れた。

 

「デスクr…あれ、輝さん? 一緒にやりません?」

「いや、遠慮しとくよ…」

「でもほら、習得できるようになるかもですし」

「…別に絶対欲しいってわけでもないから、うん」

 

デスクローの素振りとか、なぁにそれぇ?な状態である。

ただただ、右上から左下に腕を振り下ろしてるだけだし。

そもそも、あれは妖術士に就いてラーニングすればいいんだけど。

普通なら。

 

「でも輝さん、何故か習得できなかったじゃないですか」

「………」

 

目を逸らす。

そう、言われた通り、何故か俺は妖術士に職を変えてデスクローを目の当たりにしても使えるようにならなかった。

某最後の幻想シリーズだと敵が使ったのをその身に受けないと習得できなかったのだが、もんぱらでは敵、もしくは味方が使ったのを見るだけで習得できるという便利システムになっている。

実際、俺の横で突っ立っていた妖術師職に就いたライムが次の瞬間にはデスクローを放っていたし。

俺は使えなくても別に困ることはないし、なんなら使えないほうが安全まであるのだが……なぜか俺が使えないことを悲しんでいるもんむすがいるという謎の状態が起きているんだが。

なんで?

 

「でも出来たほうが楽しいですよ?」

「まあ、うん。使えたらいいってのはわかってるけど」

 

俺は別にもんむすと普段戦わねえし。

混沌の迷宮? 別に俺は無理していくことねえし。

何もしなくても勝手に無双してくれるイカれたメンバーがいるし。

なんで俺は普通にゲームをプレイしていても現在叶うはずのないパーティを組まされてるんだろうな?

 

「わかってるなら、私と練習しましょう早くしましょう今すぐしましょう」

「いやおかしいおかしい待て待て」

 

そういや俺がさっきから話してるの、エルフのクローディアなんだよなあ。

前に出かけて以来、更によく話すようになった気がするんだが。

まあ変に距離が開いたとかではないからいいんだけど。

あとデスクローの特訓って目の前でやってるじゃねえか。中庭で。

移動する必要ないだろ?

 

「ちょっと待ちなさい」

「そ、そうです!」

 

うぉ、いつの間にか俺の横にジェシーさんとかむろが立ってるだと?

 

「抜け駆けは認められないわね」

「あら、人聞きが悪いわね。特訓と言ってるじゃない」

「特訓なら目の前でやってるでしょ? 別に二人でする必要はないんじゃないかしら」

「……あなたは目の前のこれに特訓として参加したいのかしら」

「……ないわね」

 

ないんだ。俺もないなとは思ってたけど。

 

「輝さん輝さん、今のうちにここを離れません?」

「聞こえてるわよかむろ」

「ずるがしこい狐がいましたわねえ」

「ヒィッ!?」

 

俺の横で謎の威圧感を感じる。やめてくれ、その圧は俺に効く。

 

「おう、輝! 肉食うか特訓しようぜ!」

「ややこしいことになってきたなあ!?」

 

ここでミナがやってきたんだが、これもう俺はどうしたらいいんだい?

 

「ミナ……あなたも輝目当て?」

「お? ……ああ、この集まり、そういうことか」

「理解が早くて何よりね」

「ま、負けませんよ!?」

 

負けないって何にだよ。謎に理解し合った上で睨み合いしてるの本当になんだよ。

 

「こうなったら」

「そうね」

「仕方ねえなあ」

「で、ですね!」

 

なんだなんだ、急に距離を取って腰だめに全員構えて。

……ん? その構え、さっきからよく見てた気がするんだが。

 

「「「「デスクロー!!!!」」」」

 

ガキイイイイィィィン

 

それぞれのデスクローがぶつかり合う。

ってか、クローって言ってるのに、純粋に爪で殴ってるのはかむろだけかよ。

ジェシーは槍、ミナは斧、クローディアは弓って。

弓は殴るためのものですらないんだが?

 

「あーもう、やめろー」

「おおおおおぉぉぉ!」

「もう一発うううぅぅぅ!」

「負けません!!!」

「エルフの名にかけて!」

 

いや、デスクローとエルフに何の関連もないよなあ。

といっても、そろそろやめさせないといけないよなあ。

このままだと俺周辺だけで済まなくなりそうだし。

 

「召喚……はここでやるのはさすがにマズいか」

 

下手したらマズダやマンユでもデスクローで早々に消滅させられかねないし。

デスクロー吸収できるあの人はまだ会えてないから無理だし。

ここは俺専用職からなんとかできる技をするしかないか。

そういや最近新しい職がまた発現した上に、この状況におあつらえ向きな技が初期で手に入ったし。

 

さて、技の準備。腕輪が左腕に現れる。

 

「いくぞ、デー〇ドレイン!」

 

ネトゲを題材にした某ゲームの主人公の技を四人に放つ。

本来ならこれを食らったバグっていない敵は能力が大幅ダウンし、姿もかわいそうなことになるのだが、そのあたりはうまいこと調整できたようで、俺の臨んだデータを吸収できるようになっていた。

 

さて、今この時俺がこの四人からドレインするのは。

 

「デスクローの技を、預かる!」

 

腕輪から伸びた職種のようなものが四人に刺さる。外傷はないが、目的のデータだけを奪い取れた。

 

「……輝、今あの技を使ったのですね」

「エデンさんか。まあやむを得ない状況だったから仕方ないです」

「……まあ、途中からですが見ていましたので状況はわかっています」

 

データを抜かれ、倒れ伏した四人を見ながら呆れたようにエデンさんはため息をつく。

 

「あなたのその技は私たちにとって天敵……下手したらレベルドレインよりも悪質なものですから、私としては使ってほしくないというのが正直な思いです」

「わかってます。俺もよほどのことがない限りは使うつもりはないですよ」

 

 

俺だって、このめちゃくちゃではあるけどこの生活が嫌ではないんだ。ぶち壊すようなことはしたくない。デー〇ドレインは下手したら彼女らの存在そのものを脅かすものになってしまいかねないから、俺としても出来るだけ使わないようにしたい。

俺の返答にエデンさんは安心したような笑みを浮かべた。

 

「さて、そこの四人は頭が冷えましたか?」

「あ、ああ。アタシはなんとかな」

 

ミナが起き上がってきた。続いて他の三人も起き上がる。

 

「今回、輝が止めたからよかったものの、周りに及ぼすかもしれない被害を考えなさい」

「「「「はい……」」」」

 

データを返却しながら萎れたような様子でエデンさんの説教を受ける四人を見るに、しばらくは同じようなことは起こさないだろう。

終わったら食堂に甘味を食べに行くのでも誘ってやろうと思った。

 

なお、なぜか食堂でも席の取り合いで第二次デスクロー祭りが起こりそうになったのだが、笑顔で三邪神を召喚して事なきを得た。




リハビリを兼ねてるから色々忘れてるの図。
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