もんむす・くえすと!の女の子たちがやって来てしまった件について   作:森野熊漢

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ついにもんむすたちの現実侵攻が始まりそうです。

いや、別に支配するとかそんな思考はないでしょうけど。

ちなみにお仕事の内容とかは多分こんな感じだろって想像が大半です。


あぶらあげ料理ってどんなのがあるか知らないけど、詳しくなれそう

はいどうも、俺です。

先日はいきなり四天王がうちに遊びに来たんですけどもね。その後向こうの世界に拉致られて、無事俺も行き来できることが判明しました。

さて、念願かなって二次元の世界に行けるわけになったのだが、そうほいほいと行けない現実に直面した。

 

何かというと。

 

「じゃあ輝。いってらっしゃい」

「ありがと、行ってきます」

 

アルマエルマに送り出された俺はいつも使っている鞄と共に外に出る。

何のためにって?

 

仕事だよ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「はよーございまーす」

 

職場に着いて挨拶。帰ってくる挨拶に対応しつつ自分の席に荷物を下ろす。

 

「あ、おはようございます片梨先生」

「おはようございます」

 

隣りの席の同僚の松山先生が声をかけてくる。今の呼び方で気付かれたかもしれないが、俺の仕事は教師である。

一応小学校から高校までの免許はあるが、俺が勤めているのは小学校である。

不肖ながら担任を持っているが、まあなんとかやっている状況である。

 

「そういえば、聞きました? 今日転校生と新しく先生が来るっていう話らしいですよ」

「……は? それマジですか?」

 

思わず素で返しかけた。あ、松山先生は同い年だがキャリア的には俺より先輩の女性である。

 

「ええ、なんでも校長もいきなり聞いたって噂だけど」

「そんな無茶苦茶な話があるんですか? 校長の怠慢では?」

「それがそういうわけでもないみたいよ? なんでも委員会の意向らしいわ」

 

うわぁ、なんて無茶苦茶な。

 

「っと、一回教室に行ってきますね」

「はーい」

 

不満はあれど、やることは待ってくれないのでさっさとやることやらなきゃな。

子どもたちと挨拶し、宿題を出すよう声を上げ、まとめるものをまとめる。

そうこうしていると朝の職員の集まる時間になったので職員室に向かい、席に着いた。

 

「えー、おはようございます」

『おはようございます』

 

校長が挨拶し、職員一同が返す。いつも通りの朝会である。

 

「もう皆さんお聞きになられてるかもしれませんが、今日から新しい先生がここに来られました。……こんなことを言うのもなんですが、連絡ミスとかそういうのではなく、本当に急に上から言われたので、皆さんに十分お伝えすることができなかったというわけです」

 

職員一同は不審な雰囲気を出すものの、教頭が「その通りです」と声を上げると、「あ、そうなのか」という雰囲気になった。

信じていないというわけではなかったのだろうけど、トップ二人がそうだと言うならそうなのだろう、という感じである。まあ、これに関しては嘘を言ったところで何もならないしな。

 

「では、さっそく紹介したいと思いますので……こちらへどうぞ」

 

隣接している部屋が校長室であり、そこで待機させていたのだろう。校長が声をかけるとそこから足音が聞こえ、姿を現す。どうやら女性のようだが。

 

『ほう……』

 

大半の先生が溜息に似た声を上げた。……主に男性だが。

そして。

 

「……えっ」

 

俺は全く違う反応をしてしまっていた。

だってそうだろう。

 

「今日からお世話になります、七尾と申します。色々とお世話になりますが、よろしくお願いしますね」

 

人間に上手く化けてるとはいえ、七尾さんがいたのだから。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

仕事がひと段落したあと、家に電話をかけた。

数回のコール音の後、出たのはアルマエルマだった。頼れるお姉さん……いや、もはやおかんである。

 

「あら、輝?どうしたの?」

「どうしたの、じゃないんだが。なんで七尾がここに来てるんだよ!?」

「それはねえ……あ、たまもちゃん、ちょうどいいところに……輝、代わるわよ」

「おお、輝。どうしたのじゃ?ウチの声が聴きたくなったのか?」

「んな理由で電話かけるかよ」

「つれないの……まあ、大方七尾のことじゃろ?っとまだ使い方に慣れておらんのじゃが、声はうるさくないかの?」

 

なんだ、やっぱりたまもの仕業か。そう思いつつ、「大丈夫」と伝える。

 

「まあ深い理由はないんじゃが、七尾が頑張ってみたいと言っておったからの。ウチはちょっと力を貸しただけじゃ」

「いや、ちょっと力を貸しただけでなんで俺の職場に来てるんだよ。しかも唐突に来たから大変なことになってるんだが」

「そこはほれ、こっちの世界の住人のお主のそばなら何かあっても安心じゃろ? それに妖術やらなんやらで特に問題なく入れるようにしたんじゃが、大丈夫じゃったろ」

「……まあそれはそうだが……」

 

事実、唐突に入ってくるってことで慌てはしたのだが、書類やらなんやらは全てクリアされていたから何ら問題はなかったみたいだし。

 

「それに七尾のたっての希望じゃったしな……」

「ん?どういうことだそれは?」

「いや、なんでもないぞ?」

「そうか、まあ七尾はわかった。じゃあ次だ。なんであの子たちまで来てる……」

「ああ、かむろときつねじゃな。あの二人は……まあいうなれば、修行の一環じゃな」

「なるほど」

 

赴任してきた先生が七尾であり、その後の転校生の紹介の時に知ったのだが、来たのは狐一族であるきつねとかむろだった。まああの二人は、いうなればたまもの娘みたいなものだし、七尾にとっても妹分か娘といったようなところ。だから七尾と同じ学校に入れたのだろう。

 

「かむろは……まあうまくやるだろうし、きつねも上手にやっていきそうだな」

「そうじゃな……まあ勝手に上手くやるとは思うのじゃが、様子を見てやっておいてくれんかの」

「まあ、俺のクラスに二人とも入ってきたからな……先に知らせておいてほしかったんだが」

「驚かせたかったんじゃから仕方ないの。三人にも秘密にすることを伝えたら嬉々としていたしの」

 

そういえば、ポ魔城で最近七尾やきつね、かむろの姿を全く見ていなかった気がする。

カラカラと愉快そうに笑うたまも。不思議と怒りはわいてこなかった。

まあ、特に大きな害は与えられてないし、どちらかというと身内が増えたわけだしな。俺としても心強い。

 

「さて、じゃあ仕事に戻るよ」

「そうか、頑張っての」

 

電話を切り、ポケットに入れる。ぐっと伸びをして職員室に戻る。

現在18時を過ぎ、だんだんと仕事をしている人も少なくなってきている中、七尾がくたばっていた。

 

「七尾先生、お疲れ様です」

「あ、ひか……コホン、片梨先生もお疲れ様です……うう、慣れてないんですから笑わないでも」

 

慌てて言い直す彼女に思わず苦笑してしまった俺に文句を言ってくる七尾が可愛い。

 

「それで、どうです?今日初めてここで仕事してみて」

「そうですね、初日だからまだ見て覚えるということが大半ですが、中々に大変そうです」

「まあしばらくは僕の補佐ってポジションですし、何かあったら僕に訊いてください」

「ありがとうございます、頼らせてもらいますね。……っと、まだそれほどやることがないのですが、何か手伝えることはありますか?」

「そうだな……じゃあこれを頼みます」

 

渡したのは、授業中に集めたプリントやノート。いわゆる丸つけ作業である。

もんぱらの世界とこっちの世界での文化の違いがあるのではと最初は思ったのだが、何ら問題ないことがわかったし、何かわからないことがあったら俺に訊くように言ってある。問題はないだろう。

 

そこから2時間ほどやることをやり、帰ろうかというところで、七尾もちょうど終わったみたいだった。

 

「お疲れ様。僕はそろそろ帰ろうかと思うけど、どうします?」

「あ、私も出ます」

 

そう言って、立ち上がった彼女は既に帰る準備を済ませていたようだ。早い。

二人で職場を出て、歩く。バス停まで歩き、バスに乗り、降りた後はまた少し歩く。

 

「……大変ですね、仕事」

「まあ、そうですね。でも助かりましたよ」

 

疲れたというオーラを出しまくっている彼女に苦笑しながら俺は言葉を返す。実際、少し仕事を頼むだけで楽できたし。

 

「それならよかったです……でも、急にお邪魔することになって迷惑でしたよね……?」

 

何故か心配そうな彼女。電話の後に七尾から聞いたことなのだが、俺に内緒で来ることに彼女は反対していたらしい。なんというか、しっかりしているなあ。

 

「まあ、別にびっくりはしましたけど、邪魔とは思ってないですよ」

 

なんというか、身内が増えて安心感が増しましたしと続けると、ほっとした表情を見せてくれた。

うん、別に嘘は言ってないしな。

 

「……明日からもよろしくお願いしますね、輝」

「……ああ」

 

そうこう話していると家に着く。

 

「ただいま」

「ただ今帰りました」

 

二人で玄関に入ると、奥からパタパタと足音が聞こえてくる。

 

「おかえり、輝!七尾様」

「お、おかえりなさい、七尾様、輝さん」

 

きつねとかむろである。そして。

 

「おお、帰ったか二人とも。お勤めご苦労じゃな」

 

たまもがのっそりやってきた。今日は狐一家だな。

 

「ああ、疲れた。飯が食いたい」

「そう言うと思っておったからほれ、二人とも」

「うん!私たちが用意したんだ!」

「お口にあえばいいんですけど……ぜひ、どうぞ」

「アルマエルマに教えてもらっておったの……無論、ウチも少しは手伝ったがの」

 

どうやらきつねとかむろ、言葉通りならたまもも少しだがご飯を用意してくれたらしい。

 

「すみません、二人とも、たまも様」

「よいよい。頑張ってきたのじゃからこれくらいはの」

 

リビングに行くと、いい匂いが充満していた。

油揚げ料理がたくさんなのは、さすが狐といったところだろうな。

油揚げ料理だけでなく、きちんとサラダとかもあるあたり、栄養面の配慮は素晴らしい。

 

「ほれほれ、さっさと着替えてこい。わしらもお腹ぺこぺこなのじゃ」

「そうそう!待ってるから早く!」

「きつね先輩、味見と称してのつまみ食いをたくさんしてたのに……」

「かむろちゃん、それは言わないお約束だよ!?」

 

ほほえましいなあ……。七尾もクスクス笑っているし。こういうの、いいよね。

まるで家族みたいだなって呟くと、何故か七尾がうろたえて、たまもはそんな七尾を見て笑っていたし、かむろは少し複雑な表情をし、そんなかむろをきつねが気にしていた。

 

 

みんなでご飯は美味しくいただきました。味?もちろん美味しかったでござる。




狐一家の中では、七尾が好きです。
きつね一家はまだ出てないのがいるからそのうち出したい。
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