もんむす・くえすと!の女の子たちがやって来てしまった件について 作:森野熊漢
励みになっていますので、こんな感じでよろしければ、これからもお付き合いよろしくお願いします。
残念なもんむすたち、という集団を知っているだろうか。
アミラを筆頭とした集団であり、もともと個性派ぞろいなもんむすたちにさらに輪をかけて個性という名の装備をした最強、もとい最恐集団である。
さんとすは、申し訳ないが使ったことがないものの、忍者の職業にデフォルトで就いていたし、アミラはストーリー上必須になってくるキャラでインパクトも一番大きい。ド-メイマ?ああ、あいつなら水不足で戦闘不能になったよ。
そして彼らの中で一番最強と言われているのは、そう。ピーハーである。
頭が鳥、下半身が人間という残念すぎる容姿。さらには足だけやたらと美脚というところが余計に残念さを際立てている。見た目もさながらだが、その能力もひどいもので、ステータスは総合して一番低いとかなんとかだったはず。
だが、彼女にはステータスが低くても最強と言われる所以があった。ご存知の方もいるだろうが……そう、異常なまでの回避率である。
なんとこいつ、平常時でも7割ほどの確率で物理攻撃を回避できるというある種のチートを持っているのである。混沌の迷宮1の時にはお世話になった人もたくさんいるとかいないとか。リフレクトリングと天空の踊り、もしくは瀕死時回避アップは必須だったよ……!
さて、なんでこんな話をし始めたのかというと。
「じゃあ、僕はこいつらを連れて帰るから……ごめんね、迷惑かけたね」
「いや、いいんで。早く連れて帰ってあげて」
残念なもんむすたちが遊びに来たものの、数秒でド-メイマが水不足で死亡。ついでアミラが何故か呪詛を吐き、ピーハーとさんとすがばたばたと倒れ伏したところで、ルカさんが全員回収して言った次第である。
もう今回の話、終わりじゃね?
「おーい、輝。今時間あるかの?」
そんなことはなかった。
「ん、たまもか。どうしたんだ」
部屋の中にはいないので、俺の視線はとある一点に集中する。
そう、例のノートパソコンである。
「ほいっ、と」
数秒後、たまもがくるくると前方向に回転しながら飛び出してきて、華麗に着地を決める。
あ、少しよろめいた。8点。
「いやの、前にグランベリアと手合せしておったろ? あれを見てウチらでちょっと話していたんじゃが」
手合せ(一方的)でしたね。嫌な事件だったねあれは。
「輝は、こっちでも十分やっていけるのではないかと思っての? 時間があるならちょっとウチらに付き合ってほしいんじゃ」
「えぇ……」
正直嫌である。だって、向こうに連れていかれたらまたグランベリアに手加減されてるというのに紙一重でしか回避できない惨めな目にあわされるんだろ?下手したら死ぬところだったろ?
「心配せんでも、今日は外を色々と出歩いてもいいと思っておるんじゃが」
「余計に嫌だよ」
「な、なんでじゃ!?」
いや、当然でしょ。外ってことはフィールドマップでしょ。つまり俺のこと知らないもんむすと出会うでしょ?襲われたら俺確実に負けるでしょ?ほぼ死ぬでしょ?
ドブ川様の反省会は遠慮したいですね。そもそも反省会があるかどうかもわからないけどさ。
「むむむ、とにかく来ればいいんじゃ!『九つの月』!大地の力もおまけじゃ!」
「ちょ、おま、土の力は卑怯だって!」
『九つの月』とは言ったものの、されたのは尻尾での全身拘束。大地の力を纏っているものの、優しく抱きしめられているという状態であり、決してダメージを負ったり苦しい拘束を受けているわけではない。
ないのだが。
「くっそ、マジで大地の力ってすげぇ……」
いや、ほんとすごいんですよ。尻尾はもふもふで気持ちいいのに抜け出そうとすると完全に動けないんですよ。まあ全身くるまれている時点で普通は脱出とか無理に近いんだろうけどさ。
「じゃあ、行くぞい。向こうに着いたらとりあえずパーティを組もうぞ!」
「あー……はい、そうですねー」
もうどうにでもなれ。
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「では、なりたい職業を選ぶのじゃ!」
「え、やだよ。俺もともと教師なんだから」
「輝、それはお主の世界の職であって、こっちでの職とは別と考えてほしいの……」
「ちなみにお主は既に学者を経験しておる様じゃな!レベルは……2と言ったところか」
「……なんでそこだけリアルな数字なのかなあ」
確かに教師力はまだまだ低いだろうけどさ。
あ、今イリアス神殿で職業を決めてるところです。パーティを組む前に先に職を決めた方がいいのではないか、というアルマエルマさんのお言葉を受け、たまもに連れてきてもらいました。
目の前の神官さんとたまもと一緒に選んでるところなんだけど、おもいっきり素が出てたな。うん、気にしてはいけない。
「せっかくなのじゃから学者を極めてはどうだろうか」
「あ、いえ結構です。」
なるとしたら、戦士系統で戦力をあげておきたいところだし。
「なるほど……では戦士などは」
「んー、そうですね。それにしますか」
俺、学者レベル2から戦士レベル1に転職。
これ向こうに戻ったときに職が変わってたりしないよね?
「では、ゆくがよい……うむ、珍しく種族は人間だけの人物だったな」
「なんか聴こえないように言ってたみたいだけど丸聴こえだからな」
多分ルカさんのチームの人間たちは総じてバンパイアになれたり妖魔になれたりXX型アポトーシスになれたりするせいだろうな。神官さんも大変だな。心労が絶えなさそう。
「うむ、終わったかの」
近くで待機していたたまもが小走りでやってきた。可愛い。いなりずしを片手にぴょこぴょこ動くあたりが大変可愛らしい。
「ん、とりあえず戦士で落ち着いた」
「そうかそうか。ではとりあえずイリアスヴィル周辺で輝の経験を積んでいくとしようかの」
「え、別にそんなことしないでいいんですけど」
さっきの転職の時は神官さんが大変真剣に考えてくれてたから真面目に考えたけど、別に戦闘とか望んでないから。ポ魔城でゆっくりしてたいから。
「ほれ、そう言うと思ってこれを用意した」
そう言ってたまもが取り出したのはキメ〇の翼、じゃなかった。ハーピ―の羽だった。
「これでイリアスヴィル前に飛ばすからそこで他のメンバーと合流してやるからの。安心せい」
「いやまあ、ルカさんの仲間と一緒っってのは心強いけどさ」
そこまでして俺を連れ出したいのかねこやつらは……。
「さて、それじゃ行くかの。……かふぇくしゅっ、イリアスヴィルへ!」
「ちょっと待てすごく不思議なくしゃみをしたなああああああああぁぁぁぁぁ……!」
たまもが投げつけてきたハーピーの羽に引っ張られ俺はどんどん上昇していく。
上昇して上昇して上昇して……。
「……えっ」
気付いたときには大地に降り立っていた。いたのだが。
「……あれ、たまもが言っていた他のメンバーってのはどこにいるんだ?」
少しあたりを見渡してみるものの、見つからない。場所が違ったりするのか?
「でもここ、イリアスヴィルだよなあ」
場所は合っている。たまもが村から少し離れたところに飛ばしたため、遠目になるがあれは確かにイリアスヴィルの村だ。間違いない。
「……少しあたりを散策してみるか……」
そう思い歩き出す。まあ、戦士の職に就いたわけだし、イリアスヴィルの近くと言えばスライム娘やバニースライム娘、ナメクジ娘あたりがエンカウントしたはず。うまくやれれば勝てるかもしれないし、最悪逃げることもなんとか出来るだろう。
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正直、考えが甘かった。そして浅はかだった。
どうして、他のメンバーがいないことにすぐに危機感を覚えなかったのだろうか。
そして散策を始めて辺りにイリアスヴィル周辺に生息するもん娘の姿が見当たらないことに違和感を感じていれば、こんなことにならなかったのに。
「イリアス様の敵、排除する……」
「初めてのエンカウントがラナエルさんってもうこれゲームオーバーだよなあ……」
正直絶望しかなかった。
次の話に続きます。できるだけ早くに出せるよう頑張ります。
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