Fate/Grand Order IF 星詠みの皇女 作:ていえむ
戦いは混迷を極めていた。
飛竜の群れが縦横無尽に空を舞い、それを無数の大砲が迎え撃つ。
次々と空飛ぶ悪竜は撃ち落とされるが、彼らは自分達の損耗に構う事無く突撃し、敵対する人間達を屠っていく。
彼方で竜の死骸の山ができれば、此方で勇士の屍が晒される。
戦局は拮抗し、どちらも決め手に欠ける泥沼の消耗戦と化していた。
一方で戦場の各地ではサーヴァント達による神話の再現ともいえる超常の戦いが繰り広げられている。
竜殺しと吸血鬼が火花を散らし、神代の狩人を相手に騎兵が一騎打ちを仕掛ける。
かと思えば荘厳なオーケストラをバックにガラスの馬に乗った姫君が駆け抜け、巨大な蛇と竜の娘を血の伯爵夫人が相手取る。
そして、その中心には同じ顔の少女が互いの得物をぶつけ合い、熾烈な肉弾戦を演じていた。
その中で最初に動きを見せたのはゲオルギウスとアタランテだった。
戦いが始まって十数分。
アタランテからすれば英霊でもないただの馬の疾走など止まっているようなものだったが、ゲオルギウスは自身の直感のスキルの恩恵により、防御において常に最適の答えを得ることができる。加えてアタランテが持つアルカディア越えと追い込みの美学というスキルは、戦場を縦横無尽に駆け抜け、敵の後手を突くことで真価を発揮する。狂化によって理性を奪われていることも仇となり、足を止めて駆け回るゲオルギウスを狙う戦法は彼女の本領を悉く潰していた。
一方でゲオルギウスも、神代の狩人の狙撃をかわすため、全力で走らせ続けたことで馬の方が既に限界を迎えていた。
血統も定かではない名もなき馬がここまで保ったことは奇跡にも等しく、それについてはゲオルギウスも誇らしかったが、残念ながら今は彼を誉めている余裕もない。
正確無比な上に掠めただけで身が千切れかけるほどの強弓を前にして、足を止める訳にはいかないのだ。
故にゲオルギウスは疲れ果てた馬に鞭を打ち、休むことなく走らせ続ける。
そして、アタランテまで後十数メートルというところまで近づいたところで、とうとう馬が根を上げて地面に倒れ込んだ。
狂化されているとはいえ、この千載一遇の機会を逃すアタランテではない。
立て続けに数射の矢を放ち、倒れたゲオルギウスの頭と心臓を穿たんとする。
「はっ!」
咄嗟にゲオルギウスは跳躍し、上空へと逃れながらも抜刀する。
太陽を背に背負っての奇襲だ。
並の使い手ならば陽光に目をやられ、成す術もなく切り伏せられていただろう。
だが、アタランテにはそのような小細工は通用しない。
ここに至って初めて、ゲオルギウスは自身から攻勢に出たのだ。
即ち、アタランテが後手に回ったことで追い込みの美学のスキルが発動し、彼が切りかかるよりも早く反撃に移ることができる。
弓を引き絞り、逃げ場を失った哀れな殉教者に狙いを定める。
空を駆ける翼でもない限り、この一撃から逃れることはできない。
「殺してやるぅ!」
放たれる渾身の一矢。
ここで誤算があったとすれば、それは彼女がスキルによって先手を取ったことだろう。
彼女が持つ
つまり、襲い掛かるゲオルギウスに対して先手を取ったことで、弓を引き絞る時間が余り取れず、その威力を十分に発揮できなかったのだ。
結果、本来ならば致命傷にも等しい一撃を受けてもゲオルギウスは倒れることなく、逆にアタランテは己の無防備な姿を晒すことになってしまった。
「せめて一撃で終わらせてあげましょう。
翻されたサーコートの紋章が輝き、神々しい光がアタランテに集束する。
その光自体は何ら彼女を害することはない。
ただし、その効果を受けたことである変化が彼女の肉体に起きていた。
本来ならば持ち合わせているはずがない、竜の因子の発芽である。
「汝は竜! 罪ありき!
振り下ろされた剛剣がアタランテの痩躯を袈裟切りにし、言葉にならない絶叫が竜の咆哮すらかき消さんとばかりに戦場に響き渡る。
「これこそがアスカロンの真実。我が宝具
文字通り、竜に対して絶大な威力を発揮するそれは、一時的に竜の属性を帯びたアタランテを一撃の下に葬り去った。
同時にゲオルギウスも彼女から受けた傷の影響でバランスを崩すが、持ち前の鋼の意志で痛みを払いのけ、未だ戦う仲間へと思いを馳せる。
戦いはまだ終わらず、ここで自分が倒れるわけにはいかない。
ゲオルギウスは傷ついた体に鞭を打ち、己に群がり始めたワイバーンの群れへと切りかかった。
□
それは避けられたはずの一撃だった。
人間とは過去の積み重ねによって今が作られ、未来へと至る。
どれほどまっすぐで正しい思いであったとしても、何れは辿り着く結末がどうしようもない悪であったとしても、
第三者の介入があったとしても変わらない。
既に決定している結末を捻じ曲げることなど、それこそ聖杯にでも願わなければ叶うはずもない。
けれども、それでも彼女は思ってしまった。
がむしゃらに槍を振るい、自分を否定しようとする幼い自分の姿を。
ボロボロで血を流しながらも、屈することなく前を向き続けるそのひたむきさを。
まだ少女を殺し、その血で我が身を洗う前の清らかな体を。
誰かを傷つけ、殺める快楽を知らない無垢な心を。
(このまま、何も知らなければ良かったのに)
エリザベート・バートリーは己の美貌を保つために少女を殺し続けた。
それは彼女自身が抱いた妄想、狂気による産物であったが、周囲の人間は誰も咎める者はいなかった。
父は咎めず、母はおらず、仕えていた従者や小間使い達も、愛した夫や我が子達ですらも、誰一人としてそれが悪であると教えてくれた者はいなかった。
ならばと願わずにはいられない。
何故、人は老いてしまうのか。
それすらも知らないままでいられれば、己の美貌が永遠に続くものだと錯誤していれば、あの無垢な少女のままでいられたかもしれないと。
もしくは―――。
「何よ、こんなの全然痛くないわ!」
「やせ我慢はおよしなさい。痛い時は痛いというものです」
あんな風に叱咤してくれる者がいれば、彼女のようにほんの少しは己を省みたかもしれない。
だから、きっと彼女は自分と違うのだろう。
何れは至る結末だとしても、今の彼女はまだそこには至っていないのだから。
そんな風に心が揺れれば、隙の一つもできるというもの。
いつの間にか炎で逃げ場は奪われ、目の前まで迫ったエリザベートが渾身の思いを込めて槍を振るう姿が目に映る。
腕を振るえば受け止められた。
身が焼かれるのを覚悟で跳べば避けられた。
それは避けられたはずの一撃だった。
しかし、ほんの僅かではあるが心に隙が生じたカーミラの手足は動くことがなく、自身の胸に吸い込まれていく漆黒の槍をまるで他人事のように見つめることしかできなかった。
「未来が過去を否定するのではなく、過去が未来を否定するなんて―――何て出鱈目な少女なのかしら」
よろよろと後退りながら、胸の傷に手を当てる。
青白い手の平が赤黒い鮮血を浴び、ほんの一瞬、かつての健康的な色艶を取り戻したかのような錯覚を覚える。
「本当、鬱陶しくて・・・眩しい・・・・・・ああ、まるで最後の・・・あのレンガの隙間に見えた・・・ひか―――」
その言葉を言い切る前に、カーミラの意識は途絶える。
最期の瞬間、幽閉されていた頃の光景を幻視し、そこで垣間見た僅かな光明を、かつての自分に重ね合わせながら。
血の伯爵夫人は静かに、魔力の塵となって消滅した。
□
百合の華が戦場に咲く。
可憐に、優雅に、気品すらも纏っているかのように、シュバリエ・デオンは襲い掛かるガラスの馬をいなす。
それはさながら舞踏のようであり、ここが命のやり取りをする場でなければ見惚れていたかもしれない。
それほどまでにデオンの立ち回りは美しく、故にマリーとアマデウスは一瞬の気の緩みも許されない戦いを強いられていた。
「どうした、この程度かい?」
何頭目かの馬がサーベルで切り裂かれる。
乙女の如き細腕でありながら恐ろしい剛腕だ。
それでいて柳のようにしなやかで、時に素早く、時に緩やかに、必殺の剣舞が百合の華を描いては刈り取っていく。
「どうやら王妃はお疲れのようだ。先日の傷がまだ癒えていないと見える」
「あら、さすがは伝説のスパイといったところかしら?」
「お褒めに預かり光栄だ。では、もう一つ当てて見せましょうか? あなたの宝具は革命を逃れる際に用いた八頭立てのベルリン馬車が由来だ。途中から数えるのを止めてしまったけど、六頭か七頭くらいは切ったはず。仮に八頭全てが健在であったとして、残る馬は後何頭かな? 一頭を蘇生させるのにどれほどの時間と魔力を要する――かな!」
前触れもなく踏み込まれ、マリーの鼻先をサーベルの切っ先が掠める。
咄嗟に馬車の荷台だけを呼び出してデオンの追撃をかわし、後方で演奏を続けていたアマデウスと合流する。
「くそ、頭の中がぐちゃぐちゃでどうにかなりそうだ。僕が音楽以外に魅了されるなんて」
「それだけ、デオンの剣舞が素晴らしい証拠よ。それでもまさか、幻惑の宝具を持っているなんて思わなかったわ」
デオンの宝具
その美しい剣舞を目にした者はデオンに魅了され、身体能力に一時的な制限がかけられる。
デオンと相対するということは、その魅了の剣舞と向き合わねばならないということであり、戦いが長引けば長引くほど魅了の効果が進んでこちらが不利になる。
こちらもアマデウスの宝具で重圧を与える事でなんとか均衡を保っていたが、宝具を抜きにしてもデオンは卓越した剣技でこちらを攻め立て、マリーの攻撃手段であるガラスの馬は次々と切り捨てられていった。
実際、もうこちらに打つ手はない。
ファヴニールとの戦いで
ガラスの馬だけは決戦に備えて回復させたのだが、それももう残っていない。
デオンはあんな風に言っていたが、実際は八頭全てが切り捨てられてしまっている。
残った魔力を集中すれば一頭だけなら回復することもできるだろうが、こちらの動きも完全に見切られているようで、呼び出した側から砕かれるのがオチだろう。
「マリア、君だけでも―――」
「いやよ、ジャンヌとアナスタシアがまだ戦っているのだもの。わたしだけ逃げるなんてできません」
「けど――」
ガラスの荷馬車が真っ二つに切り裂かれ、躍り出たデオンがサーベルを振るう。
万策尽きたマリーに迫る刃を避ける手段はなく、アマデウスの力でも彼女を守ることはできない。
何もできないまま殺されることを悔いたマリーは咄嗟に振り下ろされた刃から目を逸らし、胸中で友達にこれ以上の助力ができないことを謝罪した。
だが、この身を切り裂くはずのサーベルはいつまで経っても振り下ろされず、それどころか頭上で苦悶の声が聞こえてくる。
恐る恐る顔を上げる、そこには巨大な何かに持ち上げられたデオンの姿があった。
「これは―――」
「ギロチン・・・だと?」
明滅し、今にも消え入りそうな不確かな存在は、かつてマリーの命を奪った処刑道具であった。
それが襲いかかるデオンの体を拘束し、宙に持ち上げている。
無論、その頭上にはデオンの首を狩らんとする凶悪な刃が鈍く光っている。
「くっ、何故だ。何故、君が・・・」
「僕はまだ、消える訳にはいかない」
生気を失い、弱々しい声で、処刑人は呟いた。
シャルル=アンリ・サンソン。
消滅したはずの彼が、傷だらけの体を引きずるようにして戦場に現れたのだ。
その姿はあまりに痛々しく、霊核が砕かれているのもあっていつ消滅してもおかしくはない。
それでも彼は、まるで何かに取り付かれたかのように、その視線の先をマリーに向ける。
「
宣言と共に刑は執行される。
何とか脱出せんと暴れていたデオンは、その言葉を聞いて観念したのか、打って変わって粛々とした面持ちで己の死を受け入れる。
「ああ、敗北か」
刃が首に食い込む刹那、マリーは確かに聞いた。
忠節の騎士が、王権に刃を向けたことへの謝罪を。
彼女はそれを無言で受け取り、消えゆく騎士に王妃として恩赦を与えるのだった。
「マリア!」
アマデウスが叫ぶ。
振り返ると、瀕死のサンソンの体が倒れ込んできた。
受け止めた彼の体は大の男とは思えぬほど軽く、その命が風前の灯火であることを物語っている。
「まったく、これだから毎日人殺しを考えなくちゃいけない仕事はなくすべきなんだ」
躍り出たアマデウスが宝具を奏で、周囲のワイバーンを牽制する。
2人の別れに水が差さないよう、彼自身の持てる全ての技量で邪魔な竜を抑えつける。
「マリア、余り長くは保ちそうにない」
「いえ、十分ですアマデウス」
そっとサンソンの手を取る。
最早、その目は見えていないのか、彼の視線は虚ろで宙を踊るばかりだ。
ひょっとしたら、先ほども誰を処刑したのか彼は気づいていないのかもしれない。
彼の中の時間は、最後に別れたあの瞬間で止まっているかのように感じられた。
「マリー・・・マリー・・・僕は君に尋ねなくちゃいけない。僕は君に謝らなくちゃいけない」
「サンソン、わたしはここにいます」
「僕は君を処刑した。あれは生涯最高の一振りだった。けれど、それでも万に一つ、僕の心に慚愧があったとすれば、君は苦しんで逝ったかもしれない。だから、ずっと腕を磨いてきたんだ。そんな後悔は二度としないように。この二度目の生で、君と再び巡り会えたのなら、また君を処刑しなければいけなくなってしまったら、今度こそは・・・・・・今度こそは苦しむことなく、逝かせてあげようって・・・だから・・・」
ずっと後悔を引きずってきたのだろう。
家業への誇りと生真面目な性分から彼はその後悔を口にすることはなかった。
心は耐えられず、信仰に逃げるほどの苦しみを味わい、その慚愧を抱いたまま彼はこのオルレアンへと召喚された。
その後悔を狂化によって増幅され、彼を異常な殺人鬼へと変貌させたのだ。
「もういいです、サンソン。あなたは立派に務めを果たしました」
「ああ・・・君にそう言ってもらえたのなら・・・・・・」
限界を迎えたのか、肉体が塵となって消えていく。
苦痛に歪んでいた顔は、消える寸前に僅かに安らいだかのように表情を緩めていた。
「アマデウス、葬送の曲を」
「ああ、任せたまえ」
ムッシュ・ド・パリを送り出すレクイエムが奏でられる。
竜の咆哮が渦巻く戦場で、そこだけが厳かなる空気に包まれ、敵も味方も容易に立ち入ることができなかった。
□
各地で次々と配下のサーヴァントが倒されていき、竜の魔女に焦りの色が浮かび始める。
ファヴニールこそ失ったが、数とサーヴァントの質の優位はそれでも変わらない。
正面からぶつかり合えば、勝機があると思っていたのだろう。
彼女の誤算はフランス軍の抵抗が思いの外、粘り強くて勇猛なものであったことだ。
犠牲が出ようとも退くことなく、一匹でも多くの飛竜を屠らんとするその気概が、ワイバーンの群れを何とか抑え込み、
各々がサーヴァント戦に注力できたのが大きい。
結果、盤上の優位はすでに崩れ、竜の軍勢の敗色がどんどん濃くなっていく。
「くっ、こんなはずが――」
「終わりです、
一度はジャンヌを追い詰め、マリーをも瀕死に追い込んだ竜の魔女が地に膝を着いている。
手にした旗はねじ曲がり、鎧も砕かれて肌が露出している。
致命傷ではないが霊核にも傷が入っており、適切な治療を施さなければいずれは消えてしまうだろう。
しかし、彼女は屈することなく立ち上がろうとする。
この程度の痛みで、この程度の絶望では憎悪は消えないと、敵意を炎に変えてジャンヌを吹き飛ばす。
ならばとジャンヌは容赦なく旗を振るい、炎を払ってもう一人の自分の腕を潰す。
少女の悲鳴が草原に木霊した。
「もう一度言います、もう終わりです」
「ま、まだよ・・・」
何かに突き動かされるように、竜の魔女は這い上がる。
その痛々しい姿はとても竜の魔女と恐れられた少女とは思えない。
その姿にカドックはまたも違和感を覚える。
一見すると、祖国に裏切られた憎悪に突き動かされる哀れな少女。
その怒りに理解を示し、その生き方を憐れむことは決しておかしなことではないはず。
なのに、今の自分は彼女に何も感じない。
まるで心が空っぽになってしまったかのように、憎悪に塗れたはずの彼女の言葉が胸に響かない。
それはまるで―――。
「お戻りをジャンヌ!」
思い当たる寸前、地面から異形の華が咲く。
まるで蛸かイカのような吸盤を備えた触腕。
咄嗟に切り裂くと傷口が見る見るうちに塞がっていき、千切れた肉片も瞬く間に膨れ上がって新たな触腕へと形作られる。
それが次々と姿を現し、こちらと竜の魔女を分断する。
「ジル!」
「ジル?」
竜の魔女が救いを求めるように手を伸ばし、ジャンヌは変わり果てた同胞の姿に言葉を失う。
元々、病的だった肌は完全に生気を失い、やせ細った体はねじ曲がり、目は魚のように左右に飛び出している。
とても同じジル・ド・レェ元帥だと思えない変わりようだ。
「まずはこの監獄城へ帰還を。態勢を立て直すところから始めましょう」
異形の触腕を足止めに使い、竜の魔女を連れてジル・ド・レェが去っていく。
向かう先はオルレアン。
そこで傷を癒し、再び竜の軍勢をまとめ上げて反撃に出るつもりのようだ。
「待ちなさい!」
「ジャンヌ、下がるんだ。キャスター!」
瞬間、無数の触腕が凍り付いて砕け散る。
切り捨てても再生されるだけなら、焼くか凍らすかして無力化するしかない。
意図を察したジャンヌとマシュは凍り付いた触腕をそれぞれの武器で砕き、竜の魔女を追わんと駆ける。
しかし、ワイバーンにでも乗ったのか逃げる2人の姿は最早なく、主を守らんとするワイバーンの群れだけが残されていた。
「竜の魔女を追います!」
「マスター、わたし達も向かいましょう」
「急ぎなさい、マスター。グズグズはしていられません」
サーヴァントが先行して道を切り開き、その後ろをマスター2人が追う。
その時、背後から未だ戦いを続けている他のサーヴァント達から声をかけられる。
「ここは俺達に任せてくれ!」
「清姫とエリザベートを連れて行くんだ!」
「ジャンヌ、彼女に伝えるべき言葉を忘れないで!」
「ご武運を!」
フランスでの戦いに決着をつける為、カドック達はオルレアンを目指す。
竜の魔女さえ倒せば、際限なく湧き続ける飛竜も、未だ健在のヴラド三世も消滅する。
終わりは刻一刻と近づきつつあった。
Q アタランテはどうして宝具を使わなかったのでしょうか?
A 使う前に近づかれて使えなかったということにしてください。