Fate/Grand Order IF 星詠みの皇女   作:ていえむ

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絶対魔獣戦線バビロニア 第10節

ケツァル・コアトル攻略作戦二日目。

ギルガメッシュ王からの許しを得て、急ぎウルクを出立したカドック達はジャガーマンの案内で密林を踏破し、ケツァル・コアトルが拠点としているエリドゥ市へと到着した。

 

『身の程を知るがいい、雑種! 貴様程度が神に敵うと思うているなら驕り高ぶるも甚だしい! だが、貴様は面白みはないが有言実行の男だ。その貴様がやると言うのなら大番狂わせを引き当てるやもしれん。骨は拾ってやる故、存分に辣腕を振るうがいい!』

 

出立前のギルガメッシュ王の言葉がカドックの脳裏を過ぎる。

貶されているのか褒められているのかはわからないが、少なくとも期待はされているようだ。

でなければ、立香達が欠けた状態での女神討伐の許可など出さなかったであろう。

その期待に応えるためにも、打倒ケツァル・コアトルは何としてでも成功させなければならない。

またギルガメッシュ王曰く、エリドゥ市にはかつてティアマト神を引き裂いた神殺しの武具、マルドゥークの斧も保管されているらしい。

神を殺したという逸話はティアマト神の権能を獲得したゴルゴーンに対して強い特攻を発揮する。

ゴルゴーンの襲撃が確定してしまった以上、その武具の回収も急務と言えた。

 

「改めて言いますが、ケツァル・コアトルには善なる者からは害されないという権能を有しています。その関係で私では彼女を傷つけることはできません」

 

ウルクでの邂逅は僅かではあったが、四郎は敵わないながらも真名看破スキルによってケツァル・コアトルの権能の正体を見破っていた。

彼によると、主神にして善神であるケツァル・コアトルは善なる者の頂点。逆説的に他の善なる者達では彼女を傷つけることができないという権能を獲得しているらしい。

善なる者という括りがどれほどのものなのかはわからないが、少なくとも四郎ではケツァル・コアトルに掠り傷一つすら負わせることはできない。

一方でアナスタシアは攻撃そのものは有効であったが、対魔力の関係でダメージを与えるには至らなかった。

 

「私の冷気も通じないとなると、頼みの綱は彼女しかいない訳ですが……」

 

全員の注目が先頭を行くジャガーマンに注がれる。

ケツァル・コアトルがウルクを襲撃した事、彼女を打倒するためにエリドゥ市へ向かう事を説明したところ、ジャガーマンは自分も行くと言い出して聞かなかった。

地脈から魔力を吸い上げた事でとりあえず戦える程度には回復しているが、それでも本調子とは言えないはずだ。

加えてケツァル・コアトルはジャガーマンの本体であるテスカトリポカとは敵対関係であり、彼女としても苦手意識を持つ相手である。

召喚当初は宛てがなかったのでとりあえず、彼女の配下として働いていたらしいが、本当はすぐにでも逃げ出したかった、カルデアと出会えて本当に助かったと彼女は言っていた。

それなのに彼女は今回の作戦に参加することを希望した。魔力の回復のために密林に戻ることすら拒んでいたというのにだ。

 

「本当に良いのか、ジャガーマン?」

 

「カドックんは心配性だニャ。いざって時はみんなを盾にしてサッサと隠れるから、気にしなくていいよぉ。それに私がいなきゃ密林で迷子になっちゃうでしょ」

 

茂みを掻き分けながら、ジャガーマンは飄々と嘯いて見せる。

 

「うん、それよりもククルんは相変わらずで安心した。毎日百人ずつ殺すなんて言っても、きっちりお持ち帰りして養っている訳だし」

 

「ああ、生贄の話もそうだが、妙なポリシーを持った奴だ」

 

途中で寄ったウル市でのことだ。

ジャガーマンがどうしても見せておきたいと言って立ち寄ったそこでカドック達が見たものは、ケツァル・コアトルによって殺されたはずのウルクの兵士達が密林脱出の為に悪戦苦闘している姿であった。

曰く、即死級の一撃を与えた瞬間に蘇生をかけて仮死状態に留め、連れ去ってから覚醒させたらしい。

戦いの神として相手が死を覚悟しているのならそれに応えるが、覚悟なき者は例え敵でも命は助ける。

それがケツァル・コアトルの譲れない不文律なのだそうだ。

ただ、今回の場合はウルクを滅ぼした後の女神同士の戦いに備えて自軍の兵力として鍛えるという理由もあるらしく、攫われた兵士達はウル市に閉じ込められてウルクには戻れないらしい。

何れにしてもケツァル・コアトルは余計な殺生を是としない、非情に理性的な神格のようだ。

ならば、話し合うことは可能ではないかとカドックは考えたが、それは甘いとジャガーマンは切り捨てる。

ケツァル・コアトルは戦いに楽しみを見出す陽気なモンスター。

開戦前の舌戦ならばともかく、言葉で説き伏せられる事は決してない。それは彼女から楽しみを奪う行為であり、後に残るのは冷酷な戦いの神としてのケツァル・コアトルだけだ。

彼女を止められるとしたら、思いを通せるとしたら、それは魂の真っ向勝負の中にしかないとジャガーマンは言うのだ。

その辺りは頭では理解できるのだが、実際に何をすれば良いのかはカドックにはわからなかった。

魂の真っ向勝負と言われても、いまいちピンとこないのだ。

 

「そろそろエリドゥですか? 漠然とではありますが、大きな気配を感じますね」

 

『こちらの解析でも出たよ。街の中に神殿のようなものがある。その前に陣取っている反応がケツァル・コアトルだ』

 

四郎の言葉をカルデアのロマニが補足する。

一同の間に戦慄が走った。

本来はケツァル・コアトルがウルクを襲撃している隙にエリドゥ市に到着する予定であったからだ。

四郎が言っていたケツァル・コアトルの権能。いくら神霊といえど、本来ならば神話体系が違うメソポタミアの地でそれが問題なく発揮されていることはおかしい。

魔術師が魔術基盤の合わない土地では本来の実力を十二分に発揮できないように、サーヴァントもまた土地によってその能力を大きく左右される。

ましてやケツァル・コアトルは強大な力を有した神霊。その権能には何かしらの条件付けがされているはず。

カドック達はケツァル・コアトルがエリドゥ市に自身の神殿を建造し、祭壇を構築したことでその権能が働いていると読んでいた。

ケツァル・コアトルが留守の隙を突いて祭壇を破壊し、権能を無力化できれば後は強いだけのサーヴァントが残るだけ。

立香達がいなくとも十分に勝機があると踏んでの作戦だったのだが、こうなってしまうと当初のプランを考え直さなければならなくなる。

 

「アナスタシア、魔力の方は?」

 

「アナタに大分、分けて貰えたから一度くらいなら全力で戦えます」

 

「ふむ、そうなると電撃作戦も十分に考慮できますね。いえ、戦車とかありませんが」

 

「もしくは明日、ククルんがウルクを襲撃するまで待つというのもアリね。そっちの方が確実ではあるけれど」

 

仮に明日まで待てばより万全な状態で戦いに臨めるが、ウルクへの被害を見過ごすことになる。

ゴルゴーンとの決戦まで残り一週間。余裕など一切ないというこの状況で、死者が出ないとはいえ襲撃による物的損害や人的資源の損失はウルクにとって大きな痛手だ。

神殿までの距離を考えれば、自分をサーヴァントに担いでもらえれば十分とかからずに到着できるだろう。

三騎でケツァル・コアトルを足止めしている隙に自分が神殿に走り、祭壇を破壊する。危険はあるが今日中に決行するとなるとこれ以上の作戦はない。

 

「これ以上、ウルクに被害は出せない」

 

「ほう、カドックんでもそういう考え方するんだ」

 

「合理的に考えたまでだ。彼らにとって本番は一週間後。それに、藤丸なら損得抜きで同じ結論を出す筈だ」

 

「うんうん、素直じゃないね青いの。なら、お姉さんとしては奥の手を使わざるを得ない」

 

よくわからない納得の仕方をするジャガーマン。

何だか変にやる気を出しているのがらしくない。

いつもならふざけたテンションで喚いていることが多いのに、今の彼女はまるで歴戦の勇士だ。

ぎらついた双眸の奥に熱い闘志を感じさせる。

 

『では、改めて方針をまとめよう。ここから一直線にエリドゥの神殿を目指し、サーヴァント達でケツァル・コアトルを足止め。その隙にカドックくんが神殿に走って祭壇に該当するシンボルを破壊する』

 

「ドクター、今更だが藤丸の方は良いのか? 別れて行動する時、だいたいは向こうについているだろ?」

 

『存在証明はレオナルドが手伝ってくれているからね。それに今回、危険度はキミ達の方が遥かに上だ。ケツァル・コアトルを足止めできるのはよくて二分ないし三分。バックアップは少しでも精度を上げておきたい』

 

「そうか……助かるよ」

 

一度、心を落ち着けるために深呼吸をする。

それ自体が熱を持っているかのような湿った空気が肺を満たし、強張っていた体から力が抜けていく。

覚悟は決まった。後は、命令を下すだけだ。

 

「みんな、いくぞ」

 

ふわりと、体が宙に浮く。アナスタシアに体を抱えられたのだ。

動き出した視界は忽ちの内に塗り替えられていき、鬱蒼と茂る密林から石造りの街並みへと背後に流れていった。

突然の来訪者にエリドゥの人々が何事かと騒ぎ出すが、風のように駆け抜ける一団を視認することはできない。

唯一の例外は街を警備している翼竜達だ。太古に生息していたケツァルコアトルス。ケツァル・コアトルの配下である彼らは、侵入者を排除せんと街のあちこちから群がってくる。

 

『前方に巨大な建物、あれが神殿だ! いや……しかし、あの形はウルクの神殿ではなく――』

 

「アステカの階段ピラミッドか! ケツァル・コアトルの奴、エリドゥのジグラットを祭壇化する際に再構築したな!」

 

好都合だ。普通の神殿ならば祭壇は最奥に設けられるが、あの構造ならば間違いなく頂上に設けられているはず。突入後に迷う事はないだろう。

寧ろ、壁のようにそそり立った階段を昇る方が困難だ。自分も含めて空を飛べるものはここにはいない。

 

『――エリドゥ各地からの適性反応、もうすぐ接触だ! 密林からも来るぞ!』

 

「2人とも、カドックを守ってください! 先陣は私が!」

 

「んにゃー! ブッ込みいくぜオラー!」

 

立ち塞がる翼竜と獣人達をいちいち相手にしている暇はない。

一足飛びに前へと出た四郎は束にした黒鍵を投げ放ち、もっとも厄介な翼竜を迎撃する。

続くジャガーマンが咆哮を上げて獣人の足並みを乱し、その隙を突いて四郎は包囲を離脱。すれ違いざまに最小限の動きで獣人を制圧して後続への道を開く。

数は多いが翼竜と獣人達はまるで連携が取れていない。そんな烏合の衆に彼らを止めることは不可能であった。

 

「ハーイ! ようこそ私の太陽神殿へ!」

 

階段ピラミッドの麓に辿り着くと、待ち構えていたケツァル・コアトルが陽気に手を振っていた。

こちらが襲撃をかけてくることなどお見通しだと言わんばかりの落ち着きようだ。

その後ろ――正確には神殿の後ろには、神殿とほぼ同じ大きさの巨大な斧が地面に突き刺さっていた。

恐らくはあれがマルドゥークの斧。話に聞いていた以上に大きく、難敵を前にしながらも思わずそちらに目がいってしまった。

 

「脇目も振らずに一直線、とっても素敵デース! もちろん今日の事だけじゃありまセーン! 私の襲撃からここまで、シークタイムなしの超特急! 予想通りでウキウキしてきました!」

 

「そうか、お褒めに預かり光栄だ」

 

「心にもない事は言うもんじゃありまセーン! そういうところは矯正が必要ね、カルデアのマスター。でも、嬉しいのは本当よ。エリドゥの外で時間潰しするなんて腑抜けた真似をしていたら、主義に反して皆殺しにしていたからネ?」

 

一瞬、ケツァル・コアトルの顔から笑顔が消えて悪魔染みた風貌が露になる。

凄まじい圧力だ。心の弱い者なら覇気だけで昏倒していただろう。それは自分とて例外ではない。

だが、気持ちが折れる寸前に、右手を冷気が包み込んでくれたことで踏み止まることができた。

その冷たい感覚を確かめるようにパートナーの手を握り返し、カドックはケツァル・コアトルの視線を受け止める。

ビビるな、逃げるな、臆するな。

アイツのように不敵に笑え。あの反逆の徒のように、この女神の圧制に笑って抗え。

 

「あら、そっちにいてはいけないお馬鹿さんの顔が見えたから、ちょっと野性に帰ってしまったけれど、意外と強い心を持っているのネ」

 

ケツァル・コアトルの視線の先にいたジャガーマンがビクッと背筋を強張らせる。

 

「まあいいわ。戦いになればみんな、平等に投げ飛ばしてあげる。あなた達は私を倒しに来たのでしょう? その勇気と行動力に敬意を表し、如何なる闘争や挑戦からも逃げません。あなた達の足掻きは実に私を楽しませてくれマース! 本当、人間は隅々まで弄り甲斐のある生き物デース!」

 

「人を弄ぶのが……楽しいですって?」

 

ケツァル・コアトルの言葉に、意外にも反応を示したのはアナスタシアだった。

僅かに空気が凍り付いたかのような錯覚を覚えた。

覗き込んだ顔からは凍り付いたかのように表情が消えており、その目は暗く淀んでいた。

今、ケツァル・コアトルは無意識にではあるが、彼女の触れてはならない部分を踏み抜いてしまったのだ。

 

「あなた、人間を弄ぶのがそんなに楽しいのですか?」

 

「イエース! 殺してよし、生かしてよし、脅してよし、庇護してよし。それは実に楽しい事。私は人間(アナタ)達を愛し、人間(アナタ)達と共存したい。あなた達こそ私の生き甲斐!」

 

「その生き甲斐を、あなたは滅ぼそうとしているのね」

 

「生き甲斐というのは趣味ではないの。そうしないと生きてはいけない方向性を指すのよ。私は人間を弄らないと生存できない神性なの。そして、人間という種を存続させるために一部を伸ばし、一部を削ることで環境に適応させる。このサイクルこそが私の生命活動にして命の意義なのです」

 

故に、自分は三女神同盟に参加したとケツァル・コアトルは言う。

彼女は人間という種でもっと長く遊ぶために、ヒトが滅ぶことを是としない。

自分がここにいる限り、人間種は滅びの危機だけは味わう事がないと。

だが、それはケツァル・コアトルという気紛れな管理者に囲われた生存だ。

そこに安全も安心もなく、ただ自由なだけの世界であった。

生きる事も死ぬ事も人間の自由にして自己責任。生き残りたくば心身を鍛え、自然の脅威に抗うしかない。

その様をケツァル・コアトルは、指先で蟻を潰す子どものように楽しむのだ。

 

「そう……ええ、やはり太陽の神にロクなものはいないのね」

 

「あら? 何か気に障ったかしら?」

 

「あなたの心は野蛮な獣だと言ったのです」

 

言うなり、氷塊がケツァル・コアトルの頭上に出現する。

アナスタシアの脳裏に浮かんだのは、自分達家族を閉じ込め、弄んだ末に命を奪った兵士達の姿だった。

人間を管理し、弄び、最後にはその命を奪う気紛れな神の在り方が、彼女の最大のトラウマを刺激したのだ。

だが、悲しいかなアナスタシアの魔術ではどうやっても女神の対魔力を突破することはできない。

撃ち出された氷塊は拳一つで呆気なく破壊され、飛び散った破片に紛れて疾駆したケツァル・コアトルの強烈なショルダー・チャージによって逆に土の味を味わう羽目になった。

 

「アナスタシア!?」

 

「っぅ……」

 

「憎しみで戦うのはよくありまセーン! あなたが私に何を見出すのは自由ですが、それでは戦いを楽しめないでしょう? 大切なのは喜びと楽しみ! 憎しみを持たなければ相手を殺すまではいかないわ! それがルチャリブレの醍醐味、美点だわ! あなたもそれを忘れないで、カルデアのマスター! そうすれば、もっと私達は分かり合えるはずデース!」

 

笑顔を恐ろしいと感じたのはローマでのスパルタクス以来の経験だった。

ケツァル・コアトルの思考は破綻している。人の成長を是としながらそれを摘み取ることを楽しんでいる。

憎しみがなければ殺さずに済む。それは言い換えれば、殺しさえしなければ如何なる残虐な行為も楽しめると言っているのに等しい。

その事に彼女は気づいていないのか、目を逸らしているのか。

何れにしろ、その言葉をカドックは受け入れることができなかった。

自分は彼女のように思えない。

戦いを楽しむことなど、決してできない。

 

『――――楽しみを持つ者に――――を示しては――――』

 

そう、確か誰かがそんなことを言っていた。

あれはいつのことだったか。

あれは誰だったか。

それはもう思い出せないけれど、その言葉はちゃんと胸に刻まれている。

 

「あんたとは、分かり合えない」

 

戦いで分かり合うという考え自体に正否もないだろう。

実際、北米では自分と立香は決闘を通じて和解することができた。

だが、ケツァル・コアトルは戦いそのものにしか興味を抱かない。

それは相互理解を求めるためでなく、ただ肌と肌のぶつかり合いを楽しみたいという欲求から生まれたものでしかないのだ。

それで分かり合うことができるのは互いの強さだけだ。

本当に大切なことは、戦いを乗り越えた先にあるはず。

思い浮かぶのはグランドオーダーを通じて出会った英雄達。

スパルタクスは自由を、メフィストフェレスは裏切りを、エジソンはアメリカの太平を、呪腕のハサンは山の民の安寧を。

誰もが戦いに異なる動機を掲げ、それを手に入れる為に奔走した。戦いとは試練であり手段でしかない。

本当に大切なものは、いつだってその先にあるものなのだから。

 

「だから、僕はあんたとは分かり合えない」

 

「そう……素敵な答えね。捻り潰してあげたくなっちゃうぐらい、素敵。なら、乗り越えてみなさい! この試練を! 私は楽しみましょう、喜びましょう! あなた達が足掻く様を!」

 

不意にケツァル・コアトルの姿が消える。

何の助走もつけずに宙を舞ったのだ。

低空から繰り出されたのはバック宙からのボディプレス。まるで流れ星の如きその勢いは、食らえば生身の人間など粉微塵に吹き飛んでしまうであろう。

咄嗟に四郎が割って入るが、黒鍵も魔術も権能によって悉くが弾かれてしまい、無残にも身代わりとなって押し潰された四郎の指先から力が抜ける。

霊核を砕かれた訳ではないが、強烈な一撃を受けて四肢を麻痺してしまったようだ。

 

「うーん、これで2人」

 

にこやかに笑うケツァル・コアトルに戦慄を覚えながら、カドックはアナスタシアのもとへと下がる。

先ほどの体当たりで吹き飛ばされた彼女は、痛む体を押して何とか起き上がると、華麗に宙を舞う女神を睨みつけていた。

一拍毎に繰り出される氷柱や氷塊。散弾銃の如き霰や冷気の渦。

それらをケツァル・コアトルは涼しい顔をして受け止める。避けるまでもないということだろう。

 

『ダメだ、やっぱりこの2人じゃ攻撃が通らない! ジャガーマンは何をしているんだ!』

 

確かに、いつの間にか彼女の姿がない。

3人の中で唯一、ケツァル・コアトルに有効打を与えることができるのがジャガーマンなのだ。

このままでは神殿に乗り込むどころか何もできずに全滅だ。

いざとなったら逃げると言っていたが、まさか本当に逃げたのだろうか?

 

「いた、あそこに!」

 

「あいつ、神殿に向かっているのか!?」

 

ケツァル・コアトルの注意がこちらに向いている隙を突いたのだろう。

神殿を目指して走るジャガーマンの後ろ姿がそこにはあった。

女神には敵わぬと踏んで、足の速い自身で祭壇の破壊を狙ったのだろうか。

だが、如何に彼女の足が早かろうと、アナスタシアの魔術では足止めすら敵わない。

空を飛ぶかのように距離を詰めたケツァル・コアトルのラリアットがジャガーマンの鼻先を掠め、彼女の逃走を妨害する。

 

「どこへ行こうというのジャガー? まさか、太陽石が狙いかしら?」

 

「うーん、モチのロン。やっぱり一筋縄ではいかないニャ」

 

「抜け目のないあなたは一番に警戒しないとね」

 

「おう、人気者は辛いニャ! という訳で、ポチっと!」

 

不敵に笑って見せたジャガーマンがこん棒で地面を叩くと、変化が訪れた。

小さな揺れと共にせり上がってくる何かが2人を囲み、そのまま地面が一段高い位置へと押し上げられる。

それは正方形のジャングル。四方を杭に囲まれ、ロープで結ばれた決闘場。

強者達が鎬を削り、血沸き肉踊る合戦の舞台となる狭き戦場。

そう、レスリングのリングだ。

 

「これは、生贄選抜用の闘技場(リング)!? ジャガー、あなた何を!?」

 

「もちろん、試合に決まってらぁっ! ククルん、ジャガーはここに挑戦状を叩きつける!」

 

いったい何を言い出したのかと、カドックは一瞬、戸惑った。

まさかとは思うが、ケツァル・コアトルを相手にレスリングの試合を申し込むと言うのだろうか?

だとしたら、二重の意味で正気を疑う行為だ。

このウルクの進退がかかった状況でレスリングを申し込むという狂気と、神の権能を有しているケツァル・コアトルに単独で挑もうという狂気。

確かにアナスタシアも四郎も彼女には歯が立たないが、2人には因果律を操作するシュヴィブジックと未来視がある。

ダメージを与えることはできずとも、一緒に戦えばフォローできることがあるはずだ。

だが、ジャガーマンはこちらの言葉に首を振って否定した。

 

「カドックん、ククルんは正真正銘の神性。マシュやマーリンがいても絶対に勝てない存在。神というものはそういうものなの。けれど、このリングの上だけは例外。ククルんがどれほどに強い力、権能を有していようと、この上に立つのなら一人のルチャドーラとして振る舞わなければならない」

 

「……ええ、その通りよ。リングの外ならばルチャを棄てて戦うこともできますが、ここでは私は自身()に課した生き方(楽しみ)を裏切れない。けれど、それはこの私の攻撃をあなた1人が受け止めるということなのよ、ジャガー!」

 

神としての力を際限なく振るえる平地での戦いでは、どれほどの力を束ねたところで届かない。

これは力の差がどうこうという話ではなく、神と人との間にある理の問題だ。

だが、リングの上でならその理を彼女は封じなければならない。

ルチャリブレ、引いては格闘技とは対等の立場で雌雄を決するもの。例えほんの僅かしかなくとも勝機は存在するのだ。

故に、一介のルチャドーラとなったケツァル・コアトルは、決して相手が勝つことができない戦いを行えない。

 

「それは手加減をするということではないの。加減することと全力を出せないという事はイコールではない。何より私は戦いの神、死ぬ事となっても知らないわよ、ジャガー」

 

「ふふん、こちとら戦いと死を司るジャガーの戦士。そういうのは慣れっこなのよ、ククルん」

 

静かな闘志がリングの上で火花を散らす。

ジャガーマンは本気だ。本気で、たった1人でケツァル・コアトルを足止めするためにこの試合を申し込んだのだ。

ケツァル・コアトルに拒否権はない。先ほど、彼女は如何なる闘争や挑戦からも逃げないといったばかりだ。

神である以上、その決定を覆すことはできない。覆せば自らの神性を著しく損なう結果となるからだ。

だから、この戦いは最早、不可避である。

時間無制限の一本勝負。

密林の獣と南米の女神。

その戦いが、今火蓋を切ったのだ。

 

「アナタ! 急いで神殿に!」

 

「あ、ああ!」

 

アナスタシアに促され、リング上で睨み合う両者を見やりながらカドックは走る。

四郎はまだ気絶しており、アナスタシアもダメージが大きくて動けない。それにいざという時には乱入してでもジャガーマンを守ってもらわなければならない。

ここは1人でいくしかない。

魔術回路を活性化させ、両足の筋力を強化して階段ピラミッドを昇る。

ジャガーマンが持ち堪えている間に、何としてでもケツァル・コアトルの力の源である祭壇を破壊しなければ。

でなければ、ジャガーマンが死んでしまう。

 

 

 

 

 

 

リングの真ん中で、ジャガーマンとケツァル・コアトルは真正面から組み合った。

まずは定番の力比べ。両手を手四つで絡ませ合い、お互いの力量を計る。

ジャガーマンは全身全霊を賭けてケツァル・コアトルの腕を押さんとするが、組み合ったケツァル・コアトルは涼しい顔のまま微動だにしない。

根本的に筋力に差があり過ぎるのだ。ケツァル・コアトルのステータスは全てにおいてジャガーマンを上回っており、鍛え抜いたルチャの冴えもあって付け入る隙もない。

 

「どうしたの、その程度なの、ジャガー!」

 

「ふんぬ、なんのぉっ! ジャガーキック!」

 

腕を広げ、態勢が崩れた隙を突いてジャガーマンは掟破りともいえる膝蹴りをお見舞いする。

そうして怯んだ隙を突いて両手を放し、強烈な張り手を連打。

一発、二発。

更に体の捻りを咥えた逆水平チョップも叩きつけ、ケツァル・コアトルの鍛え抜かれた半身を果敢に責め立てる。

低位とはいえ神霊の一撃。本来ならば巨岩に穴を空けることも容易いはずだ。

だが、ケツァル・コアトルは表情こそ険しいものの、堪えることなくその場に留まっている。

殴打の音が響く度に揺らぐのは彼女の豊満な二つの膨らみだけで、ジャガーの連打は女神を堕とすことができない。

 

「その程度で私の前に立つなんて、まだまだデース!」

 

お返しとばかりに逆水平を返し、もんどりを打ったジャガーマンをキックで突き飛ばす。

そのままバランスを崩して倒れ込んだジャガーマンが見たものは、華麗に宙を舞うケツァル・コアトルの姿であった。

 

『まずい、避けろジャガーマン!』

 

堪らずロマニは叫ぶが、無情にもケツァル・コアトルの巨体はジャガーマンの体を容赦なく押し潰す。

四郎も一撃で昏倒したボディプレスだ。

 

「ま、まだまだぁっ!」

 

しかし、ジャガーマンは無事だった。

痛みを根性で耐え、ジャガーマンはケツァルコアトルの体を抱えて立ち上がる。

そのまま投げ飛ばすつもりのようだ。

 

「無駄よ、私を投げるということは、飛ぶことを許すというのと同義! あなたのルチャでは私には勝てまセーン!」

 

投げっ放しジャーマンで放り投げられたケツァル・コアトルは、器用にマットの上をバク転し、宙返りで跳んでコーナーポストに立つ。

視線の先に捉えているのはマットに倒れているジャガーマンだ。

攻撃を察知し、何とか起き上がろうとしているが、それを許す女神ではない。

踏み切りと共に繰り出されたのは斧のように鈍く輝く肘鉄だ。

肘は人体の中でも膝に次いで硬度がある部位。コーナーポストの高さから繰り出されるエルボードロップは、正に殺人的な威力を誇る。

これにはジャガーマンも情けない声を上げて悶えるしかなかった。

 

『待て待て、何だあの動きは!? ケツァル・コアトル、あのまま追撃する気か!?』

 

通常のレスリングにおいて、ロープを用いた飛翔は一時的なものに過ぎない。

人は鳥ではないのだ。跳んでしまえば後は落ちるだけであり、再び羽ばたくことはできない。

だが、このケツァル・コアトルは違った。

ジャガーマンを強襲したエルボードロップ。その反動を利用して再びロープへと着地すると、再度、宙へと待ったのである。

今度は全体重を賭けたヒップドロップ。俗に言うセントーンと呼ばれる攻撃だ。

人体において最も広い面積を誇る胴体、或いは臀部によって倒れた相手を奇襲する技で、食らえば鉄球を受け止めたかのような衝撃が全身をくまなく襲う。

そして、再び反動でロープへと戻ったケツァル・コアトルは、今度は両膝を折り曲げての絨毯爆撃を敢行した。

フライングニードロップだ。

 

『ゲェッ! まだ跳ぶのか!』

 

「地力が違い過ぎる。あんなものを立て続けに受ければ、いくらジャガーマンでも……」

 

獲物を狩る鷹の如き勢いで迫る女神の膝。あれを食らえばジャガーマンは再起不能となるだろう。

立て続けに攻撃を受けたジャガーマンは最早、指先一つ満足に動かすことができないのだろうか。

否、そうではない。

敵わずともジャガーの戦士は諦めない。

最後の瞬間まで、死を厭わずに戦うのがナワルとしての生き様だ。

ジャガーマンは、ただ成すがままにされていたのではない。

 

「この瞬間を、待っていたんだぁっ!」

 

起死回生の一手を、狙っていたのである。

 

『ジャガーマン! ケツァル・コアトルの膝を受け止めた! 何てパワーだ!』

 

「これがジャガーの底力ニャぁっ!!」

 

膝を両手で受け止められ、勢いを殺されたケツァル・コアトルの顔が初めて驚愕に染まる。

この機を逃すまいと、ジャガーマンはフリーになっている両足でケツァル・コアトルの背中を思いっきり蹴り飛ばし、その体をロープに叩きつける。

再び、宙を舞われれば勝ち目はない。

起き上がったジャガーマンは拳を握り締めると、ロープにもたれかかったケツァル・コアトルの顔面に強烈なブローをお見舞いした。

 

『おぉっ! ジャガーがいった! ジャガーがいった!』

 

まるでサンドバックを殴り飛ばすバンタム級のチャンピオンのように、ジャガーマンは一気呵成に攻め立てる。

このリング上でもケツァル・コアトルの権能は健在ではあるが、善ではないジャガーマンならば威力は殺がれるとはいえダメージは蓄積される。

十発殴っても利かぬのなら、千発の拳をお見舞いする。倒れるまで油断することなく殴り続ける。

それこそが密林より賜ったインストラクションだ。

 

「このヤロー! 主神だからって偉ぶるのもここまでじゃー!」

 

更にどこからか取り出したパイプ椅子による殴打でケツァル・コアトルの顔面を血に染める。

レスリングのルール上、拳による殴打からの一連の流れは思いっきり反則に抵触するのだが、このメソポタミアの地でそれを指摘できるレフェリーはどこにもいなかった。

唯一、それを指摘できる立場にあるケツァル・コアトルは敢えてジャガーマンの為すがままとなり、自身を戒めている。

得意の空中殺法を躱され、ロープ際に追い詰められた上で無様な姿を晒している。

付け入る隙を見せたのは自分が未熟である上で、これは当然の報いであるからだ。

また、自分より遥かに格下であるジャガーマンが形振りを構わずに向かってきていることへの興味と楽しみもあった。

か弱いベビーフェイスが果敢に悪役に挑むというのもまたレスリングの醍醐味。

ジャガーマンの行為は些か善玉とは言い切れないものではあるが、この試合はケツァル・コアトルにとって楽しむには十分なものであることが確信できた。

 

「いい気になるのも、そこまでよ!」

 

パイプ椅子が振り上げられた瞬間を見計らい、ケツァル・コアトルは低空のソバットでジャガーマンを蹴り飛ばす。

パイプ椅子はそのままマットを滑ってリング外へと落ち、丸腰となったジャガーマンは痛みを堪えながら片膝を着いていた。

再び、空中殺法の餌食となるのかと周囲は息を呑んだが、ケツァル・コアトルは飛翔することなくジャガーマンへと近づき、その股座に大きな腕を突っ込んで頭上高くへと持ち上げる。

逃れようとジタバタと足掻く様はまるで見世物のようで、滑稽ですらあった。だが、無理もない。レスリングにおいて持ち上げられればどうなるかは子どもでもわかっている。

即ち、落とされるのだ。

身長180センチの高さから、勢いをつけて背中を叩きつけられるボディスラム。

五体を隈なく痛めつけられるその技は、地味さに反して強烈だ。

そして、悲鳴を上げるジャガーマンの顔を容赦なくストンピングで踏み潰す。

乾いた煉瓦を踏み砕かんとするかのように、入念に、力を込めて、頭蓋を叩き、頬を嬲り、耳を掠る。

吹き出した鼻血は白いマットを赤く染めていった。

 

『ダメだァ、どんなに攻めてもまるで応えない! パワーの差が違い過ぎる!』

 

「ええ、具体的な算出方法は伏せますが、ケツァル・コアトルのルチャは1000万ツァーリパワーに相当します。対してジャガーマンのルチャは100万ツァーリパワー。これでは勝ち目はありません」

 

『じゅ、十倍……いや、その謎単位はいったい何なんだい!?』

 

「具体的な説明は省きます。ちなみにあなたは50万ツァーリパワー。ミキサーくらいなら壊せます」

 

『基準がよくわからないね、そのパワー!?』

 

実際、それほどの力量差があるのは事実だ。

試合前にケツァル・コアトルが言っていたように、手加減をするのと全力を出さない事は同じではない。

神霊サーヴァントであるケツァル・コアトルに所詮はテスカトリポカのナワルでしかないジャガーマンがここまで善戦できたこと自体が奇跡と言っても良いだろう。

カドックはまだ神殿の頂上に辿り着けていない。このまま嬲られ続ければ、ケツァル・コアトルの力を奪う前にジャガーマンがやられてしまう。

彼女の無事を願うのなら、ここでタオルを投げるのも選択肢の一つだ。

 

「ジャガーマン!」

 

「ま、待つニャ!」

 

ロープ際に駆け寄ったアナスタシアに対して、ジャガーマンはケツァルコアトルの足を両手で何とか受け止めながら制止する。

ボロボロになりながらも、その瞳にはまだ闘志が宿っていた。

大人をからかっちゃいけない。

自分は追い詰められた訳ではなく、勝負はまだこれからなのだからと。

 

「ラスト五秒でも逆転するのが、ジャガーマンだぁっ!」

 

ストンピングを空振りさせ、その隙に転がって起き上がるジャガーマン。

彼女の狙いはロープだ。反動を利用した強烈な体当たりで、一気にダウンを奪って寝技に持ち込もうとしているのだ。

 

「ノー! 地を這うジャガーに私は捉えられまセーン!」

 

嘯くケツァル・コアトルの言葉は真実だ。

一発目は身を捩って躱され、二発目は宙を舞って股座を潜らされる。

如何にジャガーマンが素早くとも、熟練のルチャドーラであるケツァル・コアトルを捕まえることができない。

そして、三度も同じ応酬を繰り返すような塩試合をケツァル・コアトルが演じる訳もなく、三度突撃してくるジャガーマンへのカウンターとして大きな右腕を掲げて見せる。

瞬間、狙いすましていたかのようにジャガーは跳んだ。空ではなく地へ。ほとんどマットを転がるのと同義の超低空のヘッドスライディング。

カウンターのラリアットは空しく宙を切り、ジャガーマンは先ほどと同じようにケツァル・コアトルの股座を潜って彼女の背後に回り込む。

そのままマットを叩いたジャガーマンは逆立ちのまま跳躍し、ケツァル・コアトルに肩車をする形で飛び乗った。

2人の身長を合わせたことで完成した、3メートルにも及ぶトーテムポール。その上段からジャガーマンは重力に従い、バク宙の要領で女神の後頭部を強かにマットに叩きつけるリバース・フランケンシュタイナーを敢行する。

これにはさすがのケツァル・コアトルも堪らない。

揺れる脳天が彼女から思考を奪い、敢え無くダウンを取られてしまう。

 

「死ねニャっ!」

 

この機を逃せばもうチャンスはないだろう。ジャガーマンはとどめを刺すために最後の技へと移行する。

相手の首を四の字で締め上げ、背中を折って両足を腕でホールドするその態勢は、さながら蝶が蜘蛛の巣に捕らわれたが如し。

殴ってもダメ、投げてもダメ。無論、関節技とて利かないだろう。だが、首を締め上げればどうか。

女神の権能で首そのものへのダメージはなくとも、息ができなければ女神とてマットに沈むのではないか。

加えてこの態勢は、両肩がマットに押さえつけられている。このままの状態で三秒間を維持できれば、ルール上はケツァル・コアトルの敗北となるのだ。

例え判定を下すレフェリーが不在で、ギブアップとノックアウト以外で勝負が決まらないとしても、女神のプライドに一筋の傷をつけることができる。

それは立派な勝利であり、彼女を屈服させるには十分なものだ。

故に、ケツァル・コアトルは全力でこのホールドから脱さんと抗い、ジャガーマンは渾身の力を振り絞って首を締め上げる。

全てはこの三秒間で決する。

決着の時は、もうすぐそこまで迫っていた。




不意な休み、ゲームのメンテ、出かけようにもノーマネー。
ならば書くしかないじゃない(やけくそ)。

というわけでジャガーマンVSケツァル・コアトルです。
クリイベの時にしてやられた、と思ったのはこのアイディアを温めていたため。
公式が最大手というか、何やっても後出しなので開き直ってプロット通りに進めることにしました。実際、原作よりも戦力に乏しい状態でケツ姐を足止めしようと思ったら、これくらいしないとダメでしょう?
ちなみに最後にジャガーが仕掛けた技は紫雷美央選手の決め技「土蜘蛛」と言います。
テスカトリポカのナワル的にはこれしかないと思いました。
あの着ぐるみでどうやって首四の字かけているのかって?
考えるな、感じよ。

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