Fate/Grand Order IF 星詠みの皇女   作:ていえむ

97 / 122
絶対魔獣戦線バビロニア 第20節

ティアマト神は海水の上を歩いており、自らの足で自重を支えているようには見えない。

ラフムの襲撃を生き延びた学者達が決死の思いで伝えてくれた情報を基にカルデアのスタッフとウルクの神官が総力を挙げて検証した結果、以下の仮説が導き出された。

即ち、ティアマト神はあの泥の上でしか歩行できないのではないのかと。

あの泥は列車でいうところのレールであり、大地の侵食はティアマト神自身の通り道を作るためでもあるのだ。

その仮説を基に、絶対魔獣戦線はティアマト神の足止め作戦を実施することとなった。

エレシュキガルが冥界の転移を完了させるまでの間、ウルクの大地を蝕む黒泥――侵食海洋ケイオスタイドを除去することとなったのだ。

 

「本当、何が幸いするかわからないものね。でも、本当に良いの、ケツァル・コアトル?」

 

「当然デース。折角、掴んだチャンスなのですから、お姉さんのいいところ見せないとネ」

 

茶目っぽく笑うケツァル・コアトルが見下ろした先にいるのは、夜明けと共に進撃を再開したティアマト神だ。

その歩みはこちらの予想よりも遥かに速く、このままのペースで進めば半日足らずでウルク市へ到達してしまうだろう。

そうなってしまえば、自分達の敗北だ。

本来ならばカルデアがケイオスタイドの中和剤を開発する予定ではあったが、これではとても間に合わない。

それでもやるしかないとティアマト神相手に無謀な迎撃を試みようとする魔獣戦線ではあったが、そこにケツァル・コアトルが秘策ありと待ったをかけたのである。

 

「ラフム、ラフム変化体、増大! ティアマト神の直衛です!」

 

「そっちは私がやるわ、マシュ。あなたは藤丸とこいつを目的地までエスコートして!」

 

言うなり、イシュタル神は天舟(マアンナ)を駆って空を駆ける。

光速すら飛び越え、群がるラフムを次々と撃ち落とし、時には船体で体当たりまで仕掛けてこちらの道を切り開く。

その隙に立香達を乗せた翼竜は、滑るように泥の上を歩くティアマト神へと接近していった。

目的地はティアマト神の直下。そこを起点に周囲の泥を消し飛ばすのが今回の作戦だ。

 

『形態進化だけでなく内部の魔術回路も強化されている。一夜明けて、更に進化したのか!』

 

「くそっ、キリがない! イシュタルだけじゃ……」

 

獅子奮迅の活躍ではあるが、如何せんラフムの数が多すぎてイシュタル神だけでは手が回らない。

せめてもう一騎、広域攻撃に特化したサーヴァントがいてくれればと立香は歯噛みする。

だが、それは願ったところで叶わぬこと。ここまで共に人理修復の旅を駆け抜けてきた親友は今、ここにいない。

ここは何としてでも自分達の力だけで、ティアマト神の元まで辿り着かねばならないのだ。

 

『ケイオスタイド、ギルス市に到達! これは……まだ生き残った人がいる!?』

 

「ギルス市の投擲部隊ね! まさか、ラフムに攻撃を!?」

 

驚愕するケツァル・コアトルの言葉の通り、ギルス市の城塞から次々と投石が撃ち出され、直撃を受けたラフムが錐もみしながら眼下の泥へと落下する。

だが、ここから見えるだけでも城塞には二十人そこらの兵士しか残っていない。

あんな数でラフムを攻撃したのでは、奴らの格好の的だ。

 

「アッチ! アッチ! 面白イ、面白イ! 弱イ生キ物ハ、面白イ!」

 

案の定というべきか、数百近いラフム達がこちらを無視して蟻の行進のようにギルス市へと向かい出す。

おかげでティアマト神までの道筋が開けたが、これでは逆にギルス市の兵士達が危ない。

 

「まずい! イシュタル!」

 

「無茶言わないで、前だけで手一杯よ!」

 

「ジャガー! かく乱、お願い! 他にも最後の抗戦に出ている人間がいるようです! あなたの脚を私に見せなさい! できる限り、あの方達を救うのです!」

 

「任された! 思いっきり暴れてラフム達を引き付けるわ!」

 

翼竜を駆り、薙刀を構えたジャガーマンが本隊を離れてギルス市へ向かう。

彼女一人だけでは不安も残るが、こちらもこれ以上の戦力を割く訳にはいかない。ここはシュメルの人々の力強さを信じるしかない。きっとジャガーマンも無事に戻ってくることだろう。

それよりも今はティアマト神だ。ギルス市の兵士達のおかげでこちらはラフムの妨害を切り抜け、一気にティアマト神まで近づくことができた。

既に女神はナピシュテムの牙を目前に捉えており、あれを破壊されればケイオスタイドが一気にウルクまで押し寄せることになる。

そうはさせない。あれはカドック達が命がけで守ったものだ。何としてでもここで彼女を釘付けにする。

 

「ケツァル・コアトル!」

 

「ええ、任せなさい! みんなは巻き込まれないように下がっていて!」

 

翼竜の背を蹴ったケツァル・コアトルがティアマト神の頭上で滞空し、立香達は彼女の言葉に従って距離を取る。

念のため、マシュを最前に立たせて余波がこちらに及んだ時に備える。

自然と拳に力が入った。

これから垣間見るのはケツァル・コアトルの神霊としての力の一端。

ウルクを文字通り灰燼にできるほどの強力な原始の太陽。

それこそが彼女の奥の手であり、神霊ケツァル・コアトルが誇る本来の宝具。

名を太陽遍歴(ピエドラ・デル・ソル)という。

 

「ティアマト神。私達人間の基底を編んだ原初の海。そのあなたが人間を否定し、世界をやり直そうとする事に、私は悲しみを覚えます。ですが――――ここはもう人間の世界! 理性もなく、意思もなく、心もなく! 我が子を食い潰そうとするあなたを、私は認める事はできません!」

 

掲げた頭上に出現するのは巨大な太陽石。このメソポタミアの地に根を下ろすため、祭壇としてエリドゥ市の神殿に安置されていたアスティック・カレンダーだ。

三女神同盟の一員だった頃のケツァル・コアトルと戦った際、カドックが破壊を思い止まった彼女の力の源。

それが今、ティアマト神打倒のために秘められた力を解放したのだ。

 

「南米の神は森と獣と共に生きる! 太陽の恵みは滅びではなく生存のため! 過去は此処に――! 現在もまた等しく、未来もまた此処にあり。風よ来たれ、雷よ来たれ! 明けの明星輝く時も! 太陽もまた、彼方にて輝くと知るがいい! 『太陽の石(ピエドラ・デル・ソル)』」

 

一瞬、視界が爆ぜたかのように真白に染まる。

同時に襲いかかる猛烈な熱波は、距離を取っているにも関わらず肌や毛先をチリチリと焼き焦がす。

色を取り戻した視界に映り込んだのは、ティアマト神の頭上で赤熱化した太陽石を掲げるケツァル・コアトルの姿だった。

その輝きは正に太陽そのもの。暗雲立ち込めるシュメルの空までもが恵みの青を取り戻し、黒く淀んだケイオスタイドが忽ちの内に蒸発して砂へと還っていく。

メキシコからの向かい風だ。

足場を失ったティアマト神はたじろいだかのように踏み出した足を引っ込め、自らの歩みを止めた南米の女神に向けて咆哮した。

 

「Aaaaaa、aaaaa――――――」

 

それは我が子への願いか、それとも自発的な行動か、ベル・ラフムが羽根を羽ばたかせてケツァル・コアトルに突撃する。

原水爆に匹敵するほどのエネルギーを諸に受けているというのに、ラフム達は臆することがない。

まるで痛みを感じていないかのように、我が身が崩れるのも構わず灼熱の風を切り裂き、宝具の発動に集中しているケツァル・コアトルの肢体を切り刻んでいった。

 

「っ……長居は無用ね。もうやる事はやりましたから、トットとみんなのところに戻り――」

 

身を翻そうとしたケツァル・コアトルは目を見開いて驚愕した。

消滅したはずのケイオスタイドがいつの間にか、大地を再び覆っていたからだ。

見ると、ティアマト神の足下からまるで湧き水のようにケイオスタイドが噴き出している。

 

『そうか、ティアマト神という神格は海そのもの。ケイオスタイドはペルシア湾が変質したものじゃない、(ティアマト神)から流出しているんだ!』

 

「ケツァル・コアトル宝具、再度確認! コアトルさん、宝具を展開中です!」

 

「ケツァル・コアトル……! あなた、燃え尽きる気!?」

 

何度もラフムに引き裂かれながらも、ケツァル・コアトルはケイオスタイドを焼き尽くさんと宝具へ魔力を注ぎ込む。

頭上の太陽石の輝きはどんどん増していき、大気すら熱せられて赤く染まっているかのような灼熱の風が吹き荒れた。

体感気温は以前に経験した密林の比ではない。流れた汗すら零れ落ちる前に蒸発してしまっている。

それでもケイオスタイドの流出は止まらず、ほんの僅かにティアマト神の歩みを遅らせることしかできなかった。

逆に、宝具による消耗で動きが鈍ったケツァル・コアトルはラフムの攻撃を捌き切ることができず、体のあちこちを抉られて血塗れの姿になってしまう。

 

「ケツァル・コアトル、戻るんだ!」

 

「いいえ、持ち堪えて見せますとも! 私が八つ裂きになるのが先か、エレシュキガルが準備を終えるのが先か! 文字通りの泥仕合デース! 丸一日、勝負を長引かせ――」

 

ケツァル・コアトルの言葉がそこで途切れる。

力尽きた訳ではない。理由はその視線の先にあった。

 

「――――A――――Aaaa――――Aaaaaa――――」

 

頭部の角が持ち上がっていた。

筋肉も神経も通っていないはずの巨大で禍々しい角が、ゆっくりと持ち上がっている。

ロケットのようだなと立香は場違いな感想を抱いてしまったが、皮肉にもその感想は当たらずとも遠からず。あれは翼なのだ。

ティアマト神は大角に体積を緩和させている魔力を集中させ、飛翔による離脱を試みようとしているのだ。

 

『まずい……これは……』

 

「ええ、飛ぶ気ね!」

 

太陽風を停止させたケツァル・コアトルがこちらに舞い戻る。

体の至る所を切り裂かれ、肩や足に至っては鰐に噛まれたかのように抉れている。

均整の取れた美しい筋肉は見るも無残な姿に変わり果てていたが、その顔に諦めの色はなかった。

何としてでもティアマト神をここで食い止める。そう覚悟した者の顔だ。

 

「前提が狂うわ。足下の泥を蒸発させればいいだけじゃない。飛べるという事は、落ちないという事だもの」

 

「嘘よ! ティアマト神は()の女神、決して(アン)には近づかない! 空を飛ぶなんて、そんな――――」

 

受け入れがたい事実に直面し、イシュタル神は吠える。

まだ彼女の中には、母への情があったのだろう。倒すべき敵としては認識していても、それは自身がよく知る神霊ティアマトでありビーストⅡではない。

今のティアマト神に常識も神話的事実も通用しない。彼女は自らの願いである生命の母へと返り咲くためならば、如何なる醜悪な姿にでも変貌するだろう。

 

「ここで撃ち落とすしかない。でも…………」

 

ケツァル・コアトルの宝具でもティアマト神は傷一つつかなかった。

あれを上回る火力はここにはない。イシュタル神が全開で宝具を放っても通用しないだろう。

だが、それでもやらなければティアマト神は飛び立ってしまう。そうなれば後はウルクまで一直線だ。

 

「ええ、だから後のことはお願いね、藤丸さん」

 

「え、ケツァル・コアトル?」

 

ごく自然に告げられた別れの言葉に、立香は耳を疑った。

聞き返す暇も、制止する隙もなかった。

ただ静かに微笑みかけた後、ケツァル・コアトルは再び空へと舞い上がったのだ。

 

「待ってください、ケツァル・コアトル!!」

 

「止しなさい、マシュ! あいつは本気よ。止めちゃダメ!」

 

イシュタルに止められ、マシュは悔しそうに唇を噛む。

今、自分達に出来ることは何もない。こうしてただ、彼女の奮闘を見守ることしかできないのだ。

ティアマト神は強く、堅く、メソポタミアはおろか自分達の如何なる攻撃でも動じることはない。

だが、彼女にはまだ一つだけ武器が残されていた。

遠い南米の地で育まれた大いなる神性。

その肉体こそが最後の武器だ。

 

「メソポタミアの神、何するものぞ! 我ら南米の地下冥界(シバルバー)、多くの生命を絶滅させた大衝突の力を見せてくれる!」

 

裂ぱくの気合を込めて、ケツァル・コアトルは残った魔力の全てを下肢へと集中する。

狙いは一転。飛翔の起点となる頭部の大角。

より高く、より速く、火の鳥と化したケツァル・コアトルの体は隕石の如く眼下の獣へと落下する。

 

「我が身を燃える岩と成し、彗星となって大地を殺す! いくわよ――ウルティモ・トペ・パターダ! 燃えろ闘魂、『炎、神をも焼き尽くせ(シウコアトル)』――――!」

 

衝撃が大気を震わせる。

高々々度から繰り出された灼熱のドロップキック。それは違う事無くティアマト神の大角に命中し、その巨体を大きく揺らがせる。

だが、女神の奮戦はそこまでだった。

残された全ての力を振り絞って放たれた乾坤一擲の蹴撃は、赤黒く光るビーストⅡの翼をへし折るどころか傷一つ入れることはできなかった。

 

「ケツァル……コアトルさん……ああ……炎も消えて、黒い海、に――」

 

震えるマシュが言葉を失う。

立香は翼竜に助けるよう命じるが、イシュタル神がそれを制する。

この距離では間に合わない。

ラフムとティアマト神の攻撃を掻い潜り、落下するケツァル・コアトルを救い出すのは不可能だと。

それでも納得できず、立香は彼女を助け出さんと翼竜を疾駆させた。

急げ。

急げ。

急げ。

まだ間に合う。

手を伸ばせば、まだ助けられる。

だが、群がるラフムの壁は厚く、戦う術を持たない自分だけではこの手は届かない。

マシュやイシュタル神も加勢してくれたが、それでも後、一手だけ足らないのだ。

或いは、この黒い壁を強引に押し破れるだけの力があれば、傷つくことも厭わずに彼女の手を掴めるのに。

自分の力不足が悔しかった。

そうしている内に、ケツァル・コアトルの体は眼下の泥に向かってどんどん落ちていく。

巨大な何かが脇をすり抜けたのは、正にその時であった。

 

 

 

 

 

 

時は、ほんの少しだけ遡る。

無人となったウルクの街で、ジグラッド以外に唯一、人の気配が残る場所があった。

カルデア大使館。

特異点修復のためにこの時代を訪れた少年達の仮初の宿。

今そこで、一組の少年と少女が傷ついた体を休めていた。

少年は目覚めない。

ボロボロに傷ついた体は彼自身の身に刻まれた刻印の力で修復されたが、失われた体力と魔力がまだ戻らず半日以上も眠り続けていた。

少女はそんな少年の傍らに寄り添い、最愛のパートナーが目覚めることを信じてただ静かに少年の手を握っていた。

仲間達がティアマト神討伐のために出立してからどれほどの時間が過ぎ去っただろうか。

こちらを心配させまいとカルデアからの通信は閉ざされているが、きっと激しい戦いが繰り広げられているはずだ。

すぐにでも助けに向かいたい。けれど、目の前で眠る少年を一人にはできない。

故に少女は待ち続けた。

己のマスターが目覚めるその時を、ただ静かに、じっと。

 

 

 

 

 

 

視界を覆いつくすほどの吹雪が平原に吹き荒れる。

戦いが始まってどれくらいが経過しただろうか。

まだ三十分ほどのような気もするし、二時間以上戦っている気もする。

倒したラフムの数も分からない。二百から先は数えていないからだ。

 

『後、もう少しだ! 耐えてくれ、カドックくん!』

 

励ましのつもりなのだろうが、ロマニの声は煩くて少し耳障りだ。ただ、今はその不快感も有難い。朦朧とする意識がその呼びかけで少しだけ正気を取り戻してくれた。

 

「はあ……はあ……」

 

カドック(マスター)!」

 

「大丈夫だ、君は敵だけ見てろ!」

 

飛びかかってきたラフムの一体に冷気を叩きつけ、その隙に全速力で後退する。

自分の魔術では辛うじて怯ませることはできても、強靭なラフムの体に傷をつけることはできない。

しかし、先ほどまで身を守ってくれていたアナスタシアの城塞は、既に魔力切れによって消失しており、身を守るためにはこうして逃げ回る他になかった。

最初は五分で回していた魔術回路も、今はスロットルを全開にして回している。

アクセルはとっくにべた踏み。礼装や霊薬での回復も焼け石に水だ。

 

(くそっ、足が重い……魔力の生成量も落ちている……)

 

目くらましの礼装で数体のラフムを釘付けにし、アナスタシアの魔術が作用するまでの隙を作る。

見る見るうちに氷漬けとなるラフムは、不気味な笑い声を上げながら泥へと還っていった。

時間にして一秒の休息。

一呼吸を吸う僅かな時間を置いて次なるラフムが視界に飛び込んできた。

躱す。

躱す。

躱す。

振り下ろされる爪を寸でで躱し続け、自分が巻き込まれるのも承知で魔石を爆発させる。

見た目だけで威力のない爆発。しかし、その爆風は弱った体を吹き飛ばし、ラフムから距離を取る事に成功する。

嬲るつもりで急所を外し続けたことが裏目に出てしまい、ラフムは悔しそうに地団駄を踏んだ。

次の瞬間、アナスタシアの視線が新たな氷の彫像を平原に生み出した。

気づくと周囲一帯はラフムの残骸である泥に塗れていた。だが、敵が全滅した訳ではない。新たなラフムは次から次へと氷の壁の向こうから現れてくる。

昨日は日没と共にラフムは動きを停止していたが、果たしてそれは今夜も訪れるだろうか。

それがなければ、後はこの命が燃え尽きるまで戦い続けることとなる。

既にほとんどの礼装は使い果たし、カルデアからの供給だけでは追い付けないほどアナスタシアも魔力を消耗している。

長時間、魔術回路を酷使し続けた事で回路のいくつかも不調を起こしていた。

その不調が何なのかを調べている暇はなく、血栓を抱えたまま戦う訳にもいかないため、不調を起こした回路を迂回するよう疑似的なパスを無理やり構築し、アナスタシアへ供給する魔力を何とか確保している状態だ。

それも恐らく、後数分と保たないだろう。

 

『よし、壁が動き出した! カドックくん、撤退だ!』

 

朗報が舞い込む。

泥を堰き止める壁が無事に起動した。立香達が作業員を守り切ったのだ。

これでウルク市は守られる。

そう思った瞬間、足がもつれて地面に倒れ込んだ。

限界だ。

これ以上は動けないし、立ち上がることもできない。

だが、悔いはなかった。

凡人である自分にどこまでのことができるのか、ずっと不安だったが、これなら及第点だ。

全てを出し尽くし、後に続く後輩にバトンを繋げることができた。

きっと立香とマシュならティアマト神を倒し、この特異点を修復できるだろう。

そして、彼らは魔術王が待つ終局へ立つ。

側で守ってやれないことが唯一の懸念だが、あいつらは自分達よりも弱い(強い)。だから、きっと大丈夫だ。

 

アナスタシア(キャスター)…………いるかい?」

 

「ええ、ここに」

 

声がすぐそこで聞こえた。きっと、守ってくれているのだろう。

ああ、自分なんかには本当に勿体ないサーヴァントだ。

彼女がいなければ、きっとここまで辿り着けなかった。

せめて最期にお礼を言おう。

動かぬ体に鞭を打ち、群がるラフムと戦い続ける皇女の姿を見ようと残る力を振り絞る。

絶望がすぐそこにいた。

アナスタシアがこちらに手を伸ばしている。

一匹のラフムが彼女の迎撃を掻い潜り、こちらに向けて爪を振り下ろさんとしているのだ。

ここでお終いだ、と実感する。

あの爪は確実にこの身を裂き、とどめを差すだろう。

彼女の目の前で、自分は無残にも引き裂かれることになるだろう。

それを想像した瞬間、まだ動く右手が地面を握り締めていた。

ふざけるな。

認められるか。

悔いがないなんて嘘だ。

満足なんてできっこない。

自分一人で死ぬのはいい。彼女と一緒に消えるのもいい。

けれど、彼女の前でだけは死んでたまるか。

不様でもいい、惨めでもいい。ほんの一秒でも、彼女より生き延びる。

もうアナスタシアに、家族を失う悲しみを味わわせてなるものか。

その怒りが原動力となった。

動かない体を、ほんの少しだけ捩り、振り下ろされた爪を紙一重で避ける。

 

「見事です、カドック!」

 

いるはずのない者の声に目を見開く。

黒鍵を突き立てられ、泥へと霧散するラフムの後ろから、修道服に身を包んだ四郎が現れたのだ。

ジャガーマンと共に密林へ逃れた捕虜を護衛しているはずの彼が、救援のために駆け付けてくれたのだ。

 

「シロウ、どうして……」

 

「ええ、もちろん視たからです」

 

啓示を受けたのだ。この未来を垣間見て、急ぎ駆け付けたのだと四郎は言う。

 

「これが、主の思し召しというのなら……」

 

「シロウ、何を……」

 

「後は頼みますよ、イシュタル神」

 

体が浮き上がる。見ると、イシュタル神の天舟(マアンナ)に乗せられていた。

恐らく、四郎も彼女にここまで運んでもらったのだろう。

彼女はいつになく真剣な面持ちで、眼下の四郎を見下ろしていた。

 

「いいのね?」

 

「ええ、残るラフムは私が何とかしましょう」

 

「待て、何を言っているんだ!」

 

目視できるだけでもラフムは百体以上、残っている。いくら四郎に未来視があるとはいえ、それだけの数を相手にするのは不可能だ。

彼にはアナスタシアの冷気のように、多数を同時に相手取る手段がない。

刀と黒鍵だけで戦えるほどラフムは甘い相手ではないのだ。

 

「いえ、できますよ。私の宝具……その応用ならばね」

 

「お前の宝具だって?」

 

四郎の宝具は生前に起こした奇跡が昇華されたもの。自身の肉体が持つ力を強化する『左腕・天恵基盤(レフトハンド・キサナドゥマトリクス)』と未来視などの特殊能力を強化する『右腕・悪逆捕食(ライトハンド・イヴィルイーター)』。

その両腕は、同時にあらゆる魔術基盤に接続するという力も秘めている。いわば、魔術的な万能鍵(スケルトンキー)。土地の環境に左右されず、十全に魔術を行使できるというものだ。

だが、そんなものが何になるというのだろうか。四郎は確かに生前、奇跡を起こしたかもしれないが、その中にはラフム相手に有効なものなど一つとして存在しない。

 

「一度きりの奥の手です。此度の召喚では、二度と使えません」

 

「おい、それって……」

 

まさか、彼は自爆するつもりなのだろうか。

どんな方法を用いるのかはわからないが、両腕の宝具を使って広域を吹き飛ばす大魔術を行使するつもりだ。

そんなことをすれば、四郎の霊核もただではすまない。まず間違いなく、致命傷を負うことになる。

 

「よせ、シロウ! 時間を稼ぐだけでいい! 死ぬ必要はない!」

 

「いえ、もう私は視てしまいました。カドック、私は本来、あの密林でジャガーマンに殺されるはずだったんです。その啓示を捻じ曲げた結果、私は今の光景を垣間見ました。私の役目は終わったのです。あなたを生き永らえさせるという、私の役目は」

 

「シロウ!」

 

「カドック、蛇を起こしなさい。それが私の視た最後の啓示です。あなたにしかできないことだ!」

 

段々と距離が離れていく。イシュタル神が天舟(マアンナ)を浮上させたのだ。

アナスタシアも遅れて霊体化し、追いかけてくる。

戦場に一人残された四郎は、穏やかな笑みを浮かべながら手を振っていた。

 

「あなたとの語らいは楽しかったですよ」

 

「よせ、シロウ!」

 

「さようなら」

 

振り返った四郎が両手に魔力を集中させる。

右手には禍々しい黒い光。

左手には神々しい白い光。

異なる二つの光を携えた天草四郎は、眼前に迫る災厄達に朗々と祝詞を紡ぐ。

友達が消える。

その事実が胸を締め付けた。

自分はまた誰かに生かされるのだと、頬に雫が走る。

伸ばした手は、何も掴むことはなかった。

 

「万物に終焉を──『双腕・零次収束(ツインアーム・ビッグクランチ)』!」

 

光が視界を焼き尽くした。

過負荷を与えられて暴走した彼の宝具は暗黒物質を生成し、強大なブラックホールを生み出したのだ。

ラフムも、泥も、何もかも吸い込んで消し飛ばす。無論、四郎とて例外ではない。

限界を超えて宝具を発動させたことで、全ての魔力を使い切り、彼の肉体は音もなく消滅していた。

カドックの意識は、そこで途絶えてしまった。

 

 

 

 

 

 

夢から覚めたカドックは、跳ねるように半身を起こした。

嫌な汗が背中から噴き出している。鼓動も早く、血流が鉄砲水のように全身を駆け巡っていた。

自分はまだ、生きているのだと実感する。

四郎に生かされた命だ。

自分はまた、友達の犠牲によって命を繋いだのだ。

 

「カドック、大丈夫なの?」

 

ずっと側にいてくれたのだろう。アナスタシアが心配そうに手を握り締めてくれていた。

視線を下に少しずらすと、小さな毛むくじゃらの白い生き物もジッとこちらを見つめている。

 

「ああ、大丈夫だよ、アナスタシア。それとお前もな……置いて行かれたのか、フォウ?」

 

アナスタシアの手を解き、フォウの頭を優しく撫でる。

少しだけ嫌そうに首を振られたが、カドックは構わず額を撫でまわしてやった。

いつもは立香かマシュと一緒にいるのに、どういう訳かここに来てからというもの、こいつは自分にべったりだ。

気に入られるようなことなど、特にしてやった覚えはないのだが。

 

「……そうだ、みんなは?」

 

少しずつ覚醒していく思考が、警報をかき鳴らす。

ここはカルデア大使館の自室だが、周りが余りにも静かすぎる。

どれくらい眠っていたのかは知らないが、どうにも嫌な予感がしてならなかった。

 

「もう夜が明けたわ。みんなはティアマト神を足止めするために出払っています」

 

「なら、僕達もすぐに合流しよう。あいつらだけじゃ心配だ」

 

「ちょっと、体は大丈夫なの? 魔力の方は? 私はカルデアから十分に貰えましたが、あなたの場合はそうはいかないでしょう?」

 

「少しだるいが、大丈夫だ」

 

大使館が霊脈の上にあったことが功を制したのだろう。完璧とはいかないが、宝具を一度か二度、使うくらいの余力はある。

疲れや細かな傷は魔術で痛みを消す等して騙し騙しいくしかない。

そう思って魔術回路を励起させた瞬間、体の半分が呼吸不全を起こしたかのように痙攣を起こす。

 

「っ……!?」

 

「カドック!?」

 

「ぐぅっ……かっ……」

 

激痛にのた打ち回る内に魔術刻印が活性化し、痛みを強制的に吹き飛ばす。

呼吸が荒く、何度も肩で大きく息をした。

背骨に氷柱を突き立てられたかのような痛みと熱さだった。あまりの苦痛に震えが止まらない。

魔力という異物を魔術回路に流す行為は痛みを伴うものだが、この痛みはいつものそれとは根本的に違うものだった。

 

(魔術回路がイカれたか……)

 

オーバーフローを起こして魔術回路が幾つか、焼き切れてしまったのだろう。

先ほどの激痛は閉じた回路を無理やり開けようとしたからだ。その証拠に、意識して開く回路を調整すれば、問題なく魔術を行使することができる。

だが、それは今までと同じという訳ではない。魔術回路は魔術師にとって財産であり、才能の代名詞であり、失われてしまえば二度と復活させることはできない。

ここに至って、もっとも大きなものを失う羽目になったのかと、カドックは歯噛みする。

これから先、どれほどの修練を積もうと、今までよりも劣化した魔術しか使用できない。魔術師として大成することは叶わないだろう。

今度ばかりは一族に申し訳が立たなかった。

 

「カドック?」

 

「……大丈夫だ、行こう」

 

心配かけさせまいと微笑んで見せるが、きっと覇気のないものだっただろう。

だが、アナスタシアは何も言わずに頷いてくれた。その優しさが今はありがたい。

そして、自分でも意外なほどに受けたショックが小さいことに気が付いた。

悔しさも無念もある。魔術の徒として今まで積み重ねてきた努力が無駄になってしまうという不安もある。

だが、それだけのことだ。

マスターでいられなくなった訳ではない。グランドオーダーから脱落した訳でもない。自分にはまだやれることがあるのなら、この痛みにも耐えることができる。

何だ、なら何も心配することはないじゃないか。

最後に振り返って、この喪失を笑って流せるくらいの成果を手に入れればいい。

カドックは一度だけ深呼吸をして気持ちを整えると、アナスタシアにも手伝ってもらい、手早く身支度を整えて大使館を飛び出した。

端末で立香達の位置を確認すると、ギルス市から少し離れたところで戦っているようだ。

徒歩で移動していたのでは時間がかかり過ぎる。どこかで乗り物を調達しなければならない。

そう考えてまずはウルクの兵舎を目指そうとすると、背後に気配が一つ、現れた。

 

「っ……君は……」

 

敵かと身構えたが、物陰から現れた姿を見て胸を撫で下ろす。

アナスタシアも思わず口元を覆い、目に涙を浮かべていた。

 

「無事だったのね……え?」

 

「正気なのか?」

 

最初は効き間違いかと思ったが、違った。

彼女の声音は小さかったが、確かな力強さが込められていた。

 

「僕に彼女を召喚しろっていうのか、君自身を触媒にして…………」

 

目の前の少女は無言で肯定した。

この霊基もいつまで保つからない。だから、消滅する前にどうかやって欲しいと。

ウルクを襲った未曽有の災厄。ティアマト神との戦いには、きっと彼女の力が必要になるからだ。

 

「不可能だ、僕にできっこない。それに、君という触媒を用いても確実には…………何だって、令呪を?」

 

彼女達は運命的な因果で結ばれている。彼女との契約は即ちもう一人の彼女との契約でもあり、その間接的な縁を令呪が持つ膨大な魔力リソースで以て手繰り寄せる。

令呪の本来の使い方ではない。上手くいくかもわからない、大博打もいいところだ。

それに、うまくいこうといくまいと彼女の霊基は消滅することになる。

自分を殺せと言っているのと同義なのだ。

 

「いえ、やりましょう、カドック」

 

「アナスタシア!?」

 

「この娘が望んでいるの。お願い、言う通りにしてあげましょう」

 

「…………」

 

できるだろうか。

確かに彼女の力は強力だ。心強い味方になってくれるかはわからないが、うまくいけばティアマト神討伐にも希望が見えてくる。

だが、触媒を用いた召喚をするとなると、フェイトシステムは使えない。

カルデアの召喚システムは技術や術式が未熟であるが故に、術者の縁を辿った形でしか召喚できず、誰を呼び出せるのかも完全に運任せだからだ。

彼女を確実に呼び出すためには、カルデアに頼らず、自分自身の力で、一人の魔術師として英霊召喚を行わねばならない。

失敗すれば、目の前の少女をみすみす殺すことになるだろう。

しかし、少女は首を振って否定した。

自分は希望を繋ぐのだと。

例え最後には憎悪に飲まれることになろうと、胸に抱いた原初の思いは間違いなんかじゃないのだからと。

その思いはきっと希望を繋いでくれる。だから、やって欲しいと少女は言う。

彼女がこんなにも強く自分の思いを口にしたのは初めてだ。

なら、自分達にできることは――――。

 

(そうか……シロウ、お前はこのために僕を…………)

 

友の最期の言葉を思い出し、カドックは決意する。

運命など信じる口ではないが、乗ってやろう。

これは証明だ。

今日まで自分達を助け、散っていった英霊達の命は、決して犠牲などではないのだと。

明日へとつ繋がる希望なのだと。

 

「…………アナスタシア、僕の部屋からありったけ触媒を持ってきてくれ」

 

「カドック?」

 

「英霊召喚を行う。手伝ってくれ」

 

すぐにアナスタシアは動いた。

階段を駆け上がり、部屋から水銀や霊薬を始めと触媒を搔き集めて戻ってくる。

その間にカドックは、大使館前の庭に召喚陣を描き出した。大使館は霊脈の上に建てられており、共に一ヵ月近くを過ごした場所でもあるので、彼女を呼び出すのにこれ以上の土地はないはずだ。

描き出すも紋様は、消去の中に退去、退去の陣を四つ刻んで召喚の陣で囲う。いつもはカルデアのシステムが代行してくれるものを、今は必死の思いを込めて描き出した。

そして、その陣に沿う形でアナスタシアが持ってきた触媒を手当たり次第に流し込み、召喚陣を完成させる。

サーヴァントの召喚に大がかりな儀式は必要ないとはいえ、何とも雑な造りの召喚陣だ。

本当なら触媒ももっと質の良いものを厳選すべきなのだろうが、残念ながら今は何よりも時間が惜しかった。

 

「これで、大丈夫なの?」

 

「わからない、何しろ初めて尽くしだ。だが、生贄になる動物を探す暇もない」

 

「ねえ、これは使えないかしら?」

 

そう言ってアナスタシアが差し出したのは、以前に自分がプレゼントしたラピスラズリの耳飾りであった。

 

「ラピスラズリはお呪いにも使う石なのでしょう?」

 

「いいのかい?」

 

「ええ。あの娘のためなら」

 

「わかった」

 

正直なところ、小石程度のラピスラズリでは魔力もたかが知れている。だが、彼女の思いは真摯なものだ。それを無碍にする訳にはいかない。

カドックは一度だけ手の中のそれを名残惜し気に見つめた後、ラピスラズリだけを外して宝石の中に魔力を流し込こんだ。

そして、紫色の粉末になるまで分解された石を召喚陣全体に広がるようにばらまく。これで準備は完了だ。

念のため、もう一度だけ綻びなどがないか確認した後、アナスタシアの冷気で仮死状態になるまで凍らせた彼女を召喚陣の中央に横たわらせる。

胸の上に花の冠を手向けられた姿は、まるで埋葬を控えた死者のようだった。

事実、彼女はこれから魔術的にも物理的にも死を迎えることになる。

その霊基は芥と化した後、全く異なるものへと作り替えられるのだ。

 

「始めよう…………」

 

星辰を合わせている時間はなかった。

景気付けに霊薬をひと瓶空けて空にし、足下に投げ捨てる。

アルコールで喉を焼かれたが、代わりに腹の底からジンと熱くなるほどの魔力が込み上げてきた。

そして、焦る気持ちを冷徹な理性で抑え込み、未だ健在な魔術回路を全て同期させて用意した術式を走らせる。

肉体を走る激痛。

毛細血管が千切れたのか、視界が半分、赤く染まった。

苦痛に耐える声が思わず漏れるが、カドックは無視して儀式を続行する。

両足を踏ん張り、掲げた手に力を込め、必ず引き当てるという確かな思いを胸に詠唱を紡いだ。

 

――――素に銀と鉄。 礎に石と契約の大公。

――――降り立つ風には壁を。 四方の門は閉じ、王冠より出で、王国に至る三叉路は循環せよ

――――閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)閉じよ(みたせ)

――――繰り返すつどに五度。ただ、満たされる刻を破却する

――――告げる。

――――汝の身は我が下に、我が命運は汝の剣に。

――――聖杯の寄るべに従い、この意、この理に従うならば応えよ。

――――誓いを此処に。

――――我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者。

 

激痛が体内を駆け巡る。

不協和音が脳内に反響した。

生きた百足が血管の中を這い回っているかのような錯覚と、鳴りやまない晩鐘に気が狂いそうになる。

同時に、右手の令呪から光が迸った。

焼きごてを押し付けられるかのように、熱で感覚が消えていく。指を開いているのか閉じているのかさえわからない。

ただ、そこにあるという感覚だけを頼りに言葉を紡ぎ続ける。

来い。

来い。

来い。

ただの一度でいい、奇跡を起こせ。

お前の力が、その憎悪が必要だ。

僕達に力を貸せ。

 

「――――汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ、天秤の守り手よ―――!」

 

令呪の一画が霧散し、同時にエーテルが風と共に吹き上がって視界を閉ざす。

白光で包まれる直前に垣間見たものは、微笑みながら崩れていく少女の姿だった。

細く小さな指が千切れ、白磁の肌のヒビが走り、美しい毛先から塵となって消えていく。

そして、小さな母胎を引き裂いて蛇の如き異形が姿を現した。

 

「召喚に従い参上した。精々、うまく使うがいい。私も貴様をうまく使おう」

 

見上げるほどの巨体から産声が上がる。

かくして、復讐者は再びこの地に産まれ落ちたのだった。




カドックが命を賭ける時、何かが失われる。
原作でもそうだったでしょう?(獣国のラスト)。

明日からのバレンタインイベント楽しみですね。
紫式部とバレンタインのミスマッチ感よ。果たしてどんな鯖なんでしょう?
個人的に、紫式部の殻を被った別人説を推したいところ。
後、宝具演出が穂村原の黒豹を思い出しました。


追記
ドジっ子巨乳な司書さんなんていなかった、いいね(泣)。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。