とある科学の刀剣使い(ソードダンサー)   作:御劔太郎

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第6話 能力と力 前編

7月21日の夕方……

第7学区内のとあるコンビニにて…

そこで突如として大爆発が起きる。

店内からは黒煙が立ち上り、周囲に戦慄が走った。 この爆発で幸いにも一般人のケガ人はいなかったが、事前に爆発の兆候を掴み現場に駆けつけて、避難誘導を行っていたジャッジメントの一人が負傷する事件が起きた。

 

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そして翌日、22日の午後……

 

「と、まあ~これが昨日の夕方に起きた事件です。」

 

「何だか、えげつないね…その無差別爆破テロ…」

 

「詩音さん…正確には、無差別虚空爆破(グラビトン)事件ですの。」

 

「んー別に、名前はどうでも良いんじゃ……」

 

「どうでも良くはありません!」

 

「そうですよ。ネーミングは大切ですの。」

 

事件名に変なこだわりを持つ二人……

詩音は只今、病院の個室で初春と黒子から事件の詳細を聞いていた。

二日前の夜、魔術師を名乗る女性剣士と刃を交えた詩音は左肩を切られて倒れていた所を保護され病院に搬送されていた。

発見された時は、やや危険な状態だったにも関わらず、今はケロッとしている。

詩音を治療したカエル顔の医者曰わく、凄い生命力らしい。

 

「僕が眠っていた間にそんな事が……それで、事件について何か分かった事は?」

 

「爆弾に使われたのは、空き缶などのアルミ製品ですの……」

 

「アルミ……?もしかして、能力者の仕業?」

 

「はい、アルミを基点にして、重力子(グラビトン)の数ではなく速度を急激に増加させて、それを一気に周囲に撒き散らす能力です。」

 

「そこまで、分かっているなら、『書庫(バンク)』を調べれば……」

 

「もちろん、既に検索しましたわ。能力名は『量子変換(シンクロトン)』…それも、爆弾に転用できる程に強い力を持った能力者はこの学園都市に一人しかいませんの……」

 

「レベル4の“釧路 帷子”という生徒ただ一人です。」

 

「それじゃあ、その人が犯人で決まりじゃないの?」

 

「ですが、一連の事件の始まりは一週間前なのですが、彼女はそれ以前から原因不明の昏睡状態に陥っていますの。病院からの外出はおろか一度も意識を取り戻しておりませんし……」

 

「医療機器にも記録が残っているんで……」

 

「アリバイ有り、彼女には犯行は不可能ってことか……って言うことは書庫のデータに不備があるってことかな?」

 

「あるいは滅多にないケースですが、前回のシステムスキャン後の短期間で急激に力をつけた能力者の犯行という可能性もありますわね。」

 

「と言うことは、僕もこんな所でウカウカ寝てられないな……」

 

そう言うと、詩音はベッドから起き上がる。

 

「ちょ、ちょっと、詩音さんッ!!?何をしてますのッ!」

 

「僕もジャッジメントに戻るよ。」

 

「な、何をッ!アナタは絶対安静にしてないといけませんのよッ!!?」

 

「そうですよ!じゃないと、また傷口が開いてしまいます!」

 

詩音を必死に止めようとする二人……

そこに学校を終わらせた美琴と佐天、そして詩音の治療に当たったカエル顔の医者がやってきた。

 

「おっすー!詩音、調子は……って、三人でいったい何をしてんのッ////」

 

美琴は病室に入ってきた瞬間に顔を赤らめる。

それは何故か……

彼女の目の前に映っていたのは、詩音と黒子、初春の三人がベッドの上で組んず解れずの状態になっていたのだ。

 

「おぉ…カオス……」

 

佐天も一言、そう言って思考が止まっている。

 

「お、お姉さまッ!!?」

 

「さ、佐天さんも早かったですね………////」

 

美琴たちと目があった黒子と初春は慌てて詩音から離れ、ボサボサになった髪を手櫛で梳いたりして、身嗜みを整える。

 

「黒子……詩音も元気そうで良かったわ……」

 

「え、えぇ…おかげさまで………」

 

美琴はフルフルと震え、彼女の体からは青白い電気が漏れだしていた。

 

「あの……お姉さま……?」

 

「初春さんは、佐天さんの所に避難した方が……」

 

黒子が恐る恐る彼女に問い、詩音は初春さんに避難を促す。

 

「私は……私は……本当に、アンタのことを心配してたのよーーッ!」

 

次の瞬間、堰を切ったように美琴から電撃が詩音と黒子に襲い掛かった。

痺れる痺れる……

美琴の電撃が止んだ頃には、すっかりと真っ黒コゲになっていた。

 

「ぷしゅーー」

 

「な、なんで僕まで……ケガ人なのに……」

 

「うるさい!」

 

二人はピクピクしている。

 

「はい、少しは落ち着いたかね?さ……どうして、こんな事になったのか、誰か教えてくれるかな?」

 

こんな状況にも関わらず、医者の方はやたら冷静であり、こうなった経緯を二人に聴いた。

ロースト状態の黒子は、直ぐに立ち直り、カエル顔の医者の質問に答える。

さすが、白井黒子……慣れと言うものは凄いものだ。

 

「それには、深い理由がありますの……」

 

理由を聞いた医者が口を開く。

 

「確かに、彼女の言うとおりだね。僕もそれには賛同しかねるよ…」

 

「だけど、先生!白井さんや初春さんが頑張っているのに、僕だけサボる訳には……」

 

「それは違うよ……今、君が優先することは、このケガを一日も早く治すことだ。この娘たちもそれを願っている。何、心配することはないよ。その回復力なら、あと三日も寝とけば大丈夫だ。」

 

その言葉を聞き、詩音はしぶしぶ納得した。

その後、五人は雑談をし、さらに佐天や初春からは休んでいる間の勉強などを教えてもらった。

 

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それから、三日後……

担当のカエル顔の医者からの診察を受け、詩音は晴れて退院することになった。

 

「みんな、ゴメンね…ご心配をお掛けしました。」

 

「別に気にすることはないわよ。アンタが元気ならそれで良いの……」

 

「そう言えば、白井さんの姿が見えないけど……」

 

「白井さんでしたら、例の事件を調べるって、今日も支部に行ってますよ。」

 

「そうなんだ……じゃあ、僕も………」

 

詩音も遅れた分を取り戻そうと、支部に向かおうとしたが、佐天に手を掴まれて引き止めらてしまった。

 

「あ、今日は詩音くんは私たちとセブンスミストにお買い物に行くんだよ♪」

 

「ええッ!!?ダメだよ。僕もジャッジメントとして一日も早く犯人を逮捕しないと……」

 

「だったら、パトロールを兼任すれば良いよ!私、ナイスアイデア!」

 

やたら行動力の高い佐天は、詩音を半ば強引に買い物に付き合わせれるのだった。

しかし、これが原因で四人は大きな事件に巻き込まれてしまう。

この時は誰も知る由もなかった。

 

次回に続く。

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