ゴタイ荘の「ほっとすぱーず」   作:公私混同侍

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毒リンゴを食べた魔女と白い小悪魔

~美容室にて~

 

美容師「え~と、ご予約の白○姫、シンデレ○、眠れる○の美女様でよろしいでしょうか?」

 

サリー「自分で姫や美女を名乗るとは痛い奴らだな」

 

ルナ「私が予約した」

 

あかり「ルナお姉ちゃんって、恥知らずだよね」

 

美容師「し、白雪姫様はどちらでしょうか?」

 

サリー「あかりか?」

 

ルナ「うん」

 

あかり「じゃあルナお姉ちゃんは?」

 

美容師「シンデレラでしょうか?」

 

サリー「何故そう思うんだ?」

 

ルナ「靴履いてないから」

 

あかり「バカじゃないの!?いくらシンデレラっていったって、なりきる必要ないよね!」

 

サリー「私は眠れる森がなんとやらか」

 

ルナ「サリーがここにいると森じゃなくて、土俵に上がったみたいだね」

 

あかり「女も上がってるじゃん」

 

美容師「本日は断髪でよろしいでしょうか?」

 

サリー「誰が力士だ!」

 

美容師「ワックスで固めますか?」

 

サリー「固めたらマゲになるだろうがぁ!」

 

ルナ「私、バリカタがいい」

 

あかり「それラーメンの話だよね。ルナお姉ちゃんの腰まであるポニーテールをガチガチに固めたら、巻きグソみたいなリーゼントになるよ」

 

美容師「お侍様方の刀をお預かりします」

 

サリー「これは私の魂だ。誰にも触れさせん」

 

ルナ「まるで武士だね」

 

あかり「なんで二人とも持ち歩いてんの?美容師さんも普通に預かろうとしないでよ」

 

美容師「ご要望があればなんなりとお申し付け下さい」

 

ルナ「ガラスのスリッパほしい」

 

サリー「ガラスである必要がないな」

 

あかり「ルナお姉ちゃんは何しに来たの?靴屋に行けば?」

 

美容師「雑誌はお読みになりますか?」

 

サリー「歴史小説が読みたいな」

 

ルナ「海洋生物図鑑が見たい」

 

あかり「図書館に行けよ!そもそもそんなに読みたいなら持ってくればいいじゃん!」

 

ルナ「――くしゅん!」

 

サリー「風邪でも引いたのか?」

 

美容師「膝掛けをお持ちしますね」

 

あかり「病院行けば?」

 

ルナ「ここ病院だよ」

 

サリー「もう手遅れだな」

 

美容師「髪は茹でますか?」

 

ルナ「私、天空落としで」

 

サリー「なら私はツバメ返しで頼もう」

 

あかり「あたしのは普通に茹でて下さーい」

 

美容師「――このような感じでいかがでしょう?」

 

ルナ「鏡よ鏡よ鏡さん、私たちの中で一番フケまみれなのはだーれ?」

 

サリー「フケがついてる女と一緒にいたくないな」

 

あかり「ルナお姉ちゃんの存在自体がフケみたいなもんだもんね」

 

ルナ「私の髪型、ピラミッドみたい」

 

サリー「まさか本当に巻きグソにするとは思わなかった……」

 

あかり「ついでに茶色に染めてもらえば良かったのに」

 

サリー「今日のあかりは一段と毒づいているな」

 

ルナ「毒リンゴ食べた?」

 

あかり「今の心は魔女だよ!」

 

~白い小悪魔~

 

事務員「ご予約のガ○ア、オ○テガ、○ッシュ様~」

 

恭夜「どこの黒い三連星だ」

 

ゲルマ「よし!『モクバ』にジェットストリームアタックを仕掛けるぞ!」

 

隆太「虫歯が三本あるとは言いましたけど、予約は普通にしてほしかったです。それにここの歯医者はモクバじゃなくて、『木羽(きば)歯科』って言うんですよ」

 

事務員「中へどうぞ」

 

隆太「兄さん、ゲルマさん、一緒に来てくれてありがとうございます」

 

ゲルマ「歯医者が怖いのは隆太が坊やだからさ」

 

隆太「うぅ……」

 

恭夜「虫歯にならなければ、どうということはない」

 

~診察~

 

女医「それではお口を開けて下さいね」

 

ゲルマ「いいなぁ。隆太は美人な先生に診てもらえて」

 

恭夜(マスクしてるから美人かどうかは……)

 

女医「そんなに誉めても素顔は見せないわよ」

 

ゲルマ「白い小悪魔め」

 

恭夜「お前さっきからガン○ムのことしか喋ってねぇじゃん」

 

隆太「あのう、歯を削る音が怖いんで三倍のスピードでお願いします」

 

女医「いいわよ」

 

恭夜「ダメだろ!慎重にやってくれよ!三倍のスピードで削る方が怖いだろ!」

 

ゲルマ「赤い彗星が見れるな。血だけに」

 

恭夜「やめろ!隆太の手足が震えてるじゃねぇか!」

 

女医「あっ……」

 

恭夜「なんだよ。なんかやらかしたみたいな言い方だったけど……」

 

ゲルマ「まさか健康な歯を二度削ったのでは!?他の歯医者にも削られたことないのに!」

 

女医「そうよ」

 

恭夜「『そうよ』、じゃねぇよ!他の歯医者でも二度も削らねぇだろ!だから慎重にやってくれって言ったじゃん!隆太が泣いちゃってるし……」

 

ゲルマ「ええい、ままよ!」

 

女医「――ちょ、ちょっと何するの!?」

 

隆太「あわあわ……」

 

恭夜「女医さんの体を隆太に密着させて何やってんだ?」

 

ゲルマ「マスターみたいな童貞とは違うのだよ!童貞とは!」

 

恭夜「二度も言う必要ねぇだろ!余計なお世話だ!」

 

ゲルマ「女医さんのたわわな果実を密着させて、隆太を慰めているのだ」

 

恭夜「すみません。後でコイツ叱っておきますんで」

 

隆太「――見える!」

 

恭夜「何が?」

 

女医「そう。あなたもニュータイプなのね」

 

ゲルマ「ニュー(乳)だけに」

 

恭夜「恭夜、帰りまーす!」

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