サリー「まさか私たちがあかりの保護者として学校に呼び出されるとは」
恭夜「入学してまだ2ヶ月だよね?一体何をやかしたんだ?」
~校内~
サリー「ここがあかりの通う私立泉陵(せんりょう)学園か」
恭夜「綺麗な学校だな」
女生徒「――こんにちは」
サリー「こんにちは。ちょっとお尋ねしたいことがあるのですが、職員室はどちらにございますか?」
恭夜(相変わらず凄い適応力と社交性だ。でもこの女の子、サリーの髪型しか見てねぇ)
女生徒「向こうにありますよ」
サリー「ありがとう。それでは――」
女生徒「あのう、その髪型可愛いらしくて似合ってると思いますよ」
サリー「フフフ、嬉しいわ。夜道にお気をつけなさい」
女生徒「えっ!?」
恭夜「なんでだよ!ガン見してだけど、ちゃんと誉めてんじゃん!女がする脅迫でもねぇし!」
女生徒「し、失礼します!」
サリー「たくっ、最近の学生はマナーを知らないのか?」
恭夜(サムライみたいな髪型をしてる女に言われたくねぇよ)
~職員室~
教師「お忙しい中、ご足労頂き申し訳ありません。お二方が星宮あかりさんの保護者の方でしょうか?」
サリー「はい」
教師「えー、お二方はかなり若くお見受けしますが……ご姉弟ですか?」
サリー「い、いや――」
恭夜「イトコです。小さい時から仲良かったんで、今も一緒に住んでるんですよ」
教師「そうでしたか。あっ、すみません。お茶をご用意しますね――」
サリー(私としたことが……機転を利かせられなかった)
恭夜(ずっとサリーの振る舞いを見てきたからね。俺だってサリーの後ろをついてくだけじゃダメだと思ってるんだ)
サリー「それで私たちが呼び出された理由は?」
教師「ええ、最近星宮さんにお話をお伺いする機会があったのですが、どうも親族とは無縁の方たちと住んでるとお聞きしたので――」
サリー「だとしたら何だというのですか?」
教師「――ひぃ!」
恭夜「ちょ、ちょっと待って!?刀を抜こうとしないで!」
教師「それ、模造刀……ですよね?」
恭夜「そ、そうです!そうです!彼女、コスプレが好きでよく持ち歩いてるんですよ!」
サリー(彼女?)
教師「えー、それでは話を続けますね。星宮さんの話を聞いたのは私個人なのですが、どうやら人づてに他の生徒に広まってしまい良からぬ噂が立っているのです。恐らく他クラスの生徒の嫉妬から来るものだと思うのですが……」
サリー「あかりはイジメを受けているのですか?」
恭夜「想像できないなぁ」
教師「それについてはご安心下さい。星宮さんは持ち前の明るさと活発さでクラスに打ち解けてます。それに率先して雑用を引き受けてくれるんですよ。教職員の間では良く教育なされてる家庭の生徒だと口々に仰ってます」
サリー「当たり前です。私の妹ですから」
教師「えっ……」
恭夜「あっ、やだなぁ先生、あかりは妹みたいに愛されてるってことですよー。アハハハ!」
教師「ははは、そうですよね。ただ、一つだけ……」
サリー「なんでしょうか?あかりに問題があるのですか?私はそうは思いません!」
恭夜「まだ先生何も言ってないだろ」
教師「授業態度には問題はないのですが成績に反映されていないようなので、ご家庭で勉強の方を見ていただけると――」
サリー「まるであかりの頭の中がお花畑であるかのような物言いですね」
恭夜「そこまで言ってねぇだろ!あかりをポンコツみたいに言うな!」
教師「それと一度だけノートを拝見したのですが、ご家族を描かれたような落書きが大半を占めていまして、授業自体に身が入っていないように思われます。進路等で悩んでおられるのかもしれないので、是非ご夫婦からお話をして頂けると幸いです」
恭夜(ご、ご夫婦?)
サリー「フッ、承知した。それでは失礼する」
教師「よ、よろしくお願いします……」
恭夜(素に戻ってるし、なんでちょっと嬉しそうなんだ?)
~正門前~
サリー「――ルナとゲルマは何をしていたんだ!教育係に任命した私がバカだった!」
恭夜「ダメダメコンビじゃん」
あかり「――あれぇ?恭夜お兄ちゃん?サリーお姉ちゃん?なんでここにいるの?」
サリー「あかり!帰ったら覚悟しろ!」
あかり「うえっ!?なんで!?」
恭夜「ちゃんと説明しろよ!意味がわからないとすげぇ恐ぇよ!」
あかり「先生、あたしのこと何か言ってたの?」
恭夜「誉めまくってたね。良くできた生徒だって」
サリー「勉強以外はな」
あかり「えー、だってゲルマお兄ちゃんとルナお姉ちゃんが勉強と関係ないことしか教えてくれないんだもん」
恭夜「サリーがこれから教えてくれるってさ」
サリー「それとノートに落書きするな。書いていいのは私の言葉だけだ」
あかり「えぇ!戦国時代しか書けないじゃん!」
サリー「誰が武士だ!」