司会者『さあ、今夜も始まりました!通販番組、「電話でカモラナイト!」。今日ご紹介するのは携帯用チェーンソーでございます!』
隆太「――みなさーん!始まっちゃいましたよ!」
あかり「今度こそまともな商品なんだよね?」
サリー「注射器より使い勝手はいいはずだ」
ゲルマ「お手並み拝見」
ルナ「楽しみ」
恭夜「お前らそんなに気になってたのかよ……」
司会者『皆さん、こんなことはありませんか?子供には刺激の強い雑誌や大好きなアイドルのDVDを処分したい。でもどうやって捨てたらいいだろう?そんな時、このチェーンソーがあれば簡単に裁断出来ちゃうんです!』
ゲルマ「なるほど。使い方はシュレッダーに近いようだな――あっ!まずいぞ!もし隆太が死んだら隠していたヘソクリをマスターに盗られてしまうぞ!」
隆太「そ、そんなぁ!今すぐヘソクリでチェーンソー買わなきゃ!」
恭夜「なんでてめぇが買わせようとしてんだよ。ヘソクリでチェーンソー買うぐらいならもっとマシな物に使った方が良くね?」
司会者『なんと言ってもこのチェーンソーの利点はその充電方法にあります!スイッチを入れたままの状態にしてチェーンソーをこのようにブンブン振り回して頂くと、バッテリーが充電され長時間お使い頂くことが可能です!』
サリー「刀の素振りにもなるというわけか」
ルナ「鍛えられるね」
あかり「チェーンソーでチャンバラでもすれば?」
司会者『――あー!あぶなーい!……ふう、たとえ人が近くにいても刃の部分に熱源感知センサーが内蔵されておりますので、多少出血しますが首に当たったとしても死に至ることはありません!もちろん保証書もお付けします!』
恭夜「こえぇよ!出血したらダメだろ!」
ゲルマ「保証書もついてるみたいだし些細な問題でしょ?」
隆太「命の保証でしょうか?不安しかないんですが……」
司会者『街頭調査を行ったので町の人の声をお聞きください!――』
サリー「ユーザーの声が聞けるとは参考になるな」
ルナ「買ってる人いるんだね」
あかり「もうヤラセだよね?」
主婦(47)『――子どもが大きくなったので雛人形を処分したくて、悩んでいたらネットでこのチェーンソーを知りました。重くて使いにくいってイメージがあったんですが、実際使ってみたら案外軽くて驚きました。
サリー「
ルナ「首が?」
あかり「なんで斬られる側なの?」
男学生(21)『オレ、大学の「黒ひげ危機一髪研究会」っていうサークルに入ってるんですけど、そこでリアル黒ひげ危機一髪っていうのを考案して段ボールとかで作ったんですよ。でもなんかこうアクション性がないなって思って色々探したんですよ。そしたら友達がこのチェーンソーを持ってきて実際に使ってみたんです」
男学生(21)「これがね、みんなで「スゲー!」ってなって刺されてるヤツがね「イテテ、マジでヤバイ!ホントにヤバイから!」みたいな顔してるんですよ!最高でしたね。もうハマりすぎてこのチェーンソー十点も買っちゃいました!』
恭夜「『イテテ』じゃねぇよ!ガッツリいってんじゃねぇか!」
ゲルマ「十点も大人買いするとは太っ腹だなぁ」
隆太「腹が出てたから刃に当たったのでしょうか?」
司会者『皆さん、参考になったでしょうか?気になるお値段ですが本体一式、保証書と保険料込みでなんと三万円でご提供します!』
サリー「格安だな!」
ルナ「サリー、楽しそう」
あかり「保険料ってなに?怪我すること前提なの?」
司会者『ちなみに保証期間は実際に入院した日から四十九日以内です!』
恭夜「法要かよ!それより入院しなきゃ保証されないってどういうこと!?」
ゲルマ「一人一台を持つべきだと思ったが命の保証期間が短すぎる!」
隆太「問題はそこだけじゃないと思いますが……」
司会者『お電話お待ちしてまーす!それではまた来週!』