?「――おっと、失礼するよ」
隆太「あかり!帰ってきたら鍵をかけなきゃ駄目だっていつも言ってるでしょ!」
あかり「ごっめーん!――あっ!?隆太お兄ちゃん、あの人……」
カイン「やあ」
隆太「カイザー好きのエクレアさんじゃないですか!?」
あかり「逆だよ。エクレア好きのカインお兄ちゃんだよ」
カイン「はい、お土産のレモンティーも持参したよ」
隆太「でもどうして来てくれたんですか?」
あかり「ゲルマお兄ちゃんに会いに来たんでしょ?」
カイン「それだけじゃないさ。キミたちが平和な日々を謳歌しているかチェックしに来たんだ」
隆太「カインさんは何をなさってるんですか?」
あかり「世界中の女性を集めてハーレム生活を送ってるんでしょ?」
カイン「本当にそれが実現出来たらキミたちに会おうなんて考えたりしないさ」
隆太「ルナさんを連れていくなら僕が許しませんよ!」
あかり「あたしは別にいいけど」
カイン「ハッハッハ!ルナが望むなら駆け落ちも悪くないね。けどボクがここに来たのは仕事をするためだよ」
隆太「カインさんの仕事って人身売買とかでしたっけ?」
あかり「違うよ。浮気の証拠を集める探偵だよね?」
カイン「表だって言えないものばかりだ!僕はそんな風に思われていたのか!?」
隆太「だってルナさんやサリーさんに酷いことしましたよね?」
あかり「それはカインお兄ちゃんの意志じゃないって分かったじゃん」
カイン「ボクが犯した過ちは許されるものではない。この世界にいるのはボクにとっての贖罪なのかもしれない。ただ今回の仕事は友人から斡旋されたものなんだ」
隆太「カインさんの友人って……」
あかり「サリーお姉ちゃんのストーカーの人?」
カイン「正確には元情報屋さ。今は裏世界から足を洗って真面目に生きてるよ」
隆太「ストーカーの人から仕事の依頼って何ですか?」
あかり「どうせあたしたちの家に盗聴器でも仕掛けるんじゃないの?」
カイン「もうキミたちのイメージを覆せる余地は無いようだ。彼が不憫で仕方がないが、とりあえず話だけでもしておかないと――この黒い箱だったな」
隆太「それってパソコンですよね?」
あかり「あたしたちにくれるの?」
カイン「ああ」
隆太「都合が良すぎて悪徳セールスマンに見えてきました」
あかり「でもこのアパート、ワイ○ァイ飛んでないよ」
カイン「この時代の横文字をボクに理解することは難しい。必要な機械は全て置いていくから、使い方はゲルマや恭夜にでも聞いてくれ」
隆太「あのう、お金は?」
あかり「どうせ体目当てなんでしょ?」
カイン「一体ゲルマに何を吹き込まれたんだ!?ボクは熟した果実にしか興味はない!」
隆太「熟女好きなんですね!」
あかり「あたしとサリーお姉ちゃんには興味ないんだね!良かったぁ!」
カイン「お金ならドラジェが肩代わりするようだから、キミたちに負担を追わせるようなことにはならない。それと必ずサリーにこの黒い箱を確認するように伝えてくれ。それと毎日だ」
隆太「それがストーカーさんからの依頼ということですか……」
あかり「もしサリーお姉ちゃんがパソコン売ったりしたらどうするの?」
カイン「このアパート全てに盗聴器に仕掛けると息巻いていたな」
隆太「どんだけ盗聴が好きなんだろう……」
あかり「『首を洗って待ってろ』ってサリーお姉ちゃんが言ってたって伝えておいてね」
カイン「足だけじゃなく首も洗わなければならないとは……」