~球場内~
恭夜「メチャクチャ人いる……」
ルナ「いつもより少ない」
恭夜「へぇ、そうなんだ」
ルナ「向こうの席だよ」
恭夜「あそこって……三塁だっけ?」
ルナ「レフトって言うんだよ」
恭夜「そのレフト側のシートに座るのか」
ルナ「うるさいの嫌いだから三塁側の席だよ」
恭夜(どこもうるさいじゃん……)
ルナ「もう始まるよ」
恭夜「あそこってライトだっけ?」
ルナ「うん」
恭夜「それじゃあ、あそこにルナの嫌いなオオカミがいるのか」
ルナ「ボールが飛んできたら守って」
恭夜「も、もちろん!ヘ、ヘディングでもしちゃおうかなぁ!(あれ?野球ボールって硬いんだよな?まあ、ネットもあるしどうにかなるはず)」
ルナ「ふふふ」
~6回裏終了~
恭夜「これってルナが応援してるチームが負けてるの?」
ルナ「負けてない。審判がウサギを助けてる」
恭夜「そ、そうなんだ(それって買収じゃん……)」
ルナ「あっ……いや……」
恭夜「ま、また痴漢?――うっ!?アイツは!?」
ルナ「オオカミがこっち見てる」
恭夜「オーロラビジョンを利用してウインクするな!」
ルナ「なんか紙を上げてる。『今日の試合に勝ったらオレっちのペットになれ!』だって」
恭夜「虎をペットにするって、恐らくルナのことだよな?ていうかアイツ、オーロラビジョンに映ってるのにどういうメンタルしてんだ?」
ルナ「また紙を上げてる。『オレっちがペットになってもいいよー!』だって」
恭夜「なんか腹が立ってきたな。このビジョンをさ、スマホで撮ってサリー達に見せよう」
ルナ「うん――」
~試合終了~
ルナ「――う~ん!」
恭夜「いたっ!ちょっと悔しいからって俺の膝を殴らないで!」
ルナ「うっ……」
恭夜「オオカミが来る前に帰ろう?」
ルナ「……うん」
オオカミ「――捕まえた!」
恭夜「うわぁ!?」
ルナ「この人知らない!」
オオカミ「そんなこと言ったってダメだよぉ。ちゃんと虎退治したんだからねぇ」
恭夜「くそっ!跡をつけてやがったな!」
ルナ「オオカミをペットにするくらいなら猫を飼う」
オオカミ「お姉さんが望むなら猫にもなるよぉ。お姉さんが猫でもいいね」
恭夜「コイツ、さっきからキモい発言しかしてねぇぞ。まさに野獣だな」
ルナ「恭夜は私の番犬。だから私を守って」
恭夜「なんで俺、犬扱いされてんの?」
オオカミ「しょせんは番犬。餌を撒けば飼い主の言うことなんて聞かないよぉ!」
ルナ「勝手に人のペットに餌付けしないで。うちのペットは肉食系だけど一途。だから私にしかなつかない」
恭夜「擁護してんのかもしれないけど、犬扱いするのやめてくんない?」
オオカミ「往生際の悪い子猫ちゃんだな。なら今回は連絡先を教えてくれるだけでいいよぉ!」
恭夜「デートの約束すらしてないのに、強引に連絡先を交換をしようとするとは……」
ルナ「恭夜の電話番号教えて」
恭夜「――しょうがないなぁ」
オオカミ「アンタのじゃねぇ!オレっちはお姉さんの電話番号を教えてもらいたいんだよ!」
ルナ「私の電話番号壊れてる」
オオカミ「こ、壊れてる?アプリじゃなくて電話番号が?」
恭夜「電話番号って壊れるよね。俺のスマホ、メールも壊れたし」
ルナ「私の電波、いつも圏外」
オオカミ「う、嘘だぁ!?橋の下にでも住んでんのか?」
あかり「――いた!いた!サリーお姉ちゃん向こうにいるよ!」
サリー「思ったより早く見つかった――あっ……」
オオカミ「なーんだ?お姉さんたちはオレっちの出待ちでもしてたのかなぁ?」
サリー「よりにもよって不埒な男に絡まれるとは」
あかり「うげー。やっぱりオオカミさんも一緒にいるんだ……」
恭夜「サリーとあかりもコイツの知り合いかよ」
ルナ「知り合いじゃない。この人が勝手について来た」
オオカミ「またまた照れちゃって。そんなに恥ずかしがらなくてもオレっちにはお姉さんのことが手に取るようにわかるよ~」
サリー「コイツは何を言ってるんだ?」
あかり「オオカミに人の言葉が伝わるわけないじゃん。もう帰ろうよ」
オオカミ「ノンノン!オレっちの嗅覚があればお姉さんたちの住みかなんて簡単に特定出来ちゃうよ!」
恭夜「こんなヤツ、ゴタイさんのアパートに連れてきたら女性が住めなくなるな」
サリー「ポリスメンを呼ぶしかないか」
?「その必要はないわ」