~泉陵学園高校・2階~
ルナ「もぐもぐ……美味しいね、このきび団子」
サリー「驚いたな。文化祭とやらできび団子まで堪能出来るとは」
ルナ「次どこ行く?」
サリー「あまり食べ過ぎるとラーメン食べれなくなるぞ」
生徒A「―もうやめてくださーい!」
生徒B「どうしてこんなことを……」
ルナ「なんか怖い」
サリー「奥の教室では劇でもやっているのか?様子がおかしいようだが……」
女妖怪「えぇーい!この忌々しいランドセルめぇ!」
ルナ「サリー……あのおばさんがランドセルに石投げてる」
サリー「石?そんな物騒な催し物まであるのか?窓ガラスが割れているが――」
生徒A「違います!私たちの催し物は射的なんです!」
生徒B「なのにあのおばさんがランドセルを見た途端、石を投げ始めたんです!」
ルナ「射的って夏祭りみたいだね」
サリー「景品がランドセルというのも不思議だが、あの女性は相当恨みを持ってるようだな」
ルナ「私も射的したい」
サリー「ならばあの女性を狙え」
女妖怪「なんだぁ?おめぇらもこのランドセルを狙ってるかぁ?」
ルナ「私、隣の人形欲しい」
サリー「顔が星で体は猫のようだな。手作りのようだか、何故こんな粗雑なガラクタを景品したんだ?」
女妖怪「こんなぁ楽しいこと中々ないんだぁ!積年の恨みを晴らしてる気分だぁ!」
サリー「ランドセルをサンドバッグと勘違いしているようだな」
ルナ「ストレス発散だね」
女妖怪「小学生どもは大人になる責任の重さをもっと知るべきだぁ。おめぇらもそう思わねぇかぁ?」
サリー「意志に石をあて、石を責任の重さに置き換えているのか。言いたいことは分かるが、回りくどい上やり方が横暴過ぎる。それにここは高校だぞ」
ルナ「ランドセル、傷だらけになってる」
女妖怪「そうだよなぁ。ワシも段々やり方が間違ってるんじゃないかぁって思ってたんだぁ」
サリー「だが、ここまで派手にやってしまっては生徒たちが報われないな」
ルナ「――警察来た」
女妖怪「ぶぁ!?」
ポリス「まさかこんな場所で出くわすなんて……でもこれで終わりだ。一緒に来てもらうよ」
女妖怪「おめぇ、一つ聞いてもいいかぁ?」
ポリス「話なら署で聞くから――」
女妖怪「あの掲示板の張り紙作ったのおめぇかぁ?」
ポリス「そうだけど……」
女妖怪「ワシは無職じゃないぞぉ!」
ポリス「そうなんだ……」
女妖怪「ライフスタイルアドバイザーだぁ!」
サリー「世も末だな」
ルナ「反面教師だね」
ポリス「自分のライフスタイルを見直した方が賢明だと思うけど」
女妖怪「ワシは世の為、人の為にこの体を削って貢献してきたんだぁ!」
ルナ「墓石も削ってる」
サリー「ランドセルも削るようだな」
ポリス「あなたの言い分は聞くけど、今までの行いは立派な犯罪だ。ちゃんと償わなければならない」
女妖怪「物分かりの悪いサツめぇ!これでも食らえぇ!」
ポリス「――いたたっ!?」
ルナ「警察官に石ぶつけてる」
サリー「ポリスメンをサンドバッグにするとは恐るべし」
ポリス「これ以上罪を重ねるなら容赦しない!おい、猿野!」
猿野「先輩、取り押さえましょう!」
サリー「この男、ロッカーから出て来たぞ!?しかも犬と一緒だと!?」
ルナ「ガサ入れでもしてたのかな?」
女妖怪「ゲラゲラゲラ。応援を呼ばれたら潔く退散するだぁ――」
ポリス「逃がすかぁ!!」
ルナ「――んっっ!?」
サリー「――発砲した!?」
生徒たち『キャー!?』
女妖怪「無駄だぁ!ワシに小細工は通用しないんだぁ!」
猿野「ホシが窓から飛び降りました!俺が相棒と一緒に追尾します!」
ポリス「ああ、頼んだ(これで今月ノルマ達成だ!)」
サリー「あなたは跡を追わないのか?」
ポリス「僕は非番だからね。代わりはパートナーのルイーゼが務めてくれる――」
ルナ「あっ!」
サリー「キジか?」
キジ『ヒサビサノ、シャバノクウキハ、ウメェゼ!』
ルナ「オウムみたいだね」
サリー「ポリスメンが吹き込んだのか?」
ルナ「――鳥さんが窓から飛んでいった!」
ポリス「それじゃあ僕は職員室に報告してくるから」
サリー「参ったな。片付けをせねば……おい、この人形」
ルナ「汚れちゃったね」
サリー「額をよく見ろ」
ルナ「……穴空いてる」