~泉陵学園高校・保健室~
ハルカ「う、う~ん……」
あかり「ハルカちゃん、起きた?」
ハルカ「ここは?」
あかり「保健室だよ」
恭夜「さっきはごめん。突き飛ばしたりして」
ハルカ「いえ、気にしていません。だって恭夜さんは私を守ってくれたんですよ」
あかり「へぇー、そうなんだぁ。じゃあ、帰りは恭夜お兄ちゃんが送ってあげなきゃね」
恭夜「そ、そうだね」
ハルカ「本当にいいんですか?」
サリー「――失礼する」
ルナ「入ってもいい?」
あかり「もう入ってるじゃん」
ハルカ「この方たちは写真に写っていた……」
あかり「私のお姉ちゃんたちだよ!」
サリー「ハルカさんだったか?」
ハルカ「は、はい!ハルカでかまいません」
ルナ「よろしくね、ハルカ」
恭夜「なんで二人がここにいるんだ?」
サリー「ゲルマから話は聞いた。ゴキブリが飛んできて意識を失ったと聞いたが本当か?」
ハルカ「え、え~と……なんと言えばいいのか……」
恭夜(ゲルマのやつ、どんな説明したんだ?)
あかり(あまり余計なこと言わない方がいいよね)
ルナ「もうすぐお昼だね」
サリー「まあいい。それより昼はどうするんだ?ゲルマが屋上でバーベキューをしているらしいが」
恭夜「はぁ!?」
ハルカ「バーベキュー……ですか?」
あかり「許可はもらったの?」
ルナ「あかりの先生がついてる」
恭夜「隆太も一緒にいるんだろ?」
サリー「ああ。私も詳しい話は聞かされてないが、どうやらマグロの解体をしているらしい」
あかり「ホントにやってるの!?」
ハルカ「な、なんだか楽しそうですね……」
ルナ「解体ショー見たいね」
恭夜「隆太も人様の敷地でよくやる気になったな」
サリー「雨が降りそうな天気だ。私とルナは先に帰らせてもらう」
ハルカ「もう帰るのですか?」
あかり「もっとみんなで見て回ろうよ!」
ルナ「これからラーメン食べる」
恭夜「すげぇ嬉しそう」
サリー「色々楽しませてもらった。それに私たちもやらなきゃいけないことがあるだろ?」
あかり「まあね!」
ハルカ「そうですね」
ルナ「サリー、早く行こ」
サリー「ああ――それと今日は悪かった。ごめん」
恭夜「まだ来年もあるからいいよ。俺たちはバーベキューに行くからさ」
ハルカ(どうしてサリーさんという女性は恭夜さんに寂しそうな視線を送るのでしょうか?もしかして――)
あかり「ハルカちゃんは諦めちゃダメだよ」
ハルカ(やっぱりあのサリーさんという女性は……)
恭夜「ハルカちゃんはどうする?」
ハルカ「わ、私は……」
あかり「恭夜お兄ちゃんみたいに来年があるなんて考えちゃダメだよ」
恭夜「はぁ……そんなことぐらい俺だって分かってるよ」
ハルカ「私も一緒に行きます!」
~屋上~
ハルカ「すごい人……」
あかり「普段は屋上なんて入れないのにね」
恭夜「許可した先生も先生だな」
教師「あっ、どうも。星宮あかりさんのご家族の方でしたよね?」
あかり「先生、屋上でこんなことさせていいんですかぁ?」
教師「い、いやぁこれは話せば長くなるから後で――」
恭夜「あそこで肉を焼いてる男(ゲルマ)に
教師「えー、あのー、他言は無用でお願い出来ますでしょうか?」
ハルカ「先生の独断なんですか?」
教師「私もね、アウトドアな人間でして、キャンプやバーベキューなんかが好きで好きでどうしようもない人間なんです!」
恭夜「バーベキューという言葉に惹き付けられて許可したんですか?」
教師「すみません!どうか内密に――」
ハルカ「先生は生徒に厳しく、自分に甘いんですね!」
あかり「あたしたち、先生の弱みを握っちゃったね?」
教師「うっ!そ、そんな……」
恭夜「なら先生、俺と取引しません?」
教師「私……財布は持たない主義でして」
恭夜「それだと俺が脅迫してるみたいでなんかヤダ」
あかり「財布を持ち歩かないって、大人としてどうなの?」
ハルカ「生理的に無理です」
恭夜「文化祭って明日までですよね?明日だけでいいんで、俺を一日だけ学生扱いにしてくれませんか?」
教師「えぇ!?」
あかり「恭夜お兄ちゃん、泉陵生(せんりょうせい)になるの?」
ハルカ「私からもお願いします!」
教師「そ、そうですね。一応話だけでもしてみますが、認められるかどうかは校長先生次第ですよ?」
恭夜「お願いしまーす!先生」
教師「はぁ、バーベキューなんてしてる場合じゃなくなっちゃったよぉ――」
ハルカ「なんか先生に酷いことしてしまったような……」
あかり「自業自得だよね」
恭夜「ん?先生のポケットからなんか落ちたぞ」
ハルカ「カードでしょうか?」
あかり「これって運転免許証だよね!?」
恭夜「本当に財布持ち歩いてないのかよ……」