ゴタイ荘の「ほっとすぱーず」   作:公私混同侍

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泉陵学園高校文化祭・反省会

~ファミレスにて~

 

ハルカ「恭夜さんたちには感謝してもしきれません!素晴らしい一日をありがとうございました!」

 

あかり「警察の人も見に来てたみたいだよ」

 

サリー「そ、それは知らなかった。警察がいたとは寝耳に水だな」

 

ゲルマ「文化祭は来年もあるらしいぞ!気が早いが、あっしは次の演出をもう考えてるでござる!」

 

恭夜「嘘だろ……なんでそんなポジティブなんだよ。体育館中がシラけてたじゃん」

 

ハルカ「そうだったんですか!?私てっきり舞台に魅入っていたものと……」

 

あかり「別に良くない?先生たちは面白かった言ってたよ」

 

サリー「お世辞だと思うが、来年もやってほしいと頭を下げられたな」

 

ゲルマ「なら今度はルナとサリーの愛憎劇でもやるぅ?」

 

恭夜「サリーはいいけど、ルナは演技出来るのか?」

 

あかり「無理じゃない?何考えてるかわかんないし」

 

サリー「主役は誰がやるんだ?」

 

ハルカ「私は恭夜さんがいいと思います」

 

ゲルマ「それは酷な話だ。マスターは男子トイレが故障して使えなくても、女子トイレを使うことに躊躇いを感じる男だぞ!そんな男に大役が務まると思うか?――否!」

 

恭夜「『否!』じゃねぇよ。男子トイレが壊れてるからって女子トイレに入ろうなんて誰も思わねぇよ」

 

あかり「ゲルマお兄ちゃんと隆太お兄ちゃんなら女装すれば入れると思うけど、恭夜お兄ちゃんとサリーお姉ちゃんは厳しいと思うよ」

 

サリー「誰が男だ!」

 

ハルカ「あのう、お店でトイレの話はやめません?」

 

恭夜「ゲルマのせいだぞ。責任とって早く店員さん呼べよ」

 

ゲルマ「嫌!」

 

サリー「『否!』みたいに言うな――私はライスを頼もう」

 

ハルカ「稲!」

 

あかり「ハルカちゃんも毒されちゃったね」

 

恭夜「――店員さん来たけど、食べたいもの決まった?」

 

あかり「あたし、チーズインハンバーグ!」

 

ゲルマ「あっしはチーズバーガーで」

 

サリー「……」

 

ハルカ「サリーさんは決まりましたか?」

 

恭夜「俺、ステーキにするけど一緒でいいんでしょ?」

 

サリー「それとオニオンサラダをつけてくれ」

 

あかり「たまには自分の好きなもの頼めばいいじゃん」

 

ゲルマ「男の好き嫌いは激しいのに、食べ物は選り好みはしないタイプなんだと」

 

恭夜「あとコーヒーだよね?」

 

サリー「いや、今回はワインにする」

 

ハルカ「ワイン?」

 

あかり「そういえばサリーお姉ちゃん、お酒飲めるんだっけ?」

 

ゲルマ「色気出しやがって」

 

~30分後~

 

恭夜「さてとデザートは――」

 

あかり「もう食べ終わったの?」

 

ハルカ「男の人は本当に食べるのが早いんですね」

 

ゲルマ「あっしのチーズバーガーもマスターに食べられたでおじゃる~!うえーん!」

 

サリー「お前は何しに来たんだ?」

 

ハルカ「あのう、皆さんにもう一つご相談したいことがあるんです」

 

ゲルマ「恋愛相談についてはあっしに、人生相談についてはサリーに、お金に関するご相談はマスターにお申し付けを」

 

サリー「大船に乗ったつもりで打ち明けてみろ」

 

あかり「大船ねってタイ○ニック?」

 

恭夜「俺から金を取ったら何が残るんだよ……」

 

ハルカ「お話してもよろしいでしょうか?まず、この記事を見てもらいたいんです」

 

あかり「新聞?」

 

ゲルマ「去年の記事のようだが」

 

恭夜「写真の場所がアメリカって書いてあるけど遺跡か何かかな?」

 

サリー(写真に写っている壁画は何だ?――私はこの壁画の人物を知っている!)

 

ゲルマ「この壁画は女性みたいだ。それに翼らしきものも描かれている(この女、まさか――)」

 

あかり「この人、髪を下ろしたサリーお姉ちゃんに似てる」

 

ハルカ「わ、私もちょっと思いました!」

 

サリー「それは誉めているのか?それとも(けな)しているのか?こんな写りの悪い写真では判別出来ない」

 

恭夜「『地底国家の存在 遂に判明か?』。地底国家なんて迷信だと思ってたけど――」

 

ゲルマ「この記事を我々に拝見させたということは、ハルカ殿がこの地底国家の関係者である可能性が高いと?」

 

あかり「……そうなの?」

 

ハルカ「それまではわからないけど、この記事と一緒に手紙も送られてきたの」

 

恭夜「誰から?」

 

ハルカ「……私の母と父を名乗る方々からです」

 

サリー「実の両親を(かた)っているわけか」

 

ゲルマ「嘘と決まったわけではない。それにこの壁画はオレたちにも無関係とも言い難い」

 

あかり「ハルカちゃんの今のママとパパって血が繋がってないの?」

 

ハルカ「私が小さいときに拾われた話は聞かされたの。でも本当のお母さんとお父さんがいるなんて一言も教えてくれなかったんだよ」

 

恭夜「アメリカって言ってもどこにそんな国が眠ってるんだ?」

 

ハルカ「手紙の中に地図みたいなものも入ってました」

 

サリー「ハルカなら事情を説明すれば会わせてもらえるのではないか?」

 

ハルカ「私……怖いんです。もし本当にこの手紙の内容が正しいとしたら、もう皆さんに会えなくなってしまうようで……」

 

恭夜「もし俺が皆と会えなくなっても、どんな手を使っても会いに行く方法を探すけどなぁ」

 

サリー「私も恭夜に同感だ。例え辛く耐え難い現実が待っていようとも、私たちの絆はそう易々と断ち切れるものではない」

 

あかり「もうちょっとハルカちゃんの身になって考えてあげてよ」

 

ゲルマ「マスターたちは無神経な発言をしているのではない。ハルカ殿に乗り越えてほしいのだ。困難な現実に打ち勝ち、その先にある幸福を掴み取るためにな」

 

ハルカ「一人では不安なので、皆さんについて来てもらいたいのです。心の支えになってもらえませんか?」

 

ゲルマ「百聞は一見にしかず。是非同行させて頂きたい」

 

サリー「最近腕がなまってきたからな。そろそろ試し斬りをしたいと思っていたところだ」

 

あかり「もっちろん!ね、恭夜お兄ちゃん?」

 

恭夜「行きますか?久々の海外旅行に!」

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