四つの扉
~アメリカ・某州山奥~
あかり「歩くの疲れた~」
隆太「僕たち、遭難してますよね?」
ゲルマ「地図ではこの辺りのはずなんだがな――」
ハルカ「日が暮れてきちゃいましたね」
サリー(――クッ、歩く度に頭痛がする。久々の長旅で疲れがたまったか)
ルナ「恭夜……」
恭夜「ちょっと寒くなってきたな(サリーの顔色が悪い。それにルナの様子もおかしい。ゲルマも気づいてるみたいだな)」
ハルカ「少し休憩しますか?」
あかり「でも夜になっちゃうよ」
隆太「一応キャンプ用品は揃えて来ましたけど――」
ゲルマ「その必要は無さそうだ」
ルナ「サリー?」
恭夜「どこに行くんだ?」
サリー「ここに……ある……深く地の……底が……」
隆太「サリーさん、風邪でも引きました?」
あかり「――ねぇ!サリーお姉ちゃんの刀が光ってるよ!」
ハルカ「綺麗な月みたい!」
恭夜「もしかしてルナの刀も?」
ルナ「うん」
ゲルマ(サリーの足が止まった。目の前は岩壁が茂みに覆われているだけだ。その茂みに存在するというのか?地底国家へ続く扉が!?)
恭夜「ルナ、この茂みを取っ払おう!」
ルナ「うん!」
ハルカ(この茂みの奥に私の
あかり「隆太お兄ちゃん、モタモタしてないであたしたちも手伝おうよ!」
隆太「そ、そうだね」
~10分後~
ルナ「サリー、大丈夫?」
恭夜「寝てるだけだから大丈夫だよ」
あかり「ハルカちゃん、羨ましいんでしょ?サリーお姉ちゃんがお姫様抱っこされてるから」
ハルカ「そ、そんなわけ……あるけど」
隆太「でもビックリしましたよ。本当に茂みの中に扉があるなんて」
ゲルマ「地図は間違ってはいなかったということだ」
あかり「こんな真っ暗な洞窟、ライトがなかったら何も見えないよ」
隆太「こんな所に人が住んでるのでしょうか?」
サリー「うぅ……私は……恭夜の……女神に……」
ハルカ「えぇっ!?今のは私の聞き間違いでしょうか!?」
あかり「ただの寝言だと思うよ」
ゲルマ「ボイスレコーダーを完備して正解だったでござる」
恭夜「てめぇ、また俺の懐が寒くなるじゃねぇか」
ルナ「ふふふ、盗聴だね」
隆太「ゲルマさん、あとどれくらいでつきそうですか?」
ゲルマ「もう着いたでござる」
あかり「――いったぁ!もう急に止まったりしないでよぉ!」
ルナ「扉が四つもある」
ハルカ「道が別れてるようですね」
恭夜「なぁ、右端の扉って女子トイレ……じゃないよな?」
ハルカ「確かこの扉の先はエレベーターになっていて、扉ごとに下がる階が決まってるようです」
ゲルマ「あっしに盗聴だけでなく、盗撮しろと!?仕方ないでおじゃるな~!」
隆太「だ、駄目ですよ!意気揚々と女子トイレに向かわないでください!」
ルナ「――扉が開いた」
あかり「女子トイレから誰か出てくるよ!」
?「騒々しいわ――あら、やっと来たのね。待ちくたびれたわ」
あかり「キャー!オバケェ!」
ハルカ「ど、どうしてヤエ先輩がこんな場所に!?」
ヤエ「酷いじゃない。私を仲間はずれにするなんて」
恭夜「占い師も地底国家を知ってるのか?」
ヤエ「それを知りたくてここにいるのよ」
隆太「でも占い師さんもいれば鬼に金棒ですよ!」
ヤエ「鬼呼ばわりなんて
ルナ「虫の息だね」
ゲルマ「冷たいことを言うが、人が増えたところで地図を持っていなければ足手まといになるだけだ」
ヤエ「呪術を
ハルカ「やっぱり
あかり「でもどの扉に行けばいいの?」
ゲルマ「地図には道があるが、土地や建物に関する表記はない。やはり自分の目で確かめるしかあるまい」
恭夜「ああ……みんなで手分けして進むしかないな」
隆太「みんなで行けば――」
ヤエ「得策ではないわ。多勢で行けば移動効率が下がるだけよ。それにもし徒党にでも出くわしたら誰が守ってくれるっていうの?」
隆太「そ、それは……」
恭夜「今まともに戦えるのはルナとゲルマしかいない。それにサリーはこのままにしておけないし、洞窟は視界が悪いから人数が増えれば被害にあう危険性も増すよな」
ルナ「でも私、道わからない」
ヤエ「地図を持ってるのはハルカだけ。そして地図を把握しているのは
ハルカ「そうすると三つに別れる……ということでしょうか?」
ヤエ「扉の先にある中枢までの経路を把握している人間がもちろんリーダーよ」
ゲルマ「それに戦闘要員もバラけなければならんな」
あかり「占い師さんも戦うの?」
恭夜「カウントしてもいいんじゃね?ミイラを蘇らせれば味方にも出来るっしょ?」
ヤエ「……できるわよ」
ルナ「ネクロマンサーだね」
隆太「占い師さんと一緒に行きたくありません!」