兄店員「ヘイヘイ!安いよ!安いよ!」
サリー「ここは
あかり「ペットショップでする掛け声じゃないよね。ワンちゃんたちがカワイソウ」
ルナ「あの人恐い」
兄店員「おっとー!可愛い子猫ちゃんがオレっちの美声に誘われて来たぜぇー!」
サリー「帰るか」
あかり「うん」
ルナ「
兄店員「ちょ、ちょっと!つれないなぁ、お姉さん方がオレっちを目当てに来たわけじゃないことは百も承知だよー!」
サリー「ルアーがあれば鼻にかけてやるが」
あかり「この人が釣れちゃうよ?」
ルナ「鱗は私が剥がす」
兄店員「アハハ……勘弁して下さい。真面目にやるんで」
サリー「私達は冷やかしに来ただけだ。ヘラヘラした間抜け面は奥に引っ込んでいてもらおうか」
あかり「サリーお姉ちゃん、カッコいい!」
ルナ「ハイエナみたい」
兄店員「ハイエナはいないけどー、キュートな子猫ちゃんならたくさんいまっせー!」
サリー「猫より犬が見たい」
あかり「あたしもー」
ルナ「私は猫が好き」
兄店員「じゃあ、そこのモデルさんはオレっちが案内するぜ!残りの二人は適当に見て回ってくれ!」
あかり「差別だよね」
サリー「ああ、人を見た目で判断するとはな。接客のなんたるかを理解していないようだな」
ルナ「狂犬はイヤ」
兄店員「おっとー!距離を取られちまったぜー!だが、オレっちはこんなことでへこたれないぜー!」
サリー「どういう精神構造をしてるんだ?」
あかり「もう接客じゃなくて、ナンパだよね?」
ルナ「――あっ!この犬、ゲルマみたいでカッコいい」
兄店員「おっ!お姉さん、お目が高いね!このワンちゃんは全身が白い体毛が覆われていて、フィンランドでは猟犬としても飼う人がいるんだぜ!」
あかり「目が鋭いね。サリーお姉ちゃんみたいだよ」
サリー「なになに『ヘイヘ・ホワイト・スナイプ』?狙撃が得意?まるで白い死神だな」
ルナ「目がスコープになっていて一キロ先の獲物も逃さない。だって」
兄店員「『ヘイヘ・ホワイト・スナイプ』は雪の中でしかその力を発揮出来ないんだ!まさに雪原のスナイパーさ!でもオレっちなら一キロ先でもお姉さんのハートを撃ち抜くけどね!パチパチ!」
あかり「ウィンクすんな!」
サリー「私なら一キロ先でも貴様に斬りかかるがな!」
ルナ「この猫、恭夜みたい」
サリー「なに!?」
あかり「サリーお姉ちゃん、食いつきすぎだよ」
兄店員「ああ、それね……」
あかり「急に冷たくなったよ」
サリー「猫の話になると態度が極端になるな。そもそもルナはどこが恭夜らしいと思ったんだ?」
ルナ「顔だけが黒いから」
兄店員「その猫ねー、人気ないんだよねぇ。だって、体は茶色いのに顔の上半分だけ黒いなんておかしいっしょ?」
ルナ「マスクみたいだね」
あかり「『マスクド・スパルタン・キャット』だって」
サリー「なになに非常に打たれ強い肉体を持ち、一匹のペルシャ猫相手に三百匹で縄張り争いをするほどの狡猾な性格の持ち主か。ペルシャ猫に何の怨みがあるんだ?」
ルナ「イジメだね」
兄店員「オレっちなら最初から落とる女なんかには手を出さないけどね!まあ、オレっちに落とせない女はいないけどぉ?」
あかり「この猫買って、この店員さん噛み殺そうよ」
サリー「いい案だな。番犬の代わりにもなるしな」
ルナ「あかりとサリー、恐い」
兄店員「オレっちのオススメはこの『クイーン・オブ・ウィンザー』だ!」
ルナ「綺麗な猫だね」
サリー「ピンク色の毛並みが輝いてるな。名前の通り、どうやらメスのようだ」
あかり「宝石みたいな瞳だよ!」
兄店員「この猫、何がスゴいってメスしか生まれないのさ!」
あかり「どうやって赤ちゃんつくるの?」
サリー「人の手で繁殖されるのではないか?」
ルナ「ニャンニャン♪」
兄店員「『クイーン・オブ・ウィンザー』はそのフェロモンで優秀なオスの遺伝子を惹きつけるのさ!オレっちみたいにね!」
あかり「この人のはフェロモンっていうよりエキスだよね」
サリー「いや、バイオテロだろ」
ルナ「生物兵器だね」
兄店員「どうかな?オレっちのアイドルたち、気に入ってくれたー?」
ルナ「私は『マスクド・スパルタン・キャット』が好き」
あかり「最後の猫ってお姫様っていうより女神みたいだったよね?サリーお姉ちゃんみたい」
サリー「無理やり女神に当てはめなくてもいい」
兄店員「おやおや?オレっちの
あかり「やっぱりこの店員さん、あたしたちのこと品定めしてたんだよ!イヤー!こっち見ないでー!」
サリー「オオカミの皮を被った羊が生きて帰れると思うな!」
ルナ「ラーメン食べたい」
兄店員
妹はラーメン屋「不凍紅(ふとうこう)」のアルバイトをしている。