~日進月歩の扉・道中~
隆太「ルナさんやゲルマさんがいれば百人力ですよ!」
ゲルマ「だが、もしあっしたちの身に何かあったら隆太を置き去りにするかもしれん。許しておくんなまし」
ルナ「お荷物だね」
隆太「ひ、ひどい……」
ゲルマ「安心するがいい。この目から放たれる赤き眼光とミサイルのように飛び出る拳があればなんともないさ」
ルナ「うん」
隆太「出来れば使わずに済むといいんですが……」
ゲルマ「この先は高低差がほとんどない整備された道のようだ。今のところ人の気配もないな」
ルナ「――扉が見えてきた」
隆太「ホントですね。もう出口なんでしょうか?」
扉『こちらは第一の扉「クロト」です。お客様は何名でしょうか?』
ゲルマ「えー、二人です」
隆太「ち、違いますよ!僕を含めて下さい!」
ルナ「隆太は荷物だよ」
隆太「ルナさん酷いです!せめて荷物係にして下さい!」
扉『こちらの用紙にお名前をご記入下さい』
ゲルマ「まるでレストランに来た気分だ」
ルナ「接客みたいだね」
扉『ゲルマ様、ルナ・ホワイトクロス様、アシデ・マトイ様の三名様でよろしいですか?』
隆太「アシデ・マトイって僕のことですか?」
扉『三名様入りまーす!』
隆太「誰に向かって言ってるんですか?」
ルナ「扉が開いたよ」
ゲルマ「さっさと行くぜ!」
~一時間後~
隆太「だいぶ歩きましたね……」
ルナ「うん」
ゲルマ「幸い洞窟内は蝋燭で照らされている。足場はゴツゴツしているが問題ないな」
隆太「これからもずっと同じ景色が続くんでしょうか?」
ルナ「――あ、いたっ!」
ゲルマ「だからサンダルで来るなと言っただろ」
隆太「どうしてサンダルで来ようと思ったんですか?」
ルナ「あ、また扉」
ゲルマ「この扉も肉声で反応するようだ」
隆太「天井にあるスピーカーから声がするみたいですね」
扉『こちらは第二の扉「ラケシス」。第一の扉で登録したお名前をフルネームでお願いします』
ゲルマ「ゲェルゥマァデェースン!」
隆太「そんな巻き舌じゃ識別出来ませんよ」
ルナ「個人情報よ!答えられるわけないじゃない!」
隆太「今さら!?さっき自分から名前書いたじゃないですか!」
ルナ「ルナ・ホワイトクロス」
隆太「星宮隆太です!」
扉『星宮隆太は登録情報と一致しません。もう一度お願いします』
隆太「えぇ……」
ゲルマ「ダメだろ!ちゃんと答えなきゃ!」
ルナ「そうだよ。隆太はみんなの?」
隆太「アシデ……マトイです……」
扉『良くできました!』
隆太「扉にまでバカにされるなんて……」
扉『もう少しで出口です!頑張って下さい!』
~数分後~
ゲルマ「まさかオアシスがあるとはサービス精神旺盛の管理者のようだな」
ルナ「水が飲めて良かったね」
隆太(僕たちのような人が来ることを見越していたんでしょうか?)
~一時間後~
ゲルマ「これが最後の扉のようだな」
ルナ「疲れた……」
隆太「どれくらい歩いたんですかね……足が痛いです……」
扉『第三の扉「アトロポス」。大変な道のりをよく
ゲルマ「扉に名前を刻めるとは気前がいいではないか」
隆太「やめてください。ここまで来て不名誉な名前を刻まれるなんて僕には耐えられません」
ルナ「この扉のマーク――」
ゲルマ「男子トイレだな。それがどうかしたか?」
隆太「この先男子トイレなんですか?なんかシュールですね……」
扉『男でなければ女である。女でなければ男である。すなわち男と女は表裏一体』
ゲルマ「深いな」
ルナ「洞窟だけに?」
隆太「早くここから出ましょうよ」
扉『
ゲルマ「おお!扉の先にまばゆい光が!」
隆太「やっと着いた……」
ルナ「ここが出口?」
ゲルマ「――のはずなんだが」
隆太「なんか以前も見たことある光景のような……」
ルナ「あっ!さっき私たちが出て来た扉のマーク――」
ゲルマ「うげぇー!?女子トイレェ!?」
隆太「う、嘘でしょ……」