ゴタイ荘の「ほっとすぱーず」   作:公私混同侍

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義賊に生きる

~南部邸~

 

恭夜「ふわぁ……良く寝た」

 

ハルカ「恭夜さん、体は大丈夫ですか?」

 

リッツ「見知らぬ場所に拉致されたっていうのに呑気なのねぇ。カワイイ見た目に比べて図太いのかしら?逆に気に入ったわ」

 

アウス「てめぇだな?オレ様に体当たりしたのはッ!」

 

恭夜「あっ!ニワトリ頭!」

 

アウス「オレ様の髪型はモヒカンだ!バカヤロウ!」

 

テリア「この二人を連れてきたのはいいけど、ずっとここに置いておくの?」

 

リッツ「そんな仏頂面で言わないでよ~美人が台無しよ~」

 

恭夜「美人?」

 

リッツ「ダメよ~そんなんじゃ女心は掴めないわ。テルが不機嫌になっちゃったじゃな~い」

 

恭夜「そういう意味じゃ――」

 

アウス「テルはこんな男みたいな格好してるけど一応女だッ」

 

ハルカ「男装をしてるんですね」

 

リッツ「テルも色々あったのよ~もちろん詮索はなしよ?」

 

ハルカ「あのう私、深地ハルカと申します。皆さんの名前を教えて下さい」

 

リッツ「アタシはリッツォ・ヴォルフェゴールよ。どうせ誰も名前を覚えてくれないからリッツって呼んでちょうだ~い」

 

恭夜「オネエさんがリッツか」

 

リッツ「物分かりがいいのね~恭チャンは~」

 

恭夜(と、鳥肌が……)

 

アウス「オレ様はアウス・エーデルメッサーだッ!チキンレースなら負けねぇぜッ!」

 

恭夜「チキンだけに?」

 

ハルカ「よ、よろしくお願いします。アウスさん」

 

テリア「……ボクはテリア・ヴィスコンティ。二人からはテルって呼ばれてる」

 

恭夜「あ、ああ。俺は――」

 

アウス「お前も地底(ここ)の人間なのか?」

 

恭夜(自己紹介させろよ)

 

ハルカ「恭夜さんは違います」

 

リッツ「アタシたちは五年前から地底(ここ)に住んでるわよ~」

 

恭夜「それ以前は地上にいたのか」

 

テリア「コスモフィアに先住民と呼ばれる人はいない。そもそも記録自体存在しないから、いつからこの国が存在してるのかも分からないんだ」

 

ハルカ「テルさんたちは何者なんですか?」

 

アウス「聞いて驚くなよ。これでもオレ様たちは義賊なんだッ!」

 

恭夜「義賊?貧しい人にお金を恵んでるってこと?」

 

リッツ「そうよ~この国の人たちは新規の住民に大きい顔をするのよ~だからアタシたちがその人たちを支援してるのよねぇ」

 

テリア「所詮ボクたちは犯罪者。君たちも関わり合いたくないならすぐに立ち去った方がいいよ」

 

恭夜「俺にはこの国の事情とかよく分からないし、三人を責めるつもりもないよ」

 

リッツ「やっぱり地上から来た色男は物分かりがいいわね~ならあなたもどう?一緒に暮らさな~い?」

 

ハルカ「目的が変わってません?」

 

リッツ「いやぁねぇ。別にプロポーズしたわけじゃないわよ~」

 

ハルカ「私、この国にいる両親を探しに来たんです」

 

アウス「へぇー、そりゃあ大変だなッ」

 

テリア「もっと気の利いたことが言えないの?彼女は辛い悩みを打ち明けているんだ」

 

ハルカ「大丈夫です。私には大切な人がたくさんいますから」

 

リッツ(この恋する乙女のような笑顔、スゴく印象的ねぇ。どこかで見たのかしら?)

 

恭夜「それじゃあ情報収集を続けようか?」

 

ハルカ「はい!」

 

リッツ「もう行っちゃうの~?もう一晩泊まっていってもいいのよ~?」

 

恭夜「俺たちが一泊したみたいな言い方するな。そんな時間経ってないし」

 

ハルカ「二時間ぐらいですね」

 

テリア「迷惑をかけたお詫びにコスモスクウェアまで案内するよ」

 

アウス「オレ様が先導してやらぁッ」

 

リッツ「――本当にいいの?」

 

テリア「何が?」

 

リッツ「あの男の子ちょっと似てるじゃない、アノ人に。だから先生の家に招き入れたんでしょ?今さら否定するつもり?」

 

テリア「だったら何?」

 

リッツ「もう!まだ引きずってるのね!アタシには分かるわよ。何年一緒にいると思ってるの」

 

テリア「孤児院から数えて十五年だったかな」

 

リッツ「時間なんてあっという間よ。男装して男を寄せ付けないようにしてるのかもしれないけど、新しい恋も悪くないんじゃない?この世界にも色男が盛りだくさんよ」

 

テリア「……」

 

アウス「――お前、恭夜っていうのかッ」

 

恭夜「気安く肩に手を置くな」

 

ハルカ「喧嘩しないで下さいね」

 

アウス「そうだぞッ!昨日の敵は~とか言うだろッ?」

 

恭夜「重要な部分を忘れるなよ。そもそもさっき会ったばかりなのに敵も味方もねぇだろ」

 

ハルカ「そうですよ。類は友を呼ぶとも言いますし」

 

アウス「アーハッハッハッ!ハルカの方が良いこと言うじゃん!」

 

恭夜(俺はニワトリヤロウと同類なのか……)

 

ハルカ(私、恭夜さんの気に障ることを言ったのでしょうか?)

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