~地底都市コスモスクウェア・地下水道~
ハルカ「うぅ……鼻がもげそうです……」
恭夜「いくら人目を避けるって言ったって普通こんなとこ歩いたりするか?……うっぷ……」
リッツ「アタシたちにとっては最適な散歩コースなんだけどねぇ。清潔感溢れるお二人さんには縁のない場所よねぇ」
テリア「吐きたくなったらいつでも。ボクたちのことは気にしなくていいから」
恭夜「吐くこと前提で言うなよ」
ハルカ「少し目まいもしてきました……」
アウス「ガスマスクはオレ様たちの特権みたいなもんだしなッ」
恭夜「俺たちの分まで用意してほしかった……」
リッツ「なら一緒に使う?恭チャンとハルチャンなら大歓迎よ~」
テリア「顔中にブツブツができるからやめた方がいいよ。ボクのなら貸してあげようか?」
恭夜「えっ!」
テリア「フフッ、嘘だよ」
リッツ「何よその言い方!ちゃんと毎日お風呂に入ってるわよ!」
恭夜「普通だろ」
アウス「風呂ってあんま好かねんだよな。髪は崩れるし、セットするのも面倒だしよッ」
ハルカ(お風呂よりも髪型を優先するんですね。生理的に無理です)
~王立図書館前~
ハルカ「ここで情報を集めるんですか?」
テリア「安直だったかな?情報集めの基本は書物だと思ったんだけど――」
リッツ「ハルちゃんの地図に描かれてる場所ってこの辺りよね?結構なお嬢様なのかしら?」
アウス「そんじゃオレ様は『先生のお使い』に行ってくるかッ――おっ先ッ!」
恭夜「こんなやつにお使いなんて任せて大丈夫なのか?」
テリア「アウスは腹が減ると先生のお使いを利用してメシを食いにいくんだよ」
リッツ「先生の頼み事なんてそうそうあるものじゃないんだけどね~」
ハルカ「いいことなんじゃないですか?ちゃんと仕事をしていればその先生も大目に見てくれますよ」
恭夜「それじゃあ早速調べるとしますか!」
リッツ「あ~ん、待ってよ恭チャーン!もうちょっとしたら先生がやって来るのよ~人手は多い方がいいと思って呼んでおいたわ~」
ハルカ「リッツさんたちの先生も来るんですね!どんな人なんでしょうね!」
テリア「先生がいないと役所から必要な書類を引き出せないんだよ。役人はボクたちを相手にしないから」
恭夜「義賊に情報を渡すわけにいかないからな」
ハルカ「それなら私と恭夜さんがその先生と一緒に行けばいいんですね?」
テリア「えっ、あ、ああ。そういう解釈もあるね」
リッツ「テルも一緒に行けばいいじゃない。両手に花なんて贅沢よね~恭チャン?」
恭夜「慌てなくてもハルカちゃんの両親は逃げたりしないよ。手紙を寄越したってことは会いたいってことだと思うし」
ハルカ「恭夜さんはなんにも分かってません!」
リッツ「恋に火傷はつき物って言うけど、恭チャンの場合は火遊びを覚えるべきねぇ」
テリア「ハルカに火遊びは早いよ。まだまだ子供だからね――」
ハルカ「恋に子供も大人も関係ありません!」
恭夜「ちょ、ちょっとハルカちゃん!?そんなにくっつかないで(誰かがこっちを見てる?カメラじゃないな)――」
リッツ(周りから人気がなくなったわね。アタシたちを遠巻きにしてるわけではなさそうだけど)
テリア(変だ。図書館周辺から人気がなくなるなんてあり得ない)
ハルカ「どうしたんですか?皆さん、恐い顔して……」
恭夜「ハルカちゃん動かないで!」
ハルカ「えっ!?」
恭夜「あの光は……(拳銃!?ハルカちゃんを狙っているのか!?)」
ハルカ「――キャアァァァ!!」
リッツ「なに!?なんなの今の!?銃声みたいな……」
恭夜「うぐっ……」
テリア「恭夜!!血が……」
ハルカ「一体……何が……」
リッツ「テル!そっちは任せたわ!ハルチャン大丈夫!?」
ハルカ「あぁ!!指が……痛い……」
恭夜「ハルカちゃんは……無事……?」
テリア「ああ、恭夜が身を挺して守ったお陰だよ」
恭夜「そっか……良かった……」
テリア(弾丸は貫通してるみたいだ。早く病院に連れて――)
憲兵(A)「何事だ!貴様ら、こんな場所で何をしている?」
憲兵(B)「隊長、あの女性を見て下さい!」
憲兵(A)「ムッ!あ、あれは!?」
リッツ(冗談じゃないわよ!どうしてこんなにも早く憲兵が来るの!アタシたちハメられたのかしら?)
テリア(このままだと恭夜が危ない。奥の手の吹き矢で――)
憲兵(B)「この女性は我がコスモフィアの姫君、アリーネ・コスモフィア王女だと存じ上げます」
テリア「アリーネ?」
リッツ「コスモフィアですって?」
憲兵(A)「やはり大臣の推理は正しかったというわけか。となれば王女は
テリア「拐われた?憲兵は何を言ってるの?」
憲兵(B)「映像の男に間違いありません。この男が主犯のようです」
ハルカ「この方たちは何を……」
リッツ「ちょっと恭チャンに近づかないで!ケガしてるのよ!」
憲兵(A)「この男を連行しろ!罪状はアリーネ・コスモフィア王女――誘拐の罪だ」
カメラ『キュイーン……カチカチ』