~地底都市コスモスクウェア・王の居城~
王「大臣!娘のアリーネが戻って来たというのは
大臣「左様でございます、陛下。アリーネ・コスモフィア王女は義賊を名乗る者たちに監禁されておりましたので、我々が救い出した次第でございます」
王「ならばアリーネは
大臣「王妃の寝室でございます」
~王妃の寝室~
ハルカ(ここはどこなんでしょう?恭夜さんが私を庇って……指に包帯が巻かれてます……)
ハルカ(なんだか懐かしい香りがします。始めて連れてこられたのに始めてじゃない感覚。記憶にはないけど母や父に抱き締められているようなぬくもり……何故このような温かな気持ちになるのでしょうか?)
待女「失礼致します、アリーネ・コスモフィア王女」
ハルカ「申し訳ないのですが人違いかと――」
待女「アリーネ様のお父上であるグランヴィレス・コスモフィア国王陛下が面会をご希望なさっております」
ハルカ「私の……お父さん?(アリーネって私のこと?)」
待女「ご準備が出来ましたら、お声をかけ下さい」
ハルカ(私の身に何かが起こってるようです。恭夜さんたちは無事なのでしょうか?こんなとこで寝てる場合じゃありません!父を名乗る方がいらっしゃるのなら直接問い正すまでです!)
~謁見の間~
ハルカ(見たことない飾りや家具がたくさんあります……)
側近「国王陛下、こちらでございます」
王「なんと……やっとの会うことが叶った」
ハルカ「……」
王「そなたが……そなたが我が娘……アリーネ。まさかこのような再会になろうとは……」
ハルカ「私はアリーネという人物ではありません」
王「深地ハルカ……であろう?」
ハルカ「ど、どうしてその名前を!?」
王「そなたを広い育てた者たちが名付けたのだ。父が知らぬはずなかろう。地上からの便りは全て父が目を通した。娘が元気で過ごしているのか、どういった生活を送っているのか、友達がいるのか、親としての最低限の務めを果たさねばと思い続けていた。今もその気持ちに偽りはない」
ハルカ「ならどうして私を捨てたのですか?」
王「そう思われても仕方ない。私とカロリーヌは覚悟の上でアリーネ、お前を地上に送り出したのだ」
ハルカ「答えて!どうして……どうして……」
王「カロリーヌは常々言っていたよ。普通の女性としての幸せを掴んでほしいと」
ハルカ「お母さんは……望んで結婚したわけじゃないの?」
王「このコスモフィアの高位な立場にある女性は王族と繋がりを持ちやすい。その王族が民に認知されたのもここ百年の出来事なのだ。それ故政略紛いの婚姻が横行し自由な恋愛など許されるはずもなかった」
ハルカ「なら私は……」
王「父はカロリーヌを心の底から愛している」
ハルカ「でもお母さんは……」
王「お前に女性としての暮らしを謳歌させたかったのだろう。もちろん私も反対などしなかった。だが、こういった再会になってしまうことも誰しもが予想出来たことだ。私が父として娘に出来ることはただ頭を下げることしかない。許してほしい――申し訳なかった」
ハルカ「……もういいです。あなたが本当の父であろうとなかろうと、憎んだり悲しんだりする気持ちなんて今は持ち合わせていません」
王「父とカロリーヌはアリーネの人生に口を出したりはしないよ。お前はお前らしく生きなさい」
ハルカ「お母さんは……元気ですか?」
側近「王妃!?お待ち下さい!中には陛下が――」
王妃「どきなさい!ワタクシの言葉は王の言葉と同等の発言力を持ちます!」
サリー「王妃の命令とならば、この男を切り捨てても良し!」
あかり「ダメだよ!ハルカちゃんのお母さんが血まみれになるじゃん!」
ヤエ「他に心配することがあると思うけど」
南部「中に国王陛下がいらっしゃるのですよ?品の無い言動はわきまえてほしいものですね」
王「構わん、その者たちは余の客人だ。丁重に扱ってくれ」
側近「は、はっ!」
王妃「あなたが……あなたが……アリーネなの?」
ハルカ「は、はい」
王妃「良かった……本当に良かった……」
ハルカ「お母さん?」
王妃「信じてもらえないかもしれない……でも……あなたの母よ」
ハルカ「真実は父から聞きました。だから泣かないで」
王妃「こんなに嬉しいことはないもの……あなたを手離した時から毎晩泣いていたの……親としてのやってはいけないことをしてしまったと……」
ハルカ「もういいよ。私、友達や大切な人が出来たの。だからお話聞いてくれる?」
王妃「ええ……聞かせてくれる?」
南部「陛下、ご無沙汰しております」
王「わざわざ妻をエスコートしてくださるとは。手を煩わせてしまい申し訳ない」
南部「お気持ちだけで十分でございます」
ヤエ「王様って意外に腰が低い人なのね」
サリー「ハルカにとっても素晴らしい両親に巡り会えたというわけだな」
あかり「良かったね……ハルカちゃん」
南部「ご紹介が遅れました。この方々はアリーネ・コスモフィア王女のご友人、すなわち地上から来訪された南部の客人でございます」
王「おお!なんという偶然か!ご友人まで駆けつけてくれるとは!」
王妃「お優しいお嬢様たちですよ。アリーネ共々よろしくお願いします」
ヤエ「どうも」
サリー「ハルカにはあかりが世話になっている」
あかり「ハルカちゃんはあたしのクラスメートだよ!」
王「そうであったか」
ハルカ「あかりちゃん、ありがとう」
サリー「このタイミングで悪いんだが、恭夜に何があった?」
ハルカ「はい……お話しします」