~コスモスクウェア中央刑務所・面会室~
テリア「ボ、ボクを……死刑にして下さい」
南部「……」
恭夜「じゃあ俺も死刑でいいや」
テリア「恭夜は怖くないの?死ぬかもしれないんだよ?」
恭夜「怖いよ。でも俺だってテルに死んでほしくない」
テリア「先生!ボクはどうなってもいいから……だから……」
南部「履き違えないでほしいですね。この南部が弁護すべき依頼人はテリア・ヴィスコンティではなく、唯城恭夜なのですよ!」
テリア「うぅ……ボクは……」
恭夜「そんな体を震わせながら悲しい顔されたら、見ているだけの裁判なんか耐えられないよ」
南部「司法取引をしないという選択肢もありますが、その場合はより凄惨な結末を迎えることも覚悟しなければなりません」
恭夜「俺が罪を認めたらテルを解放してくれるんですよね?」
南部「ええ、お約束しますよ」
テリア「そんな結末……ボクは受け入れたくない……」
恭夜「テル、聞いてほしんだ。俺は生きることを諦めたりしない。だからもう泣かないでよ」
南部「やれやれ、彼にそこまで言われて前を向けないようでは、生半可な気持ちで男装していると思われてもしょうがないですね」
テリア「ボクは……嫌なんだ……これ以上大切な人が……いなくなってしまうことが……」
恭夜「俺は死なない。絶対に死ぬもんか!家族が助けに来てくれる。来てくれなかったら、自力で抜け出してやる!邪魔する奴なんか全員蹴っ飛ばしてやる!」
テリア「フフッ……ずるい……そんなこと言われたら笑うしか……フフフ」
南部(少々気恥ずかしいのですが、ガラス越しから黙って見届けなればいけないのでしょうか?)
恭夜「先生、お願いします。裁判の件は全部お任せします。俺がどうなっても先生を恨んだりしないから……」
南部「まさに神頼みに相応しい舞台です。ゆっくり休んで自分らしく現実に立ち向かって下さい――では、これで失礼します」
テリア「さようなら、先生。今日はありがとうございます」
恭夜「行っちゃった。ああ!どうしよう……すごいドキドキしてきた……」
テリア「ボクも今ドキドキしてるんだ。触ってみる?フフッ」
恭夜「な、な、なに言ってるんだよ!?(余計ドキドキしてきた……熱が下がってないから頭もクラクラする)」
テリア「――恭夜?どうしたの?しっかりして!(目が虚ろだ!もしかして熱を上げちゃった?)」
恭夜「
テリア「え?うん、いいよ(今ボクのこと名前で呼んでくれた?)」
恭夜(もう無理……寝よ)
~南部邸・書斎~
南部(――最後の仕込みといきましょうか。王国のあられもない姿を拝ませてもらいますよ。ヘイルメル・ドンバーグ法務大臣……フッフッフ)
~???~
大臣「――ぶへぇっくしょん!!誰かワシの噂でもしておるのか?まあよい、証人への口裏合わせは終わった。裁判官や陪審員を欺く証拠も続々と集まっておる。おおかた準備も整ってきたようだな」
アウス「これでいいんだろ?オレ様はこれ以上アンタのパシリなんてゴメンだぜ!」
大臣「あと一つだけ頼みたいことある」
アウス「いい加減にしてくれ!オレ様は誘拐の手引きなんて頼まれた覚えもねぇし、アイツらにだって顔向け出来ねぇのにこれ以上どうしようってんだ……」
大臣「証言をしてくれればいいのだ。あの男の人間性を証明する証人としてな」
アウス「な、なにぃッ!?」
大臣「もちろん報酬もそれなりにはずむぞ」
アウス「オレ様は……もう……」
大臣「今さら手を切るというのか?お主も同罪であるぞ。師と仰ぐ南部真命が知ったらどう思うか分かるであろう?」
アウス「ぐっ……ち、ちくしょう……」
大臣「お主はただ見たもの触れたものをありのまま公にすれば良いのだ。後は善良なる民たちがお主の背中を後押してくれる。お主はワシに身を委ねておれば良い」
アウス「これで……これで最後だからな!」
大臣「約束しよう。法務大臣の誇りにかけてな!くっくっく……ふははは!わーはっはっは!」
アウス(すまねぇ……恭夜、ハルカ、テル、リッツ!みんなを裏切っちまった……でも、もう後には退けねぇんだ)