ゴタイ荘の「ほっとすぱーず」   作:公私混同侍

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逆転の切り札「先生のお使い」

~コスモスクウェア王立裁判所・特別法廷~

 

大臣「これ以上の審議は無意味でございます。速やかに判決を下して頂きたい」

 

裁判官「弁護側に最後の意見を聞きましょう」

 

南部(起死回生の一手はここぞという場面で、その威力を発揮するのです)

 

大臣「忘れてはおらぬな?弁護側には証拠の提示は認められておらぬぞ」

 

南部「もちろんですよ(逆に考えれば検察側からなら証拠を提示できる。ということはアウス、この裁判の行方はあなたにかかっているのです)」

 

アウス(先生がオレ様を睨んでる……やっぱり後でシゴかれるのかぁ……)

 

恭夜(泣くなよ。泣きてぇのは俺の方だぞ――ん?コイツのズボンの後ろポケット、やけに膨らんでるな)

 

リッツ(もしアウスがダメなら、アタシたちで恭チャンを救うわよ!)

 

テリア(出来れば強行手段なんて取りたくない)

 

南部「アウス、あなたはこの南部の『お使い』を覚えていますか?」

 

アウス「え?……ああ、この機械を持って町を出歩けってやつだろ?」

 

大臣(この男、何を持っておるのだ?)

 

南部「安心しました。ちゃんとお使いを果たしてくれたのですね」

 

裁判官「申し訳ないが改めてその機械についてご説明をお願いしたい」

 

南部「失礼しました。その機械はボイスレコーダーという代物です。使い方は割愛させて頂きます」

 

大臣「ボイスレコーダー?……はうあぁっ!?」

 

アウス「大臣、どうしたんだ?」

 

恭夜(先生、ちゃっかりしてんな)

 

テリア(ボイスレコーダーの使い方、アウスは知ってるのかな?)

 

リッツ(アタシたちの声も入ってるってこと?もうイヤだ~!)

 

アウス「確か先生に人と会話する時はこの『録音』ボタンを押せって言われたぜッ!」

 

大臣「ま、待て……その機械をこちらに寄越(よこ)すのだ!」

 

南部「どうしたのです?そんな恐い顔をなさって」

 

アウス「そんな焦らなくても渡してやるよ。ほら――」

 

テリア(させるか!フゥー!)

 

アウス「いってぇぇぇ!?は、針が刺さったぁ!?」

 

リッツ(ナイスよ!テリア自慢の吹き矢が炸裂したわ!飛ばしたのは注射針だけど結果オーライよ!)

 

大臣「し、しまった!?床に落ちて――」

 

恭夜(よいっと)

 

大臣「あぁあぁ!?貴様は何をしておるのだぁ!?」

 

恭夜「わりぃわりぃ、足が滑っちった」

 

南部「フッフッフ、偶然にもボイスレコーダーがこの南部の足元まで運ばれてきてしまいました。あくまで偶然ですよ」

 

裁判官「偶然ならしょうがないです」

 

大臣「な、なんですとぉ!?」

 

アウス「いてて……でもよぉ、オレ様でもその機械の使い方知らないんだぜ?先生の言われた通りにしたつもりだけどさぁ」

 

恭夜(正しく録音されてなければ俺は間違いなくギロチン送りだ……)

 

大臣「それにその機械を弁護側が再生した場合証拠とは認められんぞ!分かっておるのだろうなぁ?」

 

リッツ(すっかり忘れてたわ……)

 

テリア(先生どうするんだろう?)

 

南部「フッフッフ……フハハハハ!誰がこのボイスレコーダーを証拠として提出すると言ったのですか?」

 

大臣「ぬわぁにぃ!?」

 

南部「とりあえずこのボイスレコーダーの再生許可を認めて下さい」

 

裁判官「許可する」

 

恭夜(即答かよ。やたら俺たちに優しんだな、裁判官って)

 

南部「ちゃんと録音出来ていれば良いのですが――それでは再生します」

 

~ボイスレコーダー・再生~

 

大臣『――ぶへぇっくしょん!!誰かワシの噂でもしておるのか?まあよい、証人への口裏合わせは終わった。裁判官や陪審員を欺く証拠も続々と集まっておる。おおかた準備も整ってきたようだな』

 

アウス『これでいいんだろ?オレ様はこれ以上、アンタのパシリなんてゴメンだぜ!』

 

大臣『あと一つだけ頼みたいことある』

 

アウス『いい加減にしてくれ!オレ様は誘拐の手引きなんて頼まれた覚えもねぇし、アイツらにだって顔向け出来ねぇのにこれ以上どうしようってんだ……』

 

大臣『証言をしてくれればいいのだ。あの男の人間性を証明する証人としてな』

 

アウス『な、なにぃッ!?』

 

大臣『もちろん報酬もそれなりにはずむぞ』

 

アウス『オレ様は……もう……』

 

大臣『今さら手を切るというのか?お主も同罪であるぞ。師と仰ぐ南部真命が知ったらどう思うだろうか、分かるであろう?』

 

アウス『ぐっ……ち、ちくしょう……』

 

大臣『お主はただ見たもの触れたものをありのまま公にすればいいのだ。後は善良なる民たちがお主の背中を後押してくれる。お主はワシに身を委ねておれば良いのだ』

 

アウス『これで……これで最後だからな!』

 

大臣『約束しよう。法務大臣の誇りにかけてな!くっくっく……ふははは!わーはっはっは――ブチッ!』

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