ゴタイ荘の「ほっとすぱーず」   作:公私混同侍

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裁きの鉄槌 全ては女神を慕う民のために

~コスモスクウェア王立裁判所・特別法廷~

 

裁判官「音声に記録された声の主はヘイルメル・ドンバーグ法務大臣、そして証人で間違いないか?」

 

アウス「そうだぜッ」

 

南部「ボイスレコーダーの内容は検察側が不正に証言を改竄し、証拠の捏造を示唆したものとなっております」

 

大臣「こ、このような音声は弁護側の違法な方法によって作成されたものだ!我ら検察側の瑕疵を立証するものではない!」

 

裁判官「だそうですが――」

 

南部「フッフッフ……往生際が悪いですね、ヘイルメル・ドンバーグ法務大臣。そもそもボイスレコーダーが違法でないことを立証するのは困難です。悪魔の証明と言う他ありません。それに立証責任は検察側にありますよ?」

 

大臣「ぐぬぬ……強がりを言いおって……ならば司法取引はどうなる?被告人は罪を認めておるのだぞ」

 

南部「司法取引で罪を認めることと裁判で死刑が確定することは別問題です。そんなことも分からないのですか?」

 

大臣「き、貴様ぁ!取引の存在そのものを反故にする気か!?」

 

南部「まさか。南部真命が依頼人の要望によって取引に応じたのは、教え子を解放するためだけではありません」

 

大臣「で、では何だというのか!?」

 

南部「まだお分かりになりませんか?この南部が弁護を申し出た理由、それは法廷であなたが姿を現すのを待ちわびていたからですよ」

 

大臣「!!」

 

南部「司法取引にはもう一つの側面があるのです。それは法廷内で罪を犯したと強く疑われる人物を告発出来るのですよ。お覚悟はよろしいですね?この場を借りて申し上げさせて頂きます――弁護側はヘイルメル・ドンバーグ法務大臣をアリーネ・コスモフィア王女に対する殺人教唆(きょうさ)の罪で告発します!」

 

大臣「ひっ!?」

 

リッツ「今告白するって言ったの?いやん!南部チャンったら!」

 

テリア「告発だよ」

 

恭夜(先生の目は本気だ!)

 

大臣「ち、違う!弁護側の主張は言いがかりだ!断固として認めんぞぉ!」

 

アウス「ど、どうなってやがるッ?」

 

南部「アウス(三人目)の証言を聞いていた裁判官はある質問を検察側に致しました。覚えておられますね?姫君暗殺の可能性について問われたあなたは「ある」、と答えたのです。その発言はヘイルメル・ドンバーグ法務大臣自身からもたらされたものなのですよ。すなわちアリーネ・コスモフィア王女誘拐事件を手引きした黒幕はあなたです!」

 

大臣「そ、それならばワシが姫君の暗殺や誘拐を企てた証拠はあるのだろうな?」

 

南部「フッフッフ……フハハハハ!」

 

大臣「な、何がおかしい!?」

 

南部「もうお忘れですか?弁護側には証拠を提示する権利も義務もありません。故に検察側の証拠の提示がなければ反証も不可能なのです。あなたはさっきそう申し上げたではありませんか?」

 

大臣「ぐぬうぅぅぅっ!?」

 

リッツ「そうよね!南部チャンには証拠を提示することが許されない。逆に言えば誘拐を手引きしていない証拠を提示しなきゃいけないのは大臣にあるワケね!」

 

テリア「でもそんなこと出来るわけない。悪魔の証明だから」

 

恭夜(先生は特別法廷の特徴を逆手に取って告発したってワケか!)

 

裁判官「大臣!あなたに殺人教唆の罪を否定できる証拠を提示できるのですか?」

 

大臣「そ、そんなバカな……ワシは愛する国のため……ワシを信じる民のために全てを捧げてきたのだ……」

 

アウス「やっぱりオレ様を騙してたんだなッ?」

 

リッツ「観念しなさい!この悪代官!」

 

テリア(良かった……これで恭夜は……)

 

裁判官「大臣、説明しなさい!」

 

大臣「ワシを告発するだと……なぜだぁ……なぜ誰も否定せぬのだぁぁ……疑わしき者はぁぁぁ……罰してしまえば良いのだぁぁぁぁ……」

 

南部「姫君暗殺未遂事件は王族に対する大罪。そして王族に対する罪は死に相当します。もうお分かりですね?これでチェックメイトです!」

 

大臣「ぶふっ!?……ぶくぶくぶく」

 

恭夜(泡吹いて気絶しちゃったよ。というか陪審員いらねぇじゃん)

 

南部「陛下、判決をお願いします(大臣、あなたの弁護はこの南部がして差し上げましょう。特別法廷でね……フッフッフ)」

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