ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み 作:ナツ・ドラグニル
ゲキレンジャーの第2話を基にした話です。
原作との違いは、ジャンとは違って記憶を失っておらず会話がちゃんと成立している事でしょうか
何の変哲も無い日常を送っていた誠司だったが、突如謎の男に襲われて異世界へと飛んでしまった。
その世界で誠司は、無敵の拳法『獣拳』と出会った。
誠司は『激獣拳ビースト・アーツ』の拳士、ラン、リンと共に、悪の獣拳『臨獣拳アクガタ』と戦う中で、正義の心を自らに見出す。
そう、誠司は『獣拳戦隊ゲキレンジャー』となったのだ。
だが、恐るべき臨獣殿。
誠司達に、更なる危機が迫る。
☆★☆★☆★
巨大化するマキリカの攻撃を、受け止めるシャーフー。
「ほいっ」
鎌を捻る事で、マキリカの身体を宙に浮かせる。
「ぐああああああっ!!?」
地面を転がるマキリカだったが、直ぐに起き上がって鎌をシャーフーに向ける。
「拳聖シャーフー!!伝説の使い手が相手とは、美味しいぜ!!」
「お主は、年上の者に対する敬意が足りんようじゃな」
巨大なマキリカが大きな鎌を振るうが、シャーフーは避けたり弾いたりして、攻撃を避けていた。
「ほい!!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
シャーフーの肘内がマキリカに直撃し、遥か彼方へと飛んで行った。
「すっげ———!!!」
その壮絶な戦いを見ていた誠司は、興奮して大声を上げる。
すると、巨大化していたシャーフーが縮んでいく。
よく見ると、巨大化したシャーフーの足元にもう一人シャーフーがおり、恐らく本体であろうシャーフーに激気が収束していった。
マスター・シャーフーに、駆け寄るゲキレッド達。
「すげぇマスター!!マスターすげぇな!!!すげぇ!!!」
「助かりました!!マスター・シャーフー!!」
興奮するゲキレッドと、感謝を述べるゲキイエロー。
しかし、ゲキブルーだけは近づいてきた途端、ゲキレッドを突き飛ばした。
「巨大な分身を出すなんて、すごい技です!!!あれは特別なゲキワザですか!?」
ゲキブルーの質問に、シャーフーは答える。
「倍々分身拳。激気を高め、巨大な人型...というかネコ型に練り固めたのじゃ」
「私にも、そのゲキワザを教えてください!!」
「私にも是非!!」
「俺も!!俺も!!俺もやります!!」
倍々分身拳の指南を求めるゲキブルーに、便乗するゲキイエローとゲキレッド。
しかし......
「じゃが、今のお主らには無理じゃな」
『えぇ!?』
「え?え?え?」
無理と言われ、驚くゲキイエローとゲキブルー。
そして、何も分かっていないゲキレッド。
☆★☆★☆★
「うっ...うおっ...」
フラフラの身体で、飛ばされた森で彷徨うマキリカ。
「おのれ激獣拳め~!!!」
ダメージでリンリンシーに戻ってしまったマキリカは、激獣拳に対して恨みを持つ。
『無様ね、マキリカ』
突如、メレの声が森の中に響く。
マキリカが慌てて辺りを見回すが、メレの姿は何処にも無かった。
「うわっ!!!」
マキリカはいきなり立たされ、殴られる衝撃に襲われて驚く。
地面に倒れるマキリカだったが、見えない力によってまたも立たされて、近くの大木に押さえつけられる。
首を絞められているマキリカだったが、突如マキリカの前に自身の首を絞めているメレが姿を現す。
「メレ様...」
メレはマキリカの首を絞めながら、話始める。
「敗北...すなわち、死」
「お、お待ちください!!俺はまだ負けておりません!!シャーフーの首を抱えて必ず戻ります!!」
マキリカの命乞いを聞いたメレは、首を更に締め付け上に持ち上げる。
「すっかり臨気の失せたあんたが、どうやって勝つ気なの?シャーフーは伝説の拳聖よ」
「さ、策があります!!あ、あれです!!」
そう言ってマキリカが指した先には、ダムが存在した。
「ダムか...」
マキリカの策に気づいたメレは、笑みを浮かべて怪人化する。
メレは長い舌で、マキリカの頬をなめた。
「ふんっ、一応覚悟の味がする。いいわ猶予を上げる」
☆★☆★☆★
「マスター・シャーフー!!!どういうつもりですかっ!!!」
スクラッチ本社に帰ってきた誠司達を迎えたのは、美希の怒声だった。
自分達が怒られていないと分かっていても、身を縮こませてしまう誠司達。
「あなたは、戦ってはいけない定めなんです!!獣拳不闘の誓いを忘れたわけじゃないでしょうね?」
「にゃにゃにゃ!!にゃに!!あれぐらい戦ったうちには入らんよ!!」
シャーフーは悪びれる様子もなく、にゃ!!と言って美希の肩を叩いてその場を離れた。
「でも、マスターに何かあっては困ります。臨獣殿との戦いは、私達に任せてください!!」
「そうです!!奴との戦いは、これからが本番です!!あの...理央との戦いは...」
「理央?」
ランとリンがシャーフーの身を案じるが、誠司は話に出た理央という言葉に食いついた。
「臨獣殿を率いる、首領の名前よ。理央は、道半ばで死んでいった古代の臨獣拳使い達を秘術で蘇らせ、手下にしているの」
☆★☆★☆★
臨獣殿の門の前に、理央の姿があった。
「臨在せよ地獄の亡者、リンシー達」
理央が臨気を流すと、地面から10や20を超えるリンシーが大量に地面から這い出てくる。
「今こそ存分に、飢えと渇きを満たすがいい。強く!!強くなるために!!!」
☆★☆★☆★
「臨獣殿から人々を守る、これからの戦いは貴方達ゲキレンジャーに掛かっているの」
美希の言葉に、誠司とランは頷く。
「だからこそ!!マスター・シャーフー!!私に巨大分身のゲキワザを教えてください!!」
リンだけは、シャーフーに断られてもなお食い下がり、指南を求める。
「ゲキビーストなら、私はもう自由に操れる!!ですが...人の形に大きく練り上げるには、どうすればいいのか...その方法を教えてください!!」
リンが話している間も、シャーフーは意に返さずお茶を入れていた。
「だ・か・ら!!お主ら3人にはまだ早いと言うておる」
断られたリンだったが、それよりも気になる事があった。
「3人?誠司は部外者だし論外でしょ!!」
「へ?」
いきなりの罵倒に、頭が追いつかない誠司。
「根性一本鎗のランはともかく、私はどんな難しいゲキワザでも直ぐに習得できる自信があります!!」
「ちょっと、それどういう意味?」
癇に障ったのか、ランはリンに掴みかかる。
「ちょ、ちょっと落ち着けって」
ケンカを始めようとする2人を、止めようとする誠司。
「うるさい!!」
しかし、リンによって突き飛ばされてしまう。
「根性の何が悪いのよ!!」
「根性だけじゃ敵には勝てないでしょ!!」
2人のやり取りに呆れた美希は、止めようと2人に近づいた。
「まぁ、早いのなんのと言ってはおれんかのう」
お茶を飲み、一息ついたシャーフーは決心する。
「良し!!お主らに倍々分身拳習得への道を示そう!!」
「え?」
意味が解らず、頭をかしげる誠司。
『はい!!』
誠司とは反対に、ランとリンは綺麗な笑顔で返事した。
「それはじゃな、リン、ラン、2人で誠司に激獣拳ビースト・アーツを教えてやる事!!」
「は?」
意味が解らず、驚くリンと、言葉を失うラン。
「以上!!」
そう締め括り、お茶を飲み直すシャーフー。
「待ってください!!全然意味が解りません!!誠司に何の関係があるんですか!!」
意味が解らず、シャーフーに詰め寄るリン。
「山は登ってみるまで、海は泳いでみるまで分からんもんじゃよ!!のう?以上!!!」
「はぁ?」
そう問いかけるが、要領のえない話にリンはまたも言葉を失う。
☆★☆★☆★
「リンギ!!
メレは自身の舌で、マキリカの体を数箇所突く。
「無限烈破は、あんたの細胞と血潮を燃料にして、力を与える。蝋燭が自らを燃やして光を放つようにね」
「俺の細胞と血潮が...望むところだ!!!うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
拳を握りしめ、立ち上がったマキリカは雄叫びを上げる。
すると、マキリカは邪心豪天変で怪人態へと姿を変える。
☆★☆★☆★
誠司は、パンチングミットを備えたロボットに突きを放っていた。
「右!!左!!突きこそ基本!!これをトレーニングドロイドロボタフ相手に、一日千回よ」
「そんなに!!?」
まだ始めたばかりの誠司だったが、既に空き始めていた為に千回という言葉に驚く。
「日々の鍛錬で、ハートを鍛えるのよ」
「えぇー!!」
「こら、ちゃんとやるの!!」
2人のやり取りを見ていたリンだったが、つまんなさそうに見た後に壁に掛けてある武器に近づいた。
そしてリンは、掛けてあったヌンチャクを手に取った。
「右!!左!!」
「あー!!」
特訓をしていた誠司だったが、リンが手に取ったヌンチャクを見て大声を上げる。
その事に驚く2人を他所に、誠司はリンの元に駆け寄る。
「何だよそれ!!?」
「何って、ゲキヌンチャクよ」
リンが手に持つのは、虎を模した特殊合金製のヌンチャク。
「面白そうだな!!俺もそれやりたい!!」
教えを乞う誠司だったが、リンは反対する。
「これはただのヌンチャクじゃないの、センスがない人には無理よ」
「やってみないと分からないだろ」
そう言って食い下がる誠司を、ランが止める。
「誠司!!初心者の君は基本から!!」
しかし、そんなランを誠司は突き放す。
そして、誠司はリンからゲキヌンチャクを奪おうとするが、その手は空ぶってしまう。
前に倒れる誠司の手が、ロボタフの顔のモニター画面に触れる。
警告音が鳴るのと同時に、画面にMAXという文字が画面に映る。
『あっ!!!』
それが何を意味するのかを知っているランとリンは、声を上げる。
「え?」
意味が解らない誠司だったが、突如ロボタフが誠司に襲い始めた。
「痛っ!!痛っ!!なんだこいつ!!」
豹変したロボタフから逃げる誠司だったが、執拗に追いかけられる。
「うわっ!!」
逃げる誠司だったが、足がもつれてしまって転倒してしまう。
そして転んだ誠司の足に、ロボタフも足を取られて転倒する。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ロボタフは、誠司に覆いかぶさる形で転倒する。
「うっ...」
重量のあるロボタフに圧し掛かられ、誠司は地面とロボタフに挟まる形で頭を強打する。
「ちょっと!!」
「大丈夫!!?」
ランとリンは誠司を心配し、覆いかぶさっているロボタフをどける。
「あいたたたた」
強打した頭を押さえて、誠司は上半身だけ起こす。
「ほら、手当てするからこっち来なさい」
そう言って、ランは誠司の手を取って、手当てする為に部屋から連れ出した。
「何なのよ、あんな奴に教えないといけないのよ。知らない」
なぜ自分が時間を割いてまで、才能もないような誠司に激獣拳を教えないといけないのか分からないリンは、八つ当たり気味にロボタフを蹴った。
「何が知らないの?」
しかし、そこに別の入り口から入ってきた美希に、今の言葉を聞かれていた。
「室長...」
まさか聞かれていると思わなかったリンは、突然現れた美希に驚いた。
「はぁ、重役業はお腹減るのよね。行くよ!!」
☆★☆★☆★
美希に連れられたリンは、ラーメン屋『百列軒』に訪れていた。
「ゲキワザをマスターするには、誠司にビースト・アーツを教える事、そういう話じゃなかった?」
「あんな丈夫さだけが取り得みたいな奴に、何をどう教えたって無駄です」
「それは...降参宣言?」
美希にそう言われ、何も言い返せなかったリン。
その様子を見た美希は、笑みを浮かべる。
「ゲキレンジャーにとって、大事なことは何だと思う?」
「ランは...ハートだって...」
「リンは?」
「技のセンス」
「リンらしいわね、他には?もっと根本的ですっごく簡単な事」
そう問われ、考えるリンだったが全く分からなかった。
「好きである事、ビースト・アーツをね」
センスに囚われていたせいか、基本的な事を忘れていた事に気づくリン。
「誠司がゲキヌンチャクやりたいって言ったんでしょ?だったら、そこから教えてあげるのもありじゃない?まずは好きになってもらわなきゃ。ね?」
☆★☆★☆★
百裂軒から一人で本社に帰ってきたリンだったが、開け放たれた扉の前でランがこそこそと部屋を覗いていた。
「何してるの?」
「っ!?」
突然声を掛けられたのがびっくりしたのか、ランは肩をびくっとして小さい悲鳴を上げた。
「ちょっと!!急に声を掛けないでよ!!」
「私のせい!?そもそもそっちこそ何して...!?」
大声で怒鳴るリンだったが、直ぐにランに口を押えられる。
突然の出来事に驚くリンだったが、ランが中を覗く様に促す。
意味が解らなかったリンだったが、言われた通りランと同じように開け放たれた扉の中を覗く。
すると中に、ゲキヌンチャクを振り回している誠司の姿があった。
「私が少しの間席を外してたんだけど、ずっとやってるの」
誠司は旨く振り回せずに、落としたり、逆に自分の顔に当たってたりしていた。
「よっぽど気にいった見たい」
それをみていたリンは、先程までの美希とのやり取りを思い出し、意を決して誠司に近づく。
「思った通りね、センスゼロ」
「お前...いや、ちょっと興味本位で...」
また怒られると思った誠司は、勝手に使っていた言い訳をし始める。
「貸して」
しかし、リンはそんな事気にせず、誠司からゲキヌンチャクを奪った。
「見てて、ゲキヌンチャクに、力はいらない」
そう言うと、リンはゲキヌンチャクを振り回した。
「すっげ~!!」
リンの華麗なヌンチャク捌きに、誠司は興奮する。
一通り振り回したリンは、誠司に投げ渡す。
「やってみなさい」
誠司はゲキヌンチャクを構えると、先程のリンの動きを見本にしてヌンチャクを振り回す。
すると...
「おっ!!出来た!!」
リンと同じまでとは言わないが、ちゃんと誠司にもゲキヌンチャクを振り回せることが出来た。
「すっげ~!!やっぱ面白いな!!」
先程まで満足に触れなかったゲキヌンチャクを、真面に振り回せるようになって誠司はご満悦だった。
「どう?好きになれそう?」
「おう!」
誠司の元気な返事に、リンは安堵する。
「お前らも激獣拳好きなんだろ?」
「もちろん、私も激獣拳大好きよ!!」
そう答えたのは、少し離れた所で見守っていたランだった。
「お前もか?」
「当たり前」
誠司の質問に、リンはぶっきらぼうに答える。
だけど、態度とは裏腹にリンは嬉しそうだった。
その楽しそうにする3人の様子を、マスター・シャーフーは嬉しそうに見守っていた。
☆★☆★☆★
ダムの目の前に、マキリカが鎌を構えて立っていた。
「おりゃっ!!!」
鎌から放たれた斬撃が、ダムに直撃する。
そこからひびが入り、ピキピキと音を立ててどんどん広がっていく。
「人間共の悲鳴を聞きに行くとするか、悲鳴のコーラスが俺の力を高めてくれる!!」
マキリカ達がその場を離れる中、等々耐えきれなくなってダムが決壊した。
大量の水が、ダムから放出される。
☆★☆★☆★
「む?」
「ん?」
同じ時に、シャーフーと誠司が臨獣殿の気配に気づいた。
「どうしたの誠司?」
「この感じ!!」
誠司はランの問いに何も答えず、部屋から出て行ってしまう。
『ちょっと!!』
突然出て行った誠司を、ランとリンは追いかける。
商店街の方に出た誠司達は、信じられない光景を目にする。
「みんな!!あれ!!」
ランが指を指す方から、人を余裕で呑み込むほどの大量の洪水が迫っていた。
「危ない!!」
ランは咄嗟に誠司の腕を取り、車の上へと飛び移る。
リンも跳躍し、ランの隣へと着地する。
しかし、それでも高さが足りないと思ったランとリンは、近くの建物の屋上へとジャンプする。
「あ、ありがとう」
「どういたしまして」
助けてくれたお礼を言うと、ランは何でもない様子で答える。
「臨獣殿の仕業かしら」
街を呑み込む洪水を見て、リンがそう推測する。
「あ——!!あいつ!!」
大声を上げて叫ぶ誠司が指を指す先に、水浸しになった街の中を歩く、巨大化したマキリカの姿があった。
「もっとだ!!もっと悲鳴を聞かせろ人間共!!」
押し寄せる大量の水に呑み込まれ、悲鳴を上げる街の人々。
「お前らが泣き叫べば泣き叫ぶほど、俺の力となる!!」
人々の悲鳴を聞き、高笑いを始めるマキリカ。
「止めるわよ!!」
「ああ!!」
「無駄よ」
戦おうとする誠司達を、止める者がいた。
「無・駄」
誠司達の後ろに、メレとリンシーズが姿を現した。
「何者!?」
ランの問いかけに、メレは人間の姿に戻り答えた。
「理央様の愛の為に生き、理央様の愛の為に戦うラブウォリアー!!臨獣カメレオン使いの、メレ」
「お前も臨獣拳だな!!」
誠司達は両手の人差し指と親指を伸ばし、前に突き出す。
『たぎれ!!ケモノの力!!ビースト・オン!!』
両手を胸の前で組み、ゲキチェンジャーのボタンを押す。
『はぁ———!はぁっ!!』
腕を回して胸の前でクロスし、拳を前に突き出す。
ゲキチェンジャーに次元圧縮されたゲキスーツが、誠司達に装着されゲキレンジャーへと変身する。
「身体に漲る、無限の力!!アンブレイカブル・ボディ!!ゲキレッド!!」
「日々是精進、心を磨く!!オネスト・ハート!!ゲキイエロー!!」
「技が彩る大輪の花!!ファンタスティック・テクニック!!ゲキブルー!!」
「燃え立つ激気は、正義の証!!」
『獣拳戦隊!!ゲキレンジャー!!』
名乗りを決めるゲキレンジャーだったが、メレはその様子を馬鹿にした様子で見る。
「せっかくだけど~あたし格下とは戦わない主義なの」
そう言うと、メレは後ろのリンシーズに命令する。
「リンシーズ、代わりに楽しんで」
メレの指示を受け、ゲキレンジャーに襲い掛かるリンシーズ。
「はぁ!!はっ!!」
パワーで戦うゲキレッド。
「はっ!!やっ!!」
柔軟性を活かし、戦うゲキイエロー。
流れる動作で敵を倒す、ゲキブルー。
その時、ゲキブルーは手元に一つの武器を召喚する。
「はいっ!!」
ゲキブルーは跳躍し、もう一つ下の階の屋上へと転がるように着地する。
起き上がったゲキブルーは、武器を構える。
「ゲキトンファー!!」
『ゲキトンファー』、持ち手が棒の端に付いている武具。
3つの形態に変形できる、一対の武具でもある。
ゲキブルーがゲキトンファーに激気を送ると、柄のタービンが回転させ破壊力を上げる。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
リンシーの武器を弾くことで、攻撃を防ぐゲキブルー。
「はぁ!!」
ゲキトンファーによる一撃が、リンシーに直撃して吹っ飛ばす。
2体のリンシーの槍を、2本のゲキトンファーで捌き切る。
「貴方達センスゼロ!!むしろマイナス!!」
ゲキブルーは右手のゲキトンファーの持ち手を棒の部分に変え、鎌状に変える。
「はぁ!!」
持ち手の部分を槍に引っ掛け、円を描く様に回転させる。
その事で、リンシーは一回転して地面に背中から落ちる。
ゲキブルーは右手の持ち手を戻し、腕をクロスさせる。
「アーイ!!メディック!!」
降り広げられたゲキトンファーが、リンシーを吹き飛ばす。
別の場所でも、ゲキイエローがゲキトンファーを召喚して居た。
ゲキイエローは、ゲキトンファーを90度曲げ、2つをつなぎ合わせ戦棍へと姿を変える。
「ゲキトンファー・ロングバトン!!」
激気を送る事で、タービンが回転する。
「はい!!はいっ!!はい!!」
突く、振り回す、振り下ろす等の動作で、リンシーズを薙ぎ払うゲキイエロー。
「はい!!はい!!はいっ!!」
ゲキイエローはリンシーの槍をロングバトンで受け止め、回転を利用した振り回しで全て弾く。
「はいっ!!」
一体のリンシーの腹を、ロングバトンで突いた。
「根性が足りないのよ!!もっとハートを鍛えなさい!!」
そう言ってゲキイエローは、リンシーを反対側に放り投げた。
「はっ!!」
ランは跳躍し、上段からの振り下ろしを落下する勢いを利用し、リンシーの脳天に叩き込んだ。
「よーし!!俺もやる!!」
ゲキレッドは、ゲキヌンチャクを召喚する。
「はぁぁぁぁぁぁっ」
ゲキレッドは、ヌンチャクを振り回す。
「ゲキヌンチャク!!」
迫りくるリンシーズを振り回すゲキヌンチャクで、一体一体倒していく。
「はっ!!りゃっ!!おりゃ!!」
その戦いを見ていたゲキブルーが、アドバイスを送る。
「誠司!!激気を込めてみなさい!!」
「分かった!!」
ゲキレッドは、手に持ったゲキヌンチャクを見ながら返事する。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
ゲキヌンチャクを振り回しながら、激気を込めていく。
すると、ゲキヌンチャクがオレンジ色に輝きだした。
「はぁ!!」
激気がチャージされ、再度ゲキヌンチャクを振り回すゲキレッド。
「はぁっ!!おりゃ!!はぁぁぁぁぁぁっ!!」
先程まで1体1体倒すだけで手一杯だったゲキレッドだったが、激気が込められた事で直接当たっていないリンシーにも攻撃が当たりだした。
リンシーは完全に消滅し、土へと帰った。
全てのリンシーを倒したゲキレッドは、巨大マキリカへと視線を向ける。
「後はお前だけだ!!巨大カマキリ野郎!!」
ゲキレッドの言葉が気に障ったのか、マキリカは近くのビルを鎌で破壊した。
「うわぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
破壊されたビルの残骸が、ゲキレッドに降り注ぐ。
『はっ...』
瓦礫の下敷きになったゲキレッドを見て、息を呑むゲキイエロー達。
「誠司!!!」
「ちょっと!!」
起こそうとするゲキイエロー達だったが、何事も無かったかのように起き上がるゲキレッドに違う意味で息を呑む。
「あいつ!!デカすぎる!!」
2人の心配を他所に、ゲキレッドはマキリカの大きさに苛立ちを見せる。
「私にあの...倍々分身拳が出来れば...」
『出来るぞい!!』
その時、ゲキブルーのゲキチェンジャーに通信が入る。
『マスター・シャーフー!!!』
「でも、まだ何も教えてもらっていないじゃないですか!!」
『リン!!これはお主だけじゃない、トライアングルで行うゲキワザじゃ』
「トライアングル?3人でって事ですか?」
その意味を考える3人。
『激獣拳の真髄は、心技体のトライアングル。お主らには、その真髄が一つずつ宿っておる!!』
「心・技・体...ランが心で...」
「リンが技...そして誠司が...」
「体だ!!」
ゲキイエローが言い切る前に、ゲキブルーが叫んだ。
『さっきまでのバラバラなお主達では無理じゃったが、今なら出来るじゃろう。お主等が揃って持っておる気持ちを重ね合わせるのじゃ!!』
「揃って持ってる気持ち?何...」
考えるゲキイエローだったが、ゲキレッドが声を上げる。
「分かった!!好きっていう気持ちだ!!激獣拳が大好きだっていう事!!」
「その気持ちを重ね合わせたら、何かが起こる...」
「よーし!!やってみようよ!!感じるままに!!」
そう言って、3人はマキリカの前に並び立つ。
「よーし!!あいつぶっ飛ばすぞ!!」
拳を鳴らし、気合を入れるゲキレッド。
『ゲキワザ!!獣拳合体!!』
3人から、それぞれゲキビーストが飛び出す。
ゲキレッドからゲキタイガーが、ゲキイエローからゲキチーターが、ゲキブルーからゲキジャガーが召喚される。
『はぁ!!』
ゲキレッド達が跳躍し、ゲキビースト達に吸収される。
シャァァァァァ!!
ニャァァァァァ!!
ガァァァァァァ!!
ゲキチーターがマキリカに突進し、ゲキジャガーが回転しながら体当たりし、ゲキタイガーの爪がマキリカを襲う。
マキリカから距離を取ったゲキビースト達は、激気だけの姿から実体化する。
ゲキチーターの前脚と後ろ足が折り畳まれ、首が90度曲げる事で右脚へと変形する。
ゲキジャガーの脚も折り畳まれ、首が90度曲がる事で左脚へと変形する。
最後に、ゲキタイガーの後ろ脚が折り畳まれ、後ろ脚にゲキチーターとゲキジャガーが接続される。
ゲキタイガーの口が開かれ、中から顔が現れる。
コックピットに相当する激気に満ちた場所、『激闘場』に3人が集う。
3体のゲキビーストが合体し、1人の巨人が生まれる。
『ゲキトージャ!!バーニングアップ!!』
その様子を街の監視カメラで見守っていた美希は、驚きの声を上げる。
「ゲキビーストを合体させて巨人を作るなんて」
「ほっほっほ、これがあ奴等成りのゲキワザ倍々分身拳という事じゃ!!見事習得!!」
マスター・シャーフーは、手に持っていた楽器のトライアングルを、チーンと鳴らす。
「せーので行くわよ!!突きこそ基本魂込めて!!せーの!!」
『はぁ!!』
激闘場にいる3人の動きに同調して、ゲキトージャも突きを放つ。
「獣拳合体ね~奴ら以外とやるのかも...ん?」
戦いを見守っていたメレだったが、腹から何かが込み上げる物を感じ、口を押える。
「うえっ!!」
「ブーン!!」
メレが口から吐き出したのは、人の顔と同じサイズの巨大なハエだった。
「そうなんです!!獣拳合体は激獣拳ゲキワザの中でも、奥義中の奥義と言われたもの!!よもやこの目で見る事が出来るとは...この激獣フライ拳のバエ、感涙で咽び泣いております。ブーン」
「勝手に出てくんじゃないわよ!!このお喋りバエ!!」
ペラペラとお喋りが止まらないバエにムカついたのか、捕まえようとバエに手を伸ばした。
しかし、その手は素早い動きで避けるバエによって、空ぶってしまう。
「メレとの戦いに敗れて以来、囚われの身である私ですが、この世に巨大戦がある限り、私山越え、海越えて、ついでにメレの胃袋からも飛び出して、実況させて頂く所存でありまーす!!」
「ふん!!」
「ふがっ!?」
上から振りかぶったメレの手が、今までちょこまかと動いていたバエを潰した。
『はぁっ!!』
激闘場の3人が走り出すと、ゲキトージャもマキリカに向かって走り出す。
それに迎え撃つ様に、マキリカも走り出した。
「さあ始まった!!マキリカここで大きく振りかぶる!!おおっとゲキトージャ避けた!!激しい攻防だ!!」
水に足を取られながらも、マキリカの猛攻を避けていくゲキトージャ。
「おりゃ!!」
「うおっ!?」
「ゲキトージャ、掌底が入った!!両者激しく激突!!」
ゲキレッドの動きに合わせた両手による掌底が、マキリカに直撃する。
「やっ!!!」
ゲキブルーの動きに合わせ、肘鉄がマキリカに繰り出される。
『はぁ!!』
激闘場の3人の動きに合わせ、ゲキトージャの後ろ回し蹴りがマキリカの顔面に当たり、地面を転がった。
「ここで大技!!ゲキトージャ後ろ回し蹴り!!マキリカ水浸しであります!!立ち上がるゲキトージャが優勢であります!!どうですか?解説のメレさん」
そこでバエは、今まで黙って見ていたメレに問いかける。
「うっさい!!誰が解説よ!!勝負はこれからよ」
そう言っている間にも、ゲキトージャとマキリカは激しく戦って居た。
「さぁ、両者再び激突!!」
そこでマキリカの頭突きが、ゲキトージャに当たってしまう。
「おおっと!!マキリカが頭突き!!姑息な手段で反撃に出た!!ずるい!!ずるいぞマキリカ!!」
今まで優勢だったゲキトージャだったが、そこからはマキリカの鎌による攻撃を受けてしまう。
「鋭い鎌がゲキトージャに迫る!!ゲキトージャピンチ!!追い詰められた!!」
鎌による猛攻を、ただ避けるだけになってしまったゲキトージャ。
「そこだっ!!」
両腕の鎌を大きく振りかぶり、ゲキトージャに襲い掛かる。
『はぁ!!』
「ゲキトージャ避けた!!」
しかし、ゲキトージャは後ろにバク転することでその攻撃を避けた。
「うおっ!!抜けねぇ!!」
大振りで攻撃したのが災いしたのか、鎌がビルに深く刺さってしまい抜けなくなっていた。
「おおっと!!命拾いです!!チャンスだゲキトージャ!!」
ゲキトージャは跳躍した後、マキリカの後ろに着地して水飛沫を上げながら、下段からの回し蹴りを繰り出す。
「決まったー!!ゲキトージャ!!ローキック!!見事だゲキトージャ!!」
その時、ゲキトージャは1つの武器を取り出した。
「ゲキトージャ何かを取り出した!!あれは何だ!?手にしてるのは...」
『ゲキセツコン!!』
3体のゲキビーストの尻尾を鎖で繋ぎ合わせた、三節棍型の武器。
「ゲキヌンチャクの要領よ!!行けるわよね誠司」
「当たり前だ!!」
『うおぉぉぉぉぉっ!!』
誠司のその言葉を合図に、3人は気合の入った雄叫びを上げる。
「ヌンチャクは2本、しかしこのゲキセツコンは3本の棒が合わさっております!!」
初めてつかう武器に対して、ゲキトージャはそれを物ともせず、攻撃したり防いだりと見事使いこなしていた。
「しかしゲキトージャ!!この難しい武器を華麗に操っております!!激しいせめぎ合いだ!!」
するとゲキトージャはゲキセツコンの激気の込め方を変える。
すると先程までバラバラに動いていた3本の棒は、鎖が引き絞るのと同時に長い棍へと形を変えた。
「うおっ!?」
「ゲキトージャが攻め勝った!!」
ゲキトージャはその棍を、マキリカ向かって突き出した。
「ゲキワザ行くわよ!!」
ゲキブルーの言葉を合図に、激闘場の3人は左右に腕を一杯に広げる。
『ゲキトージャ!!ゲキワザ!!大頑頑拳!!はぁぁぁぁぁぁっ!!』
激闘場の3人が回りだすと、ゲキトージャの上半身も高速回転し始めた。
「おおっ!!ゲキトージャが回りだした!!わたくしの目もガンガン回っております!!」
『はぁぁぁぁぁぁっ!!』
上半身を回転させながら、マキリカに突進するゲキトージャ。
『ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!』
激気が集めた両腕の拳で、連続パンチを繰り出す。
「獣拳は正義の拳!!」
「正しき者は!!」
「必ず勝つ!!」
ゲキトージャの必殺技を受けたマキリカは、みるみる内に身体が石化していく。
「はぁぁぁぁぁぁっ!!」
石化したマキリカに罅が入り、断末魔と共に大爆発が起こる。
『ゲキトージャ!!WIN!!』
「ゲキトージャやりました!!まずは1勝!!獣拳の歴史から見れば、小さな1勝でも、彼らニュートライアングルにとっては大きな1勝だあああばば!!」
解説している途中でメレの舌が伸びてきて、バエを絡み取る。
「どわぁぁぁぁ!!」
バエは悲鳴を上げながら、メレに呑み込まれた。
「いつまで喋ってるのよ」
☆★☆★☆★
臨獣殿の玉座の間。
理央の嵌めている拳魔の腕輪が、突如光りだした。
その事に気づいた理央は、今回のリンリンシーの役目が終わった事を悟った。
「俺の求める強さには...まだ足りぬ!!」
☆★☆★☆★
スクラッチ社、本社。
特別開発室に入ってきた美希は、ゲキヌンチャクを誠司に教えているラン達が目に入った。
「誠司、大事なのは基本よ」
「貸してみなさい、ゲキヌンチャクは技が全て」
「おぉ!!リンすげぇな!!」
まず美希は、報告をしようとマスター・シャーフーに近づく。
「手続き完了、誠司は身元が分かるまでウチの会社で引き取って、ランやリンと同じ特別開発室所属のアスリートにしました」
「ご苦労さん」
労うマスター・シャーフーだったが、そこでランの指摘する声が響く。
「違うでしょ!!これだって基本は根性!!」
「センスが全て、いいから見てなさい!!」
ランからゲキヌンチャクを奪い取ると、リンは技を見せようとする。
「はぁ...あの3人で獣拳戦隊ゲキレンジャーか...この先大丈夫かしら」
誠司に教えるだけで、言い争っている2人に心配する美希。
「ふぉっふぉっふぉ!!これから見えてくるんじゃよ!!あ奴等の道は」
そう言って、マスター・シャーフーは美希と一緒に3人を見守る。
美希「ゲキチェンジャーには、様々なアイテムが次元圧縮で内臓されてるの。変身スーツもゲキヌンチャクも、この最先端の科学ポケットから取り出せるの」
そう言うと、美希は誠司の腕を取ってテーブルへと近づける。
「えい」
すると、誠司のゲキチェンジャーからラーメンが出てくる。
『えぇぇぇぇ!!ラーメンも!!?』
ゲキチェンジャーからラーメンが出てきた事に、驚く3人。
「いただきま~す」
ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています
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ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
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今のままで、充分