ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み   作:ナツ・ドラグニル

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どうも、ナツ・ドラグニルです!!


投稿が1日遅れてしまい、申し訳ございません。


3月24日に発売したバイオハザードRE:4をプレイしていて、投稿を忘れていました。


本当に申し訳ございません


バイオ4はやった事が無かったので、思ったよりのめり込んでしまいました。


今日ようやく、クリアすることが出来たので少しは余裕が出来ると思います。


しばらくはバイオで遊んでいると思います


それでは作品をどうぞ


修行その3 悲しい、そうじ力

臨獣殿の一角にある建物、『試しの房』。

 

 

その建物の中で、複数のリンシー達が詰め込まれていた。

 

 

その中でも、赤い鉢巻をつけた特殊のリンシーがいた。

 

 

そのリンシーは、襲い掛かってくる他のリンシー達と戦って居た。

 

 

最初は順調に攻撃を裁いていたリンシーだったが、徐々に捌き切れなくなり、等々地面に倒れてしまった。

 

 

その倒れたリンシーを、他のリンシーが袋叩きにする。

 

 

その試しの房に、そのリンシーの断末魔が響いた。

 

 

「はぁ...」

 

 

その断末魔を建物の外で聞いていたメレは、ため息を吐いた。

 

 

「また駄目か...」

 

 

髪の毛をガシガシと掻いたメレは、次のリンシーを呼んだ。

 

 

「次は誰?」

 

 

しかし、呼ばれて出てきたリンシーがもう1体だけな事に、驚くメレ。

 

 

「お前で最後!?まぁいい、頼むわよ」

 

 

そう言って、メレは試しの房の中に入っていくのを見送った。

 

 

「ほんと、誰一人出てこないなんて...まったく」

 

 

項垂れて嘆くメレだったが、誰かが近づいてくる気配を感じ、顔を上げる。

 

 

「臨獣殿試しの房」

 

「理央様!!」

 

 

理央が現れた事に、メレは笑みを浮かべる。

 

 

「ここを潜り抜けなければ、リンシーがリンリンシーとなる事は出来ない。力無きものに存在は許されぬ、風に流される塵となれ、それが臨獣殿の掟だ」

 

「おっしゃる通りですわ、しもべを冷たく厳しく鍛える理央様って素敵!!」

 

「見ろメレ」

 

 

理央が促した方を見ると、ちょうど先程のリンシーが試しの房から出てくるところだった。

 

 

「うおおおおっ!!!」

 

 

雄叫びを上げるリンシーの後ろに、中に入っていたリンシーが全員倒れていた。

 

 

「うふ♡」

 

 

等々リンリンシーのいなりうるリンシーが現れた事に、喜ぶメレ。

 

 

 

 

臨獣殿の玉座の間に移動した理央達は、先程試しの房を突破したリンシーの儀式を始める。

 

 

「力を示しし者、理央様にその顔を晒す事を許すわ。名前は?」

 

 

リンシーは帽子と目隠しを取り払い、素顔を晒す。

 

 

「臨獣バッファロー拳のギュウヤじゃい!!」

 

 

リンシーがそう名乗り上げると、額に牛のレリーフが現れ、臨気が溢れて茶色だった服が赤色に変わる。

 

 

「ギュウヤ、お前の力を存分にしらしめろ。世界に!!そして激獣拳の奴らに!!」

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

スクラッチ社、特別開発室。

 

 

「もっと早く、これじゃあ臨獣殿に対抗できないわ!!!」

 

 

ランはロボタフを相手に組み手を行い、リンはゲキトンファーを更に磨くために修行していた。

 

 

そこに、誠司が入ってくる。

 

 

「おぉ、二人共修行してるのか!!すげぇな!!」

 

 

常日頃から修行を欠かさない2人に、誠司は感心する。

 

 

するとそこに、チーン!!と音が響いた。

 

 

誠司は音がした後ろの方に振り向くと、トライアングルを手に持つマスター・シャーフーの姿があった。

 

 

「朝のメニューはアジの干物に限るのぅ」

 

 

入ってきたマスター・シャーフーの前に、並び立つ3人。

 

 

『マスター・シャーフー!!!』

 

 

3人は右拳を左掌で包み、胸の前で合わせる。

 

 

「誠司よ、お主には修行の特別メニューがあるぞい」

 

 

その修行が何かを知っているのか、ランとリンは意味ありげな笑みを浮かべる。

 

 

「特別...修行......」

 

 

言葉を反芻し、ようやく意味を理解した誠司は笑みを浮かべる。

 

 

「はい!!やります!!」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

場所を移動し、誠司はラン達を始めて会った体育館のような場所で雑巾掛け(・・・・)をしていた。

 

 

その様子を、2階のジムからランとリンが見ていた。

 

 

「やってるわ、雑巾掛け」

 

「マスター・シャーフーの口癖、暮らしの中に」

 

「暮らしの中に修行ありじゃよ」

 

 

リンの言葉に被せる様に、マスター・シャーフーが誠司に告げる。

 

 

「その勢いで、隅々までピカピカにするんじゃ」

 

 

ひたすら雑巾掛けをする誠司だったが、マスター・シャーフーの前まで雑巾掛けしながら戻ってくると、雑巾を突き付ける。

 

 

「って!!これって修行じゃなくて、ただの掃除じゃないですか!!?」

 

「そう、掃除力じゃ!!掃除こそ、ゲキワザ習得の為の究極の修行じゃ。この修行を見事終えたあかつきには、掃除力が身に付くのじゃ」

 

「は、はぁ...」

 

 

意味が解らず困惑する誠司だったが、そこにマキリカの時に感じた背筋に冷たいものが走る感覚がした。

 

 

「この感じ...まさか臨獣殿!!」

 

「臨獣殿の気配じゃ」

 

 

上で様子を見ていたランとリンは、その話を聞いて直ぐに駆け出した。

 

 

「行きます!!」

 

 

誠司はそう言って、マスター・シャーフーに雑巾を預けてラン達の後を追い、街へ向かった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

『きゃああああっ!!!』

 

 

町中で悲鳴が木霊し、逃げ惑う人々で一杯だった。

 

 

逃げる人達を、大量のリンシーが追いかける。

 

 

「ふっはっはっはっは!!!これが悲鳴の味かい、最高じゃ!!」

 

 

そのリンシーの後ろから、ギュウヤが姿を現す。

 

 

「くたばれ人間共!!わしの力となりゃ、それがお前らの幸せじゃ!!」

 

 

人々の悲鳴を聞き、ギュウヤの力が満ちていく。

 

 

「臨獣殿!!」

 

 

そこに、ランの制止する声が響く。

 

 

「ん?」

 

 

ギュウヤが後ろを振り向くと、走って来る誠司達の姿が目に入る。

 

 

「そこまでよ!!!」

 

「貴様等...」

 

 

ギュウヤを目の前にした誠司達は、ゲキチェンジャーを構える。

 

 

『たぎれ!!ケモノの力!!』

 

 

両手を左右に広げ、抱拳礼のように拳を合わせる。

 

 

『ビースト・オン!!!』

 

 

ゲキチェンジャーのスイッチ部分に触れ、拳を前に突き出す。

 

 

『はぁ!!!』

 

 

3人に瞬時にゲキスーツが装着され、ゲキレンジャーへと変身する。

 

 

「燃え立つ激気は、正義の証!!」

 

『獣拳戦隊!!ゲキレンジャー!!』

 

 

3人の名乗りを、ギュウヤはフンっと鼻で笑った。

 

 

「やれ」

 

 

ギュウヤの命を受け、リンシーが襲い掛かる。

 

 

「行くぞ!!」

 

『おう!!』

 

 

ゲキレッドの掛け声に2人が答え、リンシーを迎え撃つ。

 

 

「激獣チーター拳!!ゲキワザ!!瞬瞬弾!!」

 

「激獣ジャガー拳!!ゲキワザ!!転転弾!!」

 

「激獣タイガー拳!!ゲキワザ!!砲砲弾!!」

 

 

3人の必殺技を受け、リンシーは倒されて肉体は粉々に砕け散り塵と化す。

 

 

リンシーを倒し終え、後はギュウヤのみとなった。

 

 

「ふっ、子供騙しよ。本物っちゅうのはこういうことじゃ!!」

 

 

そう言うと、ギュウヤは構える。

 

 

「リンギ!!獣人邪身変!!」

 

 

ギュウヤの顔と手が身体にめり込み、獣人の姿へと変わる。

 

 

胸部にバッファローの顔を持ち、両肩と両大腿部にもそれぞれ牛の上顎骨と下顎骨が付いた漆黒の身体をしており、背中に赤いマントを羽織っている。

 

 

そして牛の頭蓋骨を人間のそれに歪めた様な頭部にも巨大な牛の角が生えており、身体の随所に牛のリングの装飾も見受けられる。

 

 

「バッファロー衝角打(しょうかくだ)!!」

 

 

右足で地面をひっかく仕草をしたギュウヤは、ゲキレッドに向かって走り出す。

 

 

ゲキレッドも、それを両手で角を掴んで押さえる。

 

 

「こ...この...牛野郎...」

 

 

ゲキレッドはギュウヤとパワー勝負を挑むが、ギュウヤに押されていた。

 

 

「一歩たりとも後いは引かん!!」

 

 

ギュウヤがそう宣言すると、さらにパワーを増しだした。

 

 

圧倒的なパワーに、ゲキレッドは等々負けてしまった。

 

 

ゲキレッドの足が地面から離れ、ギュウヤに持ち上げられてしまう。

 

 

そしてギュウヤは、ゲキレッドを持ち上げたまま突進を始める。

 

 

「パワーで全身あるのみ!!」

 

 

突進で柱を破壊しながら進むギュウヤ、柱を壊す事にゲキレッドはダメージを受ける。

 

 

「それがギュウヤ様の臨獣バッファロー拳じゃい!!」

 

 

最後に車に叩きつけられたゲキレッドは、そのまま上空へと放り投げられる。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

『誠司!!』

 

 

打ち上げられたゲキレッドを、心配する2人。

 

 

「バッファロー猛牛脚(もうぎゅうきゃく)!!」

 

 

落下してくるゲキレッドに、ギュウヤは後ろ回し蹴りを放つ。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

吹っ飛ばされたゲキレッドは、壁に叩きつけられて地面に転がった。

 

 

『誠司!!』

 

 

ゲキレッドを心配し、駆け寄る2人。

 

 

「どうじゃい、儂のパワーは」

 

「くそっ...」

 

 

ギュウヤの言葉に、悔しがるゲキレッド。

 

 

「私が相手よ!!」

 

 

ゲキトンファーを構え、ギュウヤに突っ込むゲキブルー。

 

 

「バッファロー衝角打!!」

 

「激獣ジャガー拳!!舞舞打(まいまいだ)!!」

 

 

ギュウヤの突進を、宙をまうようにして躱すゲキブルー。

 

 

「ぬおっ!!?」

 

 

まさか避けられるとは思わなかったギュウヤは、驚きの声を上げる。

 

 

「はぁ!!」

 

 

ゲキブルーは壁を蹴って、回転を利用しギュウヤにゲキトンファーを叩きつける。

 

 

「うおっ!!?」

 

 

ゲキブルーの攻撃を受けたギュウヤは、転倒する。

 

 

「なっ!!」

 

 

自分が敵わなかったギュウヤを圧倒するゲキブルーに、言葉を失うゲキレッド。

 

 

「今度は私が相手よ!!」

 

 

すると今度は、ゲキイエローが飛び出す。

 

 

地面に倒れるギュウヤだったが、向かってくるゲキイエローに気づいて慌てて起き上がる。

 

 

「激獣チーター拳!!貫貫打(かんかんだ)!!」

 

 

多数の正拳打ちを、一点に集中して放つ。

 

 

「はぁ!!」

 

 

とどめの強力な正拳打ちがギュウヤに繰り出され、後ろに吹っ飛んだ。

 

 

「お前ら2人の方は、少しは相手になるらしい。面白い」

 

 

その時、ギュウヤの体に異変が起こる。

 

 

「うっ!!うおぉぉぉっ!!?」

 

 

ギュウヤは胸を押さえだし、苦しみだした。

 

 

すると先程まで獣人だったギュウヤの姿が、リンリンシーに戻ってしまう。

 

 

「リンリンシーになったばっかりで、身体がまだ馴染んでおらんのか...今日の所は勘弁しといてやる!!」

 

 

ギュウヤはそう言い残すと、地面に潜る事で姿を消した。

 

 

「あぁ!!待て!!逃げるな!!まだ終わってねぇ!!」

 

 

負けたのが悔しかったのか、ゲキレッドはギュウヤの後を追おうとする。

 

 

「誠司!!」

 

「待ちなさい!!」

 

 

しかしそれを、ゲキイエローとゲキブルーが止める。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ギュウヤのデータをインストールされたロボタフと、誠司が向かい合う。

 

 

すると、ロボタフが先程のギュウヤの技『バッファロー衝角打』と同じ動きをする。

 

 

「来い!!!」

 

 

突進してくるロボタフに、誠司は先程のゲキブルーの攻撃をイメージする。

 

 

「舞舞打!!」

 

 

誠司はゲキブルーと同じようにロボタフの頭上を飛び越えようとするが、つま先がロボタフの頭に当たってしまう。

 

 

「うわああああっ!!!」

 

 

誠司はそのまま、床に腹ばいの状態で落ちる。

 

 

それでも誠司は諦めず、直ぐに立ち上がりロボタフを睨む。

 

 

「貫貫打!!」

 

 

今度はゲキイエローの技をマネして放つが、簡単にロボタフに受け止められてしまう。

 

 

「えぇ!!?」

 

 

受け止められると思わなかった誠司は、驚きの声を上げる。

 

 

攻撃を受け止めたロボタフは、誠司に裏拳を繰り出す。

 

 

「うわぁぁっ!!!」

 

 

裏拳を喰らった誠司は、まるでアクセルジャンプのように回転して地面に転がった。

 

 

流石にこのままでは不味いと思ったランが、ロボタフを止める。

 

 

「なんでだぁ...なんでリンやランみたいに出来ないだ...」

 

 

誠司は自分が考えているように動けない事に、不満に思う。

 

 

「負けたのがよっぽど悔しかったみたいね...」

 

 

誠司の様子を見て、察する美希。

 

 

「ビーストアーツ初心者の誠司が、私達と同じメニューやったって無駄なのに」

 

「あの臨獣拳使いは、誠司と同じパワータイプ。誠司とは相性が悪いわ!またやってきたら、その時は私達で頑張るしかないわね」

 

 

リンとランがそう話し合っていると、部屋にマスター・シャーフーが入って来る。

 

 

「マスター・シャーフー!!」

 

 

誠司は、入ってきたマスター・シャーフーに駆け寄った。

 

 

「教えてください!!あのギュウヤを倒す方法を!!」

 

「お主の修行メニューは、これじゃぞ」

 

 

そう言って、マスター・シャーフーは誠司に雑巾を見せた。

 

 

「もう掃除力はいりません!!」

 

 

そう言って、誠司は雑巾を叩いた。

 

 

そのせいでマスター・シャーフーの手から雑巾が離れ、床にガシャン!!と音を立てて落ちた。

 

 

『ん?』

 

 

雑巾が落ちたにしては、重すぎるその音にランとリンは疑問に思った。

 

 

気になったランは、雑巾を拾い上げようとする。

 

 

「え!?」

 

 

片手で持ち上げようとしたランだったが、余りの重さに驚いた。

 

 

「ん~~!!何この雑巾!!?」

 

 

両手でようやく持ち上げる事が出来たランだったが、雑巾の余りの重さに驚愕の声を上げる。

 

 

「暮らしの中に修行あり」

 

 

マスター・シャーフーは、その雑巾を片手で持ち上げて反対の手で誠司の襟を掴む。

 

 

「ちゃんと隅々までピカピカにそうじするのじゃ」

 

「うわっ!!いやだ~!!掃除力じゃ勝てないですよ~!!」

 

 

嫌がる誠司を連れて、マスター・シャーフーは部屋から出ていった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

場所は変わり、ある山の中でギュウヤも修行に励んでいた。

 

 

巨大な岩に向かって、突進するギュウヤ。

 

 

「うおおおおおおっ!!」

 

 

ギュウヤが岩に頭突きをすると、ドッガァァァン!!と音を立てて粉々に砕け散った。

 

 

「ふぅ...やっとリンリンシーの身体にこなれてきたわい」

 

「ギュウヤ」

 

 

身体の調子を取り戻したギュウヤの元に、メレが現れる。

 

 

「お前には期待しているのよ、理央様が喜ぶのは勝利だけ。私には、理央様を喜ばせる義務があるの。愛の義務が...」

 

 

メレはそう言うと、鏡を取り出して口紅を塗る。

 

 

「今度こそ、あの激獣拳使いを叩き潰してやるのよ!!」

 

「ご期待ください!!直ぐに戻ってまいりますわい!!」

 

 

そう言うと、ギュウヤは街へと走り出した。

 

 

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「うおおおおおっ!!!」

 

 

怪人態になったギュウヤは、突進で建物を壊す。

 

 

逃げる人々を追いかけるギュウヤは、街灯にぶつかる事でようやく止まった。

 

 

しかし、その衝撃で街灯が根元から折れて、人が乗っている車に向けて倒れる。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

慌てて車から降りて、逃げる人達。

 

 

その様子を監視カメラのデータにアクセスしたパソコンで見ていたランは、リンに声を掛ける。

 

 

「リン!!」

 

「うん!!」

 

 

2人は急いで、ギュウヤが暴れている街へと向かった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

その頃、誠司は修行をしていてギュウヤが暴れている事に気づいていなかった。

 

 

「誠司!!もっと腰を落として一気に突き進むんじゃ!!」

 

「俺はこんな事じゃなく、ギュウヤを倒す修行がしたいんだー!!」

 

 

マスター・シャーフーの言葉に、誠司は修行の不満をぶつけながら雑巾掛けをしていた。

 

 

それがいけなかったのか、使っていた雑巾が真っ二つにちぎれてしまった。

 

 

「うわぁぁっ!!?」

 

 

雑巾が切れた事により、バランスを崩してしまった誠司はゴロンゴロンと床を転がった。

 

 

「痛ってぇ~」

 

 

痛みに耐える誠司だったが、無慈悲にもマスター・シャーフーから声が掛かる。

 

 

「まだ終わっとらんぞ」

 

「え?」

 

 

マスター・シャーフーは、ちぎれた雑巾を手に取る。

 

 

「美希に言って、新しい雑巾もらってこい」

 

「えぇぇぇっ!!」

 

 

まだ終わらない事に、誠司は不満の声を上げる。

 

 

「はぁ...」

 

 

しぶしぶ起き上がった誠司は、マスター・シャーフーから雑巾を受け取る。

 

 

「行ってきます...」

 

 

そう言って、誠司は部屋から出て行った。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

特別開発室で仕事をしていた美希だったが、扉が開く音で誰かが入ってきたのに気づいて顔を上げる。

 

 

すると、暗い顔をした誠司が目に入った。

 

 

「新しい雑巾ください」

 

 

そう言って、誠司はやぶれた雑巾を美希に見せる。

 

 

「あ~ら~暗い顔ね~」

 

「もう!!こんな修行嫌です!!」

 

 

そう言って、誠司は雑巾を机に叩きつけた。

 

 

「何言ってるの、ゲキレンジャーのモットーは修行して勝つなのよ」

 

「けど!!こんな修行じゃ、いつまでたってもギュウヤは倒せません!!」

 

 

誠司がちぎれた雑巾を持ち上げて揺すると、中から大量の重りが出てくる。

 

 

「俺は、リンの技とか、ランの速さとか修行したいんです!!」

 

 

不満に思う誠司に、美希が質問する。

 

 

「ねぇ誠司、マスター・シャーフーが貴方の為に考えてくれたキャッチフレーズは何?」

 

「え?えっと...身体に漲る無限の力、アンブレイカブル・ボディ」

 

「そうよ、決して砕けない強靭な肉体、そこから溢れる凄い馬力。そこが!!あなたの優れてる所なの!!決して、ファンタスティック・テクニックでも、オネスト・ハートでもないわ」

 

「でも俺...ぶつかりあいでギュウヤに負けました」

 

 

誠司は先程の戦いを思い出して自身の拳を見つめ、すっかりやる気を失ってしまっていた。

 

 

「マスター・シャーフーのメニューで修行すれば負けないわ」

 

「え?」

 

 

美希は大量の箱が積まれており、その一つのガムテープを剥がし雑巾を取り出す。

 

 

「シャーフーはね、その丈夫な身体と無限なパワーで勝負したら、絶対に勝てるって信じてるのよ」

 

 

その言葉を聞いた誠司は、壁に掛けられている激気という文字を見る。

 

 

「彼の修行メニューは最高よ」

 

 

美希はそう言って、重りが入ったケースから先程のよりも大きい重りを取り出し、雑巾の中に仕込む。

 

 

「マスター・シャーフーを、それと君をスカウトした私の目を信じなさい!!」

 

 

仕込みが終わった雑巾を美希が持ち上げようとするが、余りの重さに「重っ」と声を上げてしまう。

 

 

「サービス!! 重り増やしておいたから」

 

 

美希から雑巾を受け取った誠司だったが、余りの重さに腰を沈めてしまう。

 

 

「マスター・シャーフーのメニューで修行をすれば、負けない!!」

 

「うん」

 

 

ようやく誠司は、自信を取り戻した。

 

 

「分かりました!!」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

雄叫びを上げ、先程の修行場所までひたすら走る。

 

 

それは、体育館の中で待つマスター・シャーフーの所まで聞こえる程だった。

 

 

「ん?」

 

 

マスター・シャーフーが振り向くと、ちょうど誠司が入って来る所だった。

 

 

「どうした誠司」

 

 

マスター・シャーフーは、誠司の目が自身に満ちて覚悟を決めた目である事に気づいた。

 

 

「マスター・シャーフー!!修行して勝つ!!です」

 

「ふふふ」

 

 

誠司の変わり様に笑みを浮かべるマスター・シャーフーは、チーン!!とトライアングルを鳴らす。

 

 

「修行して勝つ!!修行して勝ーつ!!」

 

 

ギュウヤに勝ちたい一心で、誠司はひたすら雑巾掛けをする。

 

 

「隅々までピカピカにした時、お前は必ず強くなるぞ」

 

「だぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

誠司は行ったり来たりをするだけでなく、ななめに、横になど動き気づけばトライアングルの形になるように雑巾掛けをしていた。

 

 

そしてようやく...

 

 

「だぁぁぁぁっ!!!終わった——!!!」

 

 

全ての雑巾掛けを終わった誠司だったが、勢いが付きすぎて止まる事が出来なかった。

 

 

「どいて!!どいてください!!」

 

 

ぶつかりそうになる誠司だったが、マスター・シャーフーは跳躍する事によってそれを避ける。

 

 

マスター・シャーフーとの衝突を避けた誠司だったが、そのまま用具入れに突っ込んでしまう。

 

 

「うわぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

ガッシャァァァァァン!!!と派手な音を立てて、誠司はようやく止まった。

 

 

「痛ってぇ~」

 

 

籠の中に入っていた大量のボールがぶちまけられ、その中から誠司は這い出てくる。

 

 

「終わった~」

 

「うむ!!今回の修行メニューは、終了じゃ!!」

 

 

マスター・シャーフーが体育館を見渡してみると、どこもかしこもピカピカだった。

 

 

「さぁ、戦いに行くがよい」

 

「え?」

 

 

言葉の意味が解らず、首をかしげる誠司。

 

 

「修行に夢中で気づかんかった様じゃが、ランとリンは先に行っておる。お主も行って、身に着けたその掃除力を見せつけてやるがよい!!」

 

「はい!!!」

 

 

マスター・シャーフーに言葉に元気よく答えた誠司は、街へ向かって走り出した。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

突っ込んでくるギュウヤの突進を、ゲキイエローとゲキブルーは左右に分かれて避ける。

 

 

「甘いわ」

 

 

すると、ゲキイエローはリンシーズによって羽交い絞めされてしまった。

 

 

「猛牛脚!!」

 

 

ギュウヤの飛び蹴りが、リンシーズを巻き込んでゲキイエローを蹴り飛ばす。

 

 

「うわっ!!?」

 

 

リンシーズと一緒に吹っ飛ばされたゲキイエローは、近くのコンテナに激突する。

 

 

「ラン!!」

 

 

駆け寄ろうとするゲキブルーだったが、ゲキブルーもリンシーズに羽交い絞めにされてしまう。

 

 

「卑怯よ!!」

 

「卑怯?それが臨獣殿のやり方じゃい!!」

 

 

ギュウヤの突進を諸に受けたゲキブルーは、リンシーズと共に吹っ飛ばされた。

 

 

「これで終わりじゃい!!」

 

「きゃあああああっ!!!」

 

 

ギュウヤはゲキブルーの両脇に角を引っ掛け、後ろへと放り投げる。

 

 

「リン!!」

 

 

地面に転がるゲキブルーに、駆け寄るゲキイエロー。

 

 

「2人纏めて、ぺしゃんこにしてやる」

 

 

ギュウヤは地面を蹴って、2人に突進しようとしたその時だった。

 

 

「やめろ!!」

 

 

駆け付けた誠司の声が、その場に響いた。

 

 

「臨獣殿の牛野郎!!」

 

『誠司!!?』

 

「やめろとは、儂にほざくか小僧」

 

 

ギュウヤのその言葉に、誠司はニヤッと笑う。

 

 

「ほざく!!」

 

 

誠司は、ゲキチェンジャーを構える。

 

 

「たぎれ!!ケモノの力!!ビースト・オン!!!」

 

 

ゲキチェンジャーに次元圧縮されたゲキスーツが装着され、誠司はゲキレッドへと変身する。

 

 

「何度来たって同じことじゃい」

 

 

ギュウヤは右脚で地面を蹴った後、ゲキレッドに向かって突進する。

 

 

「バッファロー衝角打!!!」

 

 

ギュウヤの突進に対抗するように、ゲキレッドは雑巾を取り出す。

 

 

「激気雑巾!!」

 

 

ゲキレッドは中に仕込まれた重りを外し、地面に置いた。

 

 

「行くぞ!! 腰を落として、一気に突き進む!!」

 

 

ギュウヤに向かって、雑巾掛けを始めるゲキレッド。

 

 

『雑巾掛け!?』

 

 

ギュウヤの突進に対して、雑巾掛けで対抗するゲキレッドに驚愕する2人。

 

 

「はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「うぉぉぉぉぉっ!!!」

 

 

雄叫びを上げて、突進する両者。

 

 

「俺は!!体に漲る無限の力!!アンブレイカブル・ボディ!!ゲキレッドだ!!!!」

 

 

ゲキレッドは身に着けた「そうじ力」を最大限に発揮し、更に突進の威力を増した。

 

 

ゲキレッドとギュウヤがぶつかり合った結果、今度はギュウヤの方が吹っ飛ばされた。

 

 

「うわぁぁぁぁぁっ!!!?」

 

 

ぶつかり合いに勝ったゲキレッドは、得意げに雑巾を人差し指で回す。

 

 

「へっへ~ん!!」

 

「おのれ!!儂がパワーで負けるハズがねぇ!!」

 

すぐさま起き上がったギュウヤは、負けた事を認められずに再度突進する。

 

 

ゲキレッドは雑巾を放り投げ、突進してくるギュウヤの角を両手で受け止める。

 

 

「ゲキワザ!!雑巾絞り!!」

 

 

雑巾絞りの要領で、ギュウヤの角を捻じ曲げるゲキレッド。

 

 

「な..なんてパワーだ!!?」

 

 

自分以上のゲキレッドのパワーに、ギュウヤは驚愕する。

 

 

「おらぁ!!」

 

 

すると、ゲキレッドはギュウヤを持ち上げて後ろへと放り投げる。

 

 

「ゲキワザ!!タイガー雑巾掛けだぁ!!」

 

 

背中から地面に転がるギュウヤを、雑巾の代わりにして走るゲキレッド。

 

 

「うわぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

ゲキレッドはそのままギュウヤを引き摺りながら走り、火気厳禁と大きく書かれた大量のドラム缶に向かう。

 

 

「喰らえっ!!!」

 

 

ゲキレッドはそのドラム缶に向かって、ギュウヤを投げる。

 

 

ドラム缶を薙ぎ倒したギュウヤは、ドラム缶が地面に接触し発生し、そのわずかな火花がガスに引火し、大爆発が起こる。

 

 

「うわぁぁぁぁぁっ!!!」

 

 

その大爆発の中から、何とか飛び出てくるゲキレッド。

 

 

地面に転がるゲキレッドに、駆け寄ってくるゲキイエロー達。

 

 

「やったわね、誠司!!凄いパワー!!」

 

「まっ修行の成果があったって事ね」

 

 

純粋にゲキレッドのパワーを褒めるゲキイエローと、修行のお陰だと捻くれて物を言うゲキブルー。

 

 

「あぁ、ランとリンが先に行ってくれたから、その間修行できたんだ。すんごくなったからな!!!」

 

 

その様子を見て、微笑みあうゲキイエローとゲキブルー。

 

 

「貴様等!!!」

 

 

その時、爆発に飲まれた筈のギュウヤの声が響く。

 

 

「終わったと思ってるなら、大間違いじゃ」

 

 

爆発した方を見ると、ボロボロになった状態でよろける様に歩くギュウヤの姿が3人の目に入った。

 

 

「リンギ!!邪心豪天変!!!」

 

 

ギュウヤの身体が膨れ上がり、巨大化する。

 

 

「こうなったらやけじゃい!!街の大破壊じゃい!!」

 

 

そう言って、ギュウヤは街の方へと向かう。

 

 

「俺達も行くぞ!!」

 

『ゲキワザ!!獣拳合体!!』

 

 

ゲキタイガー、ゲキチーター、ゲキジャガーの3体が合体して、巨大な獣人『ゲキトージャ』が誕生する。

 

 

『ゲキトージャ!!バーニングアップ!!!』

 

 

街の中で、睨みあうゲキトージャとギュウヤ。

 

 

「ぶ~ん!!ギリギリセーフ!!試合開始に間に合いました!!本日も巨大戦の実況は激獣フライ拳のバエがお送りします!!」

 

 

そして、突如現れた毎度おなじみのバエが、実況を始める。

 

 

「そして解説はおなじみ、にっくき小娘、臨獣カメレオン拳のメレさんです」

 

「まったく...生意気なコバエね。でも可哀そうに、あんたの好きなゲキトージャも今日で終わりよ」

 

 

余程、ギュウヤが勝つ事に自信があるのか、強気なメレ。

 

 

「戦いは最後まで分かりませんよ」

 

 

それでも、ゲキトージャが勝つ事を信じるバエ。

 

 

信号機が青になるのと同時に、動き出す両者。

 

 

「とか言っている内に、両者突進です!!激突!!」

 

 

激突するゲキトージャとギュウヤ、そしてゲキトージャはギュウヤの背中を転がるようにして移動し、後ろを取る。

 

 

ギュウヤの後ろを取ったゲキトージャは、ギュウヤのマントを剥がした。

 

 

「おぉ!!ギュウヤのマントが剥がされた!!ギュウヤ怒っています!!!」

 

 

ゲキトージャは、赤いマントをひらひらと動かし、ギュウヤに向かって手招きする。

 

 

「ゲキトージャ、闘牛士よろしく赤いマントをヒラヒラ!!ギュウヤを挑発しております!!」

 

「よくも俺のマントを!!!」

 

 

胸部のバッファローの鼻からフー!!と鼻息を吐き、怒りを露わにする。

 

 

激怒するギュウヤは、四足歩行でゲキトージャに突進する。

 

 

「ギュウヤ!!怒りの突進!!凄い迫力!!?これぞまさしく、闘牛のようであります」

 

 

ゲキトージャは、マントでギュウヤの目を遮り、ビルへと突っ込ませる。

 

 

「ゲキトージャ!!ギュウヤを翻弄しております!!まさに怒りが収まらないギュウヤ!!」

 

 

瓦礫から這い出てきたギュウヤは、再度突進する。

 

 

「おおっ!!また突進だ!!それをゲキトージャ迎え撃つ!!」

 

 

迫って来るギュウヤに、臨戦態勢を取る。

 

 

「おっと、あれ?」

 

 

突如ギュウヤが、横に軌道を変えた。

 

 

「ギュウヤ横っ飛び!!?」

 

 

まっすぐ突進する牛の概念を覆す動きをするギュウヤに、バエはもちろんゲキトージャも困惑する。

 

 

「なんとっ!!まっすぐ突っ込むと見せかけて、いきなりの方向転換!!巨大さに似合わず敏捷さです!!」

 

 

ジグザクに街の中をあちこち走り回り、スピードでゲキトージャを翻弄するギュウヤ。

 

 

ドッガァァァン!!!

 

 

突如、ゲキトージャの背後にあるビルが破壊され、壊れた事によって発生した土煙の中からギュウヤが現れる。

 

 

「おおっと!!ギュウヤ、背後からビルを突き崩し襲い掛かった!!」

 

 

ギュウヤの突進を諸に受けたゲキトージャは、そのまま地面に倒れた。

 

 

「ゲキトージャたまらずダウン!!」

 

「ワシの動きが見切れるか?」

 

 

ゲキトージャは起き上がろうとするが、ダメージが大きかったのか立ち上がれないでいた。

 

 

「ああっ!!?ゲキトージャ立てません!!起き上がれないのか、起き上がらないのかどっちだ!!?」

 

 

実況するバエの横で、ゲキトージャが倒れた事に喜ぶメレ。

 

 

「あいつ...意外とトリッキーな動きをするわね...」

 

「リン、大丈夫だ。俺は修行したんだ!!」

 

「そうだわ!!誠司の言う通りよ!!今こそ、私達3人のトライアングルを思い知らせる時よ!!私のスピード、リンのテクニック!!」

 

「修行してアップした、誠司のパワーね!!」

 

 

3人の力を1つにするべく、ゲキレッドは気合を入れる。

 

 

「よーし!!リンとランも気合入れて行くぞ!!」

 

『うん!!』

 

 

右脚を回してしっかり開脚し、その回転力を活かしながら腰を浮かして上半身をひねり、両手で地面を押して立ち上がるゲキトージャ。

 

 

「さぁゲキトージャ、ようやく立ち上がったぞ!!」

 

 

すると、ゲキトージャがギュウヤに向かって、手招きし始めた。

 

 

「ん?なんだ!?ゲキトージャ!!ギュウヤを挑発しております!!何か思いついたのか?」

 

 

ギュウヤは、再度ゲキトージャに向かって突進を始める。

 

 

「ギュウヤそれに答えて、飛び出しました!!」

 

 

ゲキトージャも、ギュウヤに向かって走り出す。

 

 

「ゲキトージャも走ります!!走る!!走る!!走る!!!」

 

 

ぶつかり合うギュウヤとゲキトージャだったが、ぶつかり合ったその瞬間にギュウヤがゲキトージャを上空へと突き上げる。

 

 

「うわぁ!!?」

 

「やったわぁ!!!」

 

 

ゲキトージャが突き上げられた事に、バエは動揺し、メレは歓喜の声を上げる。

 

 

「ギュウヤ、ゲキトージャを跳ね上げた!!?」

 

 

しかしそれは、ゲキレンジャーの作戦の内だった。

 

 

「テクニック!!!」

 

 

ゲキブルーがそう叫ぶと、ゲキトージャは上空で体を捻る。

 

 

「ゲキトージャ!!上空で華麗に舞っているようです!!」

 

「まさか!!やられた振りだっていうの!!?」

 

 

ようやく跳ね上げられた意図に気づいたメレだったが、時すでに遅し。

 

 

「パワー!!」

 

 

ゲキレッドがそう叫ぶと、ゲキトージャが両足を伸ばして蹴りの体制に入る。

 

 

そして、下半身が回りだした。

 

 

「おぉ!!脚が回った!!?」

 

「スピード!!」

 

 

ゲキイエローがそう叫ぶと、さらに回転の威力が増す。

 

 

「ゲキトージャ!!超高速で落ちてくる!!いや、降りてきます!!」

 

「牛の弱点は脳天だ!!」

 

『ゲキトージャ!!ゲキワザ!!大頑頑脚(だいがんがんきゃく)!!!』

 

 

両脚でのスクリューキックが、ギュウヤの脳天目掛けて繰り出される。

 

 

『ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!ゲキ!!』

 

「決まったー!!!」

 

 

ゲキトージャの大頑頑脚を諸に受け、ギュウヤの身体が石化していく。

 

 

「獣拳は正義の拳!!」

 

 

断末魔と共に、ギュウヤは大爆発を起こす。

 

 

『正しき者は、必ず勝つ!!!ゲキトージャWIN!!』

 

「やりました!!ゲキトージャ!!大頑頑拳に続く、新たなゲキワザ!!大頑頑脚でギュウヤを下しました!!激獣拳最強!!」

 

 

調子に乗るバエの頭を、メレが鷲掴みにする。

 

 

「それ以上喋るんじゃないわよ!!お喋りバエ!!」

 

「え?あ...」

 

「はしゃいでいられるのもそれまでよ」

 

「なんで?」

 

「次の相手は...」

 

 

メレはバエの耳元で、何かをボソッと呟く。

 

 

「えぇ!!?あ...あの5人ですかぁ!?」

 

 

その相手が誰なのかを知っているバエは、驚愕して大声を上げる。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

その頃、臨獣殿の玉座の間にて理央が瞑想を行っていた。

 

 

すると、背後の扉が開き、5人のリンリンシーが姿を見せる。

 

 

『我ら五毒拳、揃いましてございます』

 

 

理央の元に、『五毒拳』と呼ばれる5人の拳士が招聘(しょうへい)されていた。

 

 

「ふっ、五毒拳。お前らが、俺の渇きを癒してくれるか?」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

『後3分じゃぞ、隅々までピカピカにするんじゃ』

 

『えぇ——!!?が、頑張ります!!』

 

 

不満そうに声を上げるが、我慢して雑巾掛けをするラン。

 

 

『根性——!!』

 

 

しかし、途中でこけてしまい、肘を擦りむいてしまう。

 

 

『痛ったぁ~』

 

 

擦りむいた肘を押さえ、痛がるラン。

 

 

『両手両足で効率アップ!!隅々までピカピカにするんじゃ!!』

 

 

両手両足で雑巾掛けをするリンだったが、思う様に動けず中々進めないでいた。

 

 

『うぅ...効率アップ...ってむしろマイナスぅ?』

 

 

その光景は、余りにも情けなかった。

 

 

「あはははははっ!!!」

 

 

特別開発室に、誠司の笑い声が響く。

 

 

戦いの後、ランとリンもかつては『そうじ力』を鍛えていた事を知る誠司。

 

 

その様子はVTRにしっかり収められており、誠司はそれを見て大いに笑っていた。

 

 

「2人共、へなへなですね」

 

 

一緒に見ている美希と一緒に、笑いが止まらない誠司。

 

 

その時、タイミング悪くラン達が入って来る。

 

 

「何見せてるんですか?美希さん、って...」

 

『あ——————っ!!!!』

 

 

質問するランだったが、それがかつて『そうじ力』の修行をしていた2人の映像だと知ると、2人は大声を上げる。

 

 

「貴方達が、まだスピードもテクニックもまだまだだった頃の修行よ」

 

 

その間も、映像では雑巾掛けしている2人が頭をぶつけあい、悶絶する映像が流れていた。

 

 

「見ちゃダメ!!!」

 

 

ランは直ぐに誠司の目を隠し、続きを見せないようにする。

 

 

「見せろよ!!」

 

 

手をどかそうとする誠司だったが、絶対見せまいと体を押し付けて全体重をかけてまで必死にしがみつくラン。

 

 

「今はそれなりに立派になって、よかったわ」

 

 

そう言って、席を立つ美希。

 

 

すかさずリンが席に座り、パソコンをいじる。

 

 

「だけど室長!!こんなみっともない格好、誠司に見せなくても!!」

 

 

余程恥ずかしかったのか、直ぐに映像を止めるリン。

 

 

『はぁ...』

 

 

これ以上恥を晒さなくて済んだことに、ランとリンは安堵のため息をつく。

 

 

「よっしゃー!!!俺もまだまだ修行するぞ!!修行して勝つ!!」

 

 

雑巾を持った誠司は、特別開発室の床を雑巾掛けし始めた。

 

 

「行くぞー!!」

 

 

すると、誠司は雑巾掛けをしながらランとリンの後ろを追いかける。

 

 

「きゃああああっ!!!」

 

「ちょっと誠司!!!」

 

 

いきなりの事で途惑い、逃げる2人。

 

 

「やれやれ、次の修行メニューは行儀力じゃのぅ...」

 

 

呆れながら、マスター・シャーフ―はトライアングルをチーンと鳴らす。

 




美希「ゲキトージャのゲキワザは回転が命‼」

誠司「うりゃぁぁぁっ‼」


誠司がロボタフと一緒に、回転を始める。


「下半身をガンガン回す錐揉みキック『大願願脚』、上半身をガンガン回す高速パンチ『大願願拳』」

「あ~...あぁぁ...」


回りすぎたせいで目を回した誠司は、ロボタフと一緒に床に転がった。


「それは~『大ふらふら脚』?」

「あぁぁ~...」


美希の言葉に、誠司は言葉にもなってない情けない声で返事する。










如何だったでしょうか?


今回の修行3では、誠司が如何に修行が大事なのかっていう事を実感する回でした。


雑巾掛けは一見大した事のない行動ですが、足腰しっかりしていないとまっすぐ走る事が出来ないですからね。


社会人になり、雑巾掛けをする機会があったので上司と一緒に行ったところ、まっすぐ走る事が出来ず何度も転んでしまいましたからね。


年を取るという事を甘く見ていました。


マジか...と凹みましたからね


それでは次回、修行その4もしくはLOVE TAIL第20話でお会いしましょう

ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています

  • ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
  • 今のままで、充分
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