ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み 作:ナツ・ドラグニル
今回、やっと待望のオリジナル劇場版を投稿出来ました!
前回の後書きで書いた通り、ゴーオンジャー対ゲキレンジャーを参考にしております。
それでは作品を、どうぞ!
第23話 並行世界!? もうひとつのぴかりヶ丘!
いおながチームに入った翌日、誠司達は早朝の修行を終えて大使館に集まっていた。
「やっぱり皆で一緒にやると、修行が捗るわね」
そう答えたのは、先日ハピネスチャージに仲間入りしたいおなだった。
「皆でやればより楽しいし、団結力も生まれるからね」
「それに修行の後にシャワー浴びるのも、さっぱりして気持ちいいしね」
「あっ!それ分かる」
めぐみとひめが、そんなやり取りをする。
「あっ!そうだ!いおなに渡すものがあったの忘れてた」
誠司はそう呟くと、その部屋から出て行った。
「私に渡す物って何かしら?」
「もしかして、いおなちゃんがハピネスチャージに加入したお祝いだったりして!」
「あっ!あるかも!」
めぐみ達が色々と考察する中、誠司が中々大きい箱を持って戻ってきた。
誠司はいおなの目の前に箱を置く。
箱には、紫色のリボンが装飾されていた。
「これは?」
「開けてみれば分かるよ」
疑問に思ったいおなだったが、誠司にそう言われとりあえず開けることにした。
いおなが箱を開けると、中から出てきたのはリンが使っているゲキファンと同じものが入っていた。
いおなの物は、ゲキファンの要と中骨の部分が青に対して、紫色が施されていた。
「それは『フォーチュンファン』と言ってな、スクラッチが開発したいおな専用の武器だ」
いおなはフォーチュンファンと手に取り、まじまじと見つめた。
「いおなが仲間に入った時に、渡そうと決めてたんだ」
誠司の言葉を聞き、いおなはフォーチュンファンを嬉しそうに抱きしめた。
新しい武器を手に入れたのもそうだが、誠司に認められたことがいおなに取って嬉しい事だった。
「おい、そろそろ支度した方がいいんじゃないか」
その時、ゴウが誠司達に近づく。
「ああ、もうそんな時間か」
「何処か行くの?」
いおなの疑問に答えたのは、意外にも理央だった。
「何だ知らないのか?今から俺達の世界に行くんだ」
「理央さん達の世界!?どういうこと?」
思わぬ台詞に、いおなは驚愕する。
「マスター・シャーフーに呼ばれたんだよ」
「一度戻って来いってな」
ゴウとケンが、いおなの質問に答える。
「時間だ」
誠司がそう呟くと、壁に次元の渦が発生する。
「行くぞ!」
誠司の掛け声を合図に、全員が次元の渦の中へと入っていく。
☆★☆★☆
誠司達が次元の渦から出ると、そこは何処かのビルの中だと言うことが分かった。
次元の渦を出ためぐみ達は、さっそく部屋を見渡した。
「ここって?」
「ここはスクラッチ本社内にある、特別開発室じゃ」
そう答えたのは、誠司達の中の誰でも無かった。
誠司達が声のした方を向くと、そこには7人の拳聖達がいた。
『マスター・シャーフー、お久しぶりです!』
誠司達ゲキレンジャー組は、右拳を左手で包み挨拶をする。
「うわぁ、本当に動物達が2足歩行で歩いてる!」
「すごい!」
七拳聖を初めて見ためぐみ達は、興奮する。
「御主達がハピネスチャージプリキュアじゃな」
マスター・シャーフーが、めぐみ達に質問する。
「はい!私は誠司の幼馴染で、愛乃めぐみと言います。プリキュアの名前はキュアラブリーです!」
全員を代表し、まずはめぐみが元気一杯に挨拶をする。
「わ、私は白雪ひめです。せ、誠司とはクラスメイトで、キュアプリンセスです...」
次はひめが、おどおどしながら答えた。
「私もめぐみちゃんと同じ誠司君の幼馴染で大森ゆうこと言います。プリキュアの時の名前はキュアハニーです!」
「キュアフォーチュンの氷川いおなです!誠司君とはクラスメイトです」
「私はリボンと申しますわ、ひめの世話係みたいなものですわ」
「俺はぐらさん、いおなのパートナーだ」
ゆうこといおなの自己紹介に続き、リボンとぐらさんも含めた全員の自己紹介が終わる。
「うむ、めぐみにひめ、ゆうこにいおなじゃな。ワシはシャーフー、誠司達全員の師匠じゃ」
暮らしの中に修行ありをポリシーに持つ、激獣フェリス拳使いのマスター・シャーフー。
「俺ちゃんはエレハン・キンポーだゾウ!ランちゃんの師匠だゾウ!」
遊びの中に修行ありをポリシーに持つ、激獣エレファント拳使いのエレハン・キンポー。
「私の名はバット・リー!リンの師匠だ」
忘我の中に修行ありをポリシーに持つ、激獣バット拳使いのバット・リー。
「シャッキーン!僕はシャッキー・チェン!誠司の師匠だ!宜しく!」
自身のポリシーと呼べるものをまだ持っていない、激獣シャーク拳使いのシャッキー・チェン。
「荒ぶる賢人、レイジングハート!ゴリー・イェン」
マスタートライアングルの一角、心を司る激獣ゴリラ拳の使い手、ゴリー・イェン。
「華麗なる戦いの女神、シュープリームテクニック!ミシェル・ペングよ!」
マスタートライアングルの一角、技を司る激獣ペンギン拳の使い手、ミシェル・ペング。
「俺はサバンナの遊撃手、アンダイイングボディ!ピョン・ピョウ!」
マスタートライアングルの最後の1人、体を司る激獣ガゼル拳の使い手、ピョン・ピョウ。
「マスター・シャーフー達は、激獣拳ビーストアーツの頂点に立つ7人の獣拳使い、それが七拳聖なんだ」
七拳聖を知らないであろう、めぐみ達に誠司が説明する。
「中でも、《心・技・体》をそれぞれ最も極めた3人はマスター・トライアングルと呼ばれる称号を持つのよ」
「それが、マスター・ゴリー達よ」
ランとリンが、自分達トライアングルの先輩であるマスタートライアングルの説明をする。
「さて...来て早々悪いが、お主達に良い知らせと悪い知らせがあるんじゃ」
「良い知らせと悪い知らせ?」
「それは一体...」
マスター・シャーフーの言葉に、誠司達は疑問符を浮かべる。
「まず良い知らせじゃが...御主達に渡した武器はちゃんと使っておるようじゃな」
「はい!」
「勿論です!」
シャーフーの言葉に、めぐみ達は元気一杯で答える。
「私は、今日貰ったばっかりなのでまだ...」
今日、武器を貰ったばっかりのいおなは歯切れ悪く答える。
「武器にプリキュアの力を込めて戦えるから凄いよね」
「さすがはスクラッチ社!プリキュアの力を込められるように改良するなんて」
「そんな事はしてないゾウ」
ケンが何気なく呟いた言葉に、エレハンが答えた。
『え!?』
思いがけない言葉に、全員が驚愕の声を上げた。
「じゃ...じゃあ、何でプリキュアの力を激気のように込められるんですか?」
めぐみの疑問に答えたのは、マスター・シャーフだった。
「それが良い知らせじゃ、どうやら御主達が使うプリキュアの力は、獣拳と似て非なる力のようじゃ」
「だからラブリー・ヌンチャクやハニー・トンファーに、力を込める事が出来るんだぞ!」
シャーフとエレハンの言葉を聞いて、プリキュア達は唖然とする。
「御主達がもっと修行すれば、倍々分身拳を習得する事も可能じゃ」
「ほ、本当ですか!?」
思わず、誠司が驚愕の声を上げる。
「倍々分身拳?」
「何それ?」
聞き慣れないゲキワザに、めぐみ達は疑問符を浮かべる。
「分かりやすくいえば、俺達のゲキトージャの事だよ」
『え!?』
誠司が分かりやすく教えた事で、事の重大性に気づいた。
「と言うことは、私達にもゲキビーストが出せるって事?」
「そういうことじゃ」
「凄い!私達も巨大戦に参加出来るようになるんだ!」
「やったね!」
今まで巨大戦を見ている事しか出来なかっためぐみ達だったが、自分達もゲキビーストを召喚出来ると知って喜ぶ。
「プリキュアのゲキビーストだから、キュアビーストだね!」
ひめがゲキビーストを、キュアビーストと名づけた。
「さて、次に悪い知らせじゃな」
マスター・シャーフの台詞で、緩んでいた気持ちを全員が気を引き締めた。
「何かあったんですか?」
誠司が質問するが、七拳聖の全員が黙ってしまう。
沈黙していた七拳聖達だったが、マスター・シャーフーが口を開いた。
「実は...慟哭丸が何者かに盗まれたのじゃ」
『なっ!?』
シャーフーの口から告げられた事に、誠司達は驚愕する。
「慟哭丸って?」
「永遠の時を生き、退屈を紛らわせる為だけに世界を滅ぼそうとした最悪の存在、無限竜ロンを封じた玉だ」
「二度と出てこれねぇように、スクラッチ社で保管していたんだ」
ゆうこの疑問に、ゴウとケンが答えた。
「そんな危険な物が...一体誰が...」
「分からん、じゃが...盗んだ者は何かを企んでるはずじゃ。必ず御主達の前に現れるじゃろう」
横一列に並んでいた七拳聖達だったが、シャーフーが一歩前に歩み出た。
「盗んだ者が慟哭丸を使い、何をするか分からん。御主達、油断することなく対処するんじゃ」
『はいっ!』
「ああ」
「分かってるわ」
シャーフーの言葉に、それぞれが答える。
「良し!誰だか知らないが、絶対に慟哭丸を取り戻すぞ!」
『応!』
誠司の掛け声に、めぐみ達を含めた全員が答える。
その時、室長である美希の姿が無い事に誠司が気づく。
「あれ?そういえば美希さんは?」
「美希なら、道場のほうで門下生達の修業を行っている」
「道場?そんなのあるんですか?」
「勿論じゃ、若き獣拳使いを育てる道場じゃ」
誠司達以外にも獣拳使いをいるとは思わなかったのか、めぐみたちは驚いていた。
「なんなら、今から行ってみるかのう?」
『はい!』
シャーフーの問い掛けに、めぐみ達は元気よく答えた。
☆★☆★☆★
「始め!1、2、3!1、2、3!」
美希の指導の元、多くの子供達が獣拳の修行を行っていた。
中には、真央と同じくらいの子供も混じっている。
「あんな小さな子も激獣拳を学んでいるんだ!」
「凄ーい!」
すると、美希が手を数回叩き、次の指示を子供達に出す。
「はい!次、組み手!始め!」
子供達は2人1組になり、組み手を始めた。
美希も1人の子供と、組み手を始めた。
その子供は、誠司達に近い歳の女の子に見えた。
『はっ!はっ!はっ!はっ!』
美希と女の子は組み手をしていると、2人とも激気を込めだした。
「はああああ!」
「はああああ!」
『はぁ!』
お互いが込めた激気を前に放つが、女の子が放った激気は獣の形をしておらず、ただの激気の塊が美希に向かって放たれた。
その激気の塊を、美希が放った激気はレオパルドへと変化し、女の子が放った激気を飲み込んだ。
その様子を、めぐみ達は口を開け、あんぐりとしていた
まさか自分達と歳も変わらない女の子が、獣拳を使えるとは思わなかったのか凄く驚いている。
「ああ!」
「誠司!みんな!」
すると、誠司達に美希が気づき声を上げる。
相手していた女の子も、誠司達に近づく。
「おかえりなさい!」
「おう!なつめも大きくなったな!」
誠司は女の子の頭に手を乗せて、女の子の頭を撫でる。
「誠司、この子と知り合いなの?」
美希と組み手をしていた女の子が、誠司達と親しそうに話していることに疑問に思っためぐみが質問する。
「ああ、この子は美希さんの娘で、なつめって言うんだ」
「宜しくね!」
なつめが自己紹介すると、めぐみとゆうこがなつめに近づく。
「凄いね、私達と年も変わらないのに獣拳使えるなんて!」
「そんな、誠司達に比べたら私なんて全然...」
なつめは珍しく、自信なさげに答える。
「何言ってんだよ、初めて間もないのにあそこまで激気を込められるんだから対したものだよ」
そう言って、誠司は尚もなつめの頭を撫でた。
「えへへへ///」
大好きな誠司に撫でられて、なつめはご満悦だった。
その2人の様子を、めぐみ達はおもしろくない様子で見ていた。
「おや~?まさかなつめちゃん相手に嫉妬ですか~?」
そんな女性陣に、エレハン・キンポーが茶々を入れた。
『うるさい!』
「あいたっ!」
ランとリンの肘打ちが、エレハンの顔面に打ち込まれた。
「さて...エロハンの事は放って置くとして、プリキュアの皆に街を案内した方がいいんじゃないの?誠司」
「俺ちゃんは、エレハン・キンポーだゾウ!」
美希の言葉に、エレハンが指摘するが誰も聞いていなかった。
「そうですね、そうします。皆はどうする?」
めぐみ達を案内する誠司は、ラン達はどうするか確認する。
「俺はしばらく、ゆっくりするぜ」
「俺もだ」
『私も』
ゴウとケン、ランとリンはゆっくりすると答えた。
「俺は俺で出掛けるぞ」
「なら、メレもお供致しますわ」
理央は出掛けることを伝え、メレは同行する事を申し出る。
「そうだ皆、そろそろゲキチェンジャーの調整が必要じゃないかしら?」
「そうですね。俺は勿論、ラン達は俺の世界に来てから一切メンテナンスをしていなかったから」
誠司はそう言って、自分が身に付けているゲキチェンジャーに視線を向ける。
「ちょうどいいから、しばらく調整するために預かるわ」
「分かりました」
誠司は美希にゲキチェンジャーを渡す。
『お願いします!』
「頼むぜ、美希」
「オッス!お願いします!美希さん!」
ラン達も続いて、ゲキチェンジャー、ゴングチェンジャー、サイブレードを渡した。
☆★☆★☆★
誠司達はその後、街を案内する為にスクラッチから出た。
「わぁー!大きい会社!」
「スクラッチ社って、表向きはスポーツメーカーなんだ」
めぐみは自分達が先程までいた場所の大きさに、驚愕の声を上げる。
「さて、まずは何処行く?」
「お洋服屋さん!」
「飲食店!」
ファッションに興味があるひめは洋服屋と、ご飯が大好きなゆうこは飲食店と答える。
「じゃあ、服買いに行った後にご飯にしましょうですわ」
「そうだな」
リボンの提案に誠司が乗り、商店街がある方へと向かった。
誠司の後を追うめぐみ達は、別の世界と言う事もあり周りをキョロキョロと見渡していた。
「別の世界と言っても、私達の世界と全然変わんないんだね」
「まあな、ここは俺達の世界と何ら変わりないぞ」
めぐみの疑問に、誠司は答えた。
そんなやり取りをしていると、誠司達は商店街に到着した。
「さて...じゃあ早速買い物でも...」
いざ買い物をしようとした誠司達だったが、その時。
ドカーン!
突如、近くで爆発が起きた。
「何!?」
突然の爆発に、戸惑う誠司達だったが目の前ではありえるはずの無い光景が広がっていた。
「ホワチャー!」
暴れている人物は、ヌンチャクを手に持ちサングラスをかけた見覚えのある存在だった、
それは...、この世界には居ない筈のサイアークだった。
「サイアーク!?」
「何でこの世界に!?」
自分達の世界に現れるならまだ分かるが、ここは別の世界。
まず、サイアークが居ること自体がおかしいのだ。
「よく分かりませんが、今すぐ変身ですわ!」
『うん!』
「おう!」
リボンの台詞の後、めぐみ達は変身アイテムを構える。
『かわルンルン!』
めぐみ達はプリチュンミラーにプリキュアのプリカードを、いおなはフォーチュンピアノにプリキュアのプリカードを装填する。
『プリキュア!くるりんミラーチェンジ!』
「プリキュア!キラリンスターシンフォニー!」
めぐみ達はそれぞれ、プリキュアへと変身する。
「たぎれ!獣の力!ビースト・オン!」
誠司に瞬間的にゲキスーツが装着され、ゲキレッドへと変身...
しなかった。
「あれ?」
変身出来ない事に疑問を浮かべた誠司だったが、手元を見てなぜ変身出来ないか分かった。
「しまったー!ゲキチェンジャー調整に出してたんだった!」
ゲキチェンジャーを調整に出している事を思い出し、頭を抱える。
「ああっ!そうじゃん!」
「誠司君どうするの?」
誠司が変身出来ないという事態に、プリンセスもゲキチェンジャーが無い事を思い出し、ハニーは誠司の心配をする。
「変身できなくても、こんな奴に負けないぜ!」
変身出来なくても意気込む誠司だったが、全員して信じられない物を目にする。
「お前等!さっきからうるさいッチャ!このヌンチャクサイアーク様に勝てると思ってるのか?」
「へ?」
『え?』
思わぬ出来事に、全員して間抜けな声を出してしまう。
『えぇ―――――!!』
しばらく呆然としていた誠司達だったが、数秒後に驚愕する声を上げた。
「さ...サイアークが喋った!」
「嘘!?」
流暢に喋りだしたサイアークに、めぐみ達は驚きを隠せなかった。
「何を驚いているか分からないが、俺に喧嘩を売ったからには覚悟をするッチャ!」
ヌンチャクサイアークは、ヌンチャクを構えながら誠司達に叫ぶ。
「ラブリー!ラブリーヌンチャクを俺に渡せ!」
その時、拳を構えるラブリーに対して、誠司が指示を出す。
「え?わ、分かった!」
いきなりの事で意図を理解できなかったラブリーだったが、とりあえず言われた通りする事にした。
ラブリーはラブリーヌンチャクを取り出し、誠司に投げ渡した。
「サンキュー!」
誠司は振り回しながら、ラブリーヌンチャクに激気を込めた。
「激気注入!」
誠司は先程のマスター・エレハンの言葉、ラブリーヌンチャクとゲキヌンチャクはまったく同じ物だということを思い出した。
その為、誠司でもラブリーヌンチャクを使えると考えたのだ。
ヌンチャクサイアークが振り回すヌンチャクに対し、誠司もヌンチャクを振り回し対抗する。
「はぁ!」
「ホワチャー!」
しばらく均衡する誠司達だったが、壁に当たったヌンチャクを誠司が足で押さえ動きを止めた。
「隙あり!」
ヌンチャクを横薙ぎして、ヌンチャクサイアークを吹き飛ばす。
「凄い、変身しなくても圧倒するなんて」
「生身でも強いんだな」
サイアーク相手に生身で戦う誠司に、フォーチュンとぐらさんは驚いた。
ヌンチャクでの勝負が不利だと感じたのか、ヌンチャクサイアークはヌンチャクを投げ捨て拳を構える。
「こうなったら...臨獣トータス拳リンギ!」
「臨獣拳!?」
「サイアークが!?」
サイアークが臨獣拳を使うことに、またも誠司達は驚愕する。
「
ヌンチャクサイアークの両手から発生した竜巻によって、誠司達は空高く舞い上げられた。
『うわぁぁぁぁぁ!』
竜巻はそのまま空に穴を開け、誠司達も穴の中に吸い込まれてしまった。
「はぁ!」
ヌンチャクサイアークも誠司達の後を追い、穴の中に飛び込んだ。
その後、ラン達が駆けつけるも既に手遅れだった。
「くそっ!遅かったか!」
遅れたことに、ゴウは悔しがった。
「どうしよう!?」
「取り敢えず、マスター達に報告するんだ!」
ラン達は誠司達を救うべく、スクラッチ社へと急ぐ。
☆★☆★☆★
『うわぁ――――――!!』
穴に吸い込まれた誠司達だったが、いきなり地面に放り出された。
「あいたっ!」
「うわっ!」
誠司達は咄嗟の事だったので、全員が受身も取れず全身を打ち付けてしまった。
「いたたた...」
誠司は打ちつけた背中を押さえながら、何とか立ち上がろうとする。
「全員大丈夫か?」
立ち上がりながら、誠司は全員の安否を確認する。
「私は大丈夫」
「私も」
めぐみとゆうこが、直ぐに返答する。
「私も大丈夫、体のあちこち痛いけど...」
「私も大丈夫ですわ」
ひめはお腹から落ちたのか、お腹を押さえていた。
「私も大丈夫よ、ぐらさんは?」
「俺も大丈夫だ」
いおなは返事した後、パートナーであるぐらさんの心配をする。
ぐらさんも何ともと、元気よく返答する。
「皆大丈夫みたいだな、取り敢えずここが何処だか調べる必要が...」
ある、という言葉を口にしようとした誠司だったが、ある物を見つけ固まってしまった。
話している途中で、喋るのをやめた誠司を不審に思うめぐみ達だったが、同じ方向を見てめぐみ達も固まってしまう。
なぜならそこには、めぐみ達にとって見覚えのある建物があったからだ。
それは、めぐみ達の町に存在する『ぴかり神社』だった。
「ぴかり神社!?」
「嘘!?めっちゃ近所じゃん!」
誠司達は別の世界に飛ばされたと分かったが、それが自分達の世界だと知り驚愕する。
「戻ってきたって事?」
「そうみたいだな」
辺りを見回しながら、めぐみの問いに誠司は答えた。
「これからどうする?」
今後どうするか、ゆうこは全員に問いかける。
「取り敢えず、大使館であのサイアークが出てくるのを待つしかないな。俺達がこの世界に戻ってきたって事は、あいつもこの世界にいるだろうからな」
「それもそうだね」
「分かったわ」
「でしたら、私は先に戻ってご飯の用意でもしますですわ」
誠司の提案に全員が賛同すると、リボンが先に帰ることを伝える。
「そうだな、さっき飯食べ損ねたし」
「だったら俺も手伝うぜ」
リボンの言葉に誠司も同意し、ぐらさんがリボンに手伝いを申し出た。
「ありがとうですわ、ぐらさん」
リボンはお礼を言うと、ぐらさんを連れて先に大使館へと飛んでいった。
「じゃあ、俺達も戻るか」
誠司はめぐみ達を引き連れ、歩いて大使館へ向かう。
この時、誠司達は知る由もしなかった。
ここが自分達の住んでいる町と殆ど同じだが、1つだけ大きな違いがあることに。
そしてこの後、知ることになるだろう。
ここが自分達の世界ではないことに......
☆★☆★☆★
「それにしても...まさかサイアークが喋りだすとはな」
「そうだね...今までもサイアーク!って叫んでただけだもんね」
「まさか、あんな流暢に喋りだすとは思わないわよ」
誠司達は大使館に戻りながら、先程戦ったサイアークに関して話をする。
「一番の問題は、なんでサイアークが臨獣拳を使えたのかだ」
そこで、誠司がサイアークが臨獣拳を使ったことについて話し出す。
「もしかして...慟哭丸が盗まれた事と何か関係してるのかな?」
「かもしれないな」
そんな話をしてる誠司達だったが、不意に後ろから話しかけられた。
「あれ?皆こんな所で何してるんだい?」
話しかけれた誠司達は後ろを振り向くと、そこには買い物袋を持ったブルーと、何故か先程先に行った筈のリボンとぐらさんがいた。
「ブルー!?お前こそ何してんだよ、こんな所で」
ブルーが外にいるとは思わなかった誠司は、驚いて逆に質問してしまった。
「何って、皆が準備で手が離せないから買い物に行ってたんじゃないか」
「それよりも、ひめ達は何してますの?準備は終わったんですの?」
ブルーが手に持っている買い物袋を掲げながらそう話すと、今度はリボンが質問してきた。
「準備って何の話?」
「何って、パーティの準備ですわ。今日は他の町にいるプリキュアの皆様を呼んで、パーティーするって言ってたじゃないですか」
『パーティー!?』
身に覚えのない誠司達は、揃って疑問符を浮かべた。
「てか、リボンとぐらさんは大使館に先に戻ったんじゃなかったか?何でブルーと一緒にいるんだよ」
誠司の言う通り、リボンとぐらさんはご飯の支度をするべく先に大使館に戻った筈だった。
だから、誠司達の後ろから現れるのはおかしい事なのだ。
「何言ってますの?私達はずっと神様と買い物をしてましたわ」
話が噛み合わず不思議がる誠司達だったが、この後信じられない物を目にする事になる。
「た、大変ですわ~!!」
「大変だぜ~!!」
すると今度は誠司達の後ろから、叫び声が聞こえた。
誠司達が声のした方を振り向くと、なんとそこには...慌てた様子で飛んでくる、
「え!?リボン!?」
「ぐらさん!?」
自分のパートナーが2人いる事に、ひめといおなは驚愕する。
「私がもう一人!?」
「どうなってんだ!?」
もう1人の自分が出てきた事に、ブルーと一緒にいたリボン達も動揺する。
だが、驚くべき出来事はこれで終わらなかった。
なぜなら。
「ちょっとリボン、どうしたのよ~!」
「待ってー!」
慌てて飛んでくるリボン達の後ろから、もう1人の
『え!?』
誠司達はもう1人のめぐみ達を見て、驚く。
『え!?』
そして、リボン達を追いかけてきためぐみ達も誠司達を見ると驚きの声を上げた。
『えぇ―――――――!!』
誠司達はこの日、2度目の絶叫を上げることになった。
誠司達は何とか落ち着き、現在は大使館に集まっていた。
そこにはドキドキプリキュアを筆頭に、他のプリキュア達もいた。
だが、誰もが黙り込んでしまった。
なぜなら、同じ顔をした人物が2人もいるのだから。
そんな中、話を切り出したのは誠司だった。
「なるほどな。どうやら俺達は、別のパラレルワールドに飛ばされたみたいだな」
『パラレルワールド?』
誠司の言葉に、意味が分からなかっためぐみ達全員は疑問符を浮かべる。
「パラレルワールドとは、その時々の選択によって世界はどんどん枝分かれして行ってて、色んな未来が存在するって事だ」
「世界が枝分かれ?」
「たとえば、めぐみ達がプリキュアとして存在する未来と、めぐみがプリキュアになっておらず一般人として生活する未来。そのどちらの世界も存在するって言う考え方だ」
「つまり...もしもの世界が実際にあるという事?」
「そうだ、もしもの数だけな」
誠司とめぐみのやり取りに、ひめが割って入った。
「ちょっと待って、この世にもしも何て事はたくさんあるよ!」
「ああ、だから無数の枝分かれをして、無数のパラレルワールドが存在すると考えられるんだ」
「ええ!」
「嘘!?」
誠司の説明を聞いて、お互いがもう1人の自分を見つめた。
「でも...パラレルワールドって事は何か違いがあるって事よね?」
その時、キュアダイアモンドである『菱川 六花』が誠司に質問する。
「ああ、そうだな」
それを聞いて、六花は誠司達を見渡す。
「それにしては、特に違いは見当たらないけど...」
「確かに...」
「そっちの私達もプリキュアなんだよね?」
違いを確認しようと、この世界のめぐみが質問する。
「うん、そうだよ」
「私がキュアプリンセスで、めぐみがキュアラブリー」
「私はキュアハニー」
「私はキュアフォーチュンよ」
めぐみ達の言葉を聞き、全員がさらに混乱する。
「違いなんてある?」
「全員がプリキュアで、名前も一緒だしね」
キュアメロディである『北条 響』と、キュアリズムである『南野 奏』が話し合う。
「そんなことより、今はこの状況をどうするか話し合うのが先よ」
誠司達の違いについて話し合っていたプリキュア達だったが、いおなが別の話を持ち出す。
「どうするって?」
意図が解らなかったのか、この世界のめぐみが質問する。
「ヌンチャクサイアークをどうするか、だろ?」
意図を理解した誠司が、そう呟いた。
「えぇ、そうよ」
その誠司の呟きを、いおなは肯定する。
「これは俺の推測だが、俺達をこの世界に飛ばしたのはヌンチャクサイアークだ。それが必然なのか偶然かは解らないが、間違いなくこの世界で何かをするのは明確だ」
先程まで騒いでいたこの世界の者達だったが、誠司から発せられた言葉によって事の重大さに気付いた。
「でも、サイアークだったら大丈夫じゃない?いおなは勿論、他の皆だっているんだから!」
この世界のひめが、楽観的な考えを話す。
「いや、そう簡単な話じゃないと思うぞ」
その一言で、プリキュア達は誠司に注目する。
「簡単じゃないって、どういう事?」
不思議に思ったこの世界のいおなが、質問する。
「俺達を襲ったサイアークは、普通のサイアークじゃないって事だ」
先程まで戦っていたヌンチャクサイアークの説明を、誠司がする。
「まず、普通のサイアークとは違って流暢に喋りだす」
『はい?』
誠司の説明が理解出来なかったのか、この世界のめぐみ達は思わず聞き返してしまう。
「喋るってどういう事?」
「そのままの通り、普通に喋りだしたんだ」
そこでようやく理解したのか、全員が信じられない顔をする。
「それにそのサイアークが使う、臨獣拳が一番の問題だ」
『臨獣拳?』
聞き覚えのないこの世界のめぐみ達は、揃って疑問符を浮かべる。
「サイアークが使った拳法の事だ、その力で俺達はこの世界に飛ばされたんだからな」
「そんな力が...」
誠司の説明に驚くこの世界の者達だったが、そこでブルーが声を上げた。
「サイアークの気配だ!」
誠司の説明を聞いたこの世界のめぐみ達に、緊張感が走る。
「行くぞ!」
誠司の掛け声を合図に、全員が大使館から出た。
☆★☆★☆★
時間は数時間遡り、場所は別の世界にある幻影帝国のアジト。
そこにはクイーンミラージュは勿論、三幹部とファントムの姿があった。
だが、その場にいる全員はありえない現象によって戸惑っていた。
なぜなら......。
「全員して、何黙ってるッチャ?」
突如として、ヌンチャクを持ったサイアークが現れたからだ。
まだそれだけならいいが、自分達が作るサイアークとは違い流暢に喋っているのが一番の問題だった。
「お前...何者だ?」
全員を代表して、ファントムがヌンチャクサイアークに質問した。
「何者って...、自分達で俺を作っといて何を言ってるッチョ」
ヌンチャクサイアークの話を聞いて、さらに混乱する幻影帝国の者達だったが。
そこに、近づく者がいた。
「何をしている、ヌンチャクサイアーク」
その近づいた人物とは、この世界に居るはずのないツトコウだった。
「おぉ!ツトコウ様!」
ツトコウの登場に、ヌンチャクサイアークは声を上げて驚く。
「ちょうど良かった、こいつらが俺の事を忘れてんだっチャ」
クイーンミラージュ達が自分の事を忘れていると指摘するが、ツトコウから思いもよらない言葉が告げられる。
「知らないのは当たり前だ、ここはお前を作った世界とは別の世界なんだからな」
「えぇ!」
ツトコウから告げられた台詞に、ヌンチャクサイアークは驚く。
「あなた達、いったい何者なの?」
そこで、クイーンミラージュがツトコウに質問する。
「俺はこことは別の世界にいる、お前達の協力者だ」
ツトコウの言葉に、クイーンミラージュ達は驚く。
「本当だったらゲキレッドの世界で使おうと思ってたが、まぁ何処でも良いか」
そう言うツトコウの手には、
はい!如何だったでしょうか!
今回、原作のハピネスチャージとの対面しました。
この話は、ずいぶん前から考えていた話でした。
そして、VSシリーズでのあるあるをやってみました。
1.変身出来なくなる
2.別の世界に飛ばされる
そして、次の話でもう1つのあるあるを出します。
前回2話構成と書きましたが、もしかしたら3話構成になるかもしれません。
思いの他、アイデアが出てくるので早く書きあがりました。
本当だったら、誠司同士の試合を書いていたのですが、結果が分かりきっているのでやめました。
次回、三幹部とファントム、そしてヌンチャクサイアークとの戦いがあります。
何処まで書くか分かりませんが、取りあえず修行シーンは書こうと思っています。
それでは次回、第24話もしくはアクセル・ビルド第8話でお会いしましょう!
それじゃあ、またな!
ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています
-
ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
-
今のままで、充分