ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み   作:ナツ・ドラグニル

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どうも、ナツドラグニルです!


長らくお待たせしてしまい、申し訳ございませんでした。


少しスランプになっていたのと、書く気力が湧かなかった為に遅くなってしまいました。


ハピネスチャージもようやく半分いった所ですね。


後3話程でイノセントフォームに突入すると考えると、今まで長かったなと思います。


それでは、作品をどうぞ!


第29話 イナ攻略!?合宿クライマックス!

お昼の準備するめぐみ達は、外にテーブルを用意して人数分のカレーを並べる。

 

 

「これで準備は完了ね」

 

 

準備を終えためぐみ達は、さっそく席に着いた。

 

 

「もう待ちきれない!お腹と背中がくっついちゃうよ!」

 

 

早く食べようと促すひめに、ゴウは用意した誠司のカレーを持ちながら、待ったをかける。

 

 

「その前に、誠司にご飯持って行かないといけないだろ」

 

 

その言葉で、またしても女性陣の目の色が変わる。

 

 

「じゃあ、私が持っていくね」

 

 

ゴウからカレーを受け取ろうとするめぐみを、ひめが止める。

 

 

「何で自然な流れで受け取ろうとしてんのよ、めぐみはさっきいったでしょ!」

 

 

「だって私、さっきじゃんけんに勝ったから資格はあるはずでしょ」

 

 

「さっきはさっき、今は今よめぐみちゃん。という事でもう一度じゃんけんしましょ」

 

 

誠司の看病の権利を得る為に、ゆうこがじゃんけんの再戦を提案する。

 

 

女性陣が燃える中、思いもよらない人物が名乗り出てきた。

 

 

「みんな疲れているようだし、私が持っていこうか?」

 

 

そう提案してきたのは、めぐみ達のクラスメイトである石神りんだった。

 

 

『え...?あっ...そう...』

 

 

りんの申し出に、めぐみ達は思わず頷いてしまった。

 

 

驚いたこともそうだが、りんの善意を断る事がめぐみ達には出来なかった。

 

 

「じゃあ、頼んだぜ」

 

 

りんは誠司の寝ている部屋に向かうべく、ゴウからカレーを受け取った。

 

 

「じゃあ、いってくるね」

 

 

『行ってらっしゃい』

 

 

『行ってらっしゃい...』

 

 

ゴウとかな達は元気に見送り、めぐみ達は悔しそうに見送った。

 

 

「おっ!今日の昼ご飯はカレーか」

 

 

しかし、誠司が降りてきたお陰でその必要がなくなってしまった。

 

 

「誠司!?何で起きてきたの!?」

 

 

寝ていた筈の誠司が降りてきた事に、めぐみ達は驚愕する。

 

 

「もう起きて大丈夫なの!?」

 

 

「あぁ、もう大丈夫だよ」

 

 

驚くめぐみの質問に、誠司は問題ないように答える。

 

 

「誠司君、これ」

 

 

りんは持っていこうとしていたカレーを、誠司に渡す。

 

 

「ありがとう、石神」

 

 

カレーを受け取った誠司は何も置かれていない場所に、自身のカレーを置いた。

 

 

「皆揃った所で頂きましょう。それじゃあ」

 

 

『いただきます!』

 

 

☆★☆★☆★

 

 

お昼ご飯を食べ終わり、誠司達は後片付けをしていた。

 

 

その中、ひめは食べ終わった食器の片づけをしていた。

 

 

「ひめちゃん、ひめちゃん」

 

 

自分を呼んでいる声に気づき、ひめは振り向く。

 

 

「ちょっといい?」

 

 

陰からりんとかなが手招きをしていた。

 

 

りん達に連れられ、ひめはコテージの裏に連れてこられた。

 

 

「あのね、相楽君の事なんだけど...相楽君って好きな人いるのかな?」

 

 

「え?」

 

 

「その...相楽君って男らしいしカッコいいし頭もいいし、スポーツもできるし...」

 

 

そう口にするりんだったが、察しが悪くひめは首を傾げる。

 

 

「いざって時、守ってくれそうって言うか、優しいんだよね」

 

 

「ほぉー」

 

 

赤面しながら誠司の事を話すりんを見て、ひめはようやく察しがついた。

 

 

「つまりね、りんは相楽君のことが...」

 

 

「好きなんだー!」

 

 

かなの言葉の続きを、ひめの絶叫がかき消した。

 

 

「声が大きい!」

 

 

りんは慌てて、ひめの口を塞ぐ。

 

 

「とにかくそう言うわけでさ」

 

 

そこでひめは、改めて誠司に好きな人がいるのか考える。

 

 

ゲキレンジャーとして、いつくもの修羅場を一緒に超えてきたランとリン。

 

 

そしてプリキュアという共通の秘密を抱え、幻影帝国を倒す為に一緒に戦うめぐみ、ひめ、ゆうこ、いおな。

 

 

同じ学校のクラスメイト、りん、かずみ、かな、れい、えれな。

 

 

ここまで考えて、この中で誠司が特別扱いしている人物がいるのだろうかと考える。

 

 

中でも、お互いを理解し合っているめぐみとゆうこですら、他の者達と変わらず平等に接している。

 

 

「んー、私もよく知らないなー。役に立てなくてごめん」

 

 

「ううん、どうもありがとう」

 

 

役に立てなくて謝るひめだったが、逆にりんは感謝の言葉を述べる。

 

 

「話は聞かせてもらったぜ」

 

 

『きゃあ!』

 

 

突如ケンが現れた事で、その場にいたひめ達は短い悲鳴を上げる。

 

 

「ケンさん!?何処から湧いて出たの!?」

 

 

「ひめちゃん...人をそんなゴキブリが沸いたみたいに言わないでよ...」

 

 

ひめの一言に、ケンはショックを受ける。

 

 

「それよりも、りんちゃんは誠司の事が好きなんだって?」

 

 

にやにやと笑いながらりんに話しかけるケンに、ひめが指摘する。

 

 

「ケンさん...野次馬根性で来たならりんに失礼なんで帰ってもらえます?」

 

 

「それは侵害だぜひめちゃん、俺は善意100%で関わろうとしてるんだぜ!」

 

 

そう告げるケンだったが、はっきり言って明らかに胡散臭かった。

 

 

これがゴウや理央だったらひめも信頼出来たのだが、相手がケンになってしまうと信用よりも怪しさが出てしまう。

 

 

完全に日頃の行いが物を言うのだが、この際だからとひめはケンにも協力してもらう事にした。

 

 

「あ、あの...ケンさん。相楽君に好きな人はいるんですか?」

 

 

早速りんが、ひめも知らない核心に触れる。

 

 

「はっきり言って、あいつが特別に意識している相手はいない」

 

 

きっぱりとそう告げるケンに、りんはもう一度質問をする。

 

 

「根拠はあるんですか?」

 

 

「ある!なぜならあいつは、そういう恋愛に関してはびっくりするほど鈍いからな」

 

 

その事に関しては、ひめも分かっていた。

 

 

自分達の好意に、誠司はまったく気づいていないからだ。

 

 

「だからりんちゃんにも、まだ可能性はあるぜ」

 

 

ケンの話を聞いたりんは、やる気に満ち溢れていた。

 

 

「分かりました!私、頑張ります!」

 

 

☆★☆★☆★

 

 

場所は変わり、めぐみ達がいるコテージから少し離れた小島で三幹部とイナが昼食を食べていた。

 

 

メニューはめぐみ達とは違い、お握りと沢庵というシンプルな物だった。

 

 

お握りを頬張っていたオレスキーだったが、突然鼻の穴を大きくしてクンクンと匂いを嗅ぎ出す。

 

 

「ほへは(これは)!はふひほはほひ(やる気の香り)!」

 

 

「食べるか、喋るかどっちかにしてください。何を言ってるのか分かりませんぞ」

 

 

ナマケルダに指摘され、オレスキーは急いでお握りを食べ終える。

 

 

「やる気の匂いがする!」

 

 

「犬か」

 

 

思わずホッシーワが、突っ込みを入れてしまう。

 

 

「磯の香りに混じり、若者達のヤル気の香りが漂ってくる、しかーも!」

 

 

オレスキーのその言葉に、ホッシーワは青筋を浮かべる。

 

 

「しかーも、何なのよ!」

 

 

「ヤル気の香り+ほんわかの恋の香りまでするぞ!」

 

 

「恋の香り?」

 

 

ホッシーワの質問に、オレスキーは説明口調で答える。

 

 

「そうだ。オレ様がやる気の次の次に嫌いな恋の香り!あれはイカン!人間を妙に活き活きさせるからな」

 

 

「くだらな~い。恋なんて直ぐに冷めて消えちゃうものなのにぃ~」

 

 

「そうでしょうか?」

 

 

オレスキーとホッシーワが恋愛について話をしていると、誰よりも先に食べ終えて寝っ転がっていたナマケルダが反応する。

 

 

「冷めて消えるならいいですがぁ、冷めないままいくと、恋とは相当面倒な物ですぞ」

 

 

そう言って、ナマケルダは目を光らせる。

 

 

目を光らせるナマケルダに、イナが話しかける。

 

 

「へぇ~ナマケルダって恋の事に詳しいのね」

 

 

目を見開いてイナが意外そうな顔をするが、ナマケルダは何も言わなかった。

 

 

「ねぇ...もしかしてナマケルダは恋や恋愛で何か...」

 

 

イナが言い切るより先に、ナマケルダがイナに剣を向けた。

 

 

「黙って欲しいですぞ、貴方の話を聞くのも面倒ですぞ」

 

 

殺気を放ちながらイナを睨むナマケルダだったが、当の本人は涼しい顔をしてナマケルダの事を見続ける。

 

 

そんな中、オレスキーとホッシーワは突如発生した2人の空間に居たたまれない感じだったが、普段見ないナマケルダの表情に驚きを隠せないでいた。

 

 

「チッ」

 

 

暫く見つめ合っていた二人だったが、ナマケルダが舌打ちをする。

 

 

ナマケルダは剣を戻し、踵を返して歩き出す。

 

 

「何処に行くの?ナマケルダ」

 

 

「散歩ですぞ」

 

 

そう言って、ナマケルダはその場から消えた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「さてと...片付けも終わったし、この後どうする?」

 

 

この後何をするかを、ゴウは皆に確認する。

 

 

「だったら、皆で貝でも採りに行くか?」

 

 

そう言い出した誠司に、かなが気になった事を質問する。

 

 

「でも、貝って勝手に採っちゃいけないんでしょ?」

 

 

「昨日、漁協のおっちゃんに訊いたら、少しなら採っていいってよ」

 

 

『へぇー』

 

 

そんな事を確認していると思わなかっためぐみ達は、誠司に感心した。

 

 

「ホント、気が利く」

 

 

誠司の段取りの良さに、いおなが褒める。

 

 

「行くのは良いが、余り無茶するなよ」

 

 

「そうだぜ、お前はまだ病み上がりなんだからな」

 

 

熱は引いたとはいえ、油断は禁物だと理央とゴウが注意する。

 

 

「ああ、分かっている。じゃあ、行こうぜ」

 

 

誠司の先導の元、めぐみ達は貝を採りに岩場へと向かった。

 

 

理央とメレは留守番の為、その場に残った。

 

 

「やっぱ、カッコイイ~」

 

 

皆をまとめ先導する誠司の姿に、りんはうっとりする。

 

 

そんな中、誠司の後ろをついていくひめは悪巧みを考えているような顔をしていた。

 

 

 

 

 

 

 

岩場に到着した誠司達は、各々が貝を採り始めていた。

 

 

皆が岩の間を覗いて貝を採っている中、誠司は上着を脱ぎ海へと入っていった。

 

 

病み上がりなのにと心配するひめだったが、無茶する誠司に少しお仕置きをしようと考える。

 

 

『に、に、人魚!かわルンルン!』

 

 

プリチュンミラーを使用し、ひめの姿が人魚へと変わる。

 

 

「人魚ーひめー」

 

 

ひめは早速海に入り、誠司を探す。

 

 

楽しそうに泳いでるひめ、深い所まで潜り貝を探す誠司を目視する。

 

 

(いたいた)

 

 

誠司を発見し、ひめは悪い笑みを浮かべる。

 

 

だが、そこに魚が近づいてきてお尻をツンツンされる。

 

 

(うわぁ!なに、なに?)

 

 

驚いているひめだったが、前からも別の魚が現れ全身に群がる。

 

 

(くすぐったい~)

 

 

全身をツンツンと突かれ、ひめは悶え苦しむ。

 

 

振り払おうと抵抗するひめだったが、近くの岩場に肘を強打してしまう。

 

 

痛さの余り、息を吐いて沈んでしまう。

 

 

沈んでいくひめの視界に、誠司の姿が映った。

 

 

(え?)

 

 

沈んでいくひめの手を誠司が掴み、浮き上がる。

 

 

『ぷはぁ』

 

 

浮かび上がり、2人は息を整える。

 

 

「人魚が人間に助けられて、どうすんだよ」

 

 

突っ込みを入れ呆れる誠司だったが、ひめは頬を染め惚けていた。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

ひめの手当てをする為に、誠司は皆を一か所に集める。

 

 

「まったくー、どうせイタズラでも考えてたんでしょ」

 

 

「ドキッ!」

 

 

いおなの指摘に、ひめは図星を突かれ驚く。

 

 

「んー...」

 

 

顔を俯かせ、ひめはしょんぼりとする。

 

 

「ひめは貝を採るのを手伝ってくれたんだよな」

 

 

「え?」

 

 

責められると思っていたひめは、誠司がフォローしてくれた事に驚く。

 

 

「これでよし」

 

 

ひめの左肘に、絆創膏を貼ってあげる誠司。

 

 

「痛くないか?」

 

 

「う、うん...」

 

 

誠司の問いに、ひめは動揺しながら答える。

 

 

「君達ですかな?恋をする愚か者達は?」

 

 

聞き覚えのある声に反応し、後ろに振り向くとナマケルダが立っていた。

 

 

誠司達はナマケルダが現れた事に驚くも、全員が構える。

 

 

「全く恋はいけませんぞ...恋なんてあるから傷つくんですぞ...本当に恋はいけません」

 

 

「まるで自分が恋で傷ついたって、行ってるみたいに聞こえるぜ」

 

 

ケンが指摘すると、ナマケルダは指摘された事に激怒する。

 

 

「黙りなさい!!今日の私は少し機嫌が悪いんです!少々八つ当たりに付き合って貰いますぞ!」

 

 

変身しようと構える誠司達、そんな時に最悪なタイミングで現れる者達がいた。

 

 

「相楽くーん、みんなー」

 

 

「なっ!?」

 

 

りんの声が聞こえ、誠司は驚愕する。

 

 

「あ、居た。れいー、かなー、居たよー!」

 

 

りんが姿を現して誠司達を見つけると、自分が来た方向に向かって叫ぶ。

 

 

「本当?」

 

 

「めぐみー!みんなー!」

 

 

りんに続いて、れいとかなも姿を現す。

 

 

「こっちに来ちゃ駄目だ!」

 

 

静止する誠司だったが、一歩遅かった。

 

 

「ん?あっ!?幻影帝国!」

 

 

「え!?」

 

 

「うそぉ!?」

 

 

止められた事により、誠司達の前にナマケルダがいる事にりん達は気付く。

 

 

「調度いい、貴方達を利用させていただきますぞ!」

 

 

ナマケルダはりん達に向かって、ステッキを向ける。

 

 

「え?また私?」

 

 

「鏡に映る未来を最悪にしろぉ!!」

 

 

りん、れい、かなの3人が鏡に閉じ込められてしまう。

 

 

「来い、来い!サイアーク!」

 

 

『サイアーク!』

 

 

3人が鏡に閉じ込められてしまった事により、3体のサイアークが生み出された。

 

 

ピンク色のワンピースに、頭と耳にハートの装飾をつけたサイアークだった。

 

 

「よくも石神達を!行くぜ!みんな!」

 

 

誠司の掛け声で、全員が変身アイテムを構える。

 

 

『かわルンルン!』

 

 

『プリキュア!くるりん・ミラーチェンジ!』

 

 

「プリキュア!きらりん・スターシンフォニー!」

 

 

プリチュンミラーを使用し、めぐみ達はプリキュアへと変身する。

 

 

『たぎれ!ケモノの力!』

 

 

「響け!ケモノの叫び!」

 

 

「研ぎ澄ませ!ケモノの刃!」

 

 

『ビースト・オン!』

 

 

激気と臨気を纏い、誠司達はゲキレンジャーへと変身する。

 

 

「身体に漲る、無限の力!アンブレイカブル・ボディ!ゲキレッド!」

 

 

「日々是精進、心を磨く!オネスト・ハート!ゲキイエロー!」

 

 

「技が彩る大輪の花、ファンタスティック・テクニック!ゲキブルー!」

 

 

「紫激気!俺流!我が意を尽くす!アイアン・ウィル!ゲキバイオレット!」

 

 

「才を磨いて、己の未来を切り開く!アメイジング・アビリティ!ゲキチョッパー!」

 

 

「燃え立つ激気は、正義の証!」

 

 

『獣拳戦隊ゲキレンジャー!』

 

 

 

 

 

「世界に広がる、ビックな愛!キュアラブリー!」

 

 

「天空に舞う、蒼き風!キュアプリンセス!」

 

 

「大地に実る、命の光!キュアハニー!」

 

 

「夜空に煌めく、希望の星!キュアフォーチュン!」

 

 

『ハピネス注入!』

 

 

『幸せチャージ!』

 

 

『ハピネスチャージプリキュア!!』

 

 

「恋とは面倒くさいものなのです、苦労したのですよ私は。行きなさい、サイアーク!」

 

 

ナマケルダの命令を受け、ゲキレッド達に突っ込むサイアーク。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

同時刻。

 

 

先程まで食事していた外のテーブルで、理央とメレが誠司達の帰りを待っていた。

 

 

メレがポットからグラスに勢いよくお茶を注ぐと、パキパキッと軽やかな音が響く。

 

 

「理央様、お茶ですわ」

 

 

「ああ、ありがとう」

 

 

もう1つあるグラスに自分の分のお茶を注いだメレは、理央の隣に腰かける。

 

 

「それにしても、誠司の奴は大丈夫でしょうか?」

 

 

「ゴウ達も一緒なんだ、心配はいらないだろ」

 

 

「そうですが...。まったく、少しは心配するこっちの身にもなりなさいよ」

 

 

不満そうに呟くメレを見て、まるで子供を心配する母親のようだな、と理央は考える。

 

 

「ふふっ」

 

 

そんな想像をしていたせいか、自然と理央の顔から笑みが零れた。

 

 

「どうかなさいましたか?理央様」

 

 

「いや、なんでもない」

 

 

突然笑い出した事をメレは不思議に思ったが、理央は上手くはぐらかした。

 

 

グラスを取ろうと手を伸ばそうすると、グラスの中でカランッと氷が鳴った。

 

 

「ッ!?」

 

 

それと同時に、理央は邪気を感じ椅子から立ち上がる。

 

 

「どうかなさいましたか?理央様」

 

 

いきなり立ち上がった理央に、メレは質問する。

 

 

メレの質問に、理央は答えず一点を見つめていた。

 

 

その代わり、かつて臨獣殿の頭首だった頃の...いや、それ以上の闘気を放っていた。

 

 

それでメレは悟った、奴が現れた事を。

 

 

「理央様、お供致します」

 

 

メレも立ち上がり、理央が見つめている先にいるであろうイナの事を睨む。

 

 

「ああ、行くぞ」

 

 

理央はメレを連れ、邪気の感じる方に走り出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく走った理央達が辿り着いたのは、コテージからかなり離れた場所で近くには川が流れていた。

 

 

「あら?今回は貴方達だけみたいね」

 

 

するとそこには、予想していた通りイナの姿があった。

 

 

「お前など、俺達だけで十分だ!」

 

 

理央はそう言うと、着ていたコートを脱いで後ろに投げた。

 

 

「臨獣ライオン拳!」

 

 

「たぎりなさい!爬虫類の力!」

 

 

メレもゲキチェンジャーを構える。

 

 

「臨気凱装!」

 

 

「エプタイル・オン!」

 

 

理央に臨気の鎧が、メレにゲキスーツが装着される。

 

 

「猛き事、獅子の如く!強き事、また獅子の如く!我が名は黒獅子・理央!」

 

 

「理央様の為に、新たな力を得た新ラブウォリアー!臨獣カメレオン使いのメレ!」

 

 

イナも人間の姿から怪人の姿に変わり、戦闘態勢に入った。

 

 

ゲキレッド達とプリキュア達が戦っている所とは別の場所で、理央達とイナの戦いが始まった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

理央達がイナと戦っている間も、ゲキレッド達とサイアーク達の戦いは続いていた。

 

 

現在ゲキレッド達は、3手に別れて戦っていた。

 

 

プリキュア達4人が1体、ゲキレッド、ゲキイエロー、ゲキブルーが1体。

 

 

そして、ゲキバイオレットとゲキチョッパーが最後の1体を相手している。

 

 

「はぁ!」

 

 

プリンセスの強烈なパンチが、サイアークの顔面に繰り出される。

 

 

「はぁ!」

 

 

反対側からフォーチュンがキックを放ち、次の動作の隙を与えない。

 

 

「はぁ!」

 

 

ハニーがサイアークの後ろに周り、クローバーの光弾がサイアークの背中に直撃する。

 

 

「ク!」

 

 

後ろから攻撃された事により、サイアークは怒りを見せる。

 

 

「はあああぁぁぁぁ!!」

 

 

跳躍したラブリーは、左の掌にエネルギーを溜める。

 

 

「ラブリーシャイニングインパクト!」

 

 

エネルギーが籠められた掌で、サイアークに掌底(しょうてい)を放つ。

 

 

ラブリーの攻撃で、サイアークは怯む。

 

 

「今だよ!フォーチュン!」

 

 

ラブリーの合図で、フォーチュンは構える。

 

 

「星の光を、聖なる力に!フォーチュンタンバリン!」

 

 

フォーチュンタンバリンを召喚し、ハートの部分に手を翳す。

 

 

「プリキュア!スターライト・アセンション!」

 

 

タンバリンを3回鳴らし、最後に頭上でタンバリンを打ち鳴らす。

 

 

タンバリンから光が放たれ、サイアークを包み込む。

 

 

「サイアーク...」

 

 

フォーチュンの必殺技で、サイアークが倒れる。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「サイブレードカッター!鋭鋭刀!」

 

 

サイブレードカッターに激気を纏わせ、サイアークを切り付ける。

 

 

「チェスト―――!!」

 

 

「サイア―!」

 

 

切り付けられたサイアークは、そのまま後ろに吹きとんだ。

 

 

吹き飛ぶサイアークの後ろに、拳を構えたゲキバイオレットが待ち構えていた。

 

 

「ゲキワザ!昇昇拳!」

 

 

強烈なアッパーカットがサイアークの後頭部に直撃し、空高く飛ばした。

 

 

「一気に行くぞ、ケン!」

 

 

「応よ!」

 

 

ゲキバイオレットが腰の位置で拳を構え、ゲキチョッパーがサイブレードの形状を変化させる。

 

 

「ゲキワザ!厳厳拳!」

 

 

「サイブレードフィンガー!捻捻弾」

 

 

ゲキバイオレットは紫激気を込めた必殺の一が放ち、ゲキチョッパーはサイブレードフィンガーの指先から激気の銃弾を放つ。

 

 

『セイヤァァァァァ!!』

 

 

2人から放たれた技が、上空のサイアークに直撃する。

 

 

「サイアーク!」

 

 

ゲキバイオレットとゲキチョッパーはサイアークに背を向け、拳を上に突き上げる。

 

 

『ノックアウト!』

 

 

爆発に包まれたサイアークはそのまま地面に落下し、そのまま動かなくなった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

「はぁ!」

 

 

ゲキレッドの正拳突きが、サイアークに繰り出される。

 

 

「サイ!」

 

 

ゲキレッドの攻撃で怯むサイアークだったが、腰が入っていなかったせいか怯みはしたが全然効いていなかった。

 

 

「サイアーク!」

 

 

サイアークの大振りのパンチが、ゲキレッドに向けて放たれる。

 

 

後ろに飛び、避けようとしたゲキレッドだったが。

 

 

「なっ!」

 

 

急に足に力が入らなくなり、跪きそうになる。

 

 

「しまっ!」

 

 

既に目前にまで迫っているサイアークの拳を見て、ゲキレッドはせめてもと思い、受け身を捨て両手をクロスし攻撃をガードしようとする。

 

 

「ゲキワザ!瞬瞬弾」

 

 

ニャアアアアア!!

 

 

ゲキレッドに拳が当たる寸前、ゲキチーターがサイアークを襲う。

 

 

「サイアーク!」

 

 

そのまま地面に倒れると思っていたゲキレッドを、ゲキブルーが支える。

 

 

「もう、病み上がりなんだから無理しないの」

 

 

「悪い」

 

 

そこに、ゲキイエローが近づく。

 

 

「誠司の事を考えたら、これ以上長引かせると危険だわ」

 

 

「そうね、一気に片づけるわよ」

 

 

ゲキブルーの提案に、ゲキレッドが頷く。

 

 

「ああ」

 

 

ゲキイエローとゲキブルーが前に立ち、ゲキレッドがその後ろに立つ。

 

 

『ゲキバズーカ!』

 

 

ゲキバズーカを召喚し、サイアークに向けて構える。

 

 

「激気注入!」

 

 

ゲキバズーカに激気が注入される。

 

 

『ゲキワザ!激激砲!』

 

 

ゲキバズーカから放たれた激気の弾丸が、サイアークに命中する。

 

 

「サイアーク!」

 

 

激激砲が直撃したサイアークは、そのまま立ち上がる事は無かった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

サイアークが3体共倒された事に、ナマケルダは声を荒げて怒りを見せる。

 

 

「立つのですぞサイアーク!このくらい、恋の苦労に比べれば、なんてことない筈ですぞぉ!」

 

 

ナマケルダの命令を受け、先程まで倒れていたサイアークは3体共立ち上がった。

 

 

『サイアーク!』

 

 

気合の籠った掛け声と共に、サイアーク達は巨大化する。

 

 

(ナマケルダって、なんか辛い事があったのかな?)

 

 

プリンセスは心の中で、ナマケルダが何故そこまで恋を嫌っているのか気になったが、サイアークが巨大化した為に意識を切り替えた。

 

 

「誠司は病み上がりだからな、俺達で片づけるぞ」

 

 

『了解!』

 

 

「押忍!」

 

 

ゲキバイオレットは、ゲキイエローとゲキブルーに次の指示を出す。

 

 

「お前達は誠司の事を任せたぞ」

 

 

「分かりました」

 

 

「任せて、兄さん」

 

 

誠司の事を任せたゲキバイオレット達は、巨大化したサイアークに向かい合った。

 

 

『プリキュア拳!ゲキワザ!来来獣!』

 

 

「キュアリンクス!」

 

 

「キュアスワロー!」

 

 

「キュアジラフ!」

 

 

「キュアバイソン!」

 

 

プリキュア達は、各々のキュアビーストを召喚する。

 

 

「ゲキワザ!来来獣!ゲキウルフ!ゲキタイガー!ゲキジャガー!」

 

 

「いでよ!サイダイン!」

 

 

ゲキバイオレットが3体のゲキビーストを、ゲキチョッパーが操縦刀でサイダインを召喚する。

 

 

『プリキュア!獣拳合体!』

 

 

「獣拳合体!」

 

 

「獣拳変形!」

 

 

4体のキュアビーストがキュアトージャへ、3体のゲキビーストがゲキトージャウルフへと合体する。

 

 

そして、サイダインが変形してサイダイオーになった。

 

 

「ゲキトージャウルフ!バーニングアップ!」

 

 

「サイダイオー!見参!」

 

 

『キュアトージャ!バーニングアップ!』

 

 

巨大化した3体のサイアークの前に、3体の巨大ロボが並び立つ。

 

 

「行くぞ!」

 

 

ゲキバイオレットの合図で、サイアークとの第2ラウンドが開始される。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

一方、イナと戦っていた理央達は苦戦を強いられていた。

 

 

「リンギ!獅子連斬!」

 

 

黒獅子王へと変わった理央が放った幾つもの斬撃は、イナの素早い回避によって全て避けられてしまう。

 

 

黒獅子王へ変わったにも拘らず、理央達は手を焼いていた。

 

 

理央は攻撃が当たらない事に、苛立ちを見せていた。

 

 

しかし、メレは攻撃が当たっていないにも関わらず、逆に冷静だった。

 

 

「いい加減にしろ!リンギ!獅子断斬!」

 

 

理央は黒刀に力を籠め、正面に強力な斬撃を放った。

 

 

「無駄よ」

 

 

イナがそう言うと、その攻撃も簡単に避けられてしまう。

 

 

理央が放った一撃は、川にぶつかって大量の水飛沫が辺りに雨の様に降り注ぐ。

 

 

川が近くにあったせいか、理央達の周りには攻撃の余波によって幾つもの水溜りが出来ていた。

 

 

「この程度では、私を倒すことは出来ないわよ」

 

 

自分が有利であるが為に、イナは理央とメレを挑発する。

 

 

「ふん、今に見ていろ!」

 

 

強がりを見せる理央にイナは笑みを浮かべたが、メレが冷静な事に疑問に思った。

 

 

しかしイナは、考えても仕方ないと切り替え直ぐに移動する。

 

 

理央はイナの高速移動に翻弄されていた。

 

 

しかし。

 

 

バシャッ!

 

 

理央の右後方で水溜りの水が弾けた。

 

 

「理央様!4時の方向です!」

 

 

「!」

 

 

急なメレの指示に驚く理央だったが、直ぐに4時の方向に向け斬撃を放つ。

 

 

「きゃあ!」

 

 

すると、先程まで当たらなかった攻撃が、イナに直撃する。

 

 

「なっ...」

 

 

「当たった!」

 

 

攻撃が当たった事にイナは勿論、攻撃を当てた理央自身も驚いていた。

 

 

「くっ...」

 

 

驚きつつも、イナはもう一度高速移動を開始した。

 

 

バシャッ!

 

 

今度はメレの後ろで、水が弾けた。

 

 

「はぁ!」

 

 

メレは自分の後ろに向かって、蹴りを放った。

 

 

「ぐぅっ!」

 

 

2度も攻撃が当たると思っていなかったイナは、メレの蹴りが真面にお腹に入る。

 

 

後ろに飛んで威力を半減したイナだったが、何故居場所がバレたのか分からず混乱する。

 

 

「そう言う事か」

 

 

今のやり取りを見て、理央もイナの居場所を特定した仕組みを理解する。

 

 

未だに仕組みを理解していないイナは、取り敢えず動いていないと追撃が来ると判断してまた高速で移動する。

 

 

バシャッ!

 

 

すると今度は、理央の後ろで水が弾ける。

 

 

「リンギ!剛勇吼波」

 

 

理央のリンライオンが臨気として打ち出され、イナを攻撃する。

 

 

「ぐっ」

 

 

リンライオンが突進するのを、イナは正面から受け止める。

 

 

ガオォォォォォォォォ!!

 

 

リンライオンが咆哮を上げると、爪を下から振り上げイナを上空へと打ち上げる。

 

 

「きゃあああああ!!」

 

 

バッシャーン!!

 

 

打ち上げられたイナは、そのまま川に落下する。

 

 

「くう...」

 

 

手を付いて立ち上がるイナだったが、その時。

 

 

「ッ!?」

 

 

足元の川の水と、あちこちにある水溜りで理解した。

 

 

どうやって、自分の位置を正確に把握していたのか。

 

 

それと同時に、理央達もイナが仕掛けを理解した事に気づく。

 

 

メレは周りに出来た水溜りを使って、イナの居場所を特定したのだ。

 

 

たとえ姿が見えなくても、イナが通った時に水を踏んだ音である程度の居場所は分かる。

 

 

後は集中する事で、正確な位置を特定していたのだ。

 

 

その事に気づいたイナは、メレに興味を抱いた。

 

 

今までこのようなやり方で、自身の位置を探すなんて事をしてくる者がいなかったからだ。

 

 

イナは面白がり、少し本気を出すことにした。

 

 

「気を引き締めろ、メレ」

 

 

「はい、理央様」

 

 

イナが先程までと、少し様子が違う事に気づいた理央達は再び気合を入れる。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

理央達がイナと戦っている間も、ゲキトージャウルフ達と巨大サイアークの戦いは続いていた。

 

 

「さぁ、今回はいつもと違って巨大化したサイアークは3体!」

 

 

「それに対し、ゲキレンジャー達はゲキトージャウルフ、サイダイオー、キュアトージャで立ち向かいます!」

 

 

いつもの様に、美代とバエが生放送で中継していた。

 

 

「サイアーク!」

 

 

一体のサイアークが、ゲキトージャウルフへ強烈なパンチを繰り出した。

 

 

「おおっと!ゲキトージャウルフに向かって、サイアークの先制攻撃だ!」

 

 

しかし、ゲキバイオレットは慌てる事無く、バックステップする事で難なく避ける。

 

 

「はぁ!」

 

 

お返しとばかりに、ゲキバイオレットお得意の回し蹴りが繰り出される。

 

 

「決まったー!!ゲキトージャウルフの回し蹴りがサイアークに直撃しました!」

 

 

「サイアーク!」

 

 

ゲキトージャウルフが戦っていたのとは別のサイアークが、頭部のハートからゲキトージャウルフに向かってビームを放つ。

 

 

「なんと!別のサイアークがゲキトージャウルフにビーム攻撃だ!ゲキトージャウルフ危ない!」

 

 

しかし、ビームがゲキトージャウルフに直撃する前に、サイダイオーが間に入ってシールドで防ぐ。

 

 

「やらせるわけねぇだろ!」

 

 

サイアークの一撃を防いだサイダイオーは、ゲキトージャウルフと背中合わせで戦い始める。

 

 

「そっちは任せたぜ」

 

 

「お前こそ、ヘマするんじゃねぇぞ」

 

 

お互い背中を任せつつ、前方の敵のみに集中する。

 

 

また、バイオレット達は3体の内2体を引きつける事で、まだ一対多の戦いになれていないキュアトージャに向かわせない様にしていた。

 

 

「はぁ!」

 

 

サイダイオーは、上段から剣を振り下ろす。

 

 

「せいっ!」

 

 

それと同時に、ゲキトージャウルフも回し蹴りを繰り出す。

 

 

『サイアーク!』

 

 

攻撃が直撃したサイアークは、2体共後ろに吹き飛んだ。

 

 

ゲキトージャウルフとサイダイオーは元の位置に戻り、また背中合わせになる。

 

 

「これは!背中をもう1人に任せ、自分は前だけに集中して戦うとは...信頼し合っていないと出来ない芸当ですね!」

 

 

バエがバイオレット達の戦い方を称賛する中、キュアトージャも1体のサイアークと戦っていた。

 

 

「サイアーク!」

 

 

サイアークの強烈な一撃が、キュアトージャに繰り出された。

 

 

『きゃあああ!!』

 

 

まだキュアトージャの戦い方に慣れていないプリキュア達は、まともに攻撃を受けて転倒してしまう。

 

 

「なんと!キュアトージャが倒れてしまいました!派手に転倒しましたが起き上がる事は出来るのでしょうか!?」

 

 

美代が実況する中、ラブリーがプリンセス達の安否を確認する。

 

 

「みんな!大丈夫!?」

 

 

ラブリーの問い掛けに、プリンセスは傷ついた体を抑えつつも答える。

 

 

「何とか...」

 

 

「でも...戦い慣れてないせいか、動きづらいわね」

 

 

「そうね、今まで普通に見てただけだったけど...実際に動かすとこうも難しいとは思わなかったわ」

 

 

ハニーとフォーチュンも普段とは違う戦い方に、まだ慣れていない様子だった。

 

 

「それでも絶対に倒さないと...サイアークにされた、いっしー達を助ける為にも!」

 

 

ラブリーの言葉で、プリンセス達は気合を入れ直す。

 

 

「そうだね!」

 

 

「誠司君が動けない以上、私達がやらないと!」

 

 

ラブリー達はキュアトージャを立ち上がらせると、拳を構える。

 

 

「行くよ!」

 

 

ラブリーの掛け声を合図に、サイアークに向けて先程のお返しにと大振りのパンチを繰り出す。

 

 

しかし、そのパンチは今までと違ってプリキュアの力も込められていた。

 

 

「サイッ!?」

 

 

ラブリーのピンク、プリンセスの青、ハニーの黄色、フォーチュンの紫。

 

 

4色のプリキュアのエネルギーを纏った一撃を受け、サイアークは怯んだ。

 

 

『はぁっ!』

 

 

ラブリー達は隙を与える事無く、畳み掛ける様に回し蹴りを放った。

 

 

「一気に行くよ!」

 

 

今度はキュアトージャの足が、4色に輝いた。

 

 

「プリキュア!浄化連脚(じょうかれんきゃく)!」

 

 

怒涛な連続の蹴りが、サイアークに繰り出された。

 

 

「愛よ!」

 

 

「勇気よ!」

 

 

「命よ!」

 

 

「星よ!」

 

 

『天に還れ!』

 

 

「ごくら~く...」

 

 

キュアトージャが拳を天に向け突き上げると、サイアークはそのまま浄化されていった。

 

 

「決まった―!サイアークが浄化されました!後はゲキトージャウルフとサイダイオーが相手している2体のみです!」

 

 

キュアトージャがサイアークを倒したのを、バイオレット達も確認した。

 

 

「あっちは終わったみたいだな」

 

 

「だったらこっちも、そろそろ片づけるか」

 

 

バイオレットがそう宣言すると、ゲキトージャウルフはウルフカッターを一度取り外し、ゲキウルフの口に装着させる。

 

 

「ゲキワザ!大狼狼脚!」

 

 

紫激気を右足に集中させ、回し蹴りの要領で飛ばし何度もサイアークを切り裂く。

 

 

「こっちも行くぜ!大大砕大斬り!」

 

 

激気研鑽によって伸ばされた砕大剣で、大の字を描くように連続でサイアークを斬る。

 

 

『サイアーク...』

 

 

2体のサイアークは、必殺技を受けて浄化される。

 

 

『獣拳は、正義の拳!正しき者は、必ず勝つ!』

 

 

「ゲキトージャウルフ!」

 

 

「サイダイオー!」

 

 

『キュアトージャ!』

 

 

『WIN!!』

 

 

『やったー!WIN!』

 

 

サイアークとの巨大戦を勝利した喜びで、美代とバエはグーサインを送る。

 

 

サイアークが完全に浄化された事によって、ナマケルダも撤退する。

 

 

「恋があるからとても辛いんですよ...いずれ貴方達も辛い目に会いますぞ」

 

 

去り際に、ナマケルダは誠司達にそう言い残していった。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

未だにイナと戦闘を続けていた理央達だったが、イナはナマケルダの気配が消えた事に気づき構えを解いた。

 

 

「なんのつもりだ」

 

 

いきなり構えを解いたイナに、理央は警戒する。

 

 

「どうやらあっちは終わったみたいだから、私も帰らせて貰うわよ」

 

 

イナはそう言うと、真顔でメレに視線を向ける。

 

 

「メレ...貴方の名前は覚えたわ」

 

 

そう言い残すと、イナは一瞬で姿を消した。

 

 

「待ちなさい!」

 

 

メレは集中し、居場所を突き止めようとするが理央が止めに入った。

 

 

「待て、メレ」

 

 

先程の戦いで、神経を使いすぎた為に2人共疲弊していた。

 

 

こんな疲弊した状態で、これ以上戦闘を続けてもまともに戦えないと判断し、理央はメレを止めたのだ。

 

 

「次に奴と戦う時は、今回のように上手くいかないかもな」

 

 

向こうも只やられたままではいかないだろうと、理央は考える。

 

 

「そうですね」

 

 

一瞬とは言え、イナの攻略方法を見つけたメレは目をつけられてしまった。

 

 

メレは理央に並び立つ為に、そしてイナを倒す為にも、今以上に強くなる事をメレは胸に誓った。

 

 

☆★☆★☆★

 

 

誠司達は鏡から解放されたりん達も交え、外でバーベキューをしていた。

 

 

「よーし!肉も野菜も焼き上がったぞ!」

 

 

串に肉や野菜を刺し、調理していたゴウが声を上げて皆に伝える。

 

 

「やったー!!」

 

 

「まってました!」

 

 

めぐみ達は用意した自分達のお皿に、串を載せていく。

 

 

「ん~!おいしい!」

 

 

ひめは串に刺さった肉を頬張り、ご満悦だった。

 

 

そこに、りぼんがりん達に気づかれない様にひめに近づいた。

 

 

ひめ、お皿にお肉しか乗ってませんわ。野菜も食べてくださいまし

 

 

え~、いいじゃん別に~

 

 

「よくありませんわ!野菜も食べないと栄養が偏りますわよ!」

 

 

りん達にばれないように小声でやり取りするひめ達を見て、ケンは2人が親子の様に見えた。

 

 

「なんだかあの2人、親子みたいだな」

 

 

「ああ、そうだな」

 

 

ケンの言葉に、ゴウが頷く。

 

 

みんなが楽しくバーベキューをする中、ブルーだけが暗い表情をしていた。

 

 

「どうかしたの?ブルー」

 

 

「何かあったのか」

 

 

その事に気づいためぐみと誠司が、ブルーに問いかける。

 

 

誠司達が話しかけた事で、他のメンバーもブルーの様子が可笑しい事に気づいた。

 

 

「いや、なんでもない。大丈夫だよ」

 

 

心配かけまいと、ブルーは問題ないと答える。

 

 

「そう...、なんかあったら相談してね」

 

 

「そうだぜ、皆ブルーの力になるからな」

 

 

誠司がそう言うと、ラン達は力強く頷く。

 

 

「ありがとう」

 

 

誠司達の気持ちが嬉しくなり、ブルーは微笑みながら感謝する。

 

 

(本当にありがとう...近い内に話そう...あの事を)

 

 

いつか全て話す事を誓い、ブルーはその後もバーベキューを楽しんだ。




はい!如何だったでしょうか!


前書きにも書きましたが、前回の投稿より2ヶ月以上掛かってしまい申し訳ございませんでした。


今までは大体1ヶ月で投稿していましたが、今回の様に2ヶ月以上掛かってしまうかもしれません。


楽しみにして頂いている読者の方には申し訳ございませんが、ご了承ください。


また、今回の話のアイデア提供して頂いた読者の方、本当にありがとうございました。


次回、原作では誠司とひめが迷子になる話ですが、今作ではゆうこと迷子にさせようと考えております。


そろそろ、ゆうこにもヒロイン回を作ろうと思って変更致します。


それでは次回の第30話、もしくはアクセル・ビルド第4話でお会いしましょう!


それじゃあ、またな!

ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています

  • ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
  • 今のままで、充分
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