ハピネスチャージプリキュア 激獣拳使いの幼馴染み 作:ナツ・ドラグニル
続きをお待ちになっていた読者の皆様、お待たせいたしました。
今回は早く投稿する事が出来たので、嬉しく思っております。
それでは、作品をどうぞ。
ゲキレッド達がいなくなった後、プリキュア達はサイアークとの戦いを続いていた。
「誠司君を傷つけた事...絶対に許さないんだから!」
ハニーは、ハニートンファーを召喚し駆け出した。
いつもはサポートに徹するハニーだったが、前に出て戦う程に誠司を傷つけられた事が相当頭に来てるようだ。
「サイアーク!」
サイアークのリーゼントを利用した頭突きが、ハニー迫る。
「ふっ!」
ハニーは、サイアークの頭突きをハニートンファーで受け止めた。
本来ならそのまま吹き飛ばされるが、ハニーはハニートンファーに激気を籠める事によって威力を上げていた。
「ふっ!はぁっ!」
ハニーはその場で素早く一回転して、ハニートンファーをサイアークのリーゼントに叩き込んだ。
激気と遠心力によって、威力が上がった一撃を受けたサイアークのリーゼントが粉砕する。
自慢のリーゼントが砕けてしまった事に、サイアークはショックで唸る。
「まだよ!」
着地したハニーは、飛び上がりハニートンファーをサイアークの顎に止めを叩き込んだ。
リーゼントを壊されたショックで唸っていたサイアークは、真面に一撃を喰らい後ろに倒れる。
「う、うそぉ!」
「すっごーい」
何時もと違うハニーの様子に、ラブリー達だけでなくホッシーワまでもあんぐりとする。
「サイアーク...」
重い一撃を受けたサイアークだったが、何とか立ち上がる。
「サイアーク!!」
このままだと不利だと思ったサイアークは、巨大化する事で形勢を逆転しようと考える。
そして、巨大化した事によってリーゼントも復活する。
「皆!行くわよ!」
『は...はい!』
威圧感のあるハニーの声に、ラブリー達は直立して答える。
『プリキュア!獣拳合体』
ラブリー達が召喚したキュアビーストが1つとなり、キュアトージャに合体する。
『キュアトージャ!バーニングアップ!』
キュアトージャと、巨大リーゼントサイアークが対峙する。
「さぁ、巨大サイアークとキュアトージャの戦いが始まりました!今回の巨大戦、どう思いますか?解説の美代さん」
「そうですね、最近成長してきたプリキュア達の活躍に注目ですね」
何時もの恒例、いつの間にか現れたバエと美代による巨大戦解説が始まった。
『はぁ!』
「サイアーク!」
キュアトージャの正拳突きと、巨大リーゼントサイアークのリーゼントによる頭突きが激突する。
「おおっと、これは両者互角の戦いだ!」
『はぁ!』
キュアトージャは拳を脇に構え正拳突きの構えを取りながら、巨大リーゼントサイアークに跳躍する。
もう一度受けて立とうと、巨大リーゼントサイアークはリーゼントを構える。
――しかし、ラブリー達もそこまで馬鹿じゃなかった。
『はぁっ!』
もう一度正拳突きを放つと思っていたキュアトージャは、強烈な回し蹴りを繰り出した。
「サイアッ!!」
巨大リーゼントサイアークは、いきなり攻撃動作が変わった事によって対応が遅れモロに喰らう。
「私は...誠司君を傷つけた貴方達を...絶対に許さないんだから!!」
「何よあいつ、怖っ」
ハニーの叫び声を聞いたホッシーワは、キュアトージャから離れているにも関わらず、ハニーの怒っている様子に驚いている。
「おおっと!どうやらハニーはゲキレッドが傷付けられた事に、相当頭が来てるようですね。恋する乙女は怒らせると怖いですねぇ~」
「それは言わないでよ!!もうっ!!」
バエの入れた茶々に反応し、ハニーは恥ずかしがりながらも巨大リーゼントサイアークに一撃を入れる。
ラブリー達のそれぞれの4色の色、ピンク、青、黄色、紫の激気の輝きがキュアトージャの腕を包む。
『プリキュア!浄化連拳!』
巨大リーゼントサイアークに、連続パンチが繰り出される。
「愛よ!」
「勇気よ!」
「命よ!」
「星よ!」
『天に還れ!!』
「ご、ごくら~く...」
キュアトージャが右手を上に掲げるのと同時に、巨大リーゼントサイアークは浄化する。
☆★☆★☆★
プリキュアと巨大サイアークの戦いに決着がついた頃、ゲキレッド達はゼカ相手に苦戦していた。
『スーパーゲキバズーカ!!』
「厳厳拳 轟!!」
「サイブレードフィンガー!」
ゲキレッド達は、それぞれ技を構える。
「俺達も行くぞ、メレ」
「はい!理央様!」
理央とメレは手を繋ぎ、臨気を高める。
『激気合一!!』
『臨気合一!!獅臨愛砲!!』
ゲキレッド達の合体技が、ゼカに放たれる。
ゼカは迫る合体技に焦ることなく、人差し指を前に突き出す。
人差し指に球状に圧縮されたエネルギーを作りだし、ゲキレッド達に放った。
ゼカが放ったエネルギーと、ゲキレッド達の合体技がぶつかる。
しかし、ゲキレッド達の合体技は簡単に消されてしまった。
「何っ!?」
合体技を打ち破ったゼカの技は、ゲキレッド達の近くまで来ると巨大な竜巻に変化した。
『ぐわぁぁぁぁぁ』
空高く巻き上げられ、竜巻の中で猛烈な旋風に襲われゲキレッド達はダメージを受ける。
竜巻が止むと、巻き上げられたゲキレッド達は変身が強制解除し、地面に落下した。
全身傷だらけになった誠司達は、うつ伏せの状態で倒れた。
――これなら、シャーフー達の方が強かったな
ゼカは内心で、以前戦ったことのあるマスター・シャーフー達の方が強かったと考える。
「誠司―!皆―!」
遠くから、ラブリー達の呼ぶ声が聞こえる。
「誠司!?大丈夫!?」
ラブリー達は誠司達の近くに降り立つと、今の惨状を見て急いで誠司達の元に駈け寄る。
「あのお菓子女、もうちょっと時間稼げよ」
ゼカはそう愚痴りながら、誠司達を見る。
ゼカの視線に気づいたラブリー達は、ゼカ相手に構える。
「よせ!俺達でも手も足も出なかったんだ!お前達じゃ敵わない相手だ!早く逃げろ!」
ボロボロになりながらも、誠司はラブリー達に向かって逃げる様に促す。
「逃げろって...そんなの出来るわけないでしょ!」
「そうだよ、逃げる時は皆一緒に逃げないと!」
誠司の言葉に、ラブリーとプリンセスが反論しゼカを見る。
「邪魔するな...お前達のような猿には用は無い消えろ」
ゼカはプリキュア達に嫌悪感を出しながら、軽い殺気をぶつける。
『っ!!』
初めての殺気を受けたラブリー達は、背中に氷を入れられたようなゾッとした感覚が襲う。
ゼカの殺気に当てられ、ラブリー達は動けなくなる。
動けなくなったラブリーだったが、目だけを自分の足元に動かす。
「ラブリービーム!」
ラブリービームは、ラブリー達の足元を軽く爆発させた。
『きゃあっ!!』
軽く爆発したとはいえ、至近距離の爆風がラブリー達を襲う。
「ちょっとラブリー!一体何を...」
「こうでもしないと...真面に動けないから!」
文句を言うプリンセスだったが、ラブリーの言う通り今の攻撃で体の硬直が解けた事に気付く。
「確かに...私達じゃ敵わないかもしれない...。でも...ここで逃げたら、後で後悔する!」
「そうだね...私も怖気づいてる場合じゃない!!」
ラブリーの言葉で、3人は気合を入れ直す。
「プリンセス!一気にいくよ!」
「OK!」
「愛の光を、聖なる力に!ラブプリブレス!」
「勇気の光を、聖なる力に!ラブプリブレス!」
ラブリーとプリンセスが腕を交差させ、ブレスを回す。
『あなたにハッピー、お届けデリバリー!』
2人の必殺技、ピンキーラブシュートのハート型のエネルギー弾と、ブルーハッピーシュートの丸型のエネルギー弾が合体する。
『プリキュア!ツインミラクルパワーシュート!!』
合体したエネルギー弾を、ゼカに向けてキックで放つ。
「命の光を、聖なる力へ!ハニーバトン!」
両端が光るハニーバトンを、ハニーは新体操のように振り回す。
「プリキュア!スパークリングバトンアタック!!」
イエーイ!という掛け声の後、ハニーバトンを頭上に掲げる。
巨大な四葉のクローバー型のエネルギー弾を、宇宙空間から隕石の様にゼカの上から落とす。
「星の光を、聖なる力に!フォーチュンタンバリン!」
タンバリンを叩きながら、フォーチュンは舞い踊る。
「プリキュア!スターライトアセンション!!」
紫色の鎖と星を纏った金色の閃光波が、ゼカに向かって放たれた。
前方からはラブリー達のツインミラクルパワーシュートと、フォーチュンのスターライトアセンションが。
頭上からは、ハニーのスパークリングバトンアタックが迫る。
全員の必殺技が当たる直前、ゼカはぼそっと呟く。
「少し遊んでやるか...」
ドガァァァァァン!!!!
必殺技がゼカに命中し、辺りが砂煙に包まれる。
砂煙が晴れるまでの間、ラブリー達は気を引き締める。
相手は、誠司達を追い詰めた程の実力の持ち主だからだ。
砂煙が晴れたその場に、先程までいたゼカの姿は無かった。
「浄化できたのかな...」
プリンセスがそう呟いた後、誠司が叫んだ。
「プリンセス!!後ろだ!!」
誠司の叫び声で、プリンセスはいつの間にか後ろにゼカが立っている事に気づいた。
離れようと跳躍しようとしたプリンセスだったが、それより先ゼカの拳がプリンセスのお腹にめり込んだ。
「ぐぱぁっ!!!」
変な声を出しながら吹っ飛び、木にぶつかって強制解除しそのまま倒れた。
『プリンセス!!?』
ラブリー達が、プリンセスの安否を気にする中。
「他の心配をするより先に、自分達の心配をしろよ...猿」
ゼカの言葉を聞いたラブリー達は、プリンセスを心配しつつも構える。
先に動いたのは、ハニーリボンを手に持ったハニーだった。
「はぁっ!!」
ハニーリボンでゼカを拘束したハニーは、ラブリーとフォーチュンに顔を向ける。
「今よ!ラブリー!フォーチュン!」
ハニーの掛け声を合図に、2人はゼカに向かって駆け出す。
「ふんっ」
鼻で笑ったゼカはリボンに高速された状態で、その場で回転を始めた。
「なっ!きゃあっ!!」
ゼカは回転する事によって、ハニーリボンを握ったままのハニーを振り回す。
「きゃあああああっ!!」
強すぎる回転力のせいで、ハニーはハニーリボンを手放してしまう。
「しまっ!」
遠心力で飛ばされたハニーは、空中で何とか体勢を整えるが自分自身に影が差さっている事に気付いた。
ハニーが上に視線を向けると、既に拘束を解いたゼカが脚を上げた状態、かかと落としの体制に入っていた。
ハニーは瞬時に、両手を顔の前に交差させる。
それと同時に、ゼカが脚を勢い良く振り下ろした。
腕を交差する事で頭を守っていたのだが、ハニーは耐える事が出来なかった。
「きゃあああああっ!!!」
ドッガァァァァァン!!!
悲鳴を上げながら、墜落したハニーは地面にぶつかり強制解除される。
「はぁぁぁぁぁっ!!!」
フォーチュンはゼカが地面に降り立つのと同時に、ゼカに渾身の蹴りを放つ。
しかし、フォーチュンの蹴りは簡単に防がれてしまう。
「なっ!?くっ!!」
防がれた事に驚いたフォーチュンだったが、直ぐにゼカから離れようとするが既に遅かった。
ゼカは先に両手でフォーチュンの脚を握り、ハンマー投げの要領で勢い良く振り回す。
「きゃぁぁぁぁぁっ!!!」
ある程度回し終わると、ゼカはフォーチュンの脚から手を離した。
ズガガガッ!!
何本もの木々をなぎ倒しながら、吹き飛んでいくフォーチュン。
ドゴンッ!!
「ガハッ!!」
最後は岩に窪みが出来る程にぶつかったフォーチュンは、強制解除されたいおなはそのまま倒れた。
1人残されたラブリーは、震えが止まらなかった。
「お前だけでも逃げろ!ラブリー!」
「そうよラブリー!早く逃げて!!」
誠司とランが、ラブリーに再度逃げる様に促す。
しかし、恐怖に支配されているラブリーの耳に、2人の声は聞こえなかった。
「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」
ラブリーヌンチャクを手に持って、叫びながらゼカに無謀ながら突っ込む。
ラブリーヌンチャクの攻撃を喰らうが、ゼカにとって痛くも痒くも無かった。
「はぁ...」
ため息をついたゼカは、ラブリーの顔を鷲掴みにして持ち上げる。
脚が地面から離れ、じたばたと暴れゼカの手から逃れようとするが、びくともしない。
鬱陶しく思ったのか、ゼカはラブリーの頭を握る手に更に力を入れた。
ラブリーの頭蓋骨から、メキメキと音を出し始めた。
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!」
激痛の余り、ラブリーは悲鳴を上げる。
――うるせぇ猿だな...キーキーと叫んで...
ラブリーの悲鳴に嫌悪感を抱いたゼカは、直ぐに黙らせようと更に力を入れる。
黙らせようとしたゼカだが、ラブリーの悲鳴は止まらなかった。
「.........やめろ」
ラブリー達が倒されていくのを、誠司は黙って見てる事しか出来なかった。
「......やめろ」
目の前でラブリーまでもが倒されようとしてるのに、誠司は動けなかった。
「...やめろ」
「これで止めだ」
「やめろっ!!!」
目の前で傷ついていくラブリー達を見た誠司は、とうとう堪忍袋の緒が切れた。
「うぉぉぉぉぉぉっ!!!」
ダメージのせいで動けなかった誠司だが、無理やり体を起き上がらせた。
「砲砲弾!!!」
ガォォォォォォォォッ!!!
誠司から放たれた砲砲弾が、ゼカの腕を攻撃する。
そのお陰で、ゼカの手からラブリーが解放された。
誠司は憤怒した表情で、ゼカを睨みつける。
そんな中、ゼカは誠司に攻撃された腕を見る。
その腕は、今の攻撃で至る所に小さな傷が出来ていた。
その傷を見たゼカの顔に、影が差す。
次の瞬間、ゼカは誠司の目の前に一瞬で移動する。
突然の事で対応できなかった誠司だったが、ゼカが誠司の胸辺りに強烈な一撃を入れる。
肺の中の空気が一気に無くなった誠司は、前のめりに倒れる。
だが、倒れようとする誠司をゼカが髪を乱暴に掴み上げて止める。
「おい...まだ倒れるなよ糞猿が...」
ゼカは誠司の顔を覗き込みながらそう呟くと、倒れているラン達に顔を向けると狂気の笑みを浮かべる。
「お前ら...これから面白い物を見せてやるよ」
そう言うと、ゼカは誠司を掴みながら上空へと上昇する。
誠司は上昇する間も、ゼカに何度も殴りつけるが全く効いていなかった。
それ所か、余計に呼吸が出来ず力が入らなかった。
「確か...お前ら人間の遊びの中に、スカイダイビングってのがあるよな...」
その言葉で察せない程、誠司は馬鹿では無かった。
今から何をするか察した誠司に、ゼカは笑みを浮かべる。
「じゃあな...猿」
ゼカが手を離した瞬間、誠司は重力に従って地上へと落下を始める。
落下する誠司は、砲砲弾を地面に放つ事で激突を避けようと体勢を整える。
――しかし。
「させるかよ」
ゼカが落下中の誠司に接近し、誠司の背中に膝蹴りを叩き込んだ。
「ぐはっ...」
ゼカの攻撃を受けた誠司は、そのまま意識を手放した。
――人がトマトみたいに潰れたら、どうなるんだろうな。
気絶し落ちていく誠司を見ながら、ゼカはそう考える。
落ちていく誠司を見てたラン達は誠司を助けようと立ち上がろうとするが、蓄積したダメージが大きすぎて動く事すら出来なかった。
『誠司!!!』
あと少しで誠司が地面に激突する、そう思ったラン達は叫ぶ。
「ん?」
『え?』
しかし、誠司が地面に激突すると思っていた全員の目に有り得ない光景が飛び込んだ。
誠司が青い光を発して、激突する一歩手前で止まっていた。
「なんだあれは...」
「どうなってるの?」
謎の現象に戸惑っていたラン達だったが、突如誠司の横に鏡が現れる。
「あの鏡...まさかブルー!?」
ランの予想通り、鏡の中からブルーが現れた。
「何故ブルーがここに?」
「僅かながら邪悪な気配を感じてね、それで見つける事が出来たんだ。間に合って良かったよ」
「そう...ありがとうブルー」
リンが感謝の言葉を告げるが、危機はまだ去っていなかった。
なぜならブルーが誠司を助けた事で、ゼカが怒りを露にしていたからだ。
「よくも邪魔してくれたな!今度はお前ら全員細切れにしてやる!」
ゼカは手を前に突き出すと、巨大な球体のエネルギー弾を作り出していた。
ブルーは慌てる事無く目の前に3枚の鏡を出現させて、遠くで倒れていたひめ達を回収する。
そして誠司をひめ達の近くに寝かせると、誠司達の前に出る。
――僕には彼らのような戦う力は無い、でも...彼らの盾になる事は出来る...
胸の内でそう考えていたブルーは、ゼカの攻撃から誠司達を守ろうとする。
「あいつまさか...やめろ!ブルー!」
ブルーの意図に気づいたゴウは、慌てて止めようとする。
しかし、未だに体を動かす事が出来なかった。
「死ね!」
ゼカが攻撃を放とうとした、その時。
「そこまでよ」
ブルーとゼカの間に、突如見た事のない女性型の怪人体が現れた。
その姿は全体的に水色で、体中に濃い青のラインが入っており、両肩に灰色の麒麟の彫刻がある。
下半身に、麒麟の皮が鎧として使われていた。
ラン達は、更に敵が増えた事に絶望する。
しかし、仲間であるはずゼカが首を傾げる。
「何しに来た」
ゼカの質問に、突如現れた女性型の怪人は答えた。
「ゼカ..貴方の命令はゲキレンジャー達を痛め付ける事よ、此処までする必要は無いわ」
怪人は冷淡な口調で、ゼカに告げる。
「俺達の脅威になり得る苗は、根元から断ち切るべきだ」
「それは貴方の勝手な判断よ、あの御方の判断じゃない...命令に背くのなら...」
女性型の怪人はゼカに殺気を向ける、するとゼカは先程までの姿勢を崩した。
「!!すまない俺が悪かった!今すぐ撤退する!」
ゼカは作り出した球体を消し、早口でまくし立てるとその場から姿を消した。
女性型の怪人は一度ラン達に視線を向けると、その場から離れようとする。
「どういうつもりだ!」
ラン達の中でも、いち早く回復した理央が女性型の怪人を問い詰める。
女性型の怪人は一瞬だけ誠司の方に視線を向けるが、何も言わずにゼカ同様にその場から消えた。
九死に一生を得るラン達だったが、ラン達は動けなくなり、誠司とプリキュア達は意識不明の重症。
状況は最悪だった。
☆★☆★☆★
普段使われていない、ブルースカイ王国の一室。
そこに、先程の怪人とゼカの姿があった。
その2人の前にツトコウの姿があり、ゼカは片膝をついた状態で頭を下げていた。
「俺はお前にゲキレンジャーを相手するようには言ったが、倒せとは言ってないぞ。なぜ命令に背いた」
「も...申し訳ございません...」
ツトコウから殺気を飛ばされながら問い質され、ゼカは謝るしか出来なかった。
「2人共戻っていたか」
すると、ドンが現れた事に気付いたツトコウは、ゼカ同様片膝をつく。
しかし、女性型の怪人だけは、膝をつくことなく黙ってドンを見ていた。
ドンはゼカに近づき、肩に手を置いた。
ゼカは身体中に溢れる、冷や汗を止められなかった。
消される――そう、ゼカは考えた。
しかし、ゼカの予想は良い意味で外れていた。
「ゼカ...お前の考えは分かった、けど..そんな事は不要だ」
「申し訳ございません」
優しい口調で語りかけるドンに、ゼカは素直に謝罪した。
「龍の顔も三度までだからな」
そう言ったドンは、ゼカの肩から手を放し歩き出した。
3人もドンの後に続き、歩き出した。
ある程度歩いた所で、ドンの前の空間が歪む。
ドンは気にする事なく、そのまま進み歪みの中に入っていく。
ツトコウ達も、特に気にすることなく後に続いた。
歪みの先には、ブルースカイ王国の物とは別の王の間が存在していた。
数段階段があり、その天辺の場所に2つの玉座が存在する。
ドンは片方の玉座に座り、もう一つには女性型の怪人が座る。
ツトコウはドンの横に立ち、ゼカは階段の手前に跪く。
パチンッ
ツトコウが指をならすと、ウンライ、ラブマナン、ゲンヤハ、ロノイ、ダンダが現れゼカの横に並び跪く。
更に、彼らの後ろにフードを被り姿が見えない何かが複数いた。
ツトコウの後ろにも、カーの姿があった。
「我が盟友達よ...いよいよ我らの悲願の幕開けだ。盟友達の力があれば必ず達成できると俺は信じている」
『我らも貴方様のお力があれば、不可能な事はございません!!!我らは偉大なる貴方様の為なら、喜んでこの命を貴方様に捧げましょう!!!』
ドンの言葉に、女性型の怪人以外が声を揃えて答える。
「盟友達、お前達は一体何を望んでいる?」
『愚かな猿達の世界を燃やし尽くし、平和ボケしている猿共の顔を恐怖で歪ませる事!!!』
ドンは笑いながら立ち上がり、両手を前に広げる。
「流石我が盟友達、我らこそゲキレンジャーやあの女共と違い真の絆を感じる。さぁ我が盟友達に命ずる、この世界に地獄を作ろう」
そう宣言するドンの後ろのステンドガラスには、赤き玉と青き玉が描かれていた。
☆★☆★☆★
「クイーンミラージュ様、お呼びですか?」
ブルースカイ王国の玉座では、クイーンミラージュがファントムを呼びだしていた。
「あなたにお願いがあるの、ファントム」
「お願いですか?」
クイーンミラージュからの命令と言う事もあり、ファントムは姿勢を正す。
「あなたには、ドンを監視して欲しいの」
「ドンを監視...ですか?」
「彼は私達に害を加える事はしないって言ってたけど、はっきり言って彼は信用できないわ」
クイーンミラージュの言葉に、ファントムも異論は無かった。
「畏まりました、クイーンミラージュ様の仰せのままに」
☆★☆★☆★
意識を取り戻した誠司達を連れ、ブルーは大使館に戻っていた。
「いたたたっ」
「我慢してくださいまし、ひめ」
怪我をした誠司達を、リボンとグラさんそしてブルーが治療する。
しかし、その場の空気は最悪だった。
「あの野郎...完全に遊んでいやがった...」
「俺達相手に、本気出すまでもないって事か...」
今までの努力に意味が無かったかのように、ゼカに相手にされてなかった事に全員が悔しがっていた。
「俺達では..あいつには勝てない...」
誠司の言葉に、全員の気分が落ちる。
パシンッ!!
皆が気が沈む中、めぐみが急に自分の頬を両手で叩いた。
「悩んだってどうしよう無い!!向こうが私達より強いなら、私達がもーっと強くなれば大丈夫だよ!!」
立ち上がり、そう宣言するめぐみ。
「めぐみの言う通りだ。俺達の今までの戦いだって、同じだったじぇねぇか。マクの時も、ロンの時も」
誠司も立ち上がり、めぐみに続いて喝を入れる。
『そうね』
『そうだな』
誠司の喝で、全員に気合が入る。
「良し!そうと決まれば早速修行だ!」
『おう!』
誠司達は部屋から出ていき、修行に向かった。
――僕も彼らくらいのガッツがあれば、ミラージュと向き合えるのかな...。
先程の光景を見たブルーは、内心でそう考えた。
はい!如何だったでしょうか?
前回の続きになりますが、案の定長くなりました。
原作1話分の話で、2話分の文字数になるとは思ってもみませんでした。
道理で時間かかってるなと思いましたが。
さて、次回の話ですが原作ではひめが誠司の恋でモヤモヤする話ですが、それを少しアレンジしケンの恋の話にしようと思っています。
ネタばれになってしまいますので、余り言えませんが。
次回、ケンが強化する事だけ言っておきます。
そして最後に、これはハピネスチャージもアクセル・ビルドも関係ないのですが、実はこの2つの他に別の作品も書いている途中です。
大分前に言ったプリンセスプリキュアの物とも別の物ですが、この話を書いている途中に1話書ききったのですが、今後投稿するかはまだ決めてません。
なぜなら、まだクロスオーバーにするか、クロスするアニメに似たオリキャラにするかしっかりと決まっている訳ではないので。
もし気になる人がいれば、メッセージ送って頂ければ返信致します。
それでは次回、第32話もしくは、アクセル・ビルド第6話でお会いしましょう。
アデュー!!
ゲキレンジャーの原作の話をハピネスチャージの1話より前に、加えようと思っています
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ゲキレンジャー側での誠司の活躍が見たい!
-
今のままで、充分